2009年5月20日水曜日

【レビュー】映画「トロン」

「トロン」(スティーブン・リズバーガー監督 1982年アメリカ)
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やー、やっと見ました。
初めてフルにCGを使って作った作品であり、
私たちが毎日のように行っている「Rez」という言葉の
語源ともなった映画です。
映画の中では「Rez」という積極的な言葉より、
反対の「De-rez」という言葉の方が頻繁に出てきます。
「始末しろ!」みたいなニュアンスですね。

ゲーム企業のエンコム社のシステムは今や、
ユーザー自身のコントロールを超えて全てを司る
マスター・コントロール・プログラム(MCP)の
支配下にあった。
現筆頭取締役のデリンジャーにプログラムを横取りされ
会社を去ったフリンは不正の証拠を手に入れようと
エンコム社のシステムにハッキングを試みる。
一方、友人でもあるエンコム社のプログラマー・アランは
システムを正常な状態に戻すため、
トロンというプログラムを開発していた。
ある夜、二人は社のシステムに侵入、
アランはトロンを起動させ、
フリンはファイルにアクセスを図るが、
会社のシステム全てを掌握したMCPは
完成したばかりの物質をデジタル化する装置を使って、
フリンをデジタル化、プログラムの世界へと
引きずり込んでしまう。
プログラム化したフリンはトロンと力を合わせ、
MCPの帝国に戦いを挑むが……。

サイバースペースで展開される物語は
もう、スターウォーズのまんまで、
「Uh-oh, we've got company!」とか
「There's too many of them!」とか
(それぞれ、「ほーら、お客さんが来た!」、
「だめだ、敵の数が多すぎる!」)、
スターウォーズに出てくるまんまのセリフのオンパレード。w
音楽が我らがシンセ音楽のご先祖、
ウェンディー・カーロスというので期待してたんだけど、
意外や意外、ジョン・ウィリアムズばりの
緊張感溢れるオーケストレーションなのでした。w

それでも、それだからこそ、かもしれませんが、
そして、それに加えて、ディズニー作品ということもあり、
まぁ、子供から大人までみんなで楽しめる
予定調和な娯楽映画ですね。
いや、ホント、皮肉でなく、楽しいですよ、これは。

現在のCGはもう、メチャメチャ進んでるけど、
寧ろプリミティブなこの映画のCGの方が
実は却ってサイバースペースのイメージにはぴったりかも。
で、こういう絵を見ると、
やっぱりギブスンの『ニューロマンサー』とか
思い出しちゃうんですね。

考えてみれば、この『トロン』と
『ブレードランナー』が公開されたのが1982年、
そしてウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』が
1984年とかって、
この頃サイバーなイメージの作品が集中的に出たんですね。
そしてそれらが何れも、SLに大きく影響しているというのは、
やっぱりSLを作った人たち、こういうSFの世界を
現実のものとしたかったのでしょうか。w

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