2007年8月3日金曜日

セカンドライフの企業サイト、そして——

引き続きセカンドライフの話題です。

今日はケチなアルバイトはしないで、徹底的にいろんなところを見て回ることにしました。とりあえず話題になった大手企業のSIMを訪れて、企業がここで何をしようとしているか、おもしろくてやってる個人とどう違うのかを見て、考えておこうと思ってのことです。

で、まずは有名なSONY/BMGの島に行って来ました。よく紹介されいるSIMですが、これがあんまり面白くなかったですね。アーティストの紹介がメインで、それも殆どは外部の、つまりネット上のサイトに飛ぶようになっているもので、結局はただのリンク集みたいな感じ。ムービーやサンプル曲もうまく流れてこないし。そのくせCDは買わないと(99ドルだったかな)聴けないので、うーん、お金出さないと楽しめない場所なのか、と思ってしまいました。

そういう意味では面白かったのはNISSANのSIMですかね。有名になった自動販売機でNissan Sentraを売ってる所です。セントラというのはアメリカ仕様の車で、サニーの流れを汲む、日本では今のブルーバード・シルフィーに当るモデルなんだそうです。ここではこのセントラに一切の生活用品を持ち込んで7日間この車で暮らす、というプロモーションビデオがあって結構おもしろいですよ。ここにいらした方は是非面倒臭がらずにごらんになってみて下さい。

で、自動販売機。自動販売機と言っても、これがタダで手に入るのですね。ただ、タダと言っても、ちょっとしたコツがありますので、ここに書いておきます。自動販売機の脇に説明書きがあって、

Come clean and get the code. (It's nearby.)

とあります。どうも自動販売機の左側にある数字キーでパスワードを入力、続けて右側のキーで商品を選ぶと出てくるらしい。しかしそのパスワードはどうやって知ることができるのか——。"Come clean?"——きれいになって戻ってきて下さい、ということでしょう? この説明書きは先程のプロモーション・ビデオと連動していて、7日間車で過ごした人の絵が出ていました。プロモーション・ビデオで彼は、とにかく匂いには気を付けないとと——特に彼女と一緒にドライブに出掛ける時はね——、駐車場のトイレなどでシャワーを浴びたり身体を洗ったりしていたのだ——と、見回すと駐車場の脇にトイレがあるのですね。で、そこへ行くと、はい、ありましたありました。トイレの落書きがパスワードだったのです! で、そこに書いてあったパスワードを入力、自分の好きな色のキーを押すと、ドカン!と車が落ちてきました。この後は勿論、この車に乗ってドライブしましたよ。(笑 この自動販売機の他には何もない割には結構楽しめましたね、ここは。みんなここで手に入れたセントラを持ち帰ってあちこちで乗り回すんですから、これは結構いいプロモーションになってるんではないでしょうか。

しかし、それにしてもこうした企業のSIMは淋しいですね。日産の所には私を含めて2、3人しかいませんでしたし、ソニーは私一人でしたから。やたらと混んでる個人のSIMとかに較べると、本当に淋しい。

というわけで、今日は企業訪問はこの辺にして「Ueno」にテレポート。ここはなかなか面白かったですね。上野動物園もあったし。で、どこでは動物もののアバターを売ってたりする。自分が動物になれるわけだ! あと、観光案内もあって、日本関係のSIMに飛べる、ネットで言うリンク集みたいなところもあって便利だし。でも、最高に笑ったのは「UNI CIRO」というカジュアル・ウェアの店。ユニクロそっくりのロゴで「ユニシロ」かぁ! 中に入るとユニクロよろしく男女兼用の無難な色とデザインのトレーナーとかあって、これが5ドルと安い! 思わず買おうかと思ったけど、現実世界でユニクロ着てて、セレブな仮想世界でユニシロ着るのもなぁ、とやめました。(笑

それから有名な「Sugamo」のハローワークにも行ってきました。なるほどー、って感じでしたね。セカンドライフの中でどんな仕事が一番求められてるかということなんですけど、クリエイター系としてはやっぱりものを造る仕事、建物とかそういうのをデザインする仕事ですね。そりゃそうですよね。SIMを魅力的に見せるのは結局はそこにある建物とか景観ですけれど、これが一番創るのが大変で、技術が要りますもの。それから、女性は受付とかメイドとか、やっぱり容姿が重視されるものかな。残念ながら音楽関係はなく——現実世界のハローワークでもミュージシャンはないか!——自分にできるものとしては通訳というのがあったけど、これは既に契約済。残念。

あと、前から気になっていた「新潟沖中越地震支援」のSIM、実はこれ新潟県のSIMだったんですが、ここにも行ってきました。写真による状況報告のボードなどがあり、現実世界での義援金の振込先などが書かれてあったりしました。が、やっぱり一番インパクトがあったのはリンデン・ドルの募金箱。この募金箱に自分の持っているリンデン・ドルを入れると、それが募金に反映されて、10万リンデン・ドル(日本円で約4万4千円)単位で日本円にして、実際に寄附されるのだそうです。私が見た時は19万リンデン・ドルになってましたから、この世界でもかなりの人が募金したのではないでしょうか。というわけで、私も10ドルだけ募金してきました。

日本ではセカンドライフというとやたらとお金儲けの話題が出てきますけれども、本来ここは自由に現実ではできないことを創っていく場ですね。で、現実でなかなか実現できないことと言えばその自由とか、愛とか、平和とかあるわけですけれども、そういうことを実現させていくことの方が重要であると感じます。とすれば、この新潟沖中越地震の支援SIMのようなものこそ、人の心が、気持ちが、たとえ微々たるものであっても現実を動かしていくものとして意味のあるものと感じるのです。

今日はいろいろなところを見ながら、ここで何をするのが、セカンドライフをもより楽しい場所にし、そして現実にも影響を与えていくことになるのか、考えさせられた一日でした。

それでは、今日はこの辺で。




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