2011年9月17日土曜日

サンプリングと純正律の話

実は、今週は金曜日からお休みをとっていて、
今までやりたい、やならきゃと思っていて
溜まっていたものにいろいろと取り組んでいます。

今やっているのは、和楽器系のサンプル音を
キーボードに取り込んで和楽器の音色を増やしちゃおう、というもの。
これ、結構手間がかかるんですよ。^^;

まず、お琴(箏)や三味線、尺八といった楽器だと
当然のように音程、というのがあるわけですが、
サンプラーというのは、その音をどの鍵盤の高さで取り込むか、
というのを決めてあげないといけません。
同じ音で取り込んであげないと、例えば真ん中のドの音を弾いた時に、
レやミが出る、という恐ろしい結果となります。w
そうなると、もう、セッションどころではありません。w
まぁ、アヴァンギャルドとか複調の実験的試みだと言って
逃げることもできるでしょうが。。。^^;

そこで、サンプラーに取り込む前に、
チューナーを使ってそれぞれの音を測定してみました。
すると何と、どれも普通に50セントくらいずれてる。><

セントというのは半音の音程を更に100で割ったものです。
ということは、50ずれているということは、もう殆ど隣の音。^^;
むむぅ、困った、と思いながら、考えてみました。
何故こんなにずれているのか。。。

すると、はたと気がつきました。
チューナーが示しているのはあくまでも基音を
ラの音で440Hzとしたときの「平均律」という調律に対してです。
平均律はあらゆる調に移調可能な、ピアノ等の楽器に使われているもの。
三味線や、オーケストラの管楽器などは純正律という
また別な調律法に基づいているのです。

前にもどこかで書いたと思いますが、
平均律というのはどんな調へも移調可能なように、
1オクターブ内の12の半音の音程を均等に割って作られたもの。
(計算はややこしいです。あくまでもイメージね。^^;)
これに対し、純正律とはちゃんとハーモニーが美しくなるように
寧ろ人間の耳で調整したもの、ということができるかもしれません。
例えば、ドの音に対して完全5度上のソの音は、
よくハモると言われていますが、それはドの音を1とすると
ソのおとが1.5、つまり3/2という美しい整数比になっているからです。
純正律ではそのように調律しますが、
平均律だとこれが1.49.... と微妙にずれています。
僕みたいなキーボーディストは、
このずれた和音に慣れてしまってるわけだけど、
絶対音感の人には、そのずれが気持ち悪くてしょうがないらしいね。><

さて、そこで、チューナーの設定を純正律にしたところ、
お〜〜お〜〜〜ちゃんと合ってくるではないですか。
勿論、微妙な差はあるのだけれど、
それは伝統的な日本音楽が絶対音程ではないからなので、
その位の差はよしとすることに致しましょう。^^

さて、しかし、キーボードに取り込んじゃったら
他の楽器と合奏するわけですから、
ここは平均律の音程に修正しないといけない。
なので、チューナーで誤差を計って、
サンプラーで取り込んだらセント単位で誤差を修正、
毎回ピアノの音と鳴らし比べて、単音ではもちろん、
スケールを弾いて違和感がないかチェックしました。
うん。いつも聞き慣れてる平均律のスケールになったね。w

本来合っているかもしれないものをわざわざ修正するわけだから
何ともアホなことやってる気もするのだけれど、
そうしないとシンセの音色としては使えないからねぇ。^^;

そんなことをやっていた土曜日のヒロシでした。w

No response to “サンプリングと純正律の話”

Leave a Reply