2013年2月11日月曜日

オンドマルトノがおもしろいねぇ〜シンセの先祖たち


久しぶりにフランスの作曲家メシアンの
「トゥランガリーラ交響曲」を引っ張り出して聴いた。
インスピレーションに溢れる好きな曲なのだけれど、
長いのと重いので、そんなにいつでも聴く気になる曲じゃない。
何かこう、身構えちゃうんですよね。
で、今回いつでも聴けるようにiTunesに入れてみたというわけ。

この曲ではオンドマルトノという電気楽器がフィーチャーされてます。
知ってる人は知ってるだろうけれど、
テルミンほど有名じゃないかも?
テルミンは学研の教材になったこともあって
日本では一気に有名になっちゃいましたよね。
ここでおさらいの意味を含めて、テルミンの第一人者、
クララ・ロックモアさんの演奏を見ておきましょうか。

■クララ・ロックモアによるサン=サーンス「白鳥」


口元に力入って震えているので、
もしかして、この人が歌ってるんじゃないかと思うくらい。w
怪しさ抜群のパフォーマンスです。w

でも、アヤシイと言えば、僕が最初にテルミンを見たのは
やっぱりレッド・ツェッペリンのこれでした。
ジミー・ペイジ、何かの宗教かと思うくらいアヤシかった。w

■レッド・ツェッペリン「Whole Lotta Love」


このビデオは1973年マジソン・スクエア・ガーデンでのライブ。
全曲ではないけれど、テルミンのとこメインで写ってるので。w
1:40くらいからですね。

さて、このテルミンに影響を受けたのか、
フランスのマルトノという人が作った電気楽器が
オンドマルトノというのだけれど、
特徴は、キーボードがついてることと、
そのキーボードにリボンコントローラがついてること。
あと、目的別に3種類のスピーカーがあって、
中でもハートをひっくり返したような形のが印象的で美しい。

■オンドマルトノの写真(Wikipediaの写真アーカイブから)


更にすごいのは、キーボードの左手前に操作盤があって、
これでシンセみたいに音色をいじれるようになってて、
ちゃんとノイズ音源も完備してる。
更には、その操作盤に、弦楽器の弓に当たるトゥッシェという
大きな白い鍵盤がついていて、これを押し込むことで
豊かな表現を得られるようになってるのね。
これ、完全にシンセだなぁ、と思いました。

で、シンセサイザーと言えば、
キースエマーソンが使うようになってから
ロックやジャズでは普通に使われるようになってるけど、
クラシックの世界にはあまり進出してませんよね。
ところが、このオンドマルトノは、これを使いたいために作曲した
そんな曲がクラッシック(というか現代音楽)の世界には
たくさんあるのですよ。
その代表が冒頭に紹介した「トゥランガリーラ交響曲」。

ちょっと見てみましょうか。
あまり画質はよくないけれど、オンドマルトノの演奏シーンが
フィーチャーされていると思います。
リッカルド・シャイーの指揮で、
オンドマルトノの演奏は日本人の原田節さん。

■「トゥランガリーラ交響曲」第2楽章


あと、オンドマルトノはそれほど活躍しないんだけれど、
ビデオがいいのでご紹介。
若い演奏家たちによる演奏で、初々しくも、
この曲の持つ狂気を見事表現してますね。
狂ったように演奏してるその様は大家たちの演奏を凌ぐのでは?

■「トゥランガリーラ交響曲」第5楽章


撮影の角度に問題があるとは思うのだけれど、
リボンコントローラの様子や、トゥッシェを押し込んでいる様子が
見事捉えられていると思います。

この他、僕の好きなところでは、
オネゲルというやはりフランスの作曲家の
「火刑上のジャンヌ・ダルク」というオラトリオ。
ここでもオンドマルトノが大活躍します。

で、僕としては、何れにしても一時代のフランスで使われた
今ではシンセに取って代わられた楽器だと思ってたのだけれど、
どうもそうではないみたいですね。
何と、僕の好きなヘンリー・マンシーニの名曲、
「刑事コロンボ」の、あのぴ〜〜ぴゅ〜〜〜という
口笛のようなサウンド、てっきりシンセだと思ってましたが、
あれこそオンドマルトノなのだそうです。
更には、昔のNHKの大河ドラマの「伊達政宗」のテーマ曲、
あれも冒頭にぴゅ〜〜〜と音が入ってましたが、
これもそうなのだとか。

僕のシンセにもリボンコントローラついてるけれど、
なるほど、ここまで豊かに、なめらかに
ぴゅ〜〜〜っと音が変化するのはオンドマルトノならではなのかも。
鍵盤ついてるくせに単音しか出ないこの楽器が、
今だに現役ということはそれだけ魅力があるということでしょうか。
現在ではソフトシンセ化されているので、
思わず買ってみようかと衝動を覚えるヒロシなのでした。w

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