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2024年12月8日日曜日

【技術情報】 今更ですが、PBR って何?〜その4・リフレクション・プローブの使い方

「PBR って何?」という自分自身の疑問から始まったこのシリーズ、
漸く「リフレクション・プローブ」に辿り着きました。
本当は自分自身はあまり PBR マテリアルなんて
扱えそうにないので、個人的にはこのリフレクション・プローブが
面白いな、と思ってこれを中心に記事を書く予定だったのですが、
やっぱり変わった点について一通り書かないとと思ったら
これが一番最後になってしまいました。w

"Reflection Probe" という英語はわかりづらいです。
"Reflection" は「反射」で、"Probe" は「探査、探査機」のことで
直訳すると「反射探査」ってさっぱり意味がわかりません。www
ここでの「探査」とは、プログラムが自分の周りに
どのようなオブジェクトがどの位置にあるかを確認して
その風景を中に配置されたオブジェクトの反射に利用する
ということのようです。

早速やってみましょう。
次の写真に2つの球体が写っていますが、奥の方が PBR
手前の方が Blinn-Phong のマテリアルのものです。
そう、リフレクション・プローブは、PBR だけでなく
従来の Blinn-Phong にも使えるというところがいいですね!

241208a

これ、PBR マテリアルの方は、「Texture」タブの
「Alpha」のモードが「Blend」になっています。
こうするとオブジェクトの表面にプローブが読み込んだ景色が
映り込むようになります。
1回目でも書きましたが、リフレクション・プローブには
自分が自由に設定できる「マニュアル」と
リンデンが SIM ごとに設定している変更不可の「デフォルト」があり、
ここではデフォルトの空が映り込んでいます。
室内なのに空が映り込むってヘンですよね?
そこで自分専用のマニュアルのプローブを作ることになります。

上の写真にあるように、まず木箱でも球体でも
何か適当にオブジェクトをレズします。
そして「特徴」タブの下の方にある
"Reflection Probe" にチェックを入れて、このオブジェクトを
リフレクション・プローブに変換します。
すると次のような警告が出ることがあります。

241208b

これは「オブジェクトをリフレクション・プローブに
しようとしていますが、本当に大丈夫ですか?」という確認です。
なので黙って「OK」します。

すると最初の写真にあるように、オブジェクトは透明になります。
そして、リフレクション・プローブのの形を
「立方体」にするか、「球体」にするかを選べるようになります。
通常は、広い空間にリフレクション・プローブを設定する場合には
「球体」の方を選び、
部屋のような四角い空間に設定する場合は「立方体」を選びます。
今は部屋に設定したいので「立方体」の方を選んでいます。
そして下にある "Dynamic" は、反射する風景に
アバターを映り込ませたいかどうかで、チェックを入れると
アバターが映り込むようになります。

241208c

さてここからリフレクション・プローブの大きさを
修正していくことになるわけですが、編集を始める前に、
「一般」タブで自分にわかりやすい名前に変更しておくことを
お勧めします。
というのは、オブジェクトをリフレクション・プローブに
変換した時に透明なファントムになってしまったわけですが、
実はこれ、一度編集を終えてあとで修正しようと思ったり
或いはリフレクション・プローブを削除しようと思った時、
透明なものを表示させてもリフレクション・プローブだけは
選択できないのです。
そこで僕の場合は、Firestorm の「エリアサーチ」の機能を使って
リフレクション・プローブを検索結果から選択しています。
併せて、画面右上の "Select Reflection Probes" のオプションにも
チェックが入っていることを確認しておいて下さい。

241208d

チェックが入っているとリフレクション・プローブは
黄色い枠で表示されます。
この枠を確認しながら、今回のような部屋の場合は写真のように
部屋を取り囲む大きさにまで引き延ばすことになります。

これでマニュアルのリフレクション・プローブが設置できたはず、
なのですが、相変わらず2つの球体には空が映っていました。
あれれ? と思って気づきました。
マニュアルのプローブを使うには「環境設定」が必要なのですね。

241208e

まず、環境設定の「グラフィック」タブで左側にある
"Reflection Coverage" で "None" 以外を選びます。
"Manual only" は自分のリフレクション・プローブを反映、
"Manual & terrain" は自分のプローブ+地面が映り込む、
"Full scene" は環境にあるものを全部映り込ませるようですが、
これは使ったことないのでどうなるのかわかっていません。

241208f

次に、"Reflection Detail" で "Static Only"、"Static & Dynamic"、
"Realtime" の何れかを選択します。
"Static Only" は動かない静物だけが映り込むもの
"Static & Dynamic" はそこにアバターも映り込むもので、
これはある一定の間隔で更新されるようです。
となれば "Realtime" は勿論、リアルタイムで更新するもので、
1フレーム毎に更新ということですので、
これを使うとリアルにはなるでしょうが、
PC はメチャメチャ重くなると思います。(やったことない)

241208g

こうして環境設定を変更したら無事に部屋の様子が反射しています。
"Dynamic" にしてみましたので、
自分がオブジェクトを選択している姿が写り込んでますね。w
これでリフレクション・プローブが使えるようになるわけです。

この他にも PBR 機能としては、PBR Sky, PBR Terrain といった
空や地面の様子も物理的に正しく調整できるようですが、
調整が難しいのと PBR 以前に戻せなかったりするようなので
僕はビビって試していません。w
なので、この PBR マテリアルのシリーズは
一旦これで終わりにしたいと思います。
4回にわたる長い話にお付き合いありがとうございました。

2024年12月1日日曜日

【技術情報】 今更ですが、PBR って何?〜その3・PBR マテリアルの使い方

さて、今回いよいよ PBR マテリアルの使い方について
話をしていくことになるわけですが、
PBR、つまり「物理的に正しく」 SL の世界を表現するに伴って
環境設定の「グラフィック」タブのところが大きく変わっています。
これまではあくまでも「擬似的に」グラフィックを調整していた
ということなのでしょうか。
次は PBR 以前の Firestorm ビューワの環境設定画面です。

241201a

まずはこの「一般」タブからは次のオプションが消えています。

・バンプマッピングと光沢
・近くの光
・環境(大気)シェーダー
・高度な照明モデル
・水の反射
・アバターの布

そして次のような画面に置き換わっています。

241201b

即ち、次のオプションが追加になっています。

・Screen Space Reflections(画面範囲の反射)
・Mirrors(鏡)
・Reflection Detail(反射詳細)
・Reflection Coverage(反射の範囲)
・Mirror Resolution(鏡の精度)
・Mirror Update Rate(鏡の更新頻度)
・Exposure(露出)

また、「ハードウエア設定」タブも以前は次のようでした。

241201c

ここから

・ガンマ
・テクスチャメモリ
・フォグの距離比率

がなくなって次のようなシンプルな画面になっています。

241201d

これらの設定については、実際に PBR 材質や
Reflection Probe を使っていく時に設定することになると思います。

さて、本題の PBR マテリアルの使い方に入ります。
まずは専用の glTF ファイルを用意しないといけませんが、
僕はコンピュータグラフィックは全くやっていないので、
ここは次に示すクロノス社のサンプル・アセットのページにある
サンプルを使わせて頂くことに致します。


この中から、シンプルなティーカップを選んでみました。
元ネタは次の Polyhaven のアセットになります。


ここで Blender などで作業したフリをして、
glTF ファイルを書き出すわけですが、
次のようにバイナリ形式でも書き出すことができます。

241201e

glTF の方のフォルダを開くと、次の通り
いろんな種類の複数のファイルが入っています。

241201f

片や、バイナリー形式の方のフォルダを開くと
拡張子 ".glb" のファイルが1個だけです。

241201g

SL にアップロードするには1個だけの方が簡単そうです。
「制作」メニューの「アップロード」から「Material...」を選択。

241201h

".glb" のファイルを選択すると 
"Material selection" というダイアログが開き、
プルダウンをクリックすると ".glb" のファイルに含まれる
どのマテリアルをアップロードするか指定することになります。
ここは "Bulk Upload All" 即ち、「全部」を選択します。

241201i

すると支払いの通知が表示され、「インベントリ」に追加されますが、
今回新しく導入された "Materials" というフォルダに入ります。
「テクスチャ」ではありませんので要注意です。

241201j

この PBR マテリアルのオブジェクトへの適用は簡単です。
作業したメッシュオブジェクトをレズして
"Materials" フォルダの該当の PBR マテリアルを
そこにドラッグ&ドロップするだけです。

241201k

一瞬で Blender などで作業した時の状態にマッピングされます。

241201l

勿論、マッピングが気に入らない場合はこれまで通り
制作ツールの「Texture」の画面で修正できます。
が、PBR 用の画面は当然ですが Blinn-Phong 用とは異なります。

241201m

マップは次の5種類があります。

・Material
・Base Color
・Normal
・Emissive
・(O)RM

"Material" は PBR マテリアルを選択するもので、
選択し直すと当然その他の4つのマップも入れ替わります。
"Base Color" と "Normal" は Blinn-Phong と同じと考えてよいです。

"Emissive" は日本語では「発光」と言っているようで、
文字通りランプなどの光を発するものの設定を RGB で行うようです。
白いマップを設定すると従来の "Fullbright" を設定した時と
同じ効果が得られるとのこと。
この例では、ティーカップは発光するものではないので
Emissive マップは使われていません。

"(O)RM" は、Occlusion, Roughness, Metalness の頭文字で
これらをやはり RGB 値で設定するもののようです。
Occlusion はオクルージョンの適用度合いを RGB で表現、
<1, 1, 1> が適用なし、<0, 0, 0> がフルに適用となります。
"Roughness" は材質のザラザラ感、ツルツル感を
0.0〜1.0 の値で表すわけですが、
0.0 にするとツルツルで鏡のような状態になります。
ものを反射させたい場合はこの値を下げることになります。
"Metalness" は「金属質の度合い」を表すもので、
1.0 が金属、0.0 が非金属ということになります。
"(O)RM" マップはこれらが設定されているものになりますが、
"Roughness" や "Metalness" は制作ツールの中でも
調整できるようになっています。

尚、インベントリの "Materials" フォルダにあるファイルを
ダブルクリックで開くと次のような画面が開きます。
ここでも調整を行うことが可能です。

241201n

制作ツールに戻ると "Roughness" の下に
"Save" というボタンがありますが、これは調整した結果を
"Materials" フォルダ配下のファイルに反映するためのものです。
調整した結果に新しく名前をつけて別名で保存することが可能です。

PBR マテリアルの使い方はざっとこんな感じです。
本当は Reflection Probe まで行こうと思っていましたが、
十分長くなりましたので、これについてはまた次回のお楽しみで!

2024年11月17日日曜日

【技術情報】 今更ですが、PBR って何?〜その2・Blinn-Phong タブの使い方

SL のビューワーに新しく追加された PBR 材質機能の話の続きです。
前回はそもそも PBR って何? という疑問から
全般的な話をしましたので、今回から具体的に
Firestorm ビューワーを例にその使い方について書いていきますが、
PBR 材質機能が追加になったことで、
これまでの材質の機能はどうなるの?
自分は glTF ファイルなんか作れないし、持ってないし
今までの材質の機能で十分なんだけど?
という方もいらっしゃることと思います。
限に僕自身がそうです。
こうした疑問や不安をお持ちの方のためにも
追加になった PBR 材質機能の説明に入る前に、
従来の材質機能について先に説明することにします。

オブジェクトを編集する「製作ツール」で
従来「材質」だったタブは「テクスチャ」に名前が変わり、
その「テクスチャ」タブを開くと、
従来は「材質」と「メディア」を選択するドロップダウンだったのが「PBR」、「Blinn-Phong」、「メディア」の
3つのタブが並ぶ形に変わっています。
(リンデン公式ではドロップダウンのままのようです。)
デフォルトでは「PBR」のタブが選択されていますが、
真ん中の「Blinn-Phong」が従来型の「材質」になります。

241117a

前回のこの日記で従来型の「材質」は「Blinn-Phong」に
名前が変わった、と書きました。
これはリンデン公式の Wiki の表現をそのまま用いたのですが、
実際に触ってみると単に名前が変わっただけでなく、
こちらはこちらで機能がバージョンアップしていることが
わかりました。

ブリン・フォンというのは、光の反射モデルの名前です。
3D コンピュータ・グラフィックスの世界で、
モデリングされたオブジェクトの面に影や光の反射をつけるのを
コンピュータに計算させて実現するわけですが、
ユタ大学のブイ・トゥオン・フォン博士が開発したのが
フォン反射モデルと呼ばれるもので、
これに同じくユタ大学出身の博士ジム・ブリンが改良を加えたのが
ブリン・フォン反射モデルと呼ばれるもので、
SL がベースにしている OpenGL で採用されている反射モデルが
このブリン・フォン反射モデルというわけです。

つまり、ブリン・フォン反射モデルは計算によって
オブジェクトの光の反射や影の付き具合の
「近似値」を求めることができるのに対して、
PBR では「物理的に正しい」光の反射や影が実現できるわけです。
言い方を変えると、近似値でも十分満足できるのであれば、
ブリン・フォン反射モデルによる従来型の材質による製作でも
十分楽しめるようになっている、それが今回のバージョンアップの
特徴でもあると言えます。

そうなんです。
上の「Blinn-Phong」タブの画面を見て頂ければおわかりのように
テクスチャを設定する正方形の枠が1つから3つに増えています。
これこそ、これまで以上にブリン・フォン反射モデルを利用して
よりリアルな光の反射や影を実現するためのものなのです。

が、いきなり英語で「Diffuse」、「Normal」、「Specular」って
3つもあるうちどこに何を設定すればいいの〜っ?
って感じですよね。。。いや、僕自身そうでした。
で、まずここから説明していきます。

従来のテクスチャを設定するのは一番上の「Diffuse」になります。
これは「拡散反射マップ」を表す英語なのですが、
「拡散反射」とは、オブジェクトに当たった光が
跳ね返されるよりもオブジェクト全体に広がる効果のことです。
言い換えると、光によって反射したテカリや影ができない
そういう状態のことで、つまりは照明や陰影の効果の全くない
テクスチャに描かれているものをそのままというわけです。
これは、オブジェクトに色情報を与えるものになるので
「カラーマップ」とも呼ばれています。

真ん中の「Normal」は「ノーマルマップ」を表していて
これは「Diffuse」で描かれているものに凹凸の情報を与え
影を付けるためのテクスチャを設定するところになります。
凹凸は勿論、ポリゴンとして表現すれば当然リアルになりますが
そのためには当然計算量が増えるわけで、
スピードが要求されるゲームなどの世界では、
このノーマルマップを使用して平面に立体感を与えることで
計算量を減らしてきたわけなんですね。

一番下の「Specular」は「鏡面反射マップ」を表しています。
「鏡面反射」とは、光が当たったところが白くテカるアレです。
分かりやすい例としては黒い瞳に光が当たると、
瞳の中に白く輝く点ができますよね、アレです。
つまり、「Diffuse」で設定されている画像に
「Normal」で凹凸情報が追加されているわけですが、
そこに光を当てた時にその凹凸に応じて反射する具合が
表現されることになるわけです。

これらの説明を書くのに、反射モデルに関する記事を
たくさん読みましたが、その中には STYLY MAGAZINE さんの
「Tips  【Blender】様々なテクスチャマップを理解しよう」
というリンク先の記事もあって、
そこに「拡散」「ノーマル」「鏡面」それぞれの
画像がありましたので、実験で使わせて戴きました。
この場をお借りして御礼申し上げます。


次の画像は上のサイトにある3つの種類のマップを
製作ツールに読み込んだところです。
こんな感じになります。

241117b

最終的にはこうなるのですが、それぞれの効果を確認するために
Diffuse から順番に読み込んでいったところを見ていきましょう。
いつものように木箱を作って、その面に色情報のテクスチャを
マップしてみたのがこの状態です。

241117c

ただ写真が木箱に表示されているだけですね。
これに2番目のノーマルマップを適用するとこうなります。

241117d

どうでしょう? より立体的に見えませんか?
わかりづらい?
そうかもしれません。
これ、元の画像に影が入っているので
それだけで元の画像にある種の立体感があるかもしれません。
よりリアルな照明や陰影の効果を実現するためには
元の画像は影のない状態である必要があるようで、
素人には撮影でそんなテクスチャを作るのはムリですね。。。

そこで、立体感を確認するために、
いっそ色情報の Diffuse のマップを削除してみました。
Diffuse は真っ白な平面ですが、ノーマルマップによって
凹凸感が出ているのがわかると思います。

241117e

あれ? この凸凹はどこかで見たことがあるぞ?
という方もいらっしゃるかもしれません。
そうなんです。
以前のプロジェクトで「バンプ」というものが導入され
これまでの「材質」タブにもその項目がありました。
このバンプは平面に凸凹情報を与えるものなのですが、
ノーマルマップとはそのバンプの一種と言えます。

「バンプ」は今も「テクスチャ」のタブでは健在で、
ノーマルマップを適用するとプルダウンのところに
「テクスチャを使用」と表示されていますが、
そのプルダウンをクリックすると、次の画面の通り
これまでもあった選択肢が表示されます。

241117f

では、試しに色情報を戻して、これらのバンプの中から
「Suction(吸着?)」を適用してみましょう。

241117g

ほら、何だか丸い形に凹凸が付いて見えますよね?
この凹凸は表示されている画像とは全く関係なく凸凹してますが、
ノーマルマップとは画像に適切な形で凹凸情報を与えるもの
と僕は理解しました。
あ、因みにこんな風にバンプを適用してしまうと
ノーマルマップは解除されて「×」の状態に戻りますのでご注意。

最後に鏡面反射マップを適用したところです。
画面左下の石の一点が特に強く白く光っているのがわかるでしょうか。

241117h

これ、反対側から見るともっとわかりやすい。
全体に凸凹感もキラキラ反射している感じも
よく出ていると思います。
これ、木箱の1平面なんですけどね。

241117i

こんな感じで、これまでは影も含めたようなテクスチャを1枚
設定するだけでしたが、
ノーマルマップや鏡面反射マップが利用できるようになったことで
PBR でなくても結構な質感を表現することが
できるようになったわけなんですね。
従来型の「材質」はただ名前が変わっただけではない、
と書いたのはこういうことなんです。
まぁ、僕自身はノーマルマップとか鏡面反射マップとか
用意できる人間ではないのでショボいオッブジェクトを
作り続けることになるでしょうが。。。w

次回はいよいよ PBR の使い方について書きます。
お楽しみに。

(2024.12.01 追記)
上の実験をやっていて、ノーマルマップと鏡面反射マップを使うと
"Bumpiness" と "Shininess" に「テクスチャを使用」となっていて
もしかして? と思って気づきました。
これは、PBR 以前のバージョンでは次のような画面でした。

241201p

「凹凸」と「輝き」となっていますが、その後ろにかっこ書きで
「標準」、「反射」とあるのは、今思えば
ノーマルマッピングと鏡面反射マッピングのことですね。
このかっこ書きは僕自身が付けたのか、他の方が訳してくれたのか
今となっては全く覚えていませんが、
僕が訳したのだとすると、全くどういうことか理解せずに
訳していたことになりますね。ごめんなさいです。

で、このラジオボタンを選択すると、
ちゃんとマップを指定できるようになっていました。
そして、マップを指定しなくても、
「凹凸」の方は "Brightness" か "Darkness" を選択すると
明るさまたは暗さを強調してノーマルマップのようなことができ、
「輝き」の方も強度を指定して鏡面反射マップみたいなことが
できるようになっているのでした。
なので、必ずしも自分でノーマルマップや鏡面反射マップを
用意できなくても、擬似的に凹凸や光の反射を
表現できるというわけですね。

そこで、ノーマルマップや鏡面反射マップを使わずに
これらの設定を使ったのが次の写真です。
マップを使った上の写真と比べるとイマイチ感は否めませんが
それなりに凹凸や光の反射の感じは出ていると思いませんか?

241201o

最後に、この部分の翻訳に当たっては、「拡散」とか「標準」とか
普通の日本語の感覚からは分かりづらいので、
それぞれ次のように訳すことを考えています。

Diffuse = カラーマップ
Normal = 法線マップ
Specular = 鏡面反射マップ

2024年11月10日日曜日

【技術情報】 今更ですが、PBR って何?〜その1

今年の6月20日、Firestorm ビューワーの
PBR バージョン 7.1.9 がリリースされました。
ちょうど SL21B の時期です。
この時期、メチャメチャ忙しかったこともあり、
また、PBR バージョンを入れたらトラブったという話も
X 辺りでチラチラ目にしていましたので、
SL21B でイベントが予定されている身としては
敢えて危険を冒したくなく、
そのタイミングでのバージョンアップはしませんでした。

そもそも PBR って何? というところから始まり、
Firestorm の開発にも絡んでいる自分としては
この略語は Public Beta Release、つまりベータ版のリリースを
意味する言葉でしかなく、ますますインストールする気には
なれないのでした。
それがその SL21B のライブの模様を
しんさんが録画してくれたのを見て、おお? と思ったのでした。
しんさんの撮影はいつも超高でやって下さっているはずですが、
この時の映像は、全体に色に深みがあり、
よりリアルな感じがしました。
そこで、これ、PBR ビューワーで撮ったの? と訊くと
そうです、と仰るので、それでは自分も PBR 試してみるか、
と思った次第なのです。

それからもう随分時間が経ちましたので、
今更 PBR って何? という人も減ってはいると思いますが、
自分の備忘も含めてここにまとめておこうと思います。
技術的な話は例によって長くなりそうなので、
2回に分けて、今回は PBR の全般的な話、
次回は Firestorm ビューワーでの具体的な操作について
説明していこうと思います。
いや、一つにはこのところビューワーの翻訳サボってて
またまた英語がいっぱい増えて、何の機能か、
触ってもトラブったりしないか、不安に思っていらっしゃる
みなさまへの罪滅ぼしも兼ねて、でございます。

     *   *   *

PBR というのは Physically Based Rendering の略で、
日本語では一応「物理ベースレンダリング」という
中途半端な訳が当てられていますが、どちらかというと
コンピュータグラフィックスの世界では、
もう PBR という英語の略語の方が一般的に通っているようです。
これは、SL の世界で言うと、光の反射(Reflection)と
材質(Materials)に関連した話のようです。
材質と言えば、2013年頃に——もう10年以上前か!——
Project Materials というプロジェクトがあり、
そこでよりリアルな材質の表現が可能になりましたが、
今回の PBR は更にリアルな質感をもたらすものとなります。

材質というのは、金属だったり、木だったり、石やプラスチック、
或いは革だったりしますが、
私たちは遠目からそれを見ただけで、金属だ、プラスチックだ、と
敢えて触ってみたりすることなく見分けることができます。
これは何故かというと、その材質によって反射の性質が異なるから
だそうなんです。
そこで、ある角度から光を当て、それをまたある角度から見た時に
光がどのように反射してその物体が目に入ってくるか、
これを実際の物理の法則に従って計算して描画する、
というのが PBR なんですね。

なんだけれども、PBR でできることというのは
実に範囲が広いようで、昨年の11月にリンデンが導入したのは
まずこの材質の部分で、最初に書きましたように、
PBR は光の反射とも関係しますので、地面だとか空や水とか
SL の環境全体が今後はよりリアルな見え方をするように
変わっていくようです。

一方で、現在の SL 内に僕等住民たちが作ったオブジェクトの殆どは
従来の「材質」を使って作られていますので、
材質に関しては、当面従来の材質と PBR とが共存できるように
ビューワーの変更が為されているわけです。
そして、従来の「材質」ですが、これを PBR の材質と区別するため
呼び方が Blinn-Phong と変わっています。
これは SL が採用している OpenGL のシェーダーモデルの一つ
ブリン=フォン反射モデルによるそうです。
シェーダーのモデルのは他にフォン反射、ランバート反射など
あるようですが、従来の SL はブリン=フォンだ、というわけですね。

で、その従来のブリン=フォンで使われるテクスチャは
JPG, PNG, TGA といった形式だったりしましたが、
PBR で使われるテクスチャは glTF という形式のファイルです。
どんどん新しい言葉が出てきて目が回りそうですが、
実はこれはコンピュータグラフィックスの世界では、
JPG とか MP3 に当たるものだそうで、
つまり、JPG や MP3 が OS やアプリケーションを選ばないように
glTF はどんなグラフィック編集でも扱うことのできる形式、
新しいスタンダードなのだそうです。

ところで面白いのは、この glTF という形式で書き出すと、
".gltf" という拡張子のファイルと共に、PNG だったり
いくつかの種類のファイルが出力されるんですね。
SL にアップロードする時はこれら全部を持ち込む必要がありますが、
もう一つ ".glb" という拡張子もあって、
こちらは全部のファイルをまとめた形式なのだそうです。
そしてSL にアップロードする時にこの ".glb" ファイルを指定すると、
個別のファイルをアップロードするのか、
全部まとめてアップロードするのかを確認するダイアログが
表示されるようになっています。

僕自身は PBR のテクスチャを編集するソフトは持ってませんので
glTF ファイルをアップロードすることはできません。
この辺りは最後に紹介する動画をご参考にされるとよいと思います。

さて、この反射モデルが変わったことに加えて、
トーンマッピングというのも導入されています。
世の中音楽でも映像でも何でも高解像度になっていますが、
映像・画像における高解像度 HDR、
即ちハイ・ダイナミック・レンジに対応するものになります。
つまり、コンピュータのディスプレイはより解像度が低いので
HDR の画像や映像をそのまま表現することができません。
そこで、HDR の画像や映像の質感が失われないよう
色の変換が行われるわけですね。
この変換の方式にはいくつか種類があるようですが、
SL が採用しているのは ACES という方式で、
これは Academy Color Encoding System の略で、
その名の通り、映画やテレビで使われている方式です。
これはつまり、SL の世界が映画レベルの深みを持った
よりリアルで没入しやすい環境になっていくことを意味していると
ヒロシは理解しています。

あともう一つ。Reflection Probe というものが導入されました。
これまた日本語の訳がなくてそのまま「リフレクションプローブ」
と言っています。
これはある地点から全方位に向かって見える景色を
キャプチャーする球状のカメラのようなもので、
これを使うことで周りの景色の映り込みが実現できます。
SL ではリフレクションプローブには2種類あって、
各地域に設定されたデフォルトの、修正不可能なプローブと
もう一つは自分で作ることのできる修正可能なプローブになります。

デフォルトのリフレクションプローブは分かりやすいです。
PBR の材質のオブジェクトを作って「モード」を "Blend" にすると
そのオブジェクトに空が映り込みます。
地域全体に設定されているリフレクションプローブの効果ですね。
ただ、部屋の中に置いてあるオブジェクトなのに、
つまり天井があるのに空が映り込むのはおかしいですよね。
そこで、自分用の、部屋より大きいサイズで
リフレクションプローブを作って設置してあげると
ちゃんと天井が映り込むようになる、というわけです。

但し、このリフレクションプローブはリソースを激しく消費するので
次のような行為は禁止されていますのでご注意下さい。

・リフレクションプローブを装着してはいけない
・リフレクションプローブを家具、テーブル、椅子、楽器といった
 小さなオブジェクトにリンクしてはいけない
・リフレクションプローブを自動車や飛行機のような
 物理オブジェクトとリンクしてはいけない
・リフレクションプローブを鏡として使ってはいけない

最後の「鏡」については、PBR とは別に鏡用のプロジェクトで
対応が予定されているようです。

ざっとこんなところでしょうか。
詳しくは英文ですが、次の Wiki の記事を読んで頂くのがよいのと
あと、超ザックリですが、クリエイターの方も含めて
何をしなければならないかがサクッとわかる動画がありますので
これを紹介しておきます。
是非参考にしてみて下さい。

・PBR Wiki

・Second Life University - How to Create PBR Materials
 

2024年2月12日月曜日

【技術情報】 パイプオルガン・プラグイン「The Leeds Town Hall Organ」のこと

僕の SL ライブにお越しの皆さんならご存じでしょうが、
SL では僕は結構パイプオルガンを弾きます。
勿論本物のパイプオルガンを弾いているわけではなくて、
シンセの音源を鳴らしているわけですが、
実はなかなか「これだ!」という音源には出会っていません。
というのも、パイプオルガンというものはたくさんあるパイプを
自分のイメージする音にするために組み合わせて弾くわけで、
シンセの音源の場合は固定した音しか出せないので
こういう音を出したい時は使えるけど、
こういう音は出ないねぇ、ということがあるわけです。

そういう需要は音楽をやっている人なら気づくはずで、
はい、確かにあるのです。
たくさんの組み合わせをサンプリングしたものから
物理モデルで再現するものまで。
しかし、得てして自由度が高く、品質の良い物は
お値段もそれなりにしますし、PC のストレージも結構使います。
そこで、できるだけ安く手に入って、しかも容量の少ないもの、
と探していった時に見つけたのが、
Samplephonics 社の無料プラグイン
「The Leeds Town Hall Organ」なのです。

これはその名の通り、イギリスのリーズ市の市民会館にある
パイプオルガンをサンプリングした音源で、
Native Instruments の KONTAKT 正規版、
Apple の EXS24、サウンドフォントなどに対応したプラグインです。
お、これは! と思ってダウンロードして、
自分は KONTAKT はフリーのプレーヤーしか持っていないので、
サウンドフォント対応の Sforzando でためしたのですが、
どういうわけかプリセットの1番は音が時々出なくなるし、
2番は何やらエラーメッセージが出る。

240212f

いい音してるのにこれじゃあ使えないなぁ、と思ってましたが、
これは絶対設定に誤りがある! と思っていろいろ試していたら
修正する方法がわかりましたので備忘を兼ねてここに書いておきます。
但し、この修正の仕方は HTML や XML、そして
MIDI ファイルをいじった経験がない方にはお勧めしません。
ファイルを壊してしまうと永久に使えなくなる危険性がありますので、
何をやっているかわかっている方のみ自己責任でお願いします。

ダウンロードしたファイルを解凍すると、
「Sampler Instruments」というフォルダに
「SFZ」というフォルダが入っています。
そこに6つの拡張子「.sfz」のファイルが入っています。
ファイル名がプリセットを表しています。
これらのファイルの実体は、WAV や MID などと違って
ただのテキストファイルです。
そこで、テキストエディタを使ってこれらのファイルを修正しますが、
失敗することも考えて、コピーを取ってそのコピーで作業します。
今回1番と2番のファイルを修正しますが、
僕の場合はそれぞれ「Preset 1a.sfz」、「Preset 2a.sfz」という
コピーファイルを作って作業しました。

まず、1番の方ですが、これをテキストエディタで開くと
こんな感じです。

240212a

11行目以降続く <region> のタグのところにある
「seq_length=0 seq_position=1 」がどうも不要です。
ちゃんと動く3番以降のファイルにこの記述はありません。
そこでこの記述を消すわけですが、この <region> は
全体で170箇所ありますので、一つ一つ消すわけにはいきません。
そこで、図のように「検索と置換」の機能を使って一気に消します。

240212b

但し、全体は2つのグループに分かれていて、
今消したのはグループ1の方、2の方はこんな感じで
少し記述が異なります。

240212c

「seq_position=」の次の数字が違うので、これはこれでまとめて
検索と置換をして一気に消します。

次は2番のファイルです。
これは上に示した通り、2番のファイルを指定すると
エラーメッセージが出るのですが、
このメッセージをよく読むとわかります。
どうも111番以降の region の loopend の値がおかしいらしい。

240212d

確かに、109番までは loopend の値が
その前の行にある end より1つ小さい値なのに
111番以降は何故か end より倍くらい大きい値になってる。
なので、これを修正します。
111番は end が 541190 なので、loopend は 541189 に。
以下同様。

これも、グループ1とグループ2に分かれているので、
グループ2は112番以降を修正。

240212e

こうして修正したファイルを読み込むと、
おーおー、気持ちよく演奏できるようになりました。
実際の音については、 YouTube にデモを上げておきましたので
こちらをご参考にしてみて下さい。


簡単に説明しておくと、6つのプリセットの内容は次のようです。

PRE6: 8'(基音)
PRE1: 4'(オクターブ上)
PRE2: 4' + 2 2/3'(オクターブ上と12度)
PRE3: 4' + 2 2/3' + 2'(PRE2 + 2オクターブ上)
PRE4: 4' + 2 2/3' + 2' +1 3/5'(PRE3 + 17度)
PRE5: 8' + 4' + 2 2/3 + 2' + 1 3/5'(所謂コルネ)

YouTube でも紹介していますが、これをそのまま使うのでなく、
組み合わせて使うと更に充実した音になりますのでお試し下さい。
ダウンロードは次の Samplephonics 社のサイトからになります。


多分、次のライブでパイプオルガン演る時は
このプラグインを使うだろうな。^^

2022年12月11日日曜日

【技術情報】 メッシュアバター時代、装着はダブルクリックで!

久しぶりの「技術情報」です。

先日の冬のミニセカでは、トリの CAST 公演で
アリンさんとるしさんのどこか漫才のようなやり取りに
笑わせて頂きましたが、何と言ってもブラックフライデー絡みで
るしさんが「頭を買った」という話が笑えましたね。
いや、普通の人が聞いたら物騒な話ですよ。w

で、その流れで頭自体が装着物になるので、
帽子とか眼鏡とかを付ける時は「装着」でなく「追加」しないと
頭が消えちゃうという話も出ましたね。
これは僕自身本番のステージでやらかしたことがありますので
身に沁みております。
もしかしてその恥ずかしいシーンの動画が
残ってたりするんじゃないかしら。(汗

221211a

ライブではヘッドセットを付けて演奏しているようにしていますが、
衣装はその時その時で変えますので、
ヘッドセットを付け忘れることがよくあります。
で、僕のように長い事 SL をやっていると、
写真のように右クリックのコンテキストメニューから
「装着」を選択するのがクセになっているのです。
それでやらかしてしまうのですが、Firestorm をご利用の方は
この時、上の写真の左の方、歯車アイコンをクリックして
インベントリの初期設定をしておくことをお勧めします。

221211b

歯車アイコンをクリックするとメニューが開きますが、その中に

・ダブルクリックしてオブジェクトを追加装着
・ダブルクリックして服装を追加装着

というのがありますので、この2つにチェックを入れておくことを
お勧めします。
ヘッドセットや帽子、眼鏡などは装着すると頭が飛びますが
メッシュ服の装着は身体が飛びますしね。。。怖い怖い。
追加だとものによってはダブってしまったりすることも
あるかもしれませんが、消えたり或いはマッパになったりする
危険性は避けることができるはずです。
今回も無事、ダブルクリックでヘッドホンを装着できました。

221211c

メッシュボディでアバターのクォリティは格段に上がりましたが
新しい習慣を身に付けないといけないようです。
インベントリの初期設定を行って
装着はダブルクリック、これで行きましょう!

あと、今回の冬のミニセカで他にも思うところがありましたので、
技術情報のシリーズ、また少し書く予定です。
お楽しみに!

2022年7月9日土曜日

【技術情報】 不在中のグループ招待が受け取れるようになりましたね

紹介するのは5月25日の記事なので、
「情報」と銘打つにはちょっと古いもの。
ご存じの方も多いこととは思いますが、
僕には結構関係のあることなので敢えて触れておきます。

これは、先頃行われ、僕も参加した SL19B の情報を取ろうと
SL の公式ブログを見ていたときに気づいたものです。

・The return of offline offers!
 https://community.secondlife.com/blogs/entry/10856-the-return-of-offline-offers/

私のようにイベントに参加したり、イベントを主催していると
そのイベント用のグループ招待を受け取ったり送ったりということが
日常茶飯に発生するのですが、
このグループ招待、いつの頃からかオフラインの時に届くと
ログインして表示されても実際には受け取れない、
という仕様になっていました。
つまり、送る側と受け取る側が同時にログインしてないと
うまくグループに参加できずに、何度も送ってもらったり
送ったりしないといけないという状況が続いてました。
なので、SLB や Burn2 のように、僕のステージに
ケルパさんやしんさんに協力してもらう時も
なかなかスタッフの方との都合が合わず、
本番直前で送ってもらうこともしばしばありました。
ケルパさんの場合は、ちゃんとステージが置けるかとか
スクリやパーティクルがちゃんと動くかとか
いろいろチェックするところもありますので
直前というのはかなりリスキーだったんですね。

それが、オフラインでも受け取れるようになりました!
というのが上のリンク先の記事の内容になります。
最初に書いた通り、この記事を見つけたのは SL19B の
準備をしている時でしたので、早速実験してみました。
スタッフの方がオンラインでない時に
僕からケルパさんとしんさんへの招待をお願いして、
スタッフの方はケルパさん、しんさんがオフラインの時に
送ってくれたのですが、無事、お二人とも受け取れました。
よかった!^^
ちゃんとこの機能動いてくれているようです。

但し、ブログにありますように、
このオフラインで受け取れる機能には制約があります。
まとめると、

・招待は「通知」ウィンドウに表示される
・オフラインでの通知を受け取れるのは、最初のログインから
 24時間、または最初のログインを行った SIM が再起動されるまで
・最初にログインした SIM 以外では受け取れない

2点目と3点目、結構重要ですのでご注意下さい。
特に火曜日とかは週次の SIM 再起動がかかりますので、
タイミングによっては24時間以内に招待が消えてしまうこともある、
ということになりますので。

最後に、これは YMB 関係者への連絡になります。
以前、YMB の新しいグループを作って、ここ2年くらいの間に
ログインしている皆さんに招待を送ったことを書きましたが、
殆どの方は受け取れていないと思います。
そこで、このオフラインでの招待受け取り機能が復活した今、
もう一度新しいグループへの招待を送りますので、
受け取ったら必ず「参加」ボタンを押して頂くようお願いします。
暫くの間グループ通知等は旧来のグループで皆さんに送りますが、
多くの皆さんの移籍が完了したところで
全面的に新しいグループに切り替えて行こうと考えています。
どうぞよろしくお願いします。

2021年8月1日日曜日

【技術情報】 EEP: 太陽の調整

 さて、昨日のライブでは EEP の実験と称して、
見かけ上深夜0時に始まった1時間のライブが、
見かけ上午前6時、西の海からの日の出と共に終わる、
という自然環境の設定を行いました。

で、友だちの書いてる SNS の記事や動画を見ると
太陽の動きで苦労されている方が結構いらっしゃるよう。
自分で作った空で、太陽がいきなりあらぬ方向に動いたりするのを
僕も経験しているのでよくわかります。
そこで、太陽の動きを自然にするコツをちょっと書いておきます。

インベントリの「自然環境」フォルダを開くと
その中に「Default」というフォルダがあります。
その中に、"A-12AM" から "A-3AM", "A-6AM" といった具合に
3時間ごとの時刻に応じた空の EEP 資産が8個入っています。
デイサイクルで使用するオリジナルの空を作成するには、
これらの空の設定をコピーして修正することをお勧めします。
というのは、これらの設定を使ってデイサイクルを作成すると
太陽と月の動きが最も自然なようになっているからです。
EEP ではトラックボールを使って自由な位置に太陽や月を
置くことができるようになりましたが、
このデフォルトの太陽や月の動きの線上にないと
急にあらぬ動きをすることになるわけです。

210801a

Firestorm Viewer の最近リリースされたバージョンでは、
太陽や月の設定画面に Azimuth(方角)と
Elevation(高度)というものが追加されました。
どうもこの部分の日本語訳が足りてなかったようで
申し訳ないのですが、これを使うと太陽や月の調整が
よりしやすくなります。
ご参考までに、デフォルトの8つの設定を確認してみると
次のようになっています。
270/-90 は、方角が270度、高度が-90度を表しています。

A-12AM 太陽:270/-90  月:270/90
A-3AM  太陽:0/-45   月:180/45
A-6AM  太陽:0/5.4   月:180/-5.4
A-9AM  太陽:0/45   月:180/-45
A-12PM 太陽:270/90  月:270/-90
A-3PM  太陽:180/45  月:359.99/-45
A-6PM  太陽:180/4.32 月:359.99/-4.32
A-9PM  太陽:180/-45  月:359.99/45

210801c

210801b

これを見ると、午前も午後も12:00のところが
太陽も月も方角270のところで、高度はプラスとマイナスの最大値、
その間の午前中は太陽が方角0で月が180、
午後は太陽が方角180で月が0(359.99 って誤差かと。w)
となっていて、高度は3時間ごとに45度ずつ変わっています。
6時のところは本当はどちらも高度0なんでしょうが、
日の出と日の入りで太陽を水平線の上に出しておきたいので、
微妙な数値が設定されています。

これを見ると、例えば午後4時の太陽は 180/30
午後5時の太陽は 180/15 に設定すればよさそうなものですが、
実際にやってみると南北にブレてアヤシイ動きをします。
なので、基本はデフォルトの3時間ごとの設定を利用することを
お勧めします。
1時間とか30分とか細かい時間で変化させたいことも
あるとは思いますが、そこで太陽の動きを自然にするには
ちょっとばかり根気が必要なようです。

因みに、Windlight 時代にあった NB のフォルダの中には、
[NB]-Misty Day-4am, [NB]-Misty Day-5am の設定があり、
太陽の設定を見るとそれぞれ、0/-30, 0/-7.5 となっています。
4時の設定は私の予想通りですが、5時の方は-15の半分の値、
しかもこの時 [NB]-Misty Day-6am は 0/0 で水平線に合わせてます。
更に6時の次は9時でなく8時になっています。
細かく調整されたい方は、この NB の Windlight 設定を
インポートして研究されるとよいかもしれません。
尚、過去のバージョンのビューワーから
Windlight の設定を読み込む方法は、次の記事を参考にして下さい。


以上、皆さんオリジナルの自然環境づくりの
ご参考になれば幸いです。

2021年7月29日木曜日

【技術情報】 Firstorm の新バージョン 6.4.21.64531 がリリースされました!

 Firestorm は3ヶ月ごとにアップデートするようにしていますが、
本日新しいバージョン 6.4.21.64531 がリリースされましたので
ここにお知らせ致します。

・公式ブログ

更新内容はいろいろあるんですが、日本の皆さんにとって、
そして僕にとっても重要なアップデートは、
昨年5月以来日本語訳がなかったところが
全て訳された! ということです。
これはね、その頃から僕がメチャメチャ忙しくなって、
8月の EEP リリース直前に行われた変更に
対応できなくなってしまったからなんですが、
最近漸くサボっていた FS の翻訳1年間分、
リリース直前まで、これも反映して〜って、
頑張って入れてもらいました。
前より日本語が増えているので、新しい EEP 機能なども
安心してお使頂けるかと思います。
それでも不安なところやよくわからないところございましたら
いつでもヒロシ宛てにご連絡下さい!

さて、今回の主なアップデート内容は次のような感じです。

・リンデンの公式バージョン 6.4.20.560520 に追い付き
・環境設定に「コントロール」タブ追加
 ⇒ ここで、ショートカットのカスタマイズなどができます
・EEP 関連:実は前回対応済で日本語訳ができてませんでしたが、
 昔の Windlight の XML 設定ファイルを一括読み込みできます
・EEP 関連:太陽と月の位置調整に「方角」と「標高」が
 追加になりました。
 太陽や月の位置は、固定された環境では気になりませんが、
 デイサイクルでつなぐと思わぬ動きをすることがあり、
 ヒロシもその調整に手間取ったことがあります。
 今回追加になったパラメータをうまく利用すれば、
 細かい太陽や月のコントロールが可能になると期待してます。
・メッシュアップローダーの日本語訳と改善
 前回のリリースから追加になったアップロードしようとしている
 メッシュのプレビュー画面、より便利になってます(らしい)が、
 今回全面的に日本語訳を行いました。
 項目がやたら多いのですが、いかがでしょうか?
 ヒロシ自身はメッシュ制作は行わないので、
 お気づきの点がございましたらお知らせ下さい。m(_ _)m

他にも細かいアップデートがたくさんあります。
詳しくは英語で恐縮ですが、こちらをご参照下さい。

・リリースノート

・Inara Pey さんのブログ

尚、Firestorm は新バージョンがリリースされると
3世代前のバージョンを使用禁止にします。(ディスコン)
今回の場合、ディスコンになるのは 6.3.9.58205 で、
これは Windlight を搭載した、EEP 前の最後のバージョンになります。
使用禁止になるのは3週間後とのことですので、
Windlight の設定など書き出したり、バックアップしておきたい方は
今のうちにやっておいた方がよいと思います。

尚、Windlight 設定 XML ファイルの EEP 資産への変換については
僕の次の日記をご参照下さい。


それでは、新しいバージョンの Firestorm、お楽しみ下さい!^^

2020年8月9日日曜日

【技術情報】 Firestorm 版 EEP の使い方(その10〜「デイサイクル」の設定)

新しい機能である EEP のことを軽〜〜く触れるつもりだった
このシリーズも、始めてみるとあれも触れなきゃこれも書かなきゃで
とうとう10回目になりました。
そしていよいよ今回で「デイサイクル」の説明をすれば
一通りのことはお伝えできたことになるんじゃないかなと思ってます。
では、早速、まずは「デイサイクルの編集」画面から見てみましょう。

200809a

デイサイクルの設定画面は縦長で、設定箇所がたくさんあります。
この画面を開くには、持ち物や「自分の環境」画面から
新しいデイサイクルを作成するか、
元にしたいデイサイクルの EEP 資産をダブルクリックで開けばOK。

画面上の方は「デイサイクルの名称」があり、
ここには読み込んだデイサイクルの名前が表示されます。
その右の方にある「インポート」ボタンは、「環境固定」同様
Windlight 時代の XML ファイルをハードディスクから
読み込む時に使用するものです。

その下、左の方には、4つのボタンが縦に並んでいて
上から「空4」「空3」「空2」「地上」「水」となっています。
これはつまり、空のデイサイクルは高さに応じて4種類
(「地上」というのは地上にいる時の「空」、
 即ち、「空1」のことなのです。)、
水のデイサイクルは1種類、それぞれ別に設定できるということです。
デフォルトでは「地上」のボタンが選択され、
ボタンの右側に地上の場合のタイムラインエディターがあります。
タイムラインエディターの左下には「トラック」関係のボタンが3つ、
タイムラインエディターの真下にはプレビューボタン、
そしてタイムラインエディターの右側には、
「空」の設定関係のボタンが3つあります。

そして更にその下には「空」の「環境固定」ウィンドウと同じ
「大気と光」「雲」「太陽と月」のタブがあります。
つまりここで更に微調整できるわけですが、
ややこしくなるので、空の設定については事前に作っておいたものを
読み込ませてそのまま使うことにして、ここは触らない方がよいと
ヒロシは感じております。

画面の一番下には、「環境固定」ウィンドウ同様に
「保存」と「取り消し」のボタンがあります。
「保存」の方はやはり次のオプションがありますが、
同じく排他的になっているので、必ず保存して適用することを
お勧めしたいと思います。

・保存 …… ウィンドウの左上に表示されているのと同じ名前で
       EEP 資産を上書き保存します
・別名で保存 …… 名前をつけてウィンドウの左上に表示されて
          いるのとは別の名前で新しく EEP 資産を
          作成、保存します
・自分にのみ適用 …… 現在の変更が自分にだけ見えるように
            なります
・区画に適用 …… 変更した内容が区画に適用されます
・地域に適用 …… 変更した内容が地域に適用されます

さて、ではウィンドウの概観がわかったところで
具体的な設定方法に入っていきましょう。

基本的にはタイムラインエディターを使って
その上にフレームを作成、各フレームに配置した
空の設定に従って、前のフレームの空設定から
次のフレームの空設定まで、全体の時間に応じて
徐々に変化していく、ということになります。

ここで「フレーム」と言っているのは上の写真で
タイムラインエディター上に並んでいる丸い印のことです。
このフレームは、タイムラインエディター上の
他のフレームが何もないところをクリックすると
右下にある3つのボタンのうち「空を追加」が活性化されますので
この「空を追加」ボタンをクリックするとフレームが追加されます。
追加したフレームも、既存のフレームも左クリックして
左右に動かすことができます。
そのようにして、自分が設定したい時間のところに来るように
フレームの位置を調整します。
また、不要になったフレームは、やはり左クリックして
右下の「空を削除」をクリックすると削除されます。

さて、こうして追加したフレームを希望の位置に設定したら
そのフレームをやはり左クリックして選択した状態で
(選択すると選択されたフレームの上に逆三角の印が付きます)、
右下の「空を読み込み」ボタンをクリックします。
すると「自分の環境」のウィンドウが開きますので、
設定したい空の EEP 資産を選択します。
こうしてフレームごとに異なる空の設定を読み込んだら、
名前をつけて保存するようにしましょう。
タイムラインエディターの下にあるプレビューボタンを押すと、
1日の動きを早回しで確認することができます。

今説明したのは、デイサイクルの設定を何もない
素の状態から作る場合の方法ですが、
勿論、ライブラリなどにある既存の設定を読み込んで
それを編集することもできます。
その場合には、タイムラインエディター左下の
「トラックを読み込み」ボタンをクリックして、
「自分の環境」ウィンドウから元にしたいデイサイクルの
EEP 資産を選択します。
そうそう、このデイサイクルの設定のことを
「トラック」と呼んでいるんですね。^^;

さて、これで地上の空のデイサイクルの設定ができました。
次に「水」や「空2」「空3」「空4」の設定ですが、
デフォルトの状態で「水」や「空2」などのボタンを押してみると
「地上」とはタイムラインエディターの様子が異なります。

200809b

「地上」では、事前にフレームが8個も用意されていたのに
「水」は左の橋に1個だけ、
そして「空2」に至っては1つもフレームが付いてません。
これは「水」がそんなに時間によって設定を変えるものでもないこと、
また、「空2」などは、地上のものをコピーするか、
反対に全く異なるものを設定するかなので
どちらの場合も事前にフレームが並んでいると邪魔だからでしょう。

そう、今「コピー」と言いましたが、
空のタイムラインの設定=トラックは、他の高さにあるものを
コピーできるようになっています。
「空2」のボタンをクリックして、
何もフレームが設定されていないタイムラインが表示されると
そのタイムラインエディタの左下に「トラックを複製」と書かれた
ボタンが活性化されます。
このボタンをクリックすると次の写真のように
「トラックを選択 空のソースを選択」のウィンドウが開きます。
ここで「地上」を選択すると「地上」で設定した
タイムライン=トラックがコピーされるというわけです。

200809c

また、「トラックを読み込み」のボタンを押すと
「自分の環境」が開くのはいつもの通りなのですが、
そのウィンドウの下の方にドロップダウンメニューが追加されてて
ここで、「地上」など他の高さのトラックを選択しても
コピーすることが可能です。

こんな風にして、4つの空と1つの水のトラックを設定したら
漸く1つのデイサイクルの EEP 資産が完成というわけです。
結構時間と根気のいる作業ですので、随時資産を保存しながら
じっくり取り組んでみられるとよいと思います。

念のためですが、地上以外の3つの高さの空に対して
土地区画単位で異なるトラックを設定することは可能ですが、
空の高さ自体は地域単位でしか変更できませんので、
今一度お伝えしておきます。

ぴゅ〜。
というわけで、新しい EEP 機能の使い方を一通り説明しました。
長い間お付き合い頂いた皆様、ありがとうございました。
これを参考にしておもしろいインワールドでの生活を
お楽しみ頂ければと思います。

それでは、また!

2020年8月8日土曜日

【技術情報】 Firestorm 版 EEP の使い方(その9〜「水」の設定)

さて、その4から始まった「環境固定」画面での
EEP 資産の作り方ですが、漸く最後の「水」の設定まで
辿り着くことができました。
早速見ていきましょう。

200808a

「水」の設定は「空」のようにいくつものタブに分かれておらず
たった1枚の画面しかないのですが、
何だかややこしそうなスライダーがいっぱいあります。
これも理屈を覚えるよりも、自分でいろいろいじって
感覚的に身につける方がよいかと思います。

フォグ効果の色(Water Fog Color)
これは所謂水の色なわけですが、実際には水そのものは透明です。
次の「透明度指数」でフォグ効果を強めることでこの色になります。
フォグ効果を0にすると透明になります。

透明度指数(Density Exponent)
フォグ効果をコントロールします。
つまり、水の中でどこまで先が見えるかの調整です。

フォグ効果加減(Underwater Modifier)
これは実は英語の方がわかりやすいかもです。
フォグ効果というのは、水の上から見た時と
水の中にいる時とあるわけですが、
これが同じだと、水の中では動きづらい時がありますね。
このフォグ効果加減を調整すると、水の上から見ると
水の中の様子はよく見えないのに、
水の中では遠くまでよく見える、といった技が使えます。w
(地上からは見えない秘密基地とか作るのにいいね!w)
水の上から見た時と、水の中にいる時のフォグ効果の違いを
設定するパラメータになります。

フレネルスケール(Fresnel Scale)
これは、例えば日本庭園などで、池を上から覗き込むと
当然池の中が見えるわけですが、
池を少し離れた場所から、横から見ると
周りの木々だとか山だとかが池に反射して鏡みたいになる、
そんな経験をどなたもされたことがあると思いますが、
その効果を演出するものになります。
スライダーが左にあるほど反射が強くなり、
右に行くほど水の中の様子が見えるようになります。
次の写真のような感じですね。

200808b

フレネル・オフセット(Fresnel Offset)
上の「フレネルスケール」で反射させる度合いを調整します。
スライダーを右に上げるほど反射の度合いが大きくなります。


ノーマル・マップ(Normal Map)
れは、水の反射と屈折を決定するマップなのだそうで、
どんな画像でも使えるのだそうですが、
デフォルトのノーマル・マップが一番自然だそうです。
なので、ここは触らないようにしましょう。^^;

さざ波の反射スケール(Reflection Wavelet Scale)
水面を構成するさざ波の X軸、Y軸、Z軸方向の大きさを
変える設定です。

大波のスピード(Large Wave Speed)
大波のスピードの調整ですが、雲と同じように、
XY方向に矢印を向けて、その矢印の長さがスピードになります。

小波のスピード(Small Wave Speed)
こちらは小波のスピード調整です。
同じくXY方向の矢印で調整します。

水面の屈折スケール(Refraction Scale Above)
これは、水の上から水の中にあるものを見た時に、
水の中のものがどれだけ揺れて見えるかを調整します。

水中の屈折スケール(Refraction Scale Below)
そしてこちらは、水の中から水の上にあるものを見た時に
水の上のものがどれだけ揺れて見えるかを調整します。

この水面と水中の屈折スケール、
それぞれ最小にした時と、スライダーを右に動かした時の状態を
次の写真を参考にして頂ければと思います。

200808c

不透明度の増幅(Blur Multiplier)
これは、光の屈折がどれだけ波の影響を受けるかを調整します。
当然ですが、スライダーを右に大きくすると
それだけ屈折が波の影響を受けて、水中のものが
ぐしゃぐしゃに歪んで見えます。

というわけで、漸く「環境固定」ウィンドウでの
設定手順の確認が終わりました。
これでいろいろとネタを仕込んで、いよいよ次回からは
そのネタを元にした「デイサイクル」の設定に入ります。
お楽しみに!