2015年12月26日土曜日

【RL】キングクリムゾン・ライブレポート

そろそろ復活しますと言いつつ、なかなか復活しないヒロシです。
間もなく発表がありますので、それまで少しお待ち下さい。
何とこの日記を書いたのも一月前が最後で、
その時もクリムゾンネタだったわけですが、
10日前の12月16日に渋谷に見に行って来ましたのでそのレポートを。

     *   *   *

まぁ、結論から一言で言ってしまうと、すごくよかった、です。w
何度もひゅ〜ひゅ〜、イェ〜〜〜イ、グレ〜〜イト、って
SLばりに叫んじゃいましたもん。w
いや、SLではテキストだけですが、RLですもの、
ホントに身体から声を出して、ね。w

会場のオーチャードホールには、仕事が終わって駆けつけたので、
開演約10分くらい前に着いたのですが、
満席のホールは殆ど着席状態。
ここはどちらかと言うとクラシック向けのホールなので
ロックのライブなのに皆がきちんと座っているのは何か不思議。w
しかも、結構若い女性の方も多かったのも不思議。
クリムゾンなんて元々マイナーだし、
僕みたいな年輩のオッサンばっかりかと思ってましたからね。
あと、自分でバンドやってそうな人も多かったですね。これは当然。

さて、会場からの注意事項の説明のあと、
19:00を少し回ってメンバー登場。
想像はしてましたが、皆リーダーのロバート・フリップ同様の、
ロックバンドというよりは銀行員のようななりです。w
それでじわっと即興的に始まったので、
やっぱりこれってクラシックかジャズみたい、
と思いながら耳を傾けます。
ひとしきり終わったところで「What we're gonna do is...」と
聞き覚えのあるトラックが流れます。
そう、3枚目のアルバム「Islands」の一番最後の最後に入ってる、
演奏前の打ち合わせの録音です。
ということは!
そう、今回個人的には期待してたのはメル・コリンズなんです。
彼がいるということは「Islands」と「Red」からの曲が聴けるかも、
そんな期待があったんですね。
で、このトラックはアルバムの一番最後に入ってますが、
この後続にコリンズのフルートが美しい
「Prelude: Song of the Gulls」が来るはずなんですね。

「One, two, three, two, two, three...」
来るか!
と思ったら来たのはコリンズではなくて、
ステージ前面に3つ並ぶドラムセットの一番左側、
パット・マステロットの小刻みなチャイム。
??? このチャイムの雰囲気は「Larks' Tongues in Aspic」、
だけれどそれにしては速すぎる、細かすぎる。新曲か?
そして少しすると今度は真ん中のビル・リーフィンがそれを引き取る。
間違いない、このパーカッション・プレイは紛れもなく
「Larks' Tongues in Aspic」、「太陽と戦慄」のパート1。
会場もみんなも気づいたらしく拍手が起こる。
しかし、、、このパーカッションに続いては、
オリジナルではデヴィッド・クロスのバイオリンが来るはず。
が、バイオリンはいない。どうするのか。コリンズが出て来るのか?
心配することは何もなかった。
まるでバイオリンのように入って来たのは御大フリップのギター。
かっこいい。
僕としては何となく不安を抱きながら迎えたステージでしたが、
これでもう一気に盛り上がっちゃいました。w
途中、コリンズはフルートのソロの中で「君が代」のフレーズを演奏。
会場から笑いと拍手が起こったのは言うまでもありません。
そして何より3人のドラムがよかった。

こうして一気に盛り上げておいて、2曲目はいきなり、
ジャコ・ジャクチェックのアカペラでスタート。
それも「ヘ〜イ〜ワワァ〜」と日本語!
またしても日本向けのファン大サービスですが、
そう、「Peace -- An End」を1コーラス日本語で歌ってくれました。
これはレアでしたねぇ。
そこから同じ「In the Wake of Poseidon」からの選曲で
ブルージーな「Pictures of a City」へと雪崩れ込みます。

そして、しっとりとうっとりとさせておいて
「Radical Action」が来る。
今回僕は事前に予習をしてなくて、最近のクリムゾンの曲って
あまり聴いていなかったのですが、
今回の再結成後のツアーに先立って動画が公開されていたので
この曲だけは知ってて、おお来たか! と思いました。
3人のドラムのシンクロプレイ、そしてそれぞれのソロがいいんです。

そしてそのドラムプレイからいきなり「Red」はズルイ。w
この時の周りの観客の反応もすごかったです。
僕を含め、みんなここで来るとは予想してなかったんですね。
僕はこの曲ではビル・ブラッフォードのキレのあるドラムが好きで、
ビルじゃないし、とやや不安に思ってたんですが、
前の曲からの流れで、この3人のドラマーが打ち出す
リズムとサウンドのすごいこと!
完全に彼らの音楽を堪能していました。

そして!
曲の最後にドロドロドロと低音のドラムが鳴り響いたと思うと、
いきなり来ました。
そうです。「Epitaph」です。これにもやられた。
このつなぎは泣きそうなくらい感動しました。
そして、気になっていたのは歌ですが、、、
ジャコがなかなかよかったです。この人うまいね〜。
ジョン・ウェットンより豊かな声だけど
グレッグ・レイクほど甘くはない。
結果、クリムゾンのどんな曲にも合うみたいで
原曲の雰囲気を全く損なわずに、寧ろよかったです。
さすがにこの曲は僕も一緒に小さく口ずさんでました。^^

もうここまで僕としては大満足。w
彼らもその辺りを意識してか、
ここからはしばらく新しめの曲が続きます。
そして、「Easy Money」のイントロが来た時は、
おお! とまた乗せられてしまいました。

その「Easy Money」のあとはコリンズの管をフィーチャーした
フリージャズっぽい展開。
このコリンズにジャコがフルートで絡んだりする。
このジャコって人、僕は殆ど初めて知ったけど、
プロデューサーやってたり、芸達者な人だねぇ。

さて、フリージャズっぽい展開と言えば思い出すのが
デビューアルバムに入っていた「Moon Child」という曲で、
それが来るのかな、と思っていたらそこから雪崩れ込んだのは
何と「The Letters」!
来たぁ、というか、やっと来たぁ、というか、
最初に書いたように「One, two, three, two, two, three」って
アルバム「Islands」を思わせるイントロで始まりましたから、
「Islands」の曲やるのかなぁ、ってずっと期待してたんですよ。
因みに、「Islands」は友だちに勧められて
僕が初めて買ったクリムゾンのアルバムなんです。
最初聴いた時、なんじゃこりゃあ、と思いましたが、
聴けば聴くほどおもしろくなるアルバムですね。
で、その「Islands」からの「The Letters」、
これも口ずさんじゃいました。w

そのあと「Level Five」をやって、もう少しで2時間というところで
来ましたよ、「Starless」。
ステージもそれまでは青を基調にした照明でしたが、
ここで一気に赤——「レッド」に!
ホント、僕だけじゃなくて、もうこの盛り上がりようは
ハンパなかったですねぇ。
この曲はジョン・ウェットンの無感動なボーカルがいいんだけど、
さっきも書いたように、ジャコのボーカルも感動的でした。
3人のドラムも、コリンズのサックスも、フリップにギターも。
とっても予定調和な大団円。w

151226a.jpg

曲が終わるとみんな総立ちで、
この時ばかりは写真撮っていい、ってことで、
はい、「Starless」が終わったあとのステージです。
写真タイムに客に挨拶もしないで写真とってるフリップがおかしい。w
この人、かつて僕にクリムゾンを紹介してくれた友だちが、
座ってギター弾くんだよ、って教えてくれたんだけど、
ホント、今回もずっと座って、殆ど微動だにしないで弾くんだよね。
それも一番はじっこのポジションで。
メインで鳴ってる暴力的なギターサウンドが
この人から出てるとはとても思えないそのギャップがおかしい。w

写真タイムが終わるとメンバー全員退場したけど
アンコールにちゃんと応えてくれましたよ。
その1曲目は「Larks' Tongues in Aspic, Part Two」。
もうイントロが鳴った瞬間に会場からはものすごい拍手。
みんな、好きなんだね、待ってたんだね、と思える瞬間。
そしてこの曲に続いては、、、ガー、ガーというノイズ。
もう、ファンならこのノイズだけでわかってしまう。
はい、そうです。「21st Century Schizoid Man」です。
ボコーダーかオーバードライブを通したか、
ジャコの声、オリジナルを思わせるノイジーな声でした。w

これらの流れでもうみんな大満足。
それはそれぞれに聴きたい曲はいろいろあったでしょうが、
一体これ以上何を望むというのでしょうか。
それほどに充実した2時間半近いひとときでした。
皆口々によかったと喋り合いながらホールから出て行きました。

151226b.jpg

実は、僕が今回予習をしなかったのは、
クリムゾンのようなバンドって難しいな、と思っていたからです。
僕が彼らの曲がすごいと思っているのはその即興性にあるんだけど、
かと言って即興ばかりだと人は付いてこれないだろうし、
かと言って過去のヒット曲をやるとしても、
既にその曲が売れた時とメンバーは大きく入れ替わっているし、
一体どんな曲をどんな風にやるのか、その時現場で楽しもう、
そう思ったからなんですね。
しかし、こうした僕の不安や疑問を全て裏切って、
本当に充実した演奏内容の、クリムゾンの現在(いま)を
心ゆくまで楽しむことができました。
久しぶりにロックのコンサートに行ったけど、ホントよかったな。

最後に当日のセットリストです。

■The Elements of King Crimson Tour in Japan 2015
・日時:2015年12月16日(水)19:00〜21:20
・会場:オーチャードホール(東京・渋谷)
・曲目:
    1. Larks’ Tongues in Aspic, Part One
    2. Peace - An End
    3. Pictures of a City
    4. Radical Action I
    5. Meltdown
    6. Radical Action II
    7. Red
    8. Epitaph
    9. Hell Hounds of Krim
    10. The ConstruKction of Light
    11. A Scarcity of Miracles
    12. Banshee Legs Bell Hassle
    13. Easy Money
    14. Interlude
    15. The Letters
    16. Level Five
    17. Starless
     (アンコール)
    18. Larks’ Tongues in Aspic, Part Two
    19. 21st Century Schizoid Man

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