2012年3月17日土曜日

アップル


昨日は新型 iPad の発売日ということで、
たまたまビックカメラに用事があったので寄ったら
大変な賑わいでしたね。

ところで、今回の iPad、大して目新しいところもなく、
名前も iPad 3 でなくて、「新しい iPad」という
これまた肩すかしな名前。w

でも、これもまたアップルの戦略なんだろうな、とは思います。
誰もが iPhone 5 だ、と思っている時に、
iPhone 4S を出して、人をがっかりさせたと思ったら
それが実は「For Steve」を意味しているなんて話にもなり、
却って売上が伸びたりするんだから。。。

4の次は5、2の次は3として出すのは簡単な話。
(ここで何故か、NT6のVistaのマイナーチェンジ版を
Windows 7 として出したマイクロソフトとダブる。)
そうしないのは、一つには、機能のアップグレードばかりじゃないよ、
ということを言っているようにも思うのです。

例えば、iPhoneと同じ機能をスマートフォンを作るのは
どんなメーカーにもできることでしょう。
実際、遅ればせながらスタートした日本のスマートフォンたちも
iPhoneにはできない、こんなことができる、
というのが売りの一つにもなっていたりします。
でも、どうもアップルという会社がやろうとしていることは
単にハイテク製品を売り出すことだけではなく、
同時に新しいプラットフォームを生み出して
新しいライフスタイルを築くことにあるように僕は見ています。

例えば iPod。
これをただの携帯音楽プレイヤーとしてみれば
何と言うことのないものですが、
すごかったのはこれに連動して iTunes Store というものが用意され
音楽は好きなものだけをダウンロードして聴く、
というスタイルを定着させたことですね。
これは、携帯音楽プレイヤー市場では先行していて
しかも音源をたくさん持っているはずのソニーにも
考えが及ばなかったか、或いは実行できなかったことですね。
いや、音源を抱えているからこそ、
CDのようなパッケージ音楽の市場を潰しかねないことは
できなかったのかもしれません。

実のところ、僕はまだ音楽を iTunes ストアから
買ったことはないのですが、
同様の形態として、電子書籍はどんどん買ってますね。
本はとにかく場所をとるのと、
調べごとに読むことが多いので、キーワードで検索できるのも
電子書籍の強みと言えるでしょう。
軽くて小さな iPhone の中に本棚ごと持ち歩いているような
場所を選ばない読書スタイルが可能になったわけですね。

そして、場所を選ばないと言えば、
実はこれが今後のアップルの方向なのかな、と思わせるのが、
iTunes U、つまり iTunes 大学ですね。
これ、ハーバードやスタンフォード、UCバークレーやエール、
オックスフォードにケンブリッジといった
一流の大学の講義を経験できるものでおもしろいです。
日本でも流行ったマイケル・サンデル教授のハーバードの講義も
勿論収められていますし、
ジョブズさんのスタンフォード大での演説もあります。
僕は今のところ、オックスフォード大の「哲学入門」と
オープン大学の「音楽とテクノロジー」という授業を購読中。
こういう大学の講義を、日本にいて、無料で体験できるって
すごいことだと思いません?
(そのうち有料で単位をもらえたり、
レポートをネットで提出するような流れが出て来るかも?w)

iTunes Uのアップデートと同時に発表になったのが
教科書への対応ですが、
実際、iPhoneで初めて天体のアプリなどに触れた時は、
これからは学校の教科書や資料集が
より魅力的になり、楽しい授業を作れそうだと感じたものですが、
アップルは実際にその方向に動いていたわけですね。

アップルはハイテク機器のその向こうに、
新しい、夢のようなライフスタイルを見据えて
ものづくりをしているように僕には感じられます。
Macにしても、iPhone や iPad にしても、
どことなく他のものに比べて楽しそうに思えるのは
そういう「向こう側」を感じさせてくれるからかもしれません。

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