2022年8月13日土曜日

【RL】 案外悪くない SF 映画「ムーンフォール」

※警告! この記事は映画のネタバレを含みます。

もう何週間か前のことになりますが、観ましたよ、
アマゾン・プライムで宣伝してるローランド・エメリッヒ監督の映画
「ムーンフォール」。
正直、この監督の映画、個人的にはあまり評価してないんですよね。
全体にヴィジュアルが派手なのですが、ストーリー的には
B 級 SF 映画、といった感じなので。
例えば、この監督の代表作と言ったらやっぱり何を措いても
「インディペンデンス・デイ」でしょうが、
プロットは H・G・ウェルズの『宇宙戦争』の域を脱してないし、
その『宇宙戦争』は人間に撃退できなかった火星人を
人間が下等と見做しているバクテリアが撃退してこの星を守った、
という警句に満ちているのに対し、
「インディペンデンス・デイ」は結局人間の知恵と勇気で
未知の来訪者を撃退できちゃうというおめでたいお話なので。。。
とまぁ、私の評価は低いのだけれど、
やっぱり、「月が落ちて来る」という設定は魅力的なわけで
結局観ちゃったわけなんですね。

それで結論です。
これ、ちゃんとした SF 映画です。案外悪くないです。
アマゾン・プライムで公開が始まってすぐに何人かの人が
レビュー記事を書いていましたが、全体的には評価低い感じ。
この監督の場合はやはり代表作の「インディペンデンス・デイ」と
比べてどうか、という話になりがちで、私の印象としては
「インディペンデンス・デイ」に比べてつまらない、
という評価が多かったような。
でも、僕の評価は逆なんです。
最初に書いたように「インディペンデンス・デイ」そのものが
イマイチと感じているので、それよりは遥かによい、
と感じた次第です。
それは、これも前に書きましたが、僕の中で最高の SF 映画は
「2001年宇宙の旅」なのです。

SF って宇宙を舞台にしたり、宇宙人が出てきたら
それでいいわけではないんです。
タイムトラベルものとかもありますが、
一つには、私たちの思考、知性を刺激する要素と
もう一つには黙示録的な要素が欲しいところなんです。
というのも SF とは Science Fiction(空想科学小説)でもあり、
Speculative Fiction(思弁小説)でもあるからです。
「2001年」にはこれらの要素が全て詰まってるんです。

で、「ムーンフォール」。
月が落ちて来るということ自体おもしろいのだけれど、
実は地球の月は巨大な人工構造物だった! という内容。
主人公たちはその構造物の奥深くへと入って行き、
地球創成の真実を知ることになるのです。
いや、この発想は面白い。
というか、月がどうして生まれたかにはいろんな説があって、
隕石との衝突によって地球の一部がもぎ取られたものとか
他から来た衛星を地球が捉えたとかあるのですが、
以前から、何故日食や月食が起こるのか、
即ち、何故月の大きさや位置は、地球から見て
太陽と同じ大きさに見え、互いに重なるような位置にあるのか、
偶然にしては出来すぎている、
数学的に計算された上の大きさや位置ではないのか、
例えば地球上のピラミッドなどの古代遺跡がそのように
造られているように。。。

となると、これはまたまた「古代宇宙飛行士説」ですよ。
ちょっと前に、同じローランド・エメリッヒ監督の
「紀元前1万年」が古代宇宙飛行士説を描いているのに、
制作側があまりそれを理解してなかったのか中途半端で残念、
という記事を書いたけれども、どうもこの監督、
この説をとても気に入っている、或いは気になっているようですね。
そう言えば、同じ監督の「2012年」も古代マヤ暦が元になっていて、
私も影響を受けたグラハム・ハンコックの『神々の指紋』に
インスパイアされた旨、公言されていますよね。
その意味では、この監督作品の僕の評価は、
今回の「ムーンフォール」が1位で、次が「紀元前1万年」かな。
いや、「紀元前」の方はかなり落ちるのだけれど。。。
「2012年」は、マヤ暦がもっと活躍すればよかったのだけれど、
ただのパニック映画ですね。。。

さて、あるレビュー記事では、レクサスを宣伝するための
シーンや役どころがあった、なんていうのも見かけましたが、
僕が気になったのは「カスペルスキー」の文字が少なくとも2回
どちらも一瞬だけ、しかし存在感を持って表示されていたことですね。
カスペルスキーはロシアのセキュリティー企業で
確かアメリカからは追い出されたはずだったので
何故ここでカスペルスキー? と気になったのでした。w

というわけで、結構おもしろい映画ですよ。
オススメしておきます。^^

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