2016年6月18日土曜日

シンクラヴィアが来た!〜Arturia V Collection 5

まぁ、メーカーというものは物欲を見事に刺激してくれるもので、
ちょうど1年前にユーザー優待でV Collection 4を購入しましたが、
そのArturiaから最近やはりユーザー優待で案内が来て、
V Collection 5が発売され、新しい楽器が追加されたとのこと。
そのうち3つは、アコースティック・ピアノ、
ローズ・ステージ73、そしてハモンドB3という、
やや今さら感のある、別にArturiaがやるまでもない機種で、
へぇ〜、って感じなんだけれども、あとの2つ、
シンクラヴィアとファルフィッサには、
ムムムっ! と反応してしまいました。

160618a.jpg

シンクラヴィアと言えば、80年代から音楽をやっていた人間には
夢のような楽器ですね。
多分基本セットが当時2000万円くらいで、
オプションによっては1億とかした機材で、
CMI フェアライトと並んで当時の最先端でしたね。
有名なのは、ジョージ・ルーカスの
インダストリアル・ライト&マジックのスタジオに導入され、
当時の映画の音楽と効果のあらゆるところで使われたこと、
日本では小室哲哉さんが導入して、できないことはない、
って豪語していたところでしょうかね。

で、フェアライトが数年前に5,000円位のiPhoneアプリになって
すごく驚きつつ、迷わずにポチッとしましたが、
今回も同様、円高になったタイミングを見計らって
ポチッとしちゃいましたよ。^^;
実は、シンクラヴィアのシミュレーションは既に、
やはりソフトシンセを多数出しているUVIから
「The Beast」という名前で出ています。
これは前から購入しようかと考えていたのですが、
既に V Collection の一連のシミュレーションで使い慣れてる
Arturiaが今回出して来るのに当たって、迷わず買っちゃったわけ。

160618b.jpg

で、早速いじってみたのですが、いいですね〜。
やっぱり80年代的な響きではありますし、FM臭はしますが、
FMと言っても、ヤマハのDXシリーズとは全然違う印象、
寧ろ暖かいというか、太くてアナログっぽい感じすらありますね。
で、ILMサウンドをイメージしていた僕には
拍子抜けなくらいサンプリングっぽいサウンドはなくて、
さすがにArturiaらしく、シンセサウンドに徹しています。
そこが逆によかったですね。
オリジナルの4パーシャルを12パーシャルに拡張し
非常に豊かで、複雑で、トリッキーな音空間を生み出せるのです。
これがね、ホントに、延々と弾いていて気持ちいいのですよ。w

そこでその音を聴きながら思い出したのが、
時々この日記でも触れているいだきしんさん。
1991年5月26日、熊本は阿蘇のASPECTAという野外劇場で
スタジオ用の機材と言われたシンクラヴィアのフルセットを使い、
「響-愛・平和」をテーマに7時間の連続演奏を行ったのです。
この時の演奏は、「HIBIKI」というCDとして発売され、
僕もiPhoneに入れてよく聴いていますが、
とても宇宙的な、しかし同時に自分の内面奥深くに入っていく、
素晴らしい音楽なのです。
そして、そこで使われている音の数々が
今回のArturiaのソフトシンセで再現されているのです。

http://www.idaki.co.jp/worldConcert/1991aspecta.html

そうか! と思いました。
来週のSL13Bのライブでは、熊本と大分を支援する音楽を
新たに作って披露する予定でいましたが、
このタイミングでシンクラヴィア・サウンドが手に入ったのです。
熊本、シンクラヴィアと来て、いだきしん先生を
意識しないわけにはいかないではないですか。
何度も九州の上空を飛びながら、阿蘇に目をやりながら、
熊本に思いを馳せてきたのです。
もうここは、1曲と言わず、シンクラヴィアを思い切り使って
即興演奏を展開することに決めました。
いだきしん先生の真似事をするようで烏滸がましくも感じますが、
僕は僕の表現をさせて戴きましょう。

それからファルフィッサ。
イタリア製の、ハモンドに比べればチープな音のするオルガン、
そういう印象を長いこと持っていましたが、それを見直したのが、昨年「Electronica 1: Time Machine」がリリースされた時の
米キーボード誌とのジャン・ミシェル・ジャールのインタビュー。
「幻想惑星」などでファルフィッサを使ってるらしいことがわかり
なるほど〜、と思いました。
「軌跡・パート2」でのうねるようなサウンド、
シンセというよりはオルガンだな、とは思っていましたが、
なかなかあの雰囲気が出せないでいたのです。
ところが、今回のArturiaのFarfisa Vであっさりそれが実現。
(前回追加されたVox Vでもこういう響きはなかった。)
何と言うかね、この音に限らず、全ての音に
「ヨーロッパ」な響き、香りがあるのですよ。
この香りが好きで、このソフトシンセも延々と弾いてました。

160618c.jpg

というわけで、来週のライブでは、
このシンクラヴィアとファルフィッサをフィーチャーして、
殆ど全曲新曲、殆ど全曲即興で演奏します。
楽しみにしていて下さいね!^^

※因みに、V Collection 5の詳細はこちらをどうぞ。
https://www.arturia.com/products/analog-classics/v-collection/overview

No response to “シンクラヴィアが来た!〜Arturia V Collection 5”

Leave a Reply