2012年5月23日水曜日

【RL】大津から京都、そして東京


一日日記が空きましたが、一昨日は大津に宿泊したので、
昨日は会社を休んで引き続き大津でゆっくりと過ごし、
そのあと京都に移動して、京都での「高句麗伝説」を堪能しました。
終演後、最終の新幹線で東京に戻って来た、という次第です。

さて、大津に来るまでは、『万葉集』から伺い知る
大津京をめぐる歴史と、
『平家物語』に描かれた竹生島詣の話、
その源平でも大きな役割を果たした堅田衆のことなど、
数多くの歴史の舞台となったこの土地のあちこちを訪ねてみたいと
そう思っていたのですが、
大津での「高句麗伝説」の公演で歴史が解放されたからでしょうか、
昨日は朝目が覚めると、どこに行きたい、というような気持ちは
すっかりと消え失せていたのでした。

とは言え、よくよく考えてみると、この地はこれまで
何度も通過はしているものの、その大地を踏みしめたのは初めて。
せっかくなのだから、と思い直して、
足の赴くままに散歩してから京都に戻ることにしました。

まず、泊まっていたホテルは大津京の駅の近くだったのですが、
その大津京の隣が唐崎と知って、
ああ、それならそこに行ってみよう、と思い立ったのです。

唐崎と言えば、『万葉集』好きにはすぐに
柿ノ本人麿の次の歌が思い出されるでしょう。

楽浪(さざなみ)の 志賀の辛崎 幸(さき)くあれど
大宮人(ひと)の 船待ちかねつ

辛崎というこの地名、「さき」が「辛」に似た
「幸せ」を意味する「幸(さき)はふ」にも通じることから、
何ておもしろい歌なんだろう、と、
中学生の時、初めてこの歌に出会った時からそう思ったんですね。
しかも、唐崎と言えば松で有名で、
勿論、「松」は「待つ」に通じるわけです。


120522a.JPG


そんなこんなで、僕もこの場所から琵琶湖を望みながら、

辛崎に 生ふる松の木
万代(よろづよ)に 人の幸(さき)はふ
世を乞ひ待つらむ

世界中の人が皆、健康で幸せに生きていけるような
そんな真に平和な世界が、社会が訪れることを願うのでした。

さて、唐崎まで来ると、坂本、堅田と、
歴史好きには有名な地名が湖西線に沿って並びます。
堅田はもと比叡山の荘園として発達したところですが、
水軍の民として独立した生活を営み、
彼らを味方につけることができるかどうかが
戦いの勝敗を分けた、そんな存在でした。

その堅田の地を何となく歩いてみたくて、
ふらふらと散歩しながら満月寺の浮御堂を訪れました。
琵琶湖に浮かぶその姿は、もう墨絵そのもののようです。


120522b.JPG


そして坂本。
ここは比叡山の入口であり、
従って、数多くの戦の拠点ともなったところです。
比叡山か。。。
思い返してみれば、京都には何度も足を運んでいるのに、
比叡山に登ったのも、そこから琵琶湖を望んだのも一度きり、
中学校の修学旅行以来です。
ここから登って。。。そこから京都に戻るか。。。


120522c.JPG


写真は坂本からケーブルカーで登って行ったところで
琵琶湖を望んだもの。
このあと根本中堂など見てまわり、
バスで京都に戻ることにしたのですが。。。

何と、そこで友達に会ってしまったのです。
お互い、「え〜〜〜、何でこんなとこいるの〜〜〜?@@」
というわけで、偶然の出会いに二人ともえらく盛り上がり、
楽しくおしゃべりしてるうちにあっと言う間に京都に着いたのでした。

淡海(あふみ)とぞ 人は呼ぶなり
あな嬉し 君に逢ふ身と
思はぬものを

そして夕刻、「高句麗伝説」の会場へ。
前日にもまして素晴らしい、内から力と喜びが溢れてくる
とても充実したひとときでした。
そのエネルギーは今なお自分の中に漲っています。
この素晴らしい経験を、一人でも多くの方にして頂きたい、
そう願って、時々この日記でも紹介させて戴いてるのです。
また、近々開催される折にはご案内させて戴きますね。

というわけで、とってもとっても充実した二日間でした。
それでは、また。^^

2012年5月20日日曜日

【RL】大津より


今日は滋賀県の大津に来ています。
いつもお話ししているいだきしんさんと高麗恵子さんによる
「高句麗伝説」のイベントが当地のびわこホールで行われたからです。

今回は高速バスで早朝に京都に着いたので、
そこから大津に移動してまずはホールの場所を確認、
しかし、開演の18:00まではたっぷり時間があるので、
午前中は大津京のあとをのんびりと歩いて回りました。

大化の改新というのを必ず中学校以降の日本史で習うけれども、
一体これが何を意味するのかは十分には教わっていない。
しかも、大化の改新で習うのは、蘇我入鹿が討たれた、
という事件の方で、実際にはこの事件は乙巳の変と呼ばれていて、
その変の後の政治改革が大化の改新なのであるが、
どういう政治改革であったかは全くと言っていいほど習わない。

大化の改新そのものは、政治の運営を蘇我氏のような
有力豪族に任せるのではなく、大王(おおきみ)一族による
いわば天皇親政を行う一方、
戸籍制度と租税制度の改革を行ったことにあると私は考えています。

その延長線上で中大兄皇子は自らが大王となった時に(天智天皇)、
都を飛鳥からこの大津に遷すわけですが、
その天智天皇が崩御された後、
息子の大津皇子と弟の大海人皇子の間で戦が繰り広げられたことは
壬申の乱として知られていますね。
この戦いがかつてないほど最大の戦争となったのは、
天智天皇の自体に戸籍が整備されたことで、
大津皇子の側でも大海人皇子の側でもその戸籍を利用して、
各地で大規模な徴兵が行われたことにあります。

ご存じのように戦いは大海人皇子が勝って終わるのですが、
戦いに於いても、そしてそのあと再び飛鳥に都を建設したのも
超スピーディーであったことから、神業と畏れられ、
ここから天皇(すめらみこと)という呼び名が
スタートすることになるのです。

前置きが長くなりましたが、このようないきさつから、
大津に都があったのはわずか5年半ほど。
そしてその後、それからほどない持統天皇の頃、
ここを訪れた柿ノ本人麿が、

天皇(すめろぎ)の 神の命(みこと)の
大宮は ここと聞けども
大殿は ここと言へども
霞立つ 春日か霧(き)れる
夏草か 繁くなりぬる
ももしきの 大宮処
見れば悲しも

と詠っているくらいですから、
わずか数年で、もうその当時には荒れ果てていたのでしょうね。

その跡を今回訪ねてみたというわけです。
(前置き長!^^;)
最初のSSはその都大路だったはずの通りですが、
今は両側に住宅がぎっしりと並んでいる細い道で
とてもそんな風には見えませんね。^^;


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そこで人麿を真似て一首。

古(いにしへ)の 大宮人の さざめきは
海の波 時の波にぞ 流れけるかも

そしてこの通りの脇にある、内裏正殿の柱の跡です。
ここを天智天皇や額田王や大津皇子が歩いていたのでしょうか。


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近江なる 京の跡に 今立ちて
風吹く時ぞ 君し思ほゆ

こちらは勿論、額田王の次の歌が下敷きですね。^^;

君待つと 吾(あ)が恋ひ居れば
我が屋戸の 簾動かし
秋の風吹く

この大津京の跡は京阪の近江神宮前駅近くにあるのですが、
折角ここまで来たので、その近江神宮にも参拝します。
ここは、勿論、そのご祭神を天智天皇とする神社です。


120520c.JPG


このあとは、再び京阪で浜大津まで戻り、
そこで90分の琵琶湖クルーズを堪能。
食事をしたあと、予約してあるホテルにチェックインして、
今回の目的である「高句麗伝説」のイベントに参加しました。
先ほどの大津京の話と言い、また、源平にまつわる話と言い、
どうも僕はこの日本最大の湖にはどこか悲しいイメージがありますが、
いだきしんさんが奏でる琵琶の響きと
高麗恵子さんの詩の朗読に、
この地の歴史のすべてが癒され、新しい未来が拓かれたことを
感じていました。
素晴らしい、光に満ちたコンサートでした。

明日は京都に移動します。
おやすみなさい。^^

2012年5月15日火曜日

【イベント】SL9Bの詳細がわかってきました


前にこの日記でも少し書きましたSLの9歳の誕生日、
SL9Bについての続報です。

その後、リンデン側からの詳細な案内もないまま
ひと月が過ぎてしまいましたが、
公式ブログで紹介されていた通り、
コミュニティのみんなに独自に企画を立ててもらうことを期待していて
これまでのようにリンデンから20に及ぶ会場SIMの提供や
従って、リンデン側の総括担当、広報担当の派遣もないようです。
まぁ、もともとリンデンさんが誕生日の主役なわけですから、
これまでもSLBの主催はSLコミュニティのボランティア、
という形式をとってきたわけですし、
その意味ではリンデンが自己負担でSIMを提供するというのも
不思議と言えば不思議だったわけですが。。。

それにしてもやっぱり、みんなが一堂に会してお祝いする、
というスタイルでなくなったのは淋しい気がします。
なんて思っているのは僕だけではなかったようで、
関係者のフレに聞いてみたら、何と、この5月12日に、
SL9Bの公式サイトができていました。@@

http://sl9b.wordpress.com/

これまでSLBの公式サイトも、リンデン・サイト内にあったんですが、
今回のこれは、コミュニティの有志が集まって立ち上げたようです。
スポンサーに10のSIMを提供してもらって、
そこで従来のスタイルで一堂に会してやろうというもの。
そう、例年通り、ボランティアのスタッフ、
ミュージシャン、DJ、講演、展示など、
いろいろな形で参加してもらう人を募集しています。
主なスケジュールは次の通りですので、
関心ある方は要チェックです。(時間はいずれもSLT)

・現在:参加者募集中
・6月3日(日)参加応募締切
・6月4日(月)展示会場建設開始
・6月16日(土)展示会場建設締切
・6月17日(日)技術リハーサル
・6月18日(月)11:00 PDT 会場オープン
        12:00 PDT 音楽/DJイベントスタート
・6月24日(日)音楽/DJイベント最終日
・6月27日(水)会場閉鎖

尚、それぞれの申込フォームはこちらから。

・講堂での講演、プレゼン、パネルディスカッション
 http://sl9b.wordpress.com/sl9b-auditorium-bookings/

・展示会場出展
 http://sl9b.wordpress.com/exhibitor-application/

・ミュージシャン/DJその他パフォーマンス
 http://sl9b.wordpress.com/performer-application/

・ボランティアスタッフ
 http://sl9b.wordpress.com/volunteer-application/

最後に、展示会場としての出展についてですが、
お申し込みになる前に次の規約を必ずよくお読み下さい。

http://sl9b.wordpress.com/the-theme/

ポイントとしては、

・会場はPGであるのでPGのガイドラインに沿った展示を行うこと
・展示会場が割り当てられたら2日以内に建設を開始すること
・ビルドの権限が与えられるのは各グループ代表者含めて5名まで
・割り当てられる展示会場の規模は1024平米(234プリム)
・メガプリムは64m x 64m x 64m までの大きさで使用可
・使用テクスチャは最大512 x 512 のサイズとすること
・スカイの利用は禁止
・展示会場はイベント会場ではないので、パフォーマンス/音楽/
 DJなどのイベント会場としては使用しないこと、
 但し、短時間行われるパーティー会場としての使用は許可される
・販売、宣伝活動の禁止、但し、SL9B会場外の活動に対する
 ランドマーク等を配布することは可
・スクリプトやノートカードの配布などは、クリックして起動するなど
 来場者が選択できるようなタイプのものであること
・外部サイトとのトランザクションが発生するようなスクリプトは
 極力避け、会場が重くならないよう留意すること

といったところです。

ヒロシとしては、今回音楽会場として使用できない旨明記されたので
ちょっとひいてるところですが、さぁ、どうしましょうかね。
考えます。^^;

2012年5月4日金曜日

【シルクロード】ペルシャ風の占いです


久しぶりのシルクロードネタです。

SilkRoad SIM にある僕のイスラーム風庭園ゴレスターンには
入ってすぐのところにあずまやがありますが、
このあずまやに本を一冊置きました。
これはペルシャの詩人ハーフィズの詩集なのです。

ハーフィズはイランと言わずイスラーム圏で
最も人気のある詩人の一人でしょうが
——更にはゲーテが影響を受けたことも有名——、
その主な作品は495篇からなるガザルと呼ばれる抒情詩、
つまり恋愛をテーマとした詩にあります。

恋愛だけでなくイスラームでは禁じられているお酒の詩も多いのですが、
どうしてこの人、クルァーン(コーラン)の暗記者と呼ばれるほど
クルァーンに通じ、つまりイスラームの教えには詳しい人なのです。
そういう事情があってか、そのまま恋愛やお酒の詩として読むのでなく、
ある人は宗教的に、ある人は政治的に読むことが可能となっていて、
悩み事があったり、決断に迫られるような局面で、
この詩集をばっと開いてそこに書かれてある詩によって
どうすべきかを決める、「ハーフィズ占い」なるものが
普通に行われているのです。
僕がシーラーズにあるハーフィズの廟を訪れた時も、
女学生たちがハーフィズの棺の前で詩集を開いては
その内容にキャァキャァ言ってはしゃいでいました。^^

実は僕がシルクに作ったあずまやも
ハーフィズの廟をモデルにしたものなので、
ここでハーフィズ占いができるようにしたかったのですが、
さてどのように実現するか、いろいろ考えあぐねていたのでした。
というのも、やるとしたら本を開いて出て来るメッセージは、
英語だけでなくて、オリジナルのペルシャ語に、
そして勿論日本語でもやりたい。
更に、それぞれの詩は結構長いし、全部やると495もあるし。。。

今回、イギリスの Gertrude Bell さんが40篇位を選んで
英訳したものを見つけたので、このセレクションを元に、
更にこの英訳は複数の連(スタンザ)に分かれているので、
これを参考に一つの詩を分割して、
そこに英語、ペルシャ語、日本語を載せることにしました。

あ、何だか難しい話になってきましたね。^^;
まぁ、一言で言ってしまうと、シルクの僕の土地のあずまやに
本が置いてあるので、アドバイスしてほしいことを心に浮かべて
えいやっとタッチすると本が開き、
しばらくするとメッセージを書いたオブジェクトが送られて来る、
そんなしかけです。(SS参照)


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120504b.jpg

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さて、今日のみなさんにはどんなメッセージが送られて来るでしょう?
よろしかったら次の場所にいらして、試してみて下さい。^^

■ゴレスターン
 http://slurl.com/secondlife/SilkRoad/37/160/31