2023年11月16日木曜日

【新作】 ニュー・アルバム『Orchestral Manoeuvres in Second Life』全曲解説〜その8・「レット・ラブ・リング」

2010年、年が明けたばかりの1月12日、マグニチュード7の大地震が
カリブ海にある国、ハイチを襲いました。
人口1千万人のこの国で20万人以上が亡くなるという
大変な被害を出す地震となりました。
同じく地震国である日本に住む僕等も、何とかハイチの人たちの
力になりたいと、2010年の5月3日〜4日にかけて
仲間のミュージシャンや DJ を集めて14時間にわたるイベント
「Ring of Second Life」を開催したのでした。

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で、わが YMB はやすたかさんと組んで4日の朝9時から11時
「トリ」で出演したのでした!><
その時のために作ったのがこの曲「Let Love Ring」なのです。

勿論、このタイトルは「Let Freedom Ring」という
マーティン・ルーサー・キング Jr. のスピーチを下敷きにしています。
人類は何度も危機に直面して来た、でもその度に
みんなで助け合ってその危機を乗り越えてここまで来たよね、
愛こそが人を危機から救える力だよね、そんな歌です。
世界中のいろんな人たちが助け合う、
そんなイメージを音で表現するのに、YMB のオケと
僕のロックバンドが共演する、そんなアレンジにしたのでしたが、
今回の録音に当たってはミキシングがすごく難しかった。
オケのいろんな楽器の音も、エレキギターやオルガンといった
LM 楽器の音もどれもちゃんと聞こえるようにするのにね。
今僕ができるのはこれが限界かな。^^;

ところでこの歌、明るい希望を与える歌にしたかったので
ハ長調で作ったのですが、何と、自分で歌うのは厳しかった。
そこで自分のライブでやる時は短3度下げて
イ長調で歌っていたのです。
今回のレコーディングに当たっては、ヒロコに歌ってもらうので
自分としては正調であるハ長調に戻そうとしたのです。

ところが!

気づいたのです。出だしのトランペットのフレーズ、
ハ長調で演奏するとトランペットの音域を越えてしまうことが!><
そう、ちょうど長2度越えてしまうのです。
そこで泣く泣く変ロ長調、つまり B♭で録音することにしました。
まぁ、トランペット的には、というか吹奏楽的には
B♭こそが最も基本的な調なわけですし。。。
(ユーフォニアムのアニメで B♭でチューニングするシーンがあり、
 チューニングはAだと思っていたヒロシはぶっ飛びました。w)

しかし、どうも B♭でこの曲を歌うのは
ヒロコにはちょっと低すぎたようです。
そう、オクターブ上げると今度は高すぎるわけで。。。
いつものヒロコとちょっと雰囲気違うでしょ?

というわけで、そんないろんなエピソードのあるこの歌、
たくさん聴いて頂いて、そして気に入ったら是非買って下さい。
どうぞよろしくお願いします。m(_ _)m

■Orchestral Manoeuvres in Second Life
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1. 流れよわが涙、と警官は言った
2. 祝典序曲〜naturalway Flow による Music StarMine のための
3. シルクロード
4. 夏の哀しみ
5. ファウンデーション〜SFドラマのテーマ〜
6. レイ・ブラッドベリのための音楽
7. レクイエム (2023年リマスター)
8. レット・ラブ・リング (feat. Hiroko Sweetwater)
9. 流れよわが涙、と警官は言った (feat. Hiroko Sweetwater) [ボーカルバージョン]

定価:アルバム ¥1,528.-/シングル ¥204.-

旧作の情報はこちら。

・1枚目『Songs from a Virtual World』

・2枚目『Sound Cruise in the Metaverse』

2023年11月15日水曜日

【新作】 ニュー・アルバム『Orchestral Manoeuvres in Second Life』全曲解説〜その7・「レクイエム」

今回のニューアルバムの7曲目に収められている「レクイエム」は、
実は全9曲の中で最も古いものなのです。
まだセカンドライフに参加する前の2006年8月に
RL のミュージシャン・ネームであるタンゴ黒猫名義で
当時運営していたネット音楽雑誌・月刊「DAICHI-大地-」に
発表したものなのです。


その当時に僕がこの曲に寄せたコメントを転載すると、

「今また中東の情勢が不安定になり、多くの罪もない人たちの命が戦争の犠牲になっています。何故罪もない人たちを巻き込まなければならないのか、テレビに映る子供たちが傷ついたり、死んだりしている様子に胸が痛み、深い悲しみと憤りを覚えてしまいます。どんな事情があれ、何を措いても人の命を最優先に考えるというのは、国や民族、宗教や文化を越えて人間だったら共通のことなのではないでしょうか。折しも今日は8月6日、広島に世界で初めて原爆が落とされた日。多くの命が失われたことの悲しみと、平和への祈りをこめたレクイエムを書いてみました。しかし、ただ悲しんでいるわけにはいきません。二度とこうしたことが起らないようにするために、生き、動いていかなければ——そういう意味でも、この曲はまだ途中なのです。」

当初この曲は入れる予定はなかったのです。
今回のアルバム・リリースに向けた僕のメモには
「流れよわが涙、と警官は言った」は歌の有り無しで重複があるので
全7曲と書かれています。
このアルバム全体の説明に全7曲とあるのはそのためです。
が、折しもリリースの作業を行っているタイミングで
ハマスによるイスラエルへのテロ攻撃、
続くイスラエルによるガザ地区に対する攻撃が始まりました。
この出来事に僕はとても心を痛めました。
どちらが良いとか悪いとかそういう問題でないところで
多くの罪のない人たち、子供たちが生命を、生活を奪われる、
これは人としてとても耐えられない状況です。
そこで、一日も早くこの状況が終わることを願って、
この曲を今また改めて発表することにしたのです。

冒頭、ハープが「キリエ」のメロディを奏でます。
「主よ、あわれみ給え」というのがキリエのメッセージです。
続けて、荒々しいホルンの響きと共に
ピアノが「怒りの日」のメロディを力強く、低音で奏でます。
「怒りの日」は「死者のためのミサ」、
つまり「レクイエム」に含まれるセクエンツィアという音楽ですが、
最後の審判の日に神の怒りで世界が灰燼に帰すと歌うのです。
そのあと音楽はピタリと止んで静かになり、
静かなストリングスの響きが延々と続きますが、
これは平和を願う僕の祈りの音楽なのです。

このストリングスは E-mu の UltraProteus に入っていた音で
何とも言えぬその響きに魅力を感じてこの音で何か表現したいと
そう考えているところで「レクイエム」に行き着いたのです。
そこで、今回このアルバムに収めるに当たって、
シンセの即興で弾いたこの曲をオーケストラアレンジしようとして
いや、この雰囲気を再現するのはムリ! と判断した次第。
何と言っても、初めてオケに取り組んだ作品なので
いろいろクォリティは低いかもしれないけれど、
SL でもこの録音で披露してきたということもあって、
今回のアルバムでは全曲レコーディングし直している中で、
この曲だけは敢えて 2006 年当時の録音を採用することにしました。
但し、マスタリングだけは今一度やり直したので、
「2023年リマスター」のバージョン記載があります。

そう、この曲は YMB の演奏会でも何度もやったことのある
思い出深い曲です。
是非いっぱい聴いて頂いて、イイ! と思われたら
是非シングルでもアルバムでもご購入頂けると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします!

■Orchestral Manoeuvres in Second Life
231021a

1. 流れよわが涙、と警官は言った
2. 祝典序曲〜naturalway Flow による Music StarMine のための
3. シルクロード
4. 夏の哀しみ
5. ファウンデーション〜SFドラマのテーマ〜
6. レイ・ブラッドベリのための音楽
7. レクイエム (2023年リマスター)
8. レット・ラブ・リング (feat. Hiroko Sweetwater)
9. 流れよわが涙、と警官は言った (feat. Hiroko Sweetwater) [ボーカルバージョン]

定価:アルバム ¥1,528.-/シングル ¥204.-

旧作の情報はこちら。

・1枚目『Songs from a Virtual World』

・2枚目『Sound Cruise in the Metaverse』

2023年11月14日火曜日

【新作】 ニュー・アルバム『Orchestral Manoeuvres in Second Life』全曲解説〜その6・「レイ・ブラッドベリのための音楽」

はい、またまた SF 絡みなのです。
6曲目の「レイ・ブラッドベリのための音楽」は、
2012年に SF 作家・レイ・ブラッドベリ氏の訃報に接して
作曲したものなのです。

いや、作曲したのはもっと前に遡り、2012年に行ったのは
その音を具体化しただけのことなのです。
この曲のメロディはそれよりもっと前、『華氏451度』を読んだ時に
その最終章を読んでいた時に覚えた感覚、
その時に聞こえてきたメロディに具体的な楽器を充てたものなのです。
その感覚というのは、例えて言うならば、
長い夜の闇が明けて、樹々の枝の隙間から光が差してくるような
雲の間から光が差してくるような、
明日への希望に満ちていながらどこか哀しみを覚えずにはいられない
そういう感覚なのです。
そしてそれは『華氏451度』より前に読んだ彼の作品
『火星年代記』の読後感にも通じる感覚なのです。
2012年6月6日、彼の訃報に接した時に聞こえて来たのが
あの時に聞こえて来たそのメロディだったのです。

ここで、その昔 NHK のテレビで O・ヘンリーの朗読番組があって
その番組のテーマ曲を担当されていたのが大好きなゴダイゴの
キーボーディスト・ミッキー吉野さんでした。
曲のタイトルは「A Song for O. Henry」、
ミッキーさんのアルバム『Longway from Home』に
収められています。
作家に対するレスペクトということでこの曲を思い出し、
「Music for Ray Bradbury」というタイトルにしました。
そんなわけでピアノがソロをとっているのは
ミッキーさんへのリスペクトでもあります。

そんな思い入れたっぷりの曲、サブスクで聴いて頂くのは勿論、
シングルでもアルバムでもご購入頂けると大変喜びます。
皆様、どうぞよろしくお願い申し上げまするぅ。m(_ _)m

■Orchestral Manoeuvres in Second Life
231021a

1. 流れよわが涙、と警官は言った
2. 祝典序曲〜naturalway Flow による Music StarMine のための
3. シルクロード
4. 夏の哀しみ
5. ファウンデーション〜SFドラマのテーマ〜
6. レイ・ブラッドベリのための音楽
7. レクイエム (2023年リマスター)
8. レット・ラブ・リング (feat. Hiroko Sweetwater)
9. 流れよわが涙、と警官は言った (feat. Hiroko Sweetwater) [ボーカルバージョン]

定価:アルバム ¥1,528.-/シングル ¥204.-

旧作の情報はこちら。

・1枚目『Songs from a Virtual World』

・2枚目『Sound Cruise in the Metaverse』

2023年11月12日日曜日

【RL】 東京楽器博 2023 に行って来ました!

何気なくフランスの楽器メーカー・アートゥリアの
サイトを見ていたわけなんです。
そろそろ「ブラック・フライデー」のセールやってくれないかな、と。
そしたら期せずしてイベント情報が目に入ったのですよ。
何? 東京で? 楽器博ですと?
調べて見たら11月11日(土)〜12日(日)。。。
って、今度の週末じゃないか! と慌ててチェック、
予定を組みました。
以前は楽器フェアというイベントが2年に一度開催されてて
とにかく世界の楽器が集まるので楽しみにしてましたが、
新型コロナの影響で2020年から一般客を迎えての形では開催されず
淋しい思いをしていましたので、名前も違うので何事!?
と思っていたら、今回は何と JSPA、つまりシンセ専門家の集まり
日本シンセサイザープロフェッショナルアーツさんの主催なんです。
んで、理事長の​氏家克典さんの話によると、
こういうのやるんだけど、と声をかけたら、
国内の多数の楽器関連の会社が賛同してくれ
大きなイベントになったのだそうです。

しかも!

会場が北の丸公園の科学技術館ですよ!
実は僕が初めて楽器フェアを訪れた時が科学技術館でしたからね。
氏家さん、来年も既に開催が決定していて、
科学技術館地下のサイエンスホールを使ったイベントを
考えていると仰っていましたが、そうなんですよ、
往年の楽器フェアではこのサイエンスホールで
いろんなイベントが開催された想い出が僕にもあって
こういう楽器のイベントの復活にとてもワクワクしました。

というわけで、以下、レポートです。
楽器フェアではミッキー吉野さんが KORG 関連で
ステージをやって頂いていたので
いつもそのスケジュールに合わせていましたが、
今回はミッキーさんは出演されない模様。
それでは、とスケジュールを吟味して、
11月11日(土)の方に参加することにしました。
あ、そうそう。
写真は一杯撮りましたが、SNS へのアップは禁止ということで、
以下、主に各メーカー・サイトへのリンクでお伝えします。

会場に着いたのは12:30頃でした。
先着500名に記念のトートバッグがもらえると聞いてましたが、
多分、最後の1つだったような気がしますが、
ちゃんともらえましたよ!^^
イベントの案内パンフレットはバッグの中に入ってました。

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それでバッグを見ると「MIDI 2.0」と「MIDI 40th Anniversary」
の文字が!
そう、忘れもしない 1983 年、Roland の JX-3P と
Sequential Circuits の Prophet 600 がこの MIDI 規格を装備して
発売されたんですよね〜。
そして今新たに MIDI 2.0 なるものが具体化されて来てるわけです。
何と、それを記念したイベントだったのか! と膝を叩くヒロシ。
これについては後ほど詳しく説明します。

会場入るとすぐ目の前にインスタコードのブースです。
これ、ギターを弾けなくても、簡単にギターを楽しめる楽器です。
僕はどちらかというとギターの入力によさそうと思ったので
話を聞いてみたところ、USB と Bluetooth を経由して
DAW に演奏データを書き込むことができそう。
これ、買っちゃうかも?w

更に真っ直ぐ前に進むと右手にモーグのようなモジュラーシンセが!
こちらは REON さんのブースでした。
ずっとシーケンス音が鳴り続けている魅力的なブースでした。

その先進んで右手にあるのはクリムゾン・テクノロジーさんのブース。
Voidol というアプリを出している面白い会社です。
これは、ボーカロイドなどと違って、自分自身の声を
登録されているキャラクターの声に変換するアプリです。
そういう意味では打ち込みが不要で便利そう。
ただ今のところアニメ・ボイスの声が殆どで、担当の方によると
「やはり需要が。。。」とのことでしたが、
今後は「あの人に声」に変換することができるようになる模様。
歌が下手なヒロシとしてはいろいろ期待するところあります。w

で、一番気になっていたのはやはり Roland と KORG なわけですが、
Roland はやっぱり最近発表されたばかりの GAIA 2 が凄い。
これ、パラメータを操作するツマミが全部パネル上にあるので、
演奏しながらリアルタイムでバンバン音を変えていくことができます。
ステップシーケンサーも搭載しているし、
エフェクトもツマミで一発で変更できるし、
実際暫く触っていましたが、多分これ、飽きないです。
時間を忘れていつまでもいじってそうなシンセです。
これ1台で即興演奏のライブやれるな、と思いました。

同じ Roland では Juno-X
これ、また Juno シリーズの焼き直しかぁ、と思ってたら、
とんでもなかったです。
僕が SH-101 に続いて2台目に購入したのが Juno-106。
よく見知ったインターフェイスなので弾き始めたら
おーおー、これは面白い。何か音が分厚いと思ったら、
XV-5080 とかいろんなモデルが入っててレイヤーできるし、
エフェクトも充実してるし、アルペジエーターも付いてる。
これも即興で演奏するのに素晴らしい出来で、
実際、かなり長時間弾きまくってましたよ。
ブラックとゴールドの Jupiter-X 50th Anniversary Model も
出品されてて、これも試奏しましたが、
今回は GAIA 2 と Juno-X がメチャメチャよかった!
Jupiter-X 欲しいと思っていましたが、優先順位変わりました!w

KORG は最初地味な展示に思えました。
フラッグシップモデルの Nautilus とか参考出品でしたから。。。
で、最近発表されたばかりの Keystage も MIDI キーボードなので
イマイチ面白くない。。。
しかし、これには別の意味があったのです。。。
これについては後ほど。

で、フィーチャーされていたのは Pa5X でした。
Professional Arranger というシリーズで、
要するに自動伴奏をしてくれるキーボードです。
この手のは昔から CASIO や YAMAHA から出ていて
ある時期から Roland や KORG も出すようになりましたが、
遊ぶにはいいけれど、ガチな作曲や演奏には使えない、
そう思っていました。
その一方で、KORG には KARMA という素晴らしい伝統があるのです。

甘く見てました。
とんでもないです、この楽器。
氏家さんのデモを見てぶっ飛びました。
デモを一緒に行ったプロデューサーの浅田祐介さんも、
「仕事がなくなる!」「勉強になる!」と絶賛されてました。
この手のキーボードが88鍵で出ることはないのですが、
その88鍵仕様、弾いてみて正直タッチがいいです、音がいいです。
つまり、弾いてみて気持ちのいいキーボードです。
フラッグシップモデルが出品されてないと言いましたが、
実はこれが今の KORG のフラッグシップモデルなのではないかと。

そんな KORG さんのブース、最初に書いたように
何かイマイチだな〜と思ってふらいついていたら
グッズコーナーがありましたので思わず衝動買い。
MS-20 メモ帳です。w KORG と言えばやっぱり MS-20。w

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あとはね、ハモンドスズキが出してる M-Solo もよかった!
これはね、49鍵ながら「あの」ハモンドの音がするわけですよ。
やっぱりこれも延々と遊んでしまいました。
更には Vx, Farf, Ace といった、往年のコンボオルガンを
思い出させるネーミングに切り替えると正にその音が!
Ens にすると「あの」ストリングマシーンの音が!
そして Syn にすると「あの」O社やC社の分厚いシンセの音が!
デモで浅田さん仰ってましたが、
「これ1台でキース・エマーソンになれる!」
うん、そんな感じの素晴らしい楽器です。これも欲しい。w

さて、11日(土)の方を選んだのは、実はこの日の16:40から
「MIDI 2.0 で何が変わるのか?」というセミナーがあったからです。
KORG の Keystage の宣伝と共に MIDI 2.0 というキーワードが
急に浮上して来たわけですが、一体何それ? と思っていたので
このセミナーは外すわけにはいかないと考えたのです。

で、僕が理解したポイントはザックリ言うと、

・通信が双方向になる
・MSB と LSB を同時に送れるようになる
・プロファイルという JSON ベースの情報をやりとりできる
・8ビットから16ビットになるのでベロシティも65,536段階で
 コントロールできるようになる
・コントロールメッセージは32ビットになるので、
 即ち、42.9億のデータ枠を使えるようになる。
・MIDI 1.0 とは互換性がある。

KORG の Keystage はこのうち双方向通信に対応したもので、
Keystage から附属の Wavestate Native を操作すると
Wavestate Native がそれに反応して動くのは当然だけれど、
Wavestate Native の音色名が Keystage に表示されるという
実に素晴らしいデモを行って頂きました。
これまで MIDI は MIDI OUT から出力した情報を
MID IN で受け取る楽器が一方的に反応するだけでしたが、
これからは、楽器が相互にコミュニケーションし合うわけです。
ベロシティや分解能にしてもこれまでよりも
より細かく表現できるようになるわけで、今後の展開が楽しみですね!

というわけで、あまりに濃密な5時間半でしたので
思わず長くなってしまいました。
今日はこの辺で。

2023年11月9日木曜日

【新作】 ニュー・アルバム『Orchestral Manoeuvres in Second Life』全曲解説〜その5・「ファウンデーション」

結局 SF 好きなのである。
今回リリースした管弦楽曲集は、何と、9曲中4曲が SF 絡みで、
5曲目の「ファウンデーション〜SFドラマのテーマ〜」もそうだ。
「ファウンデーション」というタイトルからもお分かりの通り、
この曲はアイザック・アシモフの SF 小説、
「ファウンデーション3部作」に音を付けるとしたら、
という、例によって例の如く、仮想サントラなわけです。

「ファウンデーション」は創元推理文庫から出た時のタイトル
「銀河帝国の興亡」の方が有名かもしれない。
というか、僕が初めて知った時はこのタイトルだった。
何とも魅力的なタイトルじゃないですか。
創元推理文庫の出版は1968年で、既に「スター・ウォーズ」を
予感させますよね!
しかし、僕が実際にこのシリーズを通読したのは比較的最近のことで
これとは別に、子供の頃見た SF のテレビシリーズ、
「600万ドルの男」とか「謎の円盤 UFO」とか「スペース1999」、
或いは NHK の少年ドラマシリーズでやってた「地球防衛団」とか、
(この辺り古い!)
或いはもっと近いところでは「ギャラクティカ」とか、
「ドクター・フー」とか「トーチウッド」とか、
こういったドラマのタイトル曲ってカッコいいなぁ、と
前から思っていて、いつかそういう曲を作りたいと
そう考えていたのでした。

んで!

この曲は今から5年前、2018年の Burn2 で
その年の Burn2 はアート・テーマが "I, Robot" だったので、
これはアシモフの SF 小説「われはロボット」のタイトルそのまま、
だったらアシモフの SF を元にした曲を何か作りたいと
それまで温めていた構想を具体的に音にしたのがこの曲なのです。
なのですが、今書いたように、テレビの SF シリーズに
いろいろと影響を受けていたこともあって、
この曲は映画を意識した「流れよわが涙、と警官は言った」とは違い、
テレビシリーズを意識した音作りを試みたつもりです。

出だしのキラキラした音は「スペース1999」の影響かも、
シンセのメロは「地球防衛団」かも、
或いは、トランペットの第2メロは「宇宙大作戦」かも、
といった具合ですが、ところどころ「ピュ〜〜〜ッ」と
オンド・マルトノを意識した音が入るのは勿論、
映画やテレビの音楽の作曲家として大好きな
ヘンリー・マンシーニの「刑事コロンボ」へのオマージュです。
この曲をセカフェスか何かで演奏した時はケルパさんが
「確かに刑事コロンボだ!」とコメントしてましたね。w
そのヘンリー・マンシーニの「刑事コロンボ」、
日本ではこのドラマで初登場だったのでそのタイトルですが、
英語の原題は「Mystery Movie Theme」、
ユニバーサルテレビのミステリー・ドラマの時間枠全体に対する
曲だったので、実際はそのあとの「署長マクミラン」とかも
同じ音楽でしたよね。(警部マクロードは違ったような。。。)

そんないきさつがあって、この曲は副題を「SciFi Movie Theme」
日本語で「SF ドラマのテーマ」というのです。
途中、神秘的なコーラスが入るところは
ハリ・セルダンのホログラムが彼が「霊廟」に現れるところを
そのあとの金管によるフレーズは第二ファウンデーションとの間に
生まれる危機的状況を表していますが、
テーマは細かく刻むリズムに支えられて力強く先へ先へと、
未来へと向かう力を表しています。
この細かいリズム、YMB で第1バイオリンをお願いしていて
RL のオケでもバイオリンを弾いていると思われる結衣さんからは、
「この連続するアップ・ボウは RL では厳しい」とのお言葉。^^;
はい、いつも無理なスコアを書いて申し訳ないですね。
でもカッコいいでしょ?w

というわけで、この曲もいっぱい聴いて頂いて、
気に入ったらシングルでもアルバムでも、
是非ダウンロード販売でお買い求め下さい。
どうぞよろしくお願いします!

■Orchestral Manoeuvres in Second Life
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1. 流れよわが涙、と警官は言った
2. 祝典序曲〜naturalway Flow による Music StarMine のための
3. シルクロード
4. 夏の哀しみ
5. ファウンデーション〜SFドラマのテーマ〜
6. レイ・ブラッドベリのための音楽
7. レクイエム (2023年リマスター)
8. レット・ラブ・リング (feat. Hiroko Sweetwater)
9. 流れよわが涙、と警官は言った (feat. Hiroko Sweetwater) [ボーカルバージョン]

定価:アルバム ¥1,528.-/シングル ¥204.-

旧作の情報はこちら。

・1枚目『Songs from a Virtual World』

・2枚目『Sound Cruise in the Metaverse』

2023年11月7日火曜日

【新作】 ニュー・アルバム『Orchestral Manoeuvres in Second Life』全曲解説〜その4・「夏の哀しみ」

ニュー・アルバム4曲目の「夏の哀しみ」は、
バロック風な雰囲気を狙ったものなのです。
なのでアレンジはヴィヴァルディの合奏協奏曲、
というよりはどちらかというとJ・S・バッハの
「管弦楽組曲(序曲)」のシリーズを意識したアレンジなのです。
この曲のタイトルが "Tristeza de un verano" というスペイン語なのも
何か古〜い時代の雰囲気を出したかったからなのですね。

なんだけれども!

この曲はピアノを使って作曲したわけですよ。
なので、ソロ楽器のメロディはピアノでの効果が出るような
そんなものになっています。
しかし、ピアノってバロック時代にはなかったはず。。。
バッハの『音楽の捧げ物』の「3声のリチェルカーレ」が
フリードリヒ大王の宮廷にあった初期のピアノを即興で弾いて
作られたのでは? なんて推測があるほど。
その直後にバッハが亡くなったのが 1750 年ですからねぇ。
ヴィヴァルディの「四季」を含む『和声と創意の試み』や
『調和の霊感』が発表された頃にはピアノはなかったわけです。

しかも!

バロックを意識して「通奏低音」、即ち、
ベースで示される音に従ってチェバロで和声の伴奏をするという
その手法を持ち込んでいるわけですから、
これ、リアルで演奏するとすると
ステージ上にピアノとチェンバロが並ぶというあり得ない構成!

なので、この曲自体は 2007 年の8月に発表して、
その後 YMB のメンバーと出会ってからそのステージで
演奏してきたわけですが、裏バージョンとして、
よりヴィヴァルディの合奏協奏曲やバッハの管弦楽組曲に近い形で、
「Tristesse française」、即ち「フランス風の哀しみ」という題で
付点のリズムに変えソロ楽器をフルートまたはヴァイオリンに替えた
アレンジが存在するのです!

んで!

管弦楽法を勉強したあとではピアノとチェンバロが同時に出てきて
伴奏も弦だけというアレンジはないよなぁ、と思って
今回のアルバム・リリースに当たっては「フランス風」で行くか!
と思ったのですが、
最終的にはやはりピアノの響きを大切にしたかったのと
SL ではピアノバージョンしか披露したことがありませんので、
変なアレンジ! と思いつつも、最終的にはピアノ版のリリースを
決めたというわけなのです。

今書いた通り 2007 年、つまりオケのアレンジを始めた頃の
未熟な作品ではありますが、今回改めて録音し直して、
作曲者本人としては、「結構いい雰囲気の曲じゃん?」
と思って満足していますがいかがでしょうか?
YMB で演奏した時は結構人気のあった曲と記憶しています。
皆さんも是非いっぱい聴いて頂いて、
更に、シングルでも結構ですのでダウンロード販売で買って頂けると
大変喜びます。w どうぞよろしくお願いします。 m(_ _)m


■Orchestral Manoeuvres in Second Life
231021a

1. 流れよわが涙、と警官は言った
2. 祝典序曲〜naturalway Flow による Music StarMine のための
3. シルクロード
4. 夏の哀しみ
5. ファウンデーション〜SFドラマのテーマ〜
6. レイ・ブラッドベリのための音楽
7. レクイエム (2023年リマスター)
8. レット・ラブ・リング (feat. Hiroko Sweetwater)
9. 流れよわが涙、と警官は言った (feat. Hiroko Sweetwater) [ボーカルバージョン]

定価:アルバム ¥1,528.-/シングル ¥204.-

旧作の情報はこちら。

・1枚目『Songs from a Virtual World』

・2枚目『Sound Cruise in the Metaverse』

2023年11月6日月曜日

【新作】 ニュー・アルバム『Orchestral Manoeuvres in Second Life』全曲解説〜その3・「シルクロード」

僕の日記を古〜いところからずっと読んでいる方には、
まだ YMB の皆さんと会う前は、RL の知人でもある
Pira Noel さんと一緒に活動していたことをご存じと思います。
(2007〜2008年頃の日記をご参照。。。)

で、その Pira さんと仲良しだったのが ema0303 Whitfield さん。
ema さんは『セカンドライフ ファッション テクスチャ ブック』に
レイヤーの服のテンプレートを提供されているデザイナーの方で
僕のピアノによる即興演奏を初めて評価してくれた方でもあるのです。
そんなこんなで ema さんとはたくさんいろんな話をしたのですが、
ちょうど2007年の12月を前にした時期に、
彼女が新しくできた Silkroad という SIM に住むことにした
という話があって、何!? シルクロードですと!?
となったわけです。
僕は子供の時に NHK 特集の「シルクロード」に魅せられて
実際に中国とかイランとか行っていますしね、
その名前の SIM に ema さんがいて、
しかも同じ頃に知り合った Zephiris Singh さんという
これまたゴスロリ専門のクリエイターの方がいらっしゃると聞いて
ムムム、と心惹かれたわけです。

ところが、同じタイミングで pira さんから
クリエイターの集まる StarTracker という SIM が
12月にオープンするのでヒロシさんもどう? と声をかけられ、
ムムム、とこちらにも心惹かれたわけです。

当時は MagSL さんの Toshima-ku に土地を持っていたヒロシですが、
美しい二人の女性に声をかけられて決めました!
そう、StarTracker, Silkroad どちらにも住む! と。www
勿論 Toshima-ku は引き払いました。(ごめんなさい新谷さん!w)

んで!

Silkroad はクリエイターが集まった SIM らしく、
かなりの頻度でイベントがあり、その中の一つとして、
僕の音楽イベントで Silkroad の catee さん以下の皆さんに感謝して
作曲・演奏したのがこの「Silk Road」なのです。
この曲は僕がイランのペルセポリスに着いた時に、
ちょうど門のところに夕日が強く照らしていた
その印象を曲にしたものなのです。
その夕日を表現するのに、トランペットが最適と感じて、
後半でトランペットが登場するのはその所以なのですが、
これを発表した当時、例のあきのりクマさんがエンディングで
「NHK 特集ぅ〜」とコメントしたのは忘れられません。
そう、この頃から僕のサントラ的な音楽制作が始まっていたのです。w
なので、この曲は敢えて「仮想的サントラ」と謳ってはいませんが、
やっぱりサントラ的ですよね。www

というわけで、えまさん、ケイティーさん、
ゼフィーさんにあきのりさん、
いろんな方の想い出が詰まった「シルクロード」です。
是非、たくさん聴いて頂いて、ダウンロード販売もご購入頂けると
大変喜びます。
どうぞよろしくお願いします。m(_ _)m

■Orchestral Manoeuvres in Second Life
231021a

1. 流れよわが涙、と警官は言った
2. 祝典序曲〜naturalway Flow による Music StarMine のための
3. シルクロード
4. 夏の哀しみ
5. ファウンデーション〜SFドラマのテーマ〜
6. レイ・ブラッドベリのための音楽
7. レクイエム (2023年リマスター)
8. レット・ラブ・リング (feat. Hiroko Sweetwater)
9. 流れよわが涙、と警官は言った (feat. Hiroko Sweetwater) [ボーカルバージョン]

定価:アルバム ¥1,528.-/シングル ¥204.-

旧作の情報はこちら。

・1枚目『Songs from a Virtual World』

・2枚目『Sound Cruise in the Metaverse』

2023年11月5日日曜日

【新作】 ニュー・アルバム『Orchestral Manoeuvres in Second Life』全曲解説〜その2・「祝典序曲」

ニュー・アルバムの2曲目はおめでたい音楽です。
「祝典序曲」と名付けましたが、これは元々、
2008年からずっと活動を共にしてきたナチュさんが
当時行っていた花火と音楽のコラボレーションイベント、
「ミュージック・スターマイン(Music StarMine)」のために
書いたものなのです。

このミュージック・スターマインは本当に素晴らしくて幻想的で、
ChouChou さんや The Black Stripes さんの曲が使われていて、
僕が昨年リリースした『Sound Cruise in the Metaverse』収録の
「霞か雲か」も使って頂きましたが、何れも既存の曲。
この素晴らしいイベントのために専用の曲を
この友人のために書いてあげよう、と思って作ったのがこの曲です。

で、その専用の曲というのは5曲からなる組曲を予定していましたが、
結局ちゃんと音源となったのはこの「祝典序曲」と
もう一つ「Ai (哀)」という曲の2曲のみとなってしまいました。
何れにしてもナチュさんに捧げたものなので、
ベートーヴェンの時代なら楽譜のトップに
「naturalway Flow に捧ぐ」とかペンで書いたのでしょうが、
デジタル配信の時代、なかなかそういうわけにもいかず、
副題としてタイトルに含めることに致しました。
「naturalway Flow による Music StarMine のための」ってね。
この「〜のための」というのはクラシック系ではよくあって
バルトークの「弦、打楽器とチェレスタのための音楽」とか
武満徹の「弦楽のためのレクイエム」とかカッコいい曲に多い。w
で、今回ナチュさんのお名前をタイトルに含めたわけです。www

曲想としてはおめでたいトランペットのファンファーレに始まり、
オーボエによる抒情的な雰囲気を経て、
炎で燃やすのが大好きなナチュさんを意識した
金管楽器と弦楽器による荒々しいモチーフ、
そして再びおめでたいチャイムが鳴ってテーマに戻って来る、
とまぁ、ナチュさんの MSM の展開を凝縮した構成なのです。
この曲は最初からオーケストラを意識していたので、
今回のリリースに当たって一部の楽器の表現を変えただけで
あまり編曲に手を入れることなくリリースできました。

ナチュさんもすっかり SL の音楽イベントからは引退したようですが、
この曲が売れるとまた戻って来てくれるかもしれません。
是非是非皆さんこの曲を応援して
シングルでもよいのでダウンロード販売で買って頂けると
作曲者としては大変嬉しい限りです。
どうぞよろしくお願いします!

■Orchestral Manoeuvres in Second Life
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1. 流れよわが涙、と警官は言った
2. 祝典序曲〜naturalway Flow による Music StarMine のための
3. シルクロード
4. 夏の哀しみ
5. ファウンデーション〜SFドラマのテーマ〜
6. レイ・ブラッドベリのための音楽
7. レクイエム (2023年リマスター)
8. レット・ラブ・リング (feat. Hiroko Sweetwater)
9. 流れよわが涙、と警官は言った (feat. Hiroko Sweetwater) [ボーカルバージョン]

定価:アルバム ¥1,528.-/シングル ¥204.-

旧作の情報はこちら。

・1枚目『Songs from a Virtual World』

・2枚目『Sound Cruise in the Metaverse』

【Star Wars】 何と壮大なスター・ウォーズの宇宙観〜『スター・ウォーズ:アソーカ』のエンディング・クレジット

前に Disney + に登録した話を書きましたが、
その後観ましたよ、スター・ウォーズの一連のドラマシリーズ。
ちょうど『スター・ウォーズ:アソーカ』が放映されている
時期と重なっていましたが、どちらかというとイッキ見する方なので
第8話の完結を待ちつつ、『反乱者たち』を観終わったあとは、
『バッドバッチ』、『オビ=ワン・ケノービ』、
『キャシアン・アンドー』を観て、キャシアン観た序でに
『ローグ・ワン』を観て(これ、結構好き)、
『マンダロリアン』、『ボバ・フェット』を観て、
そしていよいよ『アソーカ』を観ましたよ。w
で、それぞれいろいろ語りたいところはあるけれども、
今回は『アソーカ』のエンディング・クレジットで描かれる
スター・ウォーズ世界の星図について、自分への備忘を含めて
書いておきます。

パート1を観た時から、この不思議な星図に魅せられ、
何と言ってもこの文字に魅せられましたね。
何て書いてあるんだろうって。
明らかにスター・ウォーズの一連のシリーズに出て来る
「オーラベッシュ」という文字とは異なるのですよ。
寧ろ、僕等が使っているアルファベットに近いような。
で、これをちゃんと解読してくれている人たちがいるわけですよ。
スター・ウォーズ世界のあらゆる事物がデータベース化されている
ウィキペディアならぬ「ウーキーペディア」にありました。


そう、これらの文字が我々のアルファベットに対応しているわけです。
これが分かればこのエンディング・クレジットの星図は読み解ける。
で、この星図、ドラマの中で出て来る「ペリディアへの道」を
示したもののようなんです。
早速行ってみましょう。
(以下の画像は著作権の問題もありそうなので一部カットしたものです)

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まずど真ん中に表示される星、これは Arcana と読めます。
その右上に表示されているのは次のシーンで Ierne と読めます。
アルカナは、『アソーカ』のパート1でアソーカが地図を入手した
ダソミアのナイトシスターたちの遺跡のある星ですね。

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そこから遠く遠く飛んで行き、真ん中に投影される星が Lothal、
そしてその左上の星が Garel とわかります。
ロザルは『反乱者たち』の舞台になったところで、
エズラ・ブリッジャーの故郷であり、
ジェダイ・テンプルがあった場所ですね。

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更にそこを真っ直ぐ右に進むと現れるのが Mandalore です。
そう、マンダロアはマンダロリアンたちの故郷ですね。
マンダロリアンと言えば、僕にとっては
かつてはボバ・フェットでしたが、その後ザビーヌ・レンになり、
『マンダロリアン』のシリーズでその世界が広がりました。

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そしてそこを更に右に飛んでいくと現れるのが Agamar、
その右に強く輝く Dathomir、その右上にうっすらと Yavin。
ダソミアはナイトシスターたちの故郷ですが、
エピソード IV でルークたちが帝国軍に一矢報いた
ヤヴィンの戦いのヤヴィンはこんなところ、
つまりダソミアの近くにあったのですね!

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そしてまた遠く遠く飛んでいくとまた大きな星
Corellia が現れます。
そう、ハン・ソロが飛ばす貨物船ミレニアム・ファルコン号が
コレリア製の船でしたね。
コレリアは造船で有名な星で『アソーカ』でも舞台になっています。
そのコレリアの周りに上から Cato Nemoidia, Duro, Pasaana
と読める星が並んでいます。

が、気になるのはその右側に縦に大きな文字が並んでいます。
Corellian Run と読めます。
日本語では「コレリアン・ラン」とそのまま読んでいて、
銀河系内を行き来するための重要なハイパースペース・ルート
という設定になっていますが、「Run」て英語ですよねぇ。
何で遙か彼方の銀河系の古代の地図に英語があるんだぁぁぁ!w

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で、そのハイパースペースを通って遠く飛んだところに Coruscant、
そう、共和国の首都と言っていいのか、中枢機能のある星
コルサントが現れます。
このコルサントが表示されたところで、あのドクター・フーの、
第10代目ドクターのデイヴィッド・テナントがクレジットされるが、
ええ? そんな人出てたっけ? と不思議に思ったもの。
それらしい中年の男性と言えばダークサイドのベイランくらい。
かれはレイ・スティーヴンソンだから、一体誰? と思ったら、
何とドロイドのヒュイヤンでした。w
何と、ドクターもとうとうサイバーマンにやられて
ドロイド化してしまったか、と個人的にはウケてしまいました。

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そしてそのコルサントから遠く飛んだところ、
魚の絵が書いているところに Seatos があります。
アソーカとザビーヌがベイランやシンと戦い、
そのザビーヌ、ベイラン、シンがモーガンと共にペリディアへと
向かうその拠点となった星、シートスですね。

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そのシートスの先に Odyn, _uanna と読める星が続きます。
_uanna の先頭の文字、右向きの三角形のこの文字は
ここで初めて登場、しているため、上のウーキーペディアの記事で
未解読とされている B, J, K, Q, W, X, Z の何れかと思われます。
個人的には三角形の記号が集中して居る場所に近い、
J か K か Q だろうと想像しています。

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そしてその先に宇宙鯨のパーギルの絵が現れます。
ベイランたちは巨大なハイパースペース・エンジンの船で
一気にペリディアまで飛んで行きましたが、
それを追うアソーカたちは、正にそのパーギルと共に
遠いペリディアに向かったのでした!

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そしてその遠い星の海を渡った先に表示されるのが
全ての道が行き着く先、Peridea = ペリディアです。
スター・ウォーズの世界は「遠い昔、はるか彼方の銀河系」
の物語ですが、先ほど書いたドロイドのヒュイヤンが
アソーカに対して「遠い昔、はるか彼方の銀河系」の物語をします。
ペリディアはそういう場所なのですが、
全ての道が集まるこの場所、もしかして地球だったりして、
と思うヒロシなのでした。
それはこの遠い銀河系へと向かう古い地図が、
同じく遠い遥か彼方に人類が旅立った場所、地球を目指す
『ギャラクティカ』の物語を思い出させたからです。

さて、というわけで、古代の文字を紐解いて
ペリディアに行き着くことが出来ました。
スター・ウォーズではこういう不思議な文字がいろいろ登場するので
それを読み解くのは結構楽しいものです。(マニアックすぎます。w)
で、さっき、Corellian Run て英語じゃん、て話を書きましたが、
ここに限らず文字を読み解くと何れも英語であることがわかります。
よく出て来るのは「オーラベッシュ」という文字です。

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これはエピソード IV でデス・スターに乗り込んだオビ=ワンが、
トラクタービームを解除するシーンで出て来るもの。
次のウーキーペディアの記事でアルファベットとの対応が
確認できますよ。


これで上の画面に表示されている内容を読むと、
メーターの上に表示されているのが "POWER"、
下が "TRACTOR BEAM 12" と読めます。英語やん。www
実際、1977年に公開されたオリジナルのバージョンでは
正に英語でそのように書かれていたのを
YouTube にファンの人がアップしているので確認しました。w

今日は超マニアックな話題にお付き合い頂きありがとうございました。
でも謎解きって楽しいんですよね。^^

2023年11月4日土曜日

【新作】 ニュー・アルバム『Orchestral Manoeuvres in Second Life』全曲解説〜その1・「流れよわが涙、と警官は言った」

僕のニュー・アルバム『Orchestral Manoeuvres in Second Life』が
リリースされ、デビュー1周年記念のコンサートを
YMB のメンバーと共に行ってから約1週間が経過しました。
この辺りで、アルバムの宣伝も兼ねて、毎回恒例の全曲解説、
行ってみたいと思います。
今回はまず1曲目、「流れよわが涙、と警官は言った」です。

この曲は、フィリップ・K・ディックの SF 小節
『流れよわが涙、と警官は言った』が映画化されて、
そのメインテーマの作曲をヒロシが依頼されたら?
という仮定の下に作った曲です。
当時、というのは 2009 年のことなんですが、
この SF を巡って The Black Stripes のこじゃさんと
盛り上がったことがあったのです。
この曲を作った当時の僕のコメントをそのまま引用します。

「同じくセカンドライフで活動されている The Black Stripes という
バンドのリーダー Koja Writer さんも僕もSFが好きで、
フィリップ・K・ディックの『流れよわが涙、と警官は言った』
を巡って二人で盛り上がったことがあり、
実は彼にはこの小説にインスパイアされた「Flow My Tears」
という曲があるのだとか。
但し彼はこの小説のタイトルとなっているジョン・ダウランドの
「Flow My Tears」そのものは聴いたことないとかで、
じゃあ僕がそのオリジナルを演りましょうか、なんて話してたもの。
そんなわけで、もしこの小説が映画化されて
僕が劇伴を担当するとしたら、という想定で
ダウランドの原曲をアレンジしたものです。
因みにダウランドはシェイクスピアと同世代の作曲家で、
原曲はそのメランコリックで美しいメロディーが
ヨーロッパ中で大ヒットしたというものなのですが……。」

映画のメインタイトルということで、当時(そして今も)
話題作の音楽の殆どを担当しているハンス・ツィマーさんを意識して
オーケストレーションを行ったのでした。
ハンス・ツィマーさんの映画音楽って、小刻みなストリングスと
咆吼するブラスが印象的なので、それを真似して
最初から最後までリズムを刻みっ話のチェロにコントラバス、
メロディーはトランペットにという編曲なのですが、
やっぱりやわらかく音色豊かな木管の味付けもほしい、
ということで、発表した時はフルートとクラリネットを入れてました。

が、正直これでは殆どオーケストラにはならないですね。
そこでこの1年間管弦楽法を勉強した成果も入れようと
今回のアルバム制作に当たって、楽器を充実させました。
木管にはオーボエとファゴットのパートを加え、
金管には木管とほぼ同じ和音構成のホルン4本、
そして高音で鳴るトランペットをオクターブ下で支える
トロンボーンといった具合です。
これでこれまで SL で演奏していたバージョンよりも
オケの響きに厚みが出て、よりカッコよくなったのではないでしょうか。

この曲を最初 YMB のメンバーと演奏した時、
恐らく実際にトランペットを吹いていたと思われる本田春菊さんから
「こんな高い音域で吹き続けるのはムリ!」と言われました。
今回音域を確認したら、確かにトランペットの最高音域。
でも、ちゃんと演奏可能音域内に収まってるんですよね。
というわけで、敢えて移調はせずに発表当時のままとしました。
そういう意味では、チェロとコントラバスも
この小刻みなフレーズを全曲通して弾き続けるのは
腕が疲れるだろうとは思いましたが、まぁ、ご容赦ということで。

このあと紹介する曲たちもみんなそうですが、
元々はピアノやシンサセサイザーというどんな音高でも
どんな長さでも弾き続けることのできる楽器をやってる僕が
頭の中で響いた音をそのままシンセで再現したものなので、
現実の管弦楽の楽器の制約とかが無視されていたわけです。
今回のアルバム制作に当たってはその辺りを見直したり
或いはこの曲のようにこのままでいいやと判断したりしています。
なので実際に演奏するとなったら、オケの楽団員にとっては
なかなか大変なことになりそうです。

そんな「流れよわが涙、と警官は言った」が収められた
ニュー・アルバムの試聴と詳細情報は下のリンクからどうぞ。
サブスクで聴くだけでなく、ダウンロード販売をご購入頂けると
大変喜んでまた頑張っちゃいますので、どうぞよろしくお願いします!

■Orchestral Manoeuvres in Second Life
231021a

1. 流れよわが涙、と警官は言った
2. 祝典序曲〜naturalway Flow による Music StarMine のための
3. シルクロード
4. 夏の哀しみ
5. ファウンデーション〜SFドラマのテーマ〜
6. レイ・ブラッドベリのための音楽
7. レクイエム (2023年リマスター)
8. レット・ラブ・リング (feat. Hiroko Sweetwater)
9. 流れよわが涙、と警官は言った (feat. Hiroko Sweetwater) [ボーカルバージョン]

定価:アルバム ¥1,528.-/シングル ¥204.-

旧作の情報はこちら。

・1枚目『Songs from a Virtual World』

・2枚目『Sound Cruise in the Metaverse』