2013年1月21日月曜日

【iPad】CubasisとGaragebandの間


昨日の日曜日は久しぶりに知人のレコーディング・スタジオで
コンサルティングをしていました。
コンサルティングなんて言うとかっこいいんだけど、
実際には延々と音楽談義をしていたわけなんです。w

というのも、その知人のミュージシャンも
パソコンを使って音楽制作をしているわけですが、
システムを組んでから数年が経ち、パソコンのスペックも古くなり、
パソコンをはじめとした録音機材の一切合財を買い換えるより、
いっそのことiPadで手軽に音楽制作できないか、
というのがその人の相談の内容であったわけです。

僕も、最初にiPhoneを持った時から、
ずっとiPhoneで音楽する可能性を追求してきましたから、
言っていることはよくわかるのです。
ただでさえキーボーディストは音楽を制作する場面が限られるのに、
どんどん進化を続けるこの業界では、
次々に新しい楽器を買わないといけないし、
パソコンのハードもOSも音楽関連のソフトも
常にアップデートしたり買い足していかないといけない。
どれだけお金があっても足りない世界なのですよ。^^;

そんな中で、iPhoneやiPadの登場は、
ソフトを買うのにお金がかかる、アップデートにお金がかかるという
PCの常識を覆してしまいましたし、
楽器業界でも、これまでここで紹介してきたように、
モーグやコルグといった会社から、往年の名機が
とんでもなく安い値段でアプリ化されてきているわけで、
これはもう、iPad一つで音楽制作できるような
そんな、キーボーディストには夢のような環境が
育って来つつあるということなのです。

そんな中、昨年末にSteinbergから、代表的音楽制作ソフト
CubaseのiOSアプリ版とも言えるCubasisが発売されました。
これはかなりの衝撃で。。。
当然ヒロシは衝動買いしましたよ。www
その値段、何と4,300円。
アプリとしては最も高い部類に入るんじゃないかしら。

http://japan.steinberg.net/jp/products/ios_apps/cubasis.html

これまでにも、Nano StudioやMusic Stationはじめ、
DAW(音楽制作)アプリはいくつも登場したけれど、
PC版のメインストリームの一つがこうしてアプリ化されたのは
とっても大きなことですね。
というのは、僕もCubase使ってますから、
いつもと見慣れた画面で、何の違和感もなく作業できるのです。
これまでRebirth、Animoog、iPolysix等々買い込んで来た
シンセアプリの類を総動員して音楽制作できるというのは
何とも幸せなことなのですよ。^^

とは言え。。。

メインストリームのソフト、と今書いたけれど、
その一つにAppleのGaragebandがあるのではないか。
こちらの価格は何と450円である。^^;
Cubasisのレビューに、Cubasisは80年代臭い、
Garagebandの方がよっぽど使い勝手がいい、
と書いていた人がいるけど、うん、それは何かわかる気がするな。
CubaseはPerformerやLogicと並んで、
80年代に生まれ育った作曲家・演奏家向けのソフトだからね。。。

流れが変わったのは90年代かな。
もともとは楽器として生まれて来たサンプラーを
DJの人たちが積極的に使い出した。
その中で既存曲のリズムのパーツを細かく刻んで
その刻んだものを組み合わせて再構成する
ブレイク・ビーツという手法が出て来たね。
上に書いた老舗の音楽ソフトもその機能を取り入れたけど
最も積極的にそれを可能にしたのはAcidじゃないかな。
Reasonとかもそうだけど、
この頃から、音楽ソフトは、従来の作曲家向けのソフトと
DJ向けのループや切り貼りが簡単にできるソフトと
二つの流れが出て来たように思います。

LogicはもともとNotator Logicと言って、
楽譜作成がメインなような、いかにも作曲家向けソフトだったけど、
アップルに買収されたのが結果的によかったかも。
そのLogicの技術を受け継ぎながら、
Acidのようなループの手法を取り入れて生まれたのが
Garagebandだと僕は理解しています。

と、ここまで書けば何を言いたいかはおわかりですね。
iPad用のCubasisとGarageband、
それぞれで実現できることは違うように思うのですね。
Garagebandは手っ取り早く音楽を組み立てることができるし、
Cubasisはゼロから細かく仕上げていく人に向いてるかな。
音楽制作のスタイルで自分に合った方を選べばいいかな、
と思いますけれど。。。

やっぱり値段が十倍違うというのはどうでしょうねぇ。w
まぁ、高い分、Cubasisの今後に期待したいと思いつつ、
これからこいつを使っていろいろと新曲作っていきますので
楽しみにしていて下さい。

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