2008年1月12日土曜日

セカンドライフの経済学

セカンドライフがその他のヴァーチャル・ゲームと一線を画している要因の一つに、通貨のことがあると思います。ゲームの中でお金を使ったり稼いだりすること自体は全然新しいものではありませんが、ゲーム内の通貨リンデンドルと現実の米ドルが変動相場制でちゃんと為替レートがあって、売買可能、というところが何より新しいと思います。従って、自分が現実に所有しているお金(=円)をゲーム内に持ち込むことも、ゲーム内のお金を現実世界に持ち出すこともできるのです。カードでリンデンドルを買うと、その日のリンデンドルと米ドルの為替レート、米ドルと日本円の為替レートで計算されて円で引き落としされるのが何とも不思議、というよりは普通に海外旅行で買い物をした時のような感覚ですね。セカンドライフは無料のものが多く、服なども50リンデンドルくらいから買えたりしますから、ここで遊ぶのは正に物価の安い国で遊んでいるようなものです。

そう。もともと遊びだと思って、あんまり時間やお金をかけたくなかったものですから、最初は無料のものを探して手に入れたり、キャンプと呼ばれる安いアルバイトをして小銭を稼いで安いものを買っていたりしましたが、実際問題として、やっぱり無料のものはしょぼかったりしますし、キャンプも時間がかかる割にはあまり豊かにならず、正にワーキング・プア状態。これではとても大きいことができそうにありません。自分はミュージシャンですが、まず第一に商売道具のピアノやシンセといった楽器が買えない。1日に20ドルくらいしか稼げないようでは、1000ドルのピアノを手に入れるのに一体どれだけ働けばいいのか、いつになったらセカンドライフ・ミュージシャンと言えるようになるのか……。

結局、カードを使って現実のお金を投入します。服や姿形も変わり、楽器も手に入れて、ミュージシャンとして動けるようになると、やはりお金というものは入ってくるものですね。特に音楽というものはそうでしょう。私は、セカンドライフのバーニングライフというイベントで、海外の有名なミュージシャンたちのステージを見たことがありますが、普段着でただギター持って立ってるだけ、みたいな感じでは、折角いい曲をやっても盛り上がらない。そこで、私もステージでは、衣装に工夫を凝らしたり、演奏する時のパフォーマンスなども派手にやるようにしています。お客さんというのはそうしたトータルなものに対してお金を出してくれるのだなぁ、と改めて思うのです。

こうなると、お金がお金を呼ぶ流れになります。いずれ自分の土地がほしいからと有料のプレミアム会員になりましたら、毎週300ドルがリンデン社より支給され、月1,200ドルの収入になります。また、たまたま応募したセカンドライフ内の翻訳コンテストなるもので、何と銀賞を受賞、気を良くして次も応募しましたら今度はブロンズでしたが、まぁ、まとまったお金が入ってきました。こうして最近は、以前のように時間をかけて働かなくても、お金の心配はなくなり、欲しいものもパッと買えるようになったのです。

セカンドライフはお金をかけなくても十分楽しめますし、寧ろ、以前書いたように一文無しから成り上がっていくアメリカン・ドリームのような楽しさがあるのですが、一方で、お金をかけるとそれだけ動きが大きく、早くなるのも事実だということをここ半年くらいセカンドライフに暮らしていて気づかされました。そう、こうして経済活動が大きくなってきて、人との交流も盛んになってくると、これはもう、完全にセカンドライフで暮らしている、生活してると言っていいですね。ハマッてる、どころではありません。(笑

ところで、このお金を大きく動かせば動かすほど、お金がお金を生み、人との交流も多くなっていくというのは、現実の生活でも同じですね。うーん、現実もセカンドライフと同じくらい大きな動きができればいいのだが……!





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