2008年1月30日水曜日

即興、アドリブの基本はバッハ

先日、セカンドライフの TOYOTA SIM で行われたイベントの折に、DJ の kenmi Lomu さんが、即興で楽器弾けるなんてすごいとおっしゃってて、僕は僕で kenmi さんいい声してて話うまいですよねー、と、お互いこの場でホメ殺しし合ってどうするんだ、と大笑いになりましたけれども、確かに楽譜のないところで音を出す、というのは難しいことですね。即興のことをジャズで「アドリブ」ということはご存知でしょうけれど、これは "ad lib" つまり「自由に」演奏することを意味しています。しかし、自由にやれ、と言われることほど難しいものはないのも確か。私の知り合いのある女性も、譜面見てピアノを弾くことは難しくないけれど、あのアドリブというのはどうも苦手だ、どう弾いたらいいかわからない、と言ってましたね。

かく言う私も、早稲田に通う先輩からバンドに誘われてロックキーボードを始めた頃、やっぱり教本を買って来て練習するんだけれども、どんなに理論を覚えたって練習したって、フレーズなんて生まれてこなかったですね。理論という意味では必ず出て来るのが「モード理論」ですが、理論わかったところで、何でこのコードの時にこのフレーズなのか、さっぱりわからなかった。コード音じゃない音も一杯弾いてるし。それから、ロックキーボードですから、ディープ・パープルのジョン・ロードや、キース・エマーソン、イエスのリック・ウェイクマンなんかコピーしましたね。そうそう、好きだったゴダイゴのミッキー吉野や、ビートルズなんかも。でもコピーは所詮コピーでしかなくて……。この人たちはどうやってこんなカッコイイフレーズを思いつくんだろう、なんて思ってましたね。

それが、ある時から突然弾けるようになったのは、思い返してみるとバッハの曲を練習したことが大きいかな、と思います。バッハの『平均率クラヴィーア曲集』はあらゆる調性音楽を予言した、つまり今普通に聴かれる音楽の全てはそのコピーであると言ってもいいような音楽で、私は初めて聴いた時からその魅力に取り憑かれてしまい、聴くだけではあきたらず、自分で楽譜を買ってきて一音一音辿るようにして練習したのです。一見、ただスケールを上がったり下がったりしているだけのようなメロディでありながら、その何と気持ちよく、豊かなことか。ピアノを弾く本当の楽しみ、音を出すということの楽しみを本当に知ったのはバッハの一連の作品によるところが大きいのです。

そう言えば、以前「キーボードマガジン」という雑誌のインタビューでミッキー吉野さんが、あの「銀河鉄道999」のオルガン・ソロはバッハのアレンジだ、と語っていて、なるほど、と驚いたことがあります。ミッキーさんはバークレーに留学していたことで有名ですが、そこでバッハのインベンションなどをジャズ風にアレンジして弾くことが課題として出されていたのだそうです。この話を先日関根敏行さんにしたら、なるほどね、と言って、チャーリー・パーカーとかもね、当時サックスの教本なんて彼にしてみたらつまんないものばっかりだったみたいで、バッハなんかの弦楽器の教則本で練習したみたいなんだよ、という話をしてくれました。ジャズの基本は実はバッハにあるのだと。そう言えば、いかにもジャズという感じのウォーキング・ベース、あの動きはバッハのメロディそのものですね!

バッハ自身は当時から古いタイプの音楽家と思われていて、ただ、彼の即興演奏の才能は誰も否定できなかったそうです。今私たちに残されているバッハの楽譜は、その即興演奏のエッセンスが詰まっています。『平均率』も『インヴェンション』も『フランス組曲』も、ただ弾くだけでなく、即興の才能を磨く為に書かれたものなのです。そうそう、『インヴェンション』なんて文字通り「発明、創意」ということですからそのままですね。ロックやジャズで行き詰まったら、敢えてバッハに返ってみるといいですよ、きっと。



2008年1月27日日曜日

Niseko SL Station in TOYOTA SIM に出演!

昨晩、12月にオープンしたばかりの TOYOTA SIM で行われたイベント、Niseko SL Station in TOYOTA SIM に生で出演、お話と演奏してきました。Niseko SL Station はその名の通りNiseko 3 SIM に拠点を置く kenmi Lomu さんをパーソナリティとする人気ラジオ
番組で、実は STARTracker Island では、私と kenmi さんとはお隣さん同士なのです。二人ともスタトラに店があるということで、それぞれ個別にスタトラでイベントをやったりはしてきたのですが、いつかコラボしたイベントをやりたいね、とは言っていたのです。

それが、漸く技術的な問題を解決して、昨晩実現することになったのです。但し、ニセコやスタトラといったいつもの場所でなく、新しい SIM のテナントや住民募集も兼ねた大きなイベントでの初の試み、さすがに緊張します。午後7時過ぎ、skype を使って北海道の kenmi さんと東京の私とが音声でつながります。いつも SL で会っていて、チャットで会話しているはずなのに、直接声で話せるというのは何とも不思議な感じがします。北海道はマイナス8度、kenmi さん手がかじかんでキーボード打てない、なんて話が聞こえてきます。東京の私も寒い寒いと思っていましたが、勿論北海道は比ではないようです。そんなことも話しながら、そのまま進行など打ち合わせ。ステージに楽器を設置したりと、準備している間に、あっと言う間に22時になります。番組スタート!

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会場全景――会場には40人以上の人が

会場には40人以上の人が集まり、賑やかに盛り上がっていきます。私も最初は観客に混じって見ていましたが、そのうち時間になり、楽屋へ移動、着替えていよいよ登場。kenmi さんのキューにドキドキしますが、一旦出てしまえば、もうあとは出たとこ勝負ですね。(笑 おしゃべりして、演奏して、あっと言う間に時間が過ぎていきます。

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演奏中の Hiroshi と魅力的なトークの kenmi さん

番組は、kenmi さんへの応援や、賛辞、ラブコール(?)が飛び交い盛り上がる中、無事24時に終了。よくあれだけたくさんのメッセージが寄せられる中、それを読み上げ、時間通りに進行できるな、と私は感心しきりでした。終了後、ステージを撤去、お互いお疲れ様を言って別れます。またどこかでやろうね、と。

そう、きっとまたどこかでやるでしょう。昨晩見逃した方は是非その時をお楽しみに!

P.S. TOYOTA SIM はまだ出来たばかりで、モールのテナントやマンションの入居者を募集中。いずれも驚くようなお家賃で、特に地下街モールは3月末まで無料キャンペーンをやってます。土地を探されている方、TOYOTA SIM にいらしてご検討されてみては?

TOYOTA SIM 情報サイト
SLJP-セカンドライフ非公式情報サイト - TOYOTA SIM

Niseko SL Station SLURL
ニセコ本社 http://slurl.com/secondlife/Niseko3/98/225/24
スタートラッカー店 http://slurl.com/secondlife/STARTracker/30/80/22

2008年1月26日土曜日

SilkRoad で雪合戦!

昨晩は SilkRoad 住民にかねてから案内のあった雪合戦大会。オーナーの catee さんは住民同士の交流を大切にしていて、観光バスでみんなを旅行に連れていってくれたりと、いろいろとイベントを企画して下さる方なのですが、これまで時間が合わず、なかなかイベントに参加できなかったのですが、昨晩は何とか間に合い、参加することができ、皆さんと楽しい時間を過ごすことができました。

雪合戦はこれまでも何度かしたことがあって、たかが雪合戦と甘くみていたのですが、どうしてどうして。Ayameさんの作る雪合戦の球は「Sniper」とか「Assault」とか、連射できたりして、もう完全に武器なのです! というわけで皆熱くなります。みんな動きがすごい。飛び上がって上から狙う人、すばしっこく走って相手の球をかわしながら攻撃する人……。後で聞くとみんないろいろ作戦を考えてるのですね。

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私はと言えば、狙われるから逃げないといけないけど、やっぱりやるからには果敢に打って出たい。が、相手を狙えているということは自分も危険な状態にあるわけですよね。私はマウスルックで走りながら攻撃するのは初めてで、目が回ってしまい、あっさりと死んでしまいました。(笑 一番強いチームにいた人が、終わってから、「ところでマウスルックって何?」と聞く始末。この人は攻撃はしないで逃げるだけで勝ったのだ。それも戦術。(笑

その後、実はこの日がオーナーの catee さんの誕生日だったこともあってそのまま誕生パーティーに。速攻で巨大なケーキを作ったり看板や花火が出て来たりするのはさすがクリエイターが集まったSIM、と驚くばかりであります。

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というわけで、実に楽しい時間を過ごさせて頂きました。みなさん、ありがとうございます。次は節分の豆まき合戦が既に期待されており……また激しいバトルが繰り広げられそうな予感が!(笑

2008年1月25日金曜日

そしてまた新たなる出会い

前回は、私の Mirandirge の店の前にお向かいさんが越してきたことを書きましたが、流れというのは不思議なもので、昨晩はアメリカ人とブラジル人のお客さんが現れました。アバターはピアノに向っておりましたが、私自身はある方宛ての長文のノートカードを作成中。周りの様子は殆どわからない状態でしたが、リンリンと呼び鈴が鳴らされます。お、ヤバイ! お客さんだ!

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「こんにちは。」と挨拶すると反応がない。もしや、と思って「Hit!」と言うと「Hello!」と返って来る。やっぱり外人さんだ。と、もう一人水着の女性が現れて、先に来ていた方が「○◎さん、こんにちは!」と英語で話しかけるのです。てっきりお友達同士だと思っていたら、お互い今初めて会ったということで、不思議なことにどちらもたまたま検索で私の店に来たらしい。ホントに? 同じタイミングで? 人ってホントに不思議なものだと思います。すっかり意気投合して、そのうち一人は最近(どうも有名な)彼氏と別れたんだとカミングアウト! もう一人もSLで相手見つけて結婚したいんだ、など、いきなりディープな話題になっていきます。(そう言えばSLの外人さんとはディープな話題になりやすいような気がする……。)

そのうち例のお向かいさんも現れて、今度は日本語と英語が入り乱れての会話に! 静かで淋しいくらいだった Mirandirge も急に賑やかになってきたようです。



2008年1月23日水曜日

お向かいさん現わる!

Lifebound Cafe のある Mirandirge は海に面したメインランドの静かなところで、そう言えば、私もオーナーの marineblue Allen さん以外は殆ど会ったこともないところなのでした。カフェに面する砂浜の土地は、私も最初そこも合わせて押さえようかと思っていたのだけれども、お金をかけて土地ばかりあってもやることがなければもったいないとやめておいたのですが、ずっと空き地のままだったのです。

不思議なことに、昨晩、まりんさんがヨットハーバーのレイアウトを変えたり、土地をさんざんいじっているのです。一体何があったかと私も不安になり、どうしたの? と訊くと、この土地も借り手が現れて、その準備をしているのだというのです。そうか、浜辺の土地を借りられてしまったのは狙っていた自分としてはちょっと残念だけれども、このちょっと淋しいような場所に人が増えるのは嬉しいこと。

そのうち、しばらくすると、私の前の土地を借りたという人が現れます。女性だったことも手伝ってか(!)、人付き合いの悪い私もあいさつに行きます。そう、こういうの初めてだよねぇ、ここに来てから。本当に、人の少ない場所なんですよ、ここは。

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実は、彼女のお店のお客さんも、同時にその隣の土地に家を建てて住むことになり、ずっと空き地だった砂浜が一気に混んで参りました。この人たちが来て、私のメインランドでの生活もどう変わるのか? お向かいさんができてちょっとドキドキの Hiroshi Kumaki なのであります。



2008年1月21日月曜日

ちょっと嬉しいこと

ヒロシです。昨晩、ちょっと嬉しいことがあったのでご報告。

私の SilkRoad にあるイスラーム風庭園「GOLESTAN」には
ちょっとしたモスクがあってその中では写真展をやっています。
で、その片隅に募金箱が置いてあるのですが、
昨晩、ある方がこちらに寄って頂いた折に
募金して下さったのです。ありがとう!

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調べてみるとその方はイギリス人の女性で、
パンジャブ語も話せるという、
どうもパキスタンにゆかりのある方で、
オリエンタルなものに対する興味がおありの方のよう。
プロフィールの写真は美しいインドの衣装を着ておられました。
そんな方に評価して頂いたのは
作った者としては嬉しい限り。

ここは別に商品を売ってるわけでも
アトラクションがあるわけでもなくて、
ただ花が咲いていて、鳥が鳴いていて、
そこに風景写真が置いてあるだけ、という所で、
まぁ、言ってみれば平和な、やすらぎの空間
みたいなものを目指して作ったわけですが、
そういう趣旨が伝わったのかな、と思うと
本当に嬉しいのです。

こういうことがあると
よしまた頑張っていいもの作っていこう、
という気になりますね。
見ず知らずの方ですが、元気を頂きました。
こういう出会いがあるのもまたSLならでは。
ありがとうございます。



はじめまして、ヒロシです。

セカンドライフを始めてから約半年。最初はちょっと覗いてみようか、という程度でしたが、半月後には土地を借り、そのうち大掛かりなコンサートもやるようになり、友人もたくさん増え、今ではすっかり住んでいると言っていい状態です。(笑

ブログは既に2本持っていて、更には某企業の社内報に連載も持っていたり、あと以前はポッドキャスティングも毎週やっていたので、これ以上は無理と、自分のブログにSLのことは書きつつも、ソラマメにはずっと手を出すのは控えていました。が、ここに来て、SLで生活する以上は、やっぱりそう言っているわけにもいかなくなりました。何と言っても、RLとSLでは名前が違うので、ブログを書いていても自分自身ややこしい!(笑

というわけで、Hiroshi Kumaki のセカンドライフな日々をここに綴っていこうと思います。また、以前別のブログに書いていたものも、追々こちらに移していく予定です。

どうぞよろしくお願いします。

2008年1月17日木曜日

CD「スタートラッカーズ」リリース!


前にひまわりさんが書いて下さった、スタートラッカーズ島の明るく楽しい仲間たちのことを表現した曲「スタートラッカーズ」が、早くもCDとしてリリースされました!

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このCDはスタートラッカー島の限定商品です。スタトラにある私のお店 Lifebound Records でお買い求め下さい。

Lifebound Records では月に4枚程度のペースでCDをリリースしていく予定ですが、この「スタートラッカーズ」を含め、今回3枚のCDを同時リリースしています。

・Hiroshi Kumaki: Star Trackers L$200
・Hiroshi Kumaki: Prayers to Heaven(天壇)L$200(写真右)
・Toshiyuki Sekine: WSD ST Theme(早稲田通りのテーマ)L$200

「天壇」は、昨年北京を訪れた折に作曲したもので、セカンドライフ・コンサートで皆さんからご好評を頂いている曲。(感謝!)また、「早稲田通りのテーマ」は関根敏行さんがリアルでのライブでよく演奏されている、関根さんのバンド Nippon Soul Jazz Band のテーマ曲とも言える名曲です。是非お楽しみ下さい。

Lifebound Records
http://slurl.com/secondlife/STARTracker/31/54/22

2008年1月14日月曜日

スタートラッカーライブ!

もう日が変わってしまいましたが、12日の23:30からスタートラッカー島という SIM でミニライブを行いました。公にはしていませんでしたが、この日のライブを行った目的は、最後の最後に発表、演奏した「スタートラッカーズ」という新曲。既にネット音楽雑誌・月刊「DAICHI-大地-」第50号で発表されていますが、この曲を捧げた人たちに公開するのはこれが初めて。気に入ってくれるか、実は内心心配だったのですが……。

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pic by Himawari Little


この曲の終わりの方で、汽車の音が入っているのですが、それというのも、スタートラッカー島の売りの一つにツアーライドのSLがあるからです。で、奇しくも、というか、暗示的に、というか、この曲を始める前に、みんなこの島の人はイベント会場に集まってるはずなのに、何故か、そのSLを動かして、会場の周りを回った人がいたのです! 更に奇しくも、この曲の演奏中に、それまで夜だったのが、ちょうど夜が明け始めたのです。誰かが、「スタトラの夜明けだ!」と言います。そこで曲中のSLの音。「スタトラの出発(たびだち)だ!」と言う人がいます。「ヒロシ、計算したな!」という人もいましたが、これはホントに全くの偶然。感動的なエンディングとなり、みなさんに満足して頂き、コンサートは大成功。いやー、ホントにみんなに気に入ってもらえてよかった。ホッと一息です。

早くも、CDは出ないのか、の問い合わせがありましたが、ご心配なく。近々スタートラッカー島の Lifebound Records で販売予定です。お楽しみに。



2008年1月12日土曜日

セカンドライフの経済学

セカンドライフがその他のヴァーチャル・ゲームと一線を画している要因の一つに、通貨のことがあると思います。ゲームの中でお金を使ったり稼いだりすること自体は全然新しいものではありませんが、ゲーム内の通貨リンデンドルと現実の米ドルが変動相場制でちゃんと為替レートがあって、売買可能、というところが何より新しいと思います。従って、自分が現実に所有しているお金(=円)をゲーム内に持ち込むことも、ゲーム内のお金を現実世界に持ち出すこともできるのです。カードでリンデンドルを買うと、その日のリンデンドルと米ドルの為替レート、米ドルと日本円の為替レートで計算されて円で引き落としされるのが何とも不思議、というよりは普通に海外旅行で買い物をした時のような感覚ですね。セカンドライフは無料のものが多く、服なども50リンデンドルくらいから買えたりしますから、ここで遊ぶのは正に物価の安い国で遊んでいるようなものです。

そう。もともと遊びだと思って、あんまり時間やお金をかけたくなかったものですから、最初は無料のものを探して手に入れたり、キャンプと呼ばれる安いアルバイトをして小銭を稼いで安いものを買っていたりしましたが、実際問題として、やっぱり無料のものはしょぼかったりしますし、キャンプも時間がかかる割にはあまり豊かにならず、正にワーキング・プア状態。これではとても大きいことができそうにありません。自分はミュージシャンですが、まず第一に商売道具のピアノやシンセといった楽器が買えない。1日に20ドルくらいしか稼げないようでは、1000ドルのピアノを手に入れるのに一体どれだけ働けばいいのか、いつになったらセカンドライフ・ミュージシャンと言えるようになるのか……。

結局、カードを使って現実のお金を投入します。服や姿形も変わり、楽器も手に入れて、ミュージシャンとして動けるようになると、やはりお金というものは入ってくるものですね。特に音楽というものはそうでしょう。私は、セカンドライフのバーニングライフというイベントで、海外の有名なミュージシャンたちのステージを見たことがありますが、普段着でただギター持って立ってるだけ、みたいな感じでは、折角いい曲をやっても盛り上がらない。そこで、私もステージでは、衣装に工夫を凝らしたり、演奏する時のパフォーマンスなども派手にやるようにしています。お客さんというのはそうしたトータルなものに対してお金を出してくれるのだなぁ、と改めて思うのです。

こうなると、お金がお金を呼ぶ流れになります。いずれ自分の土地がほしいからと有料のプレミアム会員になりましたら、毎週300ドルがリンデン社より支給され、月1,200ドルの収入になります。また、たまたま応募したセカンドライフ内の翻訳コンテストなるもので、何と銀賞を受賞、気を良くして次も応募しましたら今度はブロンズでしたが、まぁ、まとまったお金が入ってきました。こうして最近は、以前のように時間をかけて働かなくても、お金の心配はなくなり、欲しいものもパッと買えるようになったのです。

セカンドライフはお金をかけなくても十分楽しめますし、寧ろ、以前書いたように一文無しから成り上がっていくアメリカン・ドリームのような楽しさがあるのですが、一方で、お金をかけるとそれだけ動きが大きく、早くなるのも事実だということをここ半年くらいセカンドライフに暮らしていて気づかされました。そう、こうして経済活動が大きくなってきて、人との交流も盛んになってくると、これはもう、完全にセカンドライフで暮らしている、生活してると言っていいですね。ハマッてる、どころではありません。(笑

ところで、このお金を大きく動かせば動かすほど、お金がお金を生み、人との交流も多くなっていくというのは、現実の生活でも同じですね。うーん、現実もセカンドライフと同じくらい大きな動きができればいいのだが……!





2008年1月11日金曜日

イスラーム庭園の癒し〜GOLESTAN

セカンドライフ話題の第3弾です。

昨晩、結局土地を3つ借りることになった話をしましたが、Mirandirge、STARTracker Island と書いてきて、最後の一つが SilkRoad というSIM です。ここに GOLESTAN - Lifebound Garden というイスラーム風、というよりはイランを意識した庭園を作っています。

SilkRoad は、最初にこの SIM がオープンになった時から気になっていたのでした。このブログもイランとか中東、中国の話題が多いのは皆さんもお気づきでしょうが、本当に、アジアのこの地域というのは大好きなのですね。最初はセカンドライフは結局ゲームだし、そんなにお金をかけてもしょうがない、と思っていた私も、結局はどれかひとつを選ぶということではなく、気になっているものは放っておくわけにもいかず、やりたいことは全部やりたいと、STARTracker に続いてここも借りることにしたのです。それに、ここには私のコンサートに来て下さる仲のよい人たちもいて……。

ここは入るとすぐ左手にバラの花が一杯咲いていて、その中にあずまやがあります。そう、場所の名前「ゴレスターン」はペルシャ語で「バラ園」の意味で、同時にイランの偉大な詩人サアディーの詩集のタイトルでもあります。この庭園自体はシーラーズにある、やはり詩人のハーフィズの廟を参考にしていて、そこは、砂漠の真ん中というのに花が咲き乱れ、音楽が流れ、そして、イスラームの戒律の厳しいこの国で、いくつものカップルがハーフィズの詩集を手に愛を語り合う、何とも幸せな空間なのでした。ああいう豊かな空間をもっともっと広げていきたいと思うのです。私のあずまやの中央には丸い大理石のテーブルがありますが、いずれここにはハーフィズの詩集を置く予定です。ハーフィズの詩集は、ぱっと開いて出た詩が、そのまま占いになるのです。私がハーフィズの廟を訪れた時も、イランの女学生たちが集まって、きゃあきゃあ言いながら詩集を開いてましたっけ。そのハーフィズ占いをここでできればと考えているのです。

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さて、この庭園に入って右側にはモスクが建っています。入口はやはりイランのエイヴァーンという半ドームを真似したつくりになっていて、中ではイランを中心にした写真展を行っています。実はペルシャ、イスラームの造形は実に繊細で豊かなものであり、私のセカンドライフでのデザイン力がまだまだ及ばないところもあり、ここは時間をかけてより美しく、かつオーセンティックなものに変えていきたいと思っています。因みにここのメナール(ミナレット)には登ることができ、やはり高いところから見る風景はきれいで気持ちがいいですね。

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ところで、ここで見るべきものと言ったらこれだけではないのです。あずまやの奥、バラ園に囲まれたところに地下室への階段があって、その地下はちょっとしたチャーイハーネ(ペルシャ風の喫茶店)になっています。絨毯の上に座ってお茶が飲めるのはもちろん、イスラーム世界に独特の水タバコなるものを楽しめます。私もエスファハーンのスィー・オ・セ(33)橋の下にあるチャーイハーネに行ったことがありますが、普通はタバコを吸わない私も、この時ばかりはめったにできない経験でもあり、水タバコを吸ってみました。いろいろ味がついていてなかなかおもしろかったですね。イスラームでは飲酒を禁止していますからこういうものが発達するのですが、味と言えば、ノンアルコール・ビールも日本のようにビールの味を再現したものというよりは、レモン味とかイチゴ味なんてのがあっておもしろかったですね。ビールのイチゴ味なんて想像できます?(笑

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そうそう。ゴレスターンのチャーイハーネでは、勿論、私のミュージックビデオを見ることができる——今はお正月に因んでイランの日の出の映像を流しています——のと、ピアノやお琴の先祖であるサントゥールという楽器がおいてあり、この楽器を遣った即興演奏のコンサートも企画していますのでお楽しみに。

GOLESTAN - Lifebound Garden
http://slurl.com/secondlife/SilkRoad/26/209/26




2008年1月10日木曜日

会社設立?〜Lifebound Records

今日もセカンドライフの話題です。

昨日はよりよい空間を求めてメインランドに音楽活動の拠点を移した話をしましたが、そうやって求めている時というのは不思議なもので、おもしろい話が他にあと2つ来たので、結局3ヶ所土地を借りることになりました。その一つが STAR Tracker Island で、ここに Lifebound Records というミュージックショップを置くことになりました。

STAR Tracker Island は、仲良しの Leoleo Ling さんの知り合いがオーナーというSIMで、基本的にはクリエイターアイランド、物作りをする人のための島です。いろいろと面白い乗り物やグッズを作っては僕らを笑わせてくれる Leoleo さんはずっと自分が落ち着ける土地を探していたのですが、やはり気の合う仲間のSIMだからか、殆ど即決してしまいました。で、私も誘われ、Leoleo さんが勧めるなら、と心を決め、せっかくだからコンサートを一緒に主催した pira Noel さんも誘おうと思ったら、何と pira さん、私より先にここに土地を借りることを決めていました。Leoleo さんと仲良しで、pira さんのお店のスタッフでもある sena Pinklady さんも含め、pira さんの Hakata にあるカフェに集まっていたみんなが、揃って同じ SIM に土地を借りることになったのです。

ところで、クリエイターアイランドですから、ただ住むというわけにはいきません。商品を作って売らなければなりません。作ろうと思えばいろんなものを作ることができるでしょうが、如何せん、時間が足りない身の上なので、できるだけ手間のかからないものを、と思い——Leoleo さんからは、「案外めんどくさがりやだな」と笑われています——、結局CDを販売することにしました。音楽やってますからね。安直な発想です。

セカンドライフ内でCD? 前にも書きましたが、セカンドライフ内でまとまった音楽を聴かせるのはなかなか難しいと言えます。フリーで手に入れたCDもありますが、これはそのCDに音が入っていて、その場にいる人みんなで聴くことができるものの、例の10秒毎に音楽ファイルが刻まれているもので、PCや回線の状態によって音がブツブツ切れて、とても聴くに耐えられるものではありません。これを商品として出すのはどうか?

私のCDは、CDケースをタッチすると中からディスクが出て来て、ディスクをタッチすると回転し始め、WEBサイトに接続、そこに置いてあるmp3ファイルを鳴らす、というものです。音が鳴るのはセカンドライフの外、PCにインストールされた QuickTime やら Media Player やらが鳴らしているわけですから、セカンドライフ内にいる周りの人と一緒に聴くことはできませんが、こっちの方がずっと音がいい。お金をとるんであれば尚更です。実際にはCDでなくmp3を売ってるわけですが、ちゃんとパッケージやディスクがお客さんの手許に渡るところが、ダウンロードサイトで購入するのとは違った、セカンドライフらしい楽しみを与えてくれていると思います。

STAR Tracker Island と契約したのは何とオープンの前日だったため、最初はとにかく商品とそれを並べる台だけ作って誤摩化しましたが、やはりいつまでもそれでは淋しい。現在では2階を商談もできるようなオフィスにして、壁は通り側が渋谷にあるような大スクリーン、海側は開放的なガラス張りにして、いよいよレコード会社らしい体裁に改装しました。とは言え、ただ会社っぽくしてもつまらないので、基本的にはメインランドと同じような広い海と空を感じられる空間として、土地の殆どを海にし、やはりヨットを置き、隣の pira Noel さんのアクアショップと連携したイメージになっています。

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ここから美しく広い海と空とを見つめながら、僕はその向こうにある未来を思い描くのです。気の合う仲間の集まるこの楽しい場所は、私の交流と新しいビジネス展開の拠点なのです。

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Lifebound Records
http://slurl.com/secondlife/STARTracker/31/54/22



2008年1月9日水曜日

活動の拠点〜Lifebound Cafe

前に、Toshimakuという所に土地を借りているという話を書いたことがありますが、11月にそこは引き払ってしまいました。やはり、pira Noel さんの水族館でチャリティコンサートをやって、50人がSIMの限界というセカンドライフで、40人近く集まる大成功となったことで、私自身、ものの見方や感じ方がすっかり変わってしまったことがあります。それから、スクリプトを多用する楽器郡や照明などが、同じくスクリプトで動く魚たちがたくさんいる水族館には負担になったこともあります。この水族館のように美しい、気持ちのいい所で、音楽演奏専用の場所がほしい。

Toshimakuもなかなか牧歌的でのんびりしていていいところだったのですが、広ーい、大きな自然を感じられる場所であること、それから、日本人だけでなく外国の方にも来てほしいところからメインランドを狙うことにしました。ちょうどコンサートの頃出会った縁で、メインランドに土地を持っている人がいて、Mirandirgeという海岸の土地を2000平米借りることができました。2000平米と言えば、かなりいろんなことができそうですが、友人の Leoleo Ling さんからもったいない、と言われるほど贅沢な使い方をしています。浜辺からピアを渡った海上にステージを備えたカフェがあるのです。ここを Lifebound Cafe と名付けて、活動の拠点とします。

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いやー、ここはのんびりした所で、メインランドなので外人さんもよく来るのですが、左右両隣は日本人の方なのでホッとしますね。方やヨットハーバー、方やティキ風の気持ちよさそうな家で、さすが皆さんのセンスのよさを感じます。そして目の前は何と言っても広い海。海に面したSIMも多いと思いますが、ここはリンデンの海と言って、実際に船で乗り入れることができるのです。また、そこにはリンデンの風が心地よく吹いてきます。というわけで、リーマン時代にヨット遊びを覚えてしまった私は早速ヨットを買って、海を渡って、海の向こう側のSIMまで遊びに行ったりします。これがリアル同様に気持ちいい! これはメインランドならではの楽しみですね。

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この気持ちのよい場所で、毎週土曜日、23:00過ぎからミニライブをやっています。やっぱりライブだと直接お客さんの反応がわかったり話ができていいですね。そんなわけで、一方的に喋って配信するラジオ「DAICHI-大地-」は昨年一杯でやめてしまい、こちらに専念することにしました。選曲も演奏も、その時のお客さんに会わせて即興的にやりますので、自分でもどういう展開になるかわからなくて、それがまた楽しいのです。

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皆さん、セカンドライフにログインした際には、是非お立ち寄り下さいね。

Lifebound Cafe
http://slurl.com/secondlife/Mirandirge/205/71/21
営業時間:土〜木 23:00〜25:00(Hiroshi Kumakiのログイン時間帯です)
ミニライブ:土 23:30〜24:30
ヨットによるリンデン海のセーリング、タロット占いなども行っています。
詳しくはセカンドライフ内で Hiroshi Kumaki までIM下さい。