2011年9月25日日曜日

【技術情報】サードパーティ・ビューワの最近の動向について

フェニックスのメッシュ対応について書いたので、
ここで各種サードパーティービューワの動向について
まとめておきたいと思います。

・Kirstens Viewer

カーステンスが9/8にそのブログで開発中止を表明し、
リンデンのリストから外れたのをご存じの方も多いでしょう。
公式V2の発表に当たっては、
早くからインターフェイスの改良などを手がけて来られましたし、
何より、レンダリングが美しいというので、
映像関係者の方に特に人気がありましたので残念なところです。

http://www.kirstensviewer.com/Blog/181/__Sad_Farewell__.html

しかし、その後、支援を申し出て下さる方や
仕掛かり中のものも開発を継続するという方が出て来たようで、
現在協議中のようです。
9/22に「光と影」と題するブログ記事の中で、
あと数週間もすれば結果がはっきりする、と書かれています。

http://www.kirstensviewer.com/Blog/182/__Light_and_shadows__.html

カーステンスご利用の方は、ここ暫くブログに注目ですね。^^

・Ascent/Singularity

エメラルドがリンデンによってバンされた直後に出て来たのが
アセント・ビューワですが、
このビューワ、もともとはエメラルド・チームと敵対関係にあった
ハジム・ガゾフというハッカーが開発した Inertia という、
リンデンが禁止している機能満載のハッカービューワがベースなので
ずっと敬遠していたのですが、
今年のはじめだったかに、ホームページに
俺たちはまだ生きてるぞ、と書いたのを最後に
開発が止まっています。
まだリンデンのリストには載っていますけどね。
(Inertia を第三者がリンデンの方針に合わせて改良したのが
アセント、ということになっています。)

http://ascent.balseraph.org/index.php/Main_Page

そのアセントをベースに開発が続けられているのが
シンギュラリティ・ビューワ、ということになるわけで、
引き続き高機能の追加が順次行われています。
従って、フェニックス・チームとの交流もある模様。
但し、こちらはフェニックスのジェシカさんとは違う立場で、
V1系ビューワを死なせるわけにはいかないと、
メッシュへの対応を宣言しています。
まだいつになるかはわからないようですが。。。

http://www.singularityviewer.org/home/peoplehavebeenbegging

でもこの記事も古いなぁ。。。
最後のリリースが7/31ですもんね。^^;

・Imprudence/Kokua

コクア・チームは、前にもここで書きましたが、
このプロジェクトを率いてきたジェイセックさんが
やはりRL都合で引退。
どうなることかと見守っていましたが、
ZATZAi さん(ザツァイと読むのかな?^^;)という方が
プロジェクト・リーダーを引き受けて下さり、
プロジェクト自体は存続です。
本日9/25付で久しぶりにインプルーデンスの1.4.0β2が
リリースされました。

http://blog.kokuaviewer.org/2011/09/25/imprudence-1-4-0-beta-2-released/

但し、このリリースでも Mac のストリーミング機能については
改良されておらず(ジェイセックさんが担当だったからね^^;)、
また、アンリ・ボーシャンさんのメッシュ対応パッチの
取り込みも行っていない、ということです。
このチームとしても、V1系にこれ以上の開発には疑問、
寧ろ、メッシュにも対応可能なコクアの開発に
力を入れたいところでしょうね。

・Dolphin Viewer

ドルフィンは1人の人が開発を行っているので
できることに限りがありますね。
リンデンの方針で、開発に使う Visual Studio のバージョンを
V1とV2、V3で分けるよう指示が出たこともあり、
しかも、複数のバージョンが1つのPCにインストールできない
マイクロソフト側の事情があり、
現在はV3系のみの対応となっています。
V1やV2のものは、事実上アップされているもので凍結、
ということになりますね。^^;

それでも、V3については、現在ファイアーストームと共に
アクティブなサードパーティー・ビューワと言えると思います。

     *   *   *

基本的には、リンデンはSLというサービスの提供元として、
最も安定したビューワを公式版としてリリースする義務があります。
従って、そこでは冒険は許されませんし、
ユーザーの要望を簡単にはいはいと取り入れるわけにもいきません。
いつだったか、Q・リンデンが、
オプションをたくさんつけることは好ましくない、
と発言していたのを思い出します。
公式としては当然の発言だと思います。

しかし、一方で、ユーザー側にはここがこうだったら
もっと便利なのに、という要望が多数あることも事実でしょう。
それに応えるのがサード・パーティーの役割と考えています。
それぞれのグループが、それぞれのユーザーのニーズに応え、
特徴を持ったサード・パーティー・ビューワが複数あることが、
ユーザーに選択肢を与えると共に、
今後の公式ビューワの開発にもよい影響を与えると思うのです。

その意味では、最近はアクティブなサードパーティ・ビューワが
どうも減ってきているように思うのです。
結局、僕の場合殆どファイアーストームに固定してしまいましたし。
コクア・チームにはペースを取り戻して頂きたいのと
カーステンスの復活を望みたいところですね。

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