2024年1月7日日曜日

【新作】 令和六年弾き初め〜この正月にライブ配信した演奏を公開しました!

この正月は九州にある親の家で過ごしました。
1月3日までは妹もいて、ワイワイやっていましたが、
4日ともなると妹も自宅に帰り、静かになりましたので
家にあるピアノを弾いてライブ配信しました。

振り返ってみると Ustream がリリースされた時に
いち早くライブ配信をしていたヒロシで、
Ustream がなくなる直前にもライブ配信していましたが
Ustream がなくなってライブ配信は YouTube に切り替えたものの、
実は YouTube でのライブ配信はこれまで一度もやっていないことに
気づいたヒロシなのでした。^^;

というわけで、1月4日の初ライブ配信はヒドイものでした。w
最初は音が出ていなかったし、音を出そうとしてハウリングしたり。
まぁ、幸か不幸か配信の案内をしたのも直前でしたし、
モニターしている自分以外誰も観ていなかったようなので
とりあえずテストとしてはよいかなと思いました。

1月4日に弾こうと思ったのは、Ustream 時代に
よく「弾き初め」なるものをやっていて、
2017年に YAZROCKETT さんとリアルライブやった時に
僕の紹介動画は SL での演奏風景でなくて
「おもしろいから」とハイラさんが RL 演奏風景をアップしたのです。
本人としては不本意だったので動画は入れ替えてもらいましたが、
他人(ひと)からすると案外こっちの方が面白いのだろうと、
RL 演奏風景の配信に挑戦したわけです。
るぅさんやスノーさんも手元カメラやってますしね。^^

そしてもう一つ、やはり何と言っても、
大地震と航空機の事故で始まった令和6年、
非力な自分も何とかしたいという思いもあったのです。
そこで、亡くなった方々のご冥福を祈りつつ、
そして地震の被災地の一日も早い復興を願いつつ、
更にはここから日本に暮らす一人一人にとって
よりよい一年になることを祈念しつつ、
そうした祈りの気持ちを音で表現させて戴いた次第です。

ライブ配信は散々でしたが、録画は PC  に残っていましたので
SL での録画と合わせて YouTube で公開させて戴きました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

■祈り〜令和六年・熊木博士弾き初め

2024年1月4日木曜日

【レビュー】 ディズニーの『ラテンアメリカの旅』を観た!

前にディズニー・プラスの契約をした話を書きました。
一番の狙いは「スター・ウォーズ」シリーズが観れることでしたが、
同時にディズニーに名作アニメが自由に観れるのも魅力でした。
その名作というのも最近の話題作は勿論ですが、
案外古〜い、ディズニーの原点のような作品だったりします。
実際、ディズニー・プラスを契約して一番最初に観たのが
『わんわん物語』(1955年)でした!w

それから『白雪姫』も観ましたね!
これはアニメも実写もいろいろ映画化されているでしょうが、
やはり "Heigh-Ho" や "Someday My Prince Will Come" といった
名曲を含む 1937 年のディズニーのアニメこそ
白雪姫のオリジナルのような作品ですね。
そう! 今回見直して、これが 1937 年という
第二次世界大戦より前に作られた作品と知って驚きました。
この時代にこれだけのクォリティのものが作られていたんですね!

実は『白雪姫』も『わんわん物語』も観たいと思ったのは
音楽的な興味からで、こうした古い作品に接して思い出したのが、
もしかして、あれ、あるかなぁ、と検索したら出てきましたよ。
『ラテンアメリカの旅』という 1942 年の作品。
原題は Saludos Amigos、つまりスペイン語で
「こんにちは、お友だち」というものなのですが、
これはディズニーのスタッフが新しいアニメの素材を求めて
ペルーのチチカカ湖やチリ、アルゼンチンのパンパや
ブラジルを訪れた時のことを、絵や音楽のスタッフの
旅行中や取材している様子を写した実写のシーンと
そこから生まれたドナルドやグーフィーのアニメとが組み合わせられた
とても魅力的な作品なのです。

なのですが、このタイトルをご存じの方は
あまりいらっしゃらないかもですね。
私が何故この作品を知っているかというと、
ずっと昔、今から30年くらい前でしょうか、
ラテンの名曲についていろいろ調べていた時に
「ブラジル」のタイトルで有名な定番名曲がヒットしたのは
この映画がきっかけだったと書いてあったからなのです。
しかし、古い作品であるのと、その他数あるディズニーの名作の中で
例えばプライムビデオや Hulu などの動画配信でも
普通にはあまり上がって来ない作品ですね。
同じ時期に作られた『ファンタジア』とは大違いです。
んで、今回ディズニー・プラスで検索したら
「あった!」というわけです。
30年越しでやっと出逢えた作品というわけなんですね。

映画のアニメ部分は全部の4つのエピソードから成っていますが、
「ブラジル」の曲が出て来るのは一番最後の
「Aquarela do Brasil」、つまり「ブラジルの水彩画」のシーン。
ディズニーの画家の筆がブラジルの美しい自然の風景を
水彩でどんどん描いていくのに合わせて
その風景を背景にドナルドが踊ったりするというもの。
しかもこの「Aquarela do Brasil」というのは、
例の「ブラジル」の曲の原題なんですね。

この曲は元々、ブラジルの作曲家アリ・バローソが 1939 年に
雨の音にヒントを得て作ったものらしいです。
「水彩」というのは元は雨のことだったんですね。
同じ年にフランシスコ・アルベスが録音したレコードが
オデオン・レコードから発売されるも、
どうもなかなか売れなかったらしいのですね。
それがこのディズニーのアニメで一躍有名になったらしい。
後に英語の歌詞も付いて、
タイトルも単に「Brazil」と呼ばれるようになったというわけ。
原題にある「水彩画」の表現を見事に活かした
ディズニーのアイデアがぴったりハマったんでしょうね。

こうして漸く「ブラジル」の曲のオリジナルとは言えないまでも
ヒットのきっかけになったディズニーの映画を観ることができました。
調べると何と、YouTube にちゃんと上がっているんですね。
というわけで最後にその動画を紹介しておきます。

2024年1月3日水曜日

【レビュー】 シリア映画『ダマスカス…アレッポ』

先週、と言ってももう昨年となった12月25日のクリスマスの日
NPO 高麗主催で渋谷の東京ウィメンズプラザで行われた
「シリア上映会&いだきしんコンサート」に参加しました。
NPO 高麗は継続的にシリアへの支援を行っており、
イベントはムハンマド・ナジーブ・エルジー・シリア大使夫妻が
臨席して行われ、「ダマスカス…アレッポ」と
「ナツメヤシの血」という2本のシリア映画を観たあと
いだきしんさんによるピアノの即興演奏が行われました。
大使は破壊されたシリアはフェニックスの住むと言われる地、
フェニックスが灰の中から蘇るように、
シリアも必ず復興する、と力強く述べられ、
いだきしんさんの演奏もフェニックスを表現したものでした。

2本の映画は同じく昨年の10月6日〜13日にわたって
東京外国語大学建学150周年記念事業の一環として行われた
「シリア文化週間」でも上演されたもので、
字幕も東京外国語大学メディア情報センターによるものでした。
かつてイラン映画にハマって、その他の中東の映画を観ていた私も
シリアの映画を観るのはこれが初めてでした。
2本の映画、何れも深く考えさせられるものがありましたが、
今回はそのうちの1本、「ダマスカス…アレッポ」について
書いてみます。

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この映画は2018年、バシル・エル・ハティブ監督の作品で、
同年10月に行われたアレクサンドリア国際映画祭(AIFF)の
オープニングで上映され、最優秀アラブ映画賞を受賞したという
アラブ世界ではかなり話題になった作品です。
にも拘わらず、Web 上では日本語の記事を見つけることが
できませんでした。
この作品について知りたいという方いらっしゃいましったら、
英語のタイトル "Damascus...Aleppo" か、
アラビア語の原題 دمشق حلب をラテン文字にした 
"Damashq Halab" で検索してみて下さい。
(そう、ダマスカスはアラビア語では「ダマシュク」、
 アレッポは「ハラブ」と言うのです。)

映画は、主人公のイーサー・アブドゥッラーが、
首を縊って自殺しようとする友人を止めに来るところから始まります。
友人は言います。自分の周りの人はみんな死んでしまった、
自分にはもう生きている意味はないのだと。
これにイーサーは、人は自分のだめだけに生きているのではない
自分が生きていることが他の誰かのためになっているのだと。

友人の自殺を止めた次の日、姪のエバが婚約の報告に来ます。
翌日結婚式を挙げるとのことで、イーサーは、
亡きエバの両親に代わって必ず同席すると約束し、
更に仲のよい友人二人にも出席するよう頼むのです。

結婚式当日、イーサーは結婚式に先立って
アレッポで行方不明になった娘ディーナの夫の捜索を
警察に依頼するのですが、警察から結婚式会場の裁判所に行く途中
渋滞に巻き込まれてしまい、約束の時間に遅れてしまいます。
そして、彼が裁判所に着き、会場へ向かおうとしたその瞬間、
裁判所がテロにより爆破されてしまうのです。

この突然の爆破シーンにはショックを受けました。
そう、イーサーは愛する姪と親しい友人を二人も
この時に失うことになってしまうのです。
墓参りのあと今度はイーサーが自分は何故生きているのか、
と自殺しようとした友人に問うのです。
友人は他の誰かのため、とイーサーから言われた言葉を
そのまま返すのです。

イーサーには、アレッポに住む娘のディーナとその子供達がいる。
イーサーはバスに乗ってアレッポの娘を訪れることを決めます。
ダマスカスからアレッポまでは幹線道路で約400キロですから
大体4時間くらいの道のりでしょうか。
バスには様々な背景を持った人たちが乗ってきます。
皆、何とか今日中にアレッポに着きたいと願い人たち。
一人一人、他の乗客に好意を抱いたり、
その反対に嫌なヤツだな、と思ったりする中
バスはアレッポに向かって出発します。

ところがまぁ、その道中、いろいろなできごとが起こり、
バスの進行は妨げられるのです。
その度に、これは悲劇につながるのではないか、と
ハラハラさせられるのです。
というのも映画が突然の爆破のシーンで始まったからです。

ネタバレになるので個々の事件の細かい話は省きますが、
結局バスはアレッポに到着し、イーサーは娘の家に向かいます。
ところが、娘の住むアパートの周りに IS が地雷を仕掛けたと
国軍によってアパートは封鎖されてしまっているのです。
イーサーはここまで来て娘に会わずに帰れるものか、と
地雷が埋まっているかもしれない中を
娘の方に向かって一歩一歩歩き始めるのです……。

ポスターの写真はこのシーンのものですね。
これもネタバレになるので結末は書きませんが、
このシーン、とっても感動的でした。
人の生き死には人間が自分で決めるものではない、
全て神の御心次第(インシャラー)なのだ。
仮令死ぬかもしれないと思っていっても、
人は一歩一歩、自分のなすべきことに向かって
歩みを続けなければならないのだ、と。

ご興味を持って頂いた方の為に、YouTube に上がっている
予告編の動画をシェアしておきます。英語の字幕です。


あと、英語を含めて、キャストの情報が少ないので
この映画のアラビア語の Wiki ページで取得した情報を元に、
わかっている範囲で記載しておきます。

■映画「ダマスカス…アレッポ」(2018年)
 ・監督:バシル・エル・ハティブ
 ・出演:ドゥレイド・ラハーム(イーサー・アブドゥッラー)
     キンダ・ハンナ(ディーナ:イーサーの娘)
     サルマ・アル・マサリ(フダー:イーサーの憧れの人)
     サバー・アル・ジャザイェリ(ラファー:イーサーと心を通わす女性)
     アブデル・モネイム・アマイリ(ジャラール:若いDJ)
     ビラール・マルティーニ(ワリド:ディーナのアパートを守る兵士)

クリスマスの日にキリスト教世界の映画でなく
イスラーム教の中東の映画を観るというのも不思議な感じがしますが、
因みに主人公の名「イーサー」はアラビア語で「イエス」のこと。
やはりこの日に観たということは偶然ではないのかもしれません。

2024年1月2日火曜日

新年のご挨拶

新しい年 2024年がはじまりました。
元日の昨日は移動日でしたのですっかり遅くなりましたが、
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

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上の写真にありますように新しい年は快晴の下、
美しい初日の出で始まりました。
美しいと言えば、九州に向かう新幹線の車窓からは
雲一つない空に聳える富士の姿を拝むことができました。

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とても気持ちのよい朝を迎えて、今年は素晴らしい、
明るい一年となる予感がしていましたが、
まさかの大地震が正月の日本を襲いました。
その時間私は博多にいましたが、
滋賀県からのネット中継を見ていてものが揺れているのを見ました。
地震速報を見ると震源は能登半島で震度7、
滋賀や京都も震度4だったと知りました。
石川県、富山県、福井県、新潟県には知人が多く、
あの人は、この人は、そしてその人たちの家族は
大丈夫だろうかといろんな人の顔が浮かび、気になっています。
今は大変な時期だろうと敢えて連絡もとっていません。
今自分にできることは何もありませんが、
ただただ皆さんのご無事を祈っております。

なのであまり「おめでとうございます」を言えない状況ですが、
とは言え、いつもお世話になっている皆様に
挨拶をしないわけにもいかず、この日記で代えさせて戴きます。

昨年はいろいろとお世話になり、ありがとうございました。
大晦日は YMB の年末恒例第九演奏会で締めさせて戴きました。
ご来場頂いた皆様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。
ありがとうございました。
お陰様で今年は見事0時0分0秒ドンピシャリで
「ダン!」と終わることができました。
個人的にはこれが大変嬉しかった。
いい年なる予感がした次第です。
続く新年の曲は「蛍の光」のあと、
外山雄三作曲の「管弦楽のためのラプソディー」から
終曲の八木節を演奏させて戴きました。
経済的にも政治的にも、研究の分野でも、
また人口や出生率の面でも、日本の地位低下が
しきりに言われた 2023 年でしたが、
2024 年はそんな日本人みんなにとって
明るく力強いエネルギーに満ちた一年になればと願い
元気に溢れるこの曲を送らせて戴いた次第です。

にも拘わらず、大地震による災害のニュースで始まった今年、
一転して前途多難な予感すらさせますが、
それでも一日一日、何か一つでも、
昨年よりはよい何かを積み重ねていくしかないのでしょう。
皆様にとりまして実りのある年となりますよう願いつつ、
本年も引き続きどうぞよろしくお願いします。