2021年10月5日火曜日

Duran Duran の "A View to a Kill"

とにかく久しぶりの 007 映画の公開で勝手に盛り上がってる
ヒロシなのであります。

新作は早速 IMAX で観て来たのですが、
その公開を待ちきれずに数週間前から Amazon Prime で
007 映画の復習? をしてはツィートしてましたが、
「リビング・デイライツ」についてツィートした時に、
スノさんから「リビング・デイライツ」と言えば Ah-ha だよね、
との書き込みに反応して、その前の Duran Duran から
ボンド映画の音楽って変わったよね、なんて書いたのでした。
実際、Duran Duran の "A View to a Kill" は
こんな音遣いがあるんだ!@@ って驚いた作品なのです。

僕が初めてシンセを買ってバンドを始めた '80年代は
電子楽器の技術が一気に進んでその電子楽器を使った
新しいサウンド、音楽が次々に生み出された時代でした。
ざっと歴史を振り返ると、1981年にアナログの名機 Jupiter-8が、
そして 1983年に DX7がリリースされたかと思うと、
同じ年には Fairlight CMI のオーケストラヒット音が衝撃の
イエスの "Owner of a Lonely Heart" が出たんですね。

■Yes: Owner of a Lonely Heart
 

この曲の凄いところは、この「ジャン!」という音だけで
一時代を創ってしまったところですね。
この曲のおかげで誰も彼も、日本のアイドル歌手の歌まで
「ジャン!」という音を聞くようになってしまいました。www
でも、ただ「ジャン!」ってやるだけだったら
すぐ飽きてしまうじゃないですか。

で、次にスゲーな、と思ったのは、
ポール・ハードキャッスルの「19」って曲ですよ。
第二次世界大戦の時の米軍兵士の平均年齢は26歳だったけど
ヴェトナム戦争の時の平均年連は19歳だった、
彼等は帰国してからも PTSD を患い、今も戦争を戦っている、
というシリアスな内容の音楽で、
「ナナナナナナインティーン」とどもったような
サンプリングの歌が耳に残っている方も多いのでは?
この曲では、オーケストラヒットは、単発の「ジャン!」ではなく、
リズム楽器として使われていましたね。
次のビデオの最後1〜2分位のところでご確認下さい。

■Paul Hardcastle: 19
 

しかし、元々「ジャン!」という衝撃音ですから、
これをパーカッションとして、リズミックに使うのは当然アリです。
Yes からポール・ハードキャッスルへの進化は
予測可能な必然と言えます。

でもね、この特徴あり過ぎるオーケストラヒットを
メロディーに使おうという人は普通はいなんじゃないでしょうか?
存在感もコード感もあり過ぎでピアノやギターのようには使えない、
単なるギミックに過ぎない、そんな風に思っていたのですが。。。
何とこれをメロディーとして使ったのが
Duran Duran の "A View to a Kill" というわけです。^^

■Duran Duran: A View to a Kill
 

このオケヒットの使い方には衝撃を受けました。
聞いて頂くとおわかりのように、一発もののギミッグでなく、
全曲にわたってこの音が鳴り続けるわけですからね。
これはキーボーディストのニック・ローズのアイデアなのか
プロデューサーによるものかは知りませんが、
80年代、Duran Duran が新しいサウンドを
僕らに聞かせてくれた、その功績の一つだと考えています。

オーケストラヒットって、「ジャン!」とやる以外に
使い道がないように思えたのにも関わらず、
その後のデジタル楽器には漏れなくこの音が収録されたのは、
Jupiter ストリングスとか DX ピアノ、
或いはオーバーハイムブラスといったような
キーボードの音色の1つの典型として認められたからかな、
そう感じるヒロシなのであります。

新しいテクノロジーが新しい楽器を生み、
新しい楽器が新しい音楽を生み、
新しい音楽は時代を刺激し、また新しい楽器を求める。。。
音楽と時代とは常に最先端であることを競っているように思います。
自分もその一端を担えれば、こんなに幸せなことはないですね。

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