2022年12月13日火曜日

【RL】 クリスマスと言えば「くるみ割り人形」!

ふと思い出した。
今年は SL デビュー 15周年を勝手に祝っているけれど、
RL では10年前の今日、僕は出張でニューヨークにいたのだ。
それを思い出して、急にバレエの「くるみ割り人形」が見たくなり、
YouTube で楽しませてもらった。
「くるみ割り人形」はチャイコフスキーの音楽なので、
サンクトペテルブルグ・マリインスキーのバレエを見るのが
正統派なんだろうが、今回はニューヨーク・シティ・バレエの
動画を見ることにして超感動したので今日はその話を。

順を追って話そう。
とにかくこの時期、ニューヨークはクリスマス一色なのだ。
クリスマスの当日である25日とか24日とかは
基本みんな家族と過ごすので、友だちとのパーティーの類は
その1週間・2週間前に行うことが多い。
というわけで、その辺りの週末となると、
バスに乗ってもこんな感じなのだ。w

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そう、サンタクロースの格好じゃない人って
僕の同僚以外乗り合わせた数人しかおらず、
あとの乗客はみんなサンタなのだ!
そんなバスだから、道行く人がみんな手を振ってくれる。w

そんな時期にアメリカに出張して、仕事の最終日が12月14日(金)、
仲間とグラセンで食事して、ニューヨークのクリスマスと言えば
有名なロックフェラーセンターのツリーを見て、
そのあとはみんな分かれて思い思いの週末を。。。

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で、僕はその足でリンカーンセンターに移動して
ニューヨーク・シティ・バレエの
「くるみ割り人形」を見に行ったのだ!
そう! 知る人ぞ知る!
日本で12月のクラシック界と言えばベートーヴェンの「第九」ですが、
ニューヨークでは「くるみ割り人形」なのです。
実はニューヨークに行ったら、ニューヨーク・フィルを聴きたい!
というのがクラシックファンとしての僕だったのですが、
クリスマスの時期なら「くるみ割り人形」でしょ!
というわけで、ニューヨークの宿に着いたその日、
最終日は残業もなさそうと踏んで、ちゃっかり予約したのでした。
次がその証拠写真ね。w

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正直僕はチャイコフスキーって苦手だったんだけど、
そして彼には交響曲第六番や、ピアノ協奏曲やバイオリン協奏曲など
大作がいろいろあるのだけれど、
この僕が一番おもしろいと思うのが、この子供向きとも言える
「くるみ割り人形」なのです。
とにかく音楽のバリエーションが多くて
その管弦楽法たるや素晴らしいの一言に尽きます。
特にその中では「パ・ドゥ・ドゥ」の音楽と
そしてそこでの2人の踊りが素晴らしいんです。
で、以前、YMB でもクリスマスには「くるみ割り人形」を
演奏していたりしたんですよ。^^


そんなこともあってこの機会を逃すわけにはいかないと
観に行ったのですが、やあ、何と言うんでしょう、
会場の雰囲気がとっても温かいんですよね。
ニューヨーク・シティ・バレエのそれは、主人公たちを
子供たちが演じることでも有名で、
だからそのかわいさが温かさと楽しさを倍増させるんです。
でも、かわいいと言っても、同時に、子供なのに
メチャメチャカッコイイ、美しいんですよ。

そんなことを思い出して、ニューヨーク・シティ・バレエの
「くるみ割り人形」を YouTube で観ていたわけなんです。
いやぁ、クレジットを見ると僕が見た1年前の2011年の12月の録画、
なので僕が観たのもこれと同じと思ってもらっていいです。^^
今動画を見直して、超感動しました。
素晴らしい踊りのあとで自然と起きる拍手、
そしてカーテンコール、ビデオなのに僕も思わず拍手したり
泣いたりしちゃいました。
いや、美しいものを見たら自然と涙が出て来るでしょう。

実は、この時期に「くるみ割り人形」を観ているのには
10年前のことを思い出したからだけではありません。
いくつかの理由があるのですが、その一つが、
これが「ロシアの音楽」であるということ。
そうなんです。
何と、11月29日号の「週刊エコノミスト」という経済誌で
「戦争とロシア芸術」という特集が組まれていたんです。
この雑誌、大体銀行や証券会社やコンサルといった人たちが
記事を寄せることが多いのですが、
今回は毎日新聞の学芸部や評論家の方々が
ロシア音楽に関する記事を寄せられていました。
もうおわかりでしょうが、今年のロシアによるウクライナ侵攻で
ロシアの音楽家のコンサートやロシア音楽のプログラムの
キャンセルが相次いでいるという話です。
芸術家は戦争とは関係ないではないですか。
何と、名門「チャイコフスキーコンクール」を
国際音楽コンクール連盟は除名したというではないですか!

私の好きなロシアの音楽家ショスタコーヴィチは、
その第7交響曲に関連して、「戦争は音楽を沈黙させると言う、
ここでは音楽が戦争に対して声を上げる」という旨の
発言をしたらしいけれども、
戦争によって音楽を黙らせようとしているのが欧米や日本というのが
何とも皮肉で歯がゆいことに感じる。
マリインスキー出身の名指揮者ゲルギエフは
プーチン大統領と親しく、大統領を支援しているとのことで
ミュンヘン・フィルの首席指揮者をクビになったが、
このことは僕には、やはり名指揮者のフルトヴェングラーが
一時は戦犯の扱いだったことを思いさせる。

あとで書こうと思っていたが、実はこのところ
管弦楽法の勉強をしていて、やはり管弦楽と言えば
僕が最高だと思っているのがストラヴィンスキーの「春の祭典」だし、
ムソルグスキーもリムスキー=コルサコフも
そして勿論チャイコフスキーもみんな名手だ。
ロシアが戦争を仕掛けているからといって
どうしてその芸術や芸術家まで排斥する必要があるのだろう。
ニューヨークのクリスマスにはチャイコフスキーは
なくてはならない存在なのだ。

気になってニューヨーク・シティ・バレエの
今年の冬のプログラムを確認したら、
今年もちゃんと「くるみ割り人形」をやっている。
素晴らしいことだ。
ニューヨークの暖かい、楽しいクリスマスには
絶対必要なものなのだ。
もしかするとバレエ団には脅迫の電話とかあったかもしれない。
それでも公演を決めた勇気に拍手を送りたいと思う。

そう、そんな町のバレエ団の素晴らしいステージ、
是非皆さんも楽しんで暖かいクリスマスをお過ごし下さい。^^

■ニューヨーク・シティ・バレエ「くるみ割り人形」

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