2024年12月31日火曜日

【イベント】 いよいよ今晩23:30!〜大晦日は YMB の第九で!

ホント1年て早いものですね!
2024年も最後の1日、大晦日を迎えました。
もう新しい年2025年は目の前です。

そんな2024年最後のひとときを SL の仲間のみなさんと
共に過ごしたいと願い、今年も YMB の第九演奏会を
23:30 から YMB のホールで開催します。
年末のお忙しい時とは存じますが、是非友だちとお誘い合わせて
遊びに来て下さい。
メンバー一同、会場で皆さんのお越しをお待ちしています!

■ベートーヴェン「第九」演奏会&カウントダウンコンサート
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・日時:2024年12月31日(火)23:30〜24:15
・会場:YMB ウィンターステージ

2024年12月26日木曜日

【イベント】 YMB 第九コンサートのポスターが出来ました!

あれれ、何と、来週はもう新しい年になっているんですね!
明日で仕事納めという皆さんも結構いらっしゃるかも?
まだ年内にやっておかないといけないこと、
あれもこれも残っているというのに。。。
今週の週末はその残ったものの片付けに忙しくなりそうです。

そう、来週の火曜日は大晦日。
そして大晦日と言えば YMB の第九コンサートです!
というわけでポスターが出来上がって来ましたよ!
今年もあおいちゃんにデザインをお願いしました。

僕自身も含めて、皆さん年々忙しくなるみたいで
今年は YMB のメンバーみんな集まれるか不安だったんっですが、
やっぱりこの時ばかりはとみなさん協力してくれて
予定通りコンサートを行えそうです。

新しい年を SL の仲間のみなさんと一緒に迎えられれば
こんなに嬉しいことはありません。
大晦日、是非よろしくお願い致します!

■ベートーヴェン「第九」演奏会&カウントダウンコンサート
241226a

・日時:2024年12月31日(火)23:30〜24:15
・会場:YMB ウィンターステージ

2024年12月23日月曜日

【新作】 ニュー・アルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』全曲解説〜最終回・「みんなつながっている」

アルバム発売直後の10月29日から書き始めたこの全曲解説、
いろいろ中断もあって2ヶ月にして漸く最後に辿り着きました。
12曲目の「レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム」で
ライブとしては一旦終わるのですが、アンコールの扱いで
最後に収録したのがこの「みんなつながっている」です。
配信会社に提出した説明書きは次の通りです。

「本アルバムの最後に、アンコール曲として「みんなつながっている」を追加した。この曲は2007年、熊木博士のセカンドライフでのデビュー・ライブで演奏され、2015年の Burnal Equinox「バランス」で再演されたものだ。この曲は互いに仲良く、共通の目的に向かって一つになりたいと願う人々の熱い気持ちを表現している。2024年の現在、戦争はまだ続いている。平和を願い、世界がよりよくなることを願って、このアルバムを閉じるのである。」

そうなんです。アンコールの曲は何にするか迷いました。
当初は静かに Chill Out と考えていて、
Sound Camp 2013 でやった「銀河鉄道幻想〜風の又三郎」を
考えていたんですが、ジャケットのデザインが決まってから
いや、もっと熱い曲で終わろうと考えていたところへ
アルバムの後半が時事的な話題を扱っていることもあり、
やはり平和とか愛とかへのみんなの熱い想いを表現している
この曲に決めました。
解説にもある通り、2007年のデビューライブの時に演ったもので
当時から平和とか愛とかをテーマに考えていたので
僕の原点として今回のアルバムの締めに置かせて戴きました。


誰も、戦争したり、人を殺したり奪ったり、
そんなことを心の底から望んでいる人はいないはずです。
平和や愛は人類みな、一人一人に共通する願いと感じます。
みんなつながって生きている、そのことを実感できる時が
平和で安心して暮らせる時代が一日も早く来ることを願いつつ
このアルバムは幕を下ろすのです。

そんな「みんなつながっている」が収められた
ニュー・アルバムの試聴と詳細情報は下のリンクからどうぞ。
サブスクで聴くだけでなく、ダウンロード販売をご購入頂けると
大変喜んでまた頑張っちゃいますので、
下に記載の過去リリースも含めてどうぞよろしくお願いします!

■熊木博士『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』
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<収録曲>

1. ハッピー・バースデー・セカンド・ライフ  (SL17B, 2020)
2. クリスタル世界への旅立ち (SL15B, 2018)
3. JMJ -「軌跡」のビートにのせて- (Burnal Equinox 2015)
4. あ・い (Burnal Equinox 2015)
5. トラベリング - 未知の世界へ - (Burn2 2017)
6. タイム・オブ・シェアリング (Burning Life 2008)
7. レオナルド・ダンス (Burn2 2016)
8. ボクラハロボット (SL11B, 2014)
9. ワールド・ニュース (Burning Life 2009)
10. コール・フォー・ピース (Burning Life 2009)
11. シー・ユー・オンライン (Burnal Equinox 2020)
12. レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム (Burn2 2015)
13. みんなつながっている (Burnal Equinox 2015)

詳しい情報とご購入はこちらになります。


過去にリリースされた作品もどうぞよろしくお願いします!

・1作目『Songs from a Virtual World』(2021)
・2作目『Sound Cruise in the Metaverse』(2022)
・3作目『Orchestral Maneuvres in Second Life』(2023)

2024年12月22日日曜日

【新作】 ニュー・アルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』全曲解説〜その12・「レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム」

 今回のニューアルバムは、SLB と Burn2 で披露した曲を
フィーチャーしたものですので、やっぱりこの曲を入れないわけには
というか、この曲のためにこのアルバムを企画したようなものです。
そう、12曲目は Burn2 ライブの最後で必ずやっているこの曲
「レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム」です。
配信会社に提出した説明書きは次のような感じです。

「この曲は2015年のバーン2「鏡のカーニバル」で初めて演奏された。熊木博士はそれまでバーン2のイベントで出会った人々目にしたものの全てに感謝してこの曲を作ったのだ。以来、バーン2での熊木のライブの最後は必ずこの曲で締めることになっている。」


はい、もうこれ以上の説明は不要ですね。
今回のアルバムは全体にライブ感ということを意識していて、
「ボクラハロボット」もコール&レスポンスを入れたりしてますが、
この曲もイントロ部分の喋りをそのまま入れました。
ライブはこの曲で締めるわけですが、今回のアルバムも
この曲で締めるというわけです。
アレンジは何回か前からやっているものと同じですが、
音源的には今回改めて録音し直しています。
そう、これも今回の録音が決定版ということで。^^

You don't need to pack your bag and get into a car
With a little bit of imagination, there you can be a star
Just a click to teleport to a world that's waiting for ya
People and things you've never seen in the virtual land called "The Playa."

Burn, burn, burn
All together now
Burn, burn, burn
Let's dance, sing and shout
Burn, burn, burn
Keep your life burnin'
Burn, burn, burn
Let's burn down the sim

You don’t have to worry about what you can do from the start
All you got to do is radical inclusion, just to be a part
Dive deep into the experience here, taking your everyday life away
Burn them all and start a new life, make new friends here and tomorrow’s another day

Burn, burn, burn
All together now
Burn, burn, burn
Let's dance, sing and shout
Burn, burn, burn
Keep your life burnin'
Burn, burn, burn
Let's burn down the sim

Burn, burn, burn
All together now
Burn, burn, burn
Let's dance, sing and shout
Burn, burn, burn
Keep your life burnin'
Burn, burn, burn
Let's burn down the sim

そうそう、そう言えばこの曲をセンターキャンプで初めてやった時
キャンプの主(?)であるスタッフのミラさんが、
僕が曲を紹介して "Let's Burn Down the Sim!" と言ったら、
"Yeah, let's do it!" と言ってくれたのがうれしかったですね。
主催者としては SIM を落とされたらたまらないはずですが、
「やろうやろう」とノってくれたわけですから。w
最近見ないですが、ミラさん元気にしてるかな?

そんな「レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム」が収められた
ニュー・アルバムの試聴と詳細情報は下のリンクからどうぞ。
サブスクで聴くだけでなく、ダウンロード販売をご購入頂けると
大変喜んでまた頑張っちゃいますので、
下に記載の過去リリースも含めてどうぞよろしくお願いします!

■熊木博士『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』
 241015a

<収録曲>

1. ハッピー・バースデー・セカンド・ライフ  (SL17B, 2020)
2. クリスタル世界への旅立ち (SL15B, 2018)
3. JMJ -「軌跡」のビートにのせて- (Burnal Equinox 2015)
4. あ・い (Burnal Equinox 2015)
5. トラベリング - 未知の世界へ - (Burn2 2017)
6. タイム・オブ・シェアリング (Burning Life 2008)
7. レオナルド・ダンス (Burn2 2016)
8. ボクラハロボット (SL11B, 2014)
9. ワールド・ニュース (Burning Life 2009)
10. コール・フォー・ピース (Burning Life 2009)
11. シー・ユー・オンライン (Burnal Equinox 2020)
12. レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム (Burn2 2015)
13. みんなつながっている (Burnal Equinox 2015)

詳しい情報とご購入はこちらになります。


過去にリリースされた作品もどうぞよろしくお願いします!

・1作目『Songs from a Virtual World』(2021)
・2作目『Sound Cruise in the Metaverse』(2022)
・3作目『Orchestral Maneuvres in Second Life』(2023)

2024年12月18日水曜日

【新作】 ニュー・アルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』全曲解説〜その11・「シー・ユー・オンライン」

 ニューアルバムの後半は歌ものが集められていて
ヒロコが歌う2曲に挟まれて僕がボーカルをとっている曲が
4曲続くわけですが、その最後が11曲目の
「シー・ユー・オンライン」です。

考えてみれば、これら4曲のうち3曲が
時事的なテーマを扱っていますね。
「ワールド・ニュース」は戦争と環境破壊、
「コール・フォー・ピース」も戦争反対の歌、
そして「シー・ユー・オンライン」は新型コロナの感染拡大で
何でもかんでもオンラインで済ませるようになった状況を
歌っているわけです。
これらの曲は僕がその時その時に心から感じて書いたもの、
僕自身の叫びでもあるので、ヒロコに歌わせるよりは
下手クソでも僕が歌った方が伝わるかなと思って
4作目にして初めて RL 世界に声を曝すことにしました。><
配信会社に送った説明書きはこんな感じです。

「この曲は2020年の Burnal Equinox "Between the Stars" のイベントで、「感染」をテーマにした組曲の中の1曲として演奏されたもの。当時新型コロナの感染が世界中に蔓延し、日常生活は様々な制約を受けることとなった。あらゆる活動がオンライン会議を通して行われるようになったのだ。しかし、セカンドライフの住人にとっては、オンラインで生活することは別に異常なことではなかったかもしれない。」


そうそう、この曲は2020年5月3日に Burnal Equinox イベントで
「Stay Home 組曲」として発表したものの最後の曲なんです。
この組曲は勿論、感染ということをテーマに歌ったのですが、
「直接君に会えなくてもさみしくなんかないよ」と
隔離的な状況にあるみんなを元気づける意味で作ったのでした。
最初はその年の3月か4月頃だったか、
オンライン飲み会というのをニュースで見て、
ええぇぇっ!? と思って、やや茶化し気味に
歌詞を書いたわけなのだけれど、
新型コロナがなかなか治まらない状況の中で、
結局は僕も友だちとオンライン宴会をしたり、
オンラインでだべったりするようになったので
他人事ではなく、自分自身のことを歌っているような
そんな感じになってしまいましたけどね。www

Can’t stand it cause I can’t go out to meet you
How can I face a day without seeing you

Say good morning online
Say I love you online
Study with you online
Play games with you online
Have a chat with you online
Hang round with you online
Go travel with you online
See the movie with you online

Yes I feel fine cause I see you online
Stay home, stay safe, stay healthy, save lives
There’s a place to hang out, see you in Second Life
I don’t feel alone cause I see you online

Keep fit with you online
Chill out with you online
Dine with you online
Drink with you online
Look into your eyes online
Give you a kiss online
Say good night online
Wave our hands online

Yes I feel fine cause I see you online
Stay home, stay safe, stay healthy, save lives
There’s a place to hang out, see you in Second Life
I don’t feel alone cause I see you online
Until we meet again, see you online
Until we meet again, wish you well online
Until we meet again, send my prayers online
Until we meet again, see you online
See you online
See you online
See you online

案外サラッと書いた曲なんだけど、
黒縞屋のこじゃさんがボソッと「名曲」と言ってくれたのが
嬉しかった。
「レオナルド・ダンス」にリョウさんが「いいですね」と
言ってくれたのと同じで、
仲間にそう言ってもらえるのが一番嬉しい。
なので今回の録音は決定版と思って、
やたら張り切って歌っちゃいました。www

そんな「シー・ユー・オンライン」が収められた
ニュー・アルバムの試聴と詳細情報は下のリンクからどうぞ。
サブスクで聴くだけでなく、ダウンロード販売をご購入頂けると
大変喜んでまた頑張っちゃいますので、
下に記載の過去リリースも含めてどうぞよろしくお願いします!

■熊木博士『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』
 241015a

<収録曲>

1. ハッピー・バースデー・セカンド・ライフ  (SL17B, 2020)
2. クリスタル世界への旅立ち (SL15B, 2018)
3. JMJ -「軌跡」のビートにのせて- (Burnal Equinox 2015)
4. あ・い (Burnal Equinox 2015)
5. トラベリング - 未知の世界へ - (Burn2 2017)
6. タイム・オブ・シェアリング (Burning Life 2008)
7. レオナルド・ダンス (Burn2 2016)
8. ボクラハロボット (SL11B, 2014)
9. ワールド・ニュース (Burning Life 2009)
10. コール・フォー・ピース (Burning Life 2009)
11. シー・ユー・オンライン (Burnal Equinox 2020)
12. レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム (Burn2 2015)
13. みんなつながっている (Burnal Equinox 2015)

詳しい情報とご購入はこちらになります。


過去にリリースされた作品もどうぞよろしくお願いします!

・1作目『Songs from a Virtual World』(2021)
・2作目『Sound Cruise in the Metaverse』(2022)
・3作目『Orchestral Maneuvres in Second Life』(2023)

2024年12月17日火曜日

【新作】 ニュー・アルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』全曲解説〜その10・「コール・フォー・ピース」

 ニューアルバムの10曲目は、とても思い出深いナンバー
「コール・フォー・ピース」です。
このタイトルは「平和を求めて叫ぶ」というような意味ですが、
この曲を書いたのは配信会社に提出した説明にある通りです。

「2008年12月27日、イスラエルがガザに対して空爆を行った。戦争に反対し、平和への願いをこめて熊木博士はこの曲を作曲し、2009年のバーニングライフで演奏した。翌2010年、熊木がバーニングライフに戻って来た時、ステージ担当のリーダーは彼のことを「平和の歌を歌ったやつ」として覚えてくれていた。かくしてバーニングライフ(バーン2)は熊木にとってもう一つの故郷となったのである。」

何故クリスマスの時期にこんなことをするかね! と
この時僕が覚えた怒りと悲しみは、もう震えが止まらないくらいで
そして一気に歌詞を書き上げたのです。
2009年の1月11日にガザ空爆に対する抗議として
急遽ゲリラライブを敢行しています。
この時は、反戦の歌ということもあったのかもしれませんが、
何と、アコギでコード付けだけをしたバージョンで歌いました。
ボブ・ディランとか意識したのかもしれませんね。
音源が残っていないので残念ですが、
確か座って当時あったギブソンの SIM でもらったギターを
弾いていたのを覚えています。
で、ギターも歌も下手だし、その後ちゃんとしたアレンジをして
現在のシンセのソロが入ったバージョンになるのです。


で、僕が初めてバーニングライフに参加した 2007年は
ミャンマーとかダルフールへの支援を呼び掛ける方々がいて
2009年のこの時は、自分もそういう一人でありたいと
この「コール・フォー・ピース」をライブで歌ったわけなんです。
で、2009年と言えば、僕が YMB の皆さんと出会って
能楽堂のようなキャンプを運営していた年ですね。
この時はその能楽堂の周りに60人くらいの観客がいたりして
大変注目されたキャンプとなりました。

んで、翌2010年、当時はまだ個人のキャンプでイベントを行うのは
御法度的なところがあって、イベント担当のマネジャーに
自分たちのキャンプでイベントをやれるように交渉していたら、
「あ、もしかしてあんた、去年平和の歌を歌ってた人だな?」
と言うじゃないですか。そうだ、と答えると、
「わかった、ああいうイベントならいい。但し時間を決めてな。」
と、自分たちのキャンプでイベントをやるのを許可してくれたのです。

僕としては許可してくれたことは勿論ですが
(許可してもらえないと winds さんに怒られる。。。)、
1年も前に歌った曲を覚えてくれてたことが嬉しかった。
なので、この曲は僕にとってはバーニングライフ、Burn2 に
纏わる曲なのです。
今回のアルバムにこの曲を入れたのにはこんな経緯があるのです。

あれから16年が経ちましたが、
この地域の戦争はなかなか終わりません。
イスラエルとレバノンのヒズボラは停戦したようですが、
今もイスラエルはガザ地区に空爆を行い、
大統領が逃げ出したシリアにも攻撃を加えています。
一日も早くこの地域に平和が訪れてほしいと願います。
その意味では、この曲は16年前の曲ではなく
今を歌っている、今の僕の叫びでもあるのです。

One day in a holiday season
A man was killed for some reason
And the war has begun
Revenge on revenge profits for none
At this very moment
Women and children are crying
At this very moment
Soldiers and citizens are dying
Oh, no!

Let's cry out
Cry out for peace
Let's stand up
Stand up for peace
The way out we should seek
Together let love speak
And all the fires cease

Where is a fear, there comes a fire
And the fire grows, makes all expire
Now we can see it clear
Only love and peace can conquer the fear
At this very moment
There are children in hunger
At this very moment
There are citizens in anger
Yeah, it's time!

Let's cry out
Cry out for peace
Let's stand up
Stand up for peace
The way out we should seek
Together let love speak
And all the fires cease

Let's cry out
Cry out for peace
Let's stand up
Stand up for peace
The way out we should seek
Together let love speak
And all the fires cease

そんな「コール・フォー・ピース」が収められた
ニュー・アルバムの試聴と詳細情報は下のリンクからどうぞ。
サブスクで聴くだけでなく、ダウンロード販売をご購入頂けると
大変喜んでまた頑張っちゃいますので、
下に記載の過去リリースも含めてどうぞよろしくお願いします!

■熊木博士『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』
 241015a

<収録曲>

1. ハッピー・バースデー・セカンド・ライフ  (SL17B, 2020)
2. クリスタル世界への旅立ち (SL15B, 2018)
3. JMJ -「軌跡」のビートにのせて- (Burnal Equinox 2015)
4. あ・い (Burnal Equinox 2015)
5. トラベリング - 未知の世界へ - (Burn2 2017)
6. タイム・オブ・シェアリング (Burning Life 2008)
7. レオナルド・ダンス (Burn2 2016)
8. ボクラハロボット (SL11B, 2014)
9. ワールド・ニュース (Burning Life 2009)
10. コール・フォー・ピース (Burning Life 2009)
11. シー・ユー・オンライン (Burnal Equinox 2020)
12. レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム (Burn2 2015)
13. みんなつながっている (Burnal Equinox 2015)

詳しい情報とご購入はこちらになります。


過去にリリースされた作品もどうぞよろしくお願いします!

・1作目『Songs from a Virtual World』(2021)
・2作目『Sound Cruise in the Metaverse』(2022)
・3作目『Orchestral Maneuvres in Second Life』(2023)

2024年12月16日月曜日

【イベント】 今年も大晦日は YMB の第九で!

そうなんですよ。
もう年末、クリスマスと大晦日が目の前です。
というわけで、今年も年末恒例の YMBによる第九の演奏で
新しい年2025年に向けたカウントダウンを行う予定です。
是非カレンダーに印を付けて、お友だちと一緒にいらして下さい。
ステージの上でオケの楽器を演奏したい!
という方も大歓迎ですので、そんなかたはあおいちゃんか僕宛に
ご連絡頂けたらと思います。
年の瀬の一番お忙しい時かもしれませんが、
みんなで楽しいひとときを共に過ごせればと思いますので、
どうぞよろしくお願いします!

■ベートーヴェン「第九」演奏会&カウントダウンコンサート
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・日時:2024年12月31日(火)23:30〜24:15
・会場:YMB ウィンターステージ

2024年12月12日木曜日

【新作】 ニュー・アルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』全曲解説〜その9・「ワールド・ニュース」

 僕の4枚目のアルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』
8曲目に続いて9曲目も僕がボーカルをとっている曲
「ワールド・ニュース」です。
この曲は僕がまだ SL を始める前、2006年頃に
RL でのミュージシャン・ネームであるタンゴ黒猫名義で
発表したものなんです。
SL では世界の人たちと繋がって、よりよい社会環境づくりとか
平和な社会の実現に貢献できればと思って始めたこともあって、
この曲は僕のライブでの演奏回数は多い方かもです。
配信会社に提出した説明文は次の通りです。

「この曲は元々熊木博士がセカンドライフに登録する前に作曲されたものだが、よりよい世界、よりよい未来を願う歌として「コール・フォー・ピース」と合わせて歌われて来た。バーニングライフ(またはバーン2)での初演は2009年のバーニングライフでだと思われる。収録されているのは2022年に熊木が新しくアレンジし直したバージョンである。」

そうそう。初期のバージョンのイントロとエンディングの部分は
アナログシンセの4度積のコードでシンセ・ポップ風だったけど、
やっぱり「ワールド・ニュース」というからには
ロンドンを意識して、格調高いオーケストラでやろうと
2022年のミニセカか何かの時にアレンジし直したのです。
今回アルバムに収録したのはこのバージョンになります。


ところでこの曲もずっと1番までしか歌詞が書けていなかったのです。
が、2022年にアレンジし直した時にスラスラと歌詞が出てきた。
1番が戦争を歌っているのに対して、
2番は異常気象とか環境破壊とかを歌っていて
何れも他人事じゃないよね、この事態を変えられるのは
僕ら一人一人の行動だよね、という内容になっています。

Watching the world news
See every kind of abuse
Going on our planet now
We should stop it anyhow

Can’t you hear all those children crying
Can’t you hear all those women crying
Not just a foreign affair
Somehow I can’t but care

How can we be happy
Knowing someone else is so unhappy
Who’ll make this world where everybody
Can live happy into eternity
Must be me and you

Watching the world news
No need to wonder which way to choose
Natural disasters are signaling
We should act now, do anything

Can’t you see all those mountains burning
Can’t you see all those villages sinking
Not just a foreign affair
Somehow I can’t but stare

How can we be happy
Knowing this planet is aching so badly
Who’ll make this world where everybody
Can live happy into eternity
Must be me and you

Can’t you hear all those children crying
Can’t you hear all those women crying
Not just a foreign affair
Somehow I can’t but care

How can we be happy
Knowing someone else is so unhappy
Who’ll make this world where everybody
Can live happy into eternity
Must be me and you

Watching the world news...

ホント、2024年も信じられないことがいろいろありました。
新しい年はきっともっと明るい一年になってほしいものです。
クリスマスは平和や愛を考えるよい機会です。
みんなの願いが早く現実のものとなりますように。

さて、そんな「ワールド・ニュース」が収められた
ニュー・アルバムの試聴と詳細情報は下のリンクからどうぞ。
サブスクで聴くだけでなく、ダウンロード販売をご購入頂けると
大変喜んでまた頑張っちゃいますので、
下に記載の過去リリースも含めてどうぞよろしくお願いします!

■熊木博士『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』
 241015a

<収録曲>

1. ハッピー・バースデー・セカンド・ライフ  (SL17B, 2020)
2. クリスタル世界への旅立ち (SL15B, 2018)
3. JMJ -「軌跡」のビートにのせて- (Burnal Equinox 2015)
4. あ・い (Burnal Equinox 2015)
5. トラベリング - 未知の世界へ - (Burn2 2017)
6. タイム・オブ・シェアリング (Burning Life 2008)
7. レオナルド・ダンス (Burn2 2016)
8. ボクラハロボット (SL11B, 2014)
9. ワールド・ニュース (Burning Life 2009)
10. コール・フォー・ピース (Burning Life 2009)
11. シー・ユー・オンライン (Burnal Equinox 2020)
12. レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム (Burn2 2015)
13. みんなつながっている (Burnal Equinox 2015)

詳しい情報とご購入はこちらになります。


過去にリリースされた作品もどうぞよろしくお願いします!

・1作目『Songs from a Virtual World』(2021)
・2作目『Sound Cruise in the Metaverse』(2022)
・3作目『Orchestral Maneuvres in Second Life』(2023)

2024年12月11日水曜日

【新作】 ニュー・アルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』全曲解説〜その8・「ボクラハロボット」

 僕の4枚目のアルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』
「レオナルド・ダンス」に続く8曲目は「ボクラハロボット」です。
これは SL11B に合わせて作った曲で、
この時リンデンからロボットのアバターが配られたので、
みんなでロボットになろうぜ! というノリで作ったものです。
配信会社に提出した説明はこんな感じです。

「SL11B は2014年に「未来の帝国は心の帝国」のテーマで開催されたが、その際、ロボットのアバターが公式に配布され、自分自身のアバターに装着することで誰でもロボットになることができた。熊木博士はこの曲を作って会場に向かって「みんなロボットになろう」と歌で呼び掛けた。」

確かこの時はそのアバターをヒロコに着せて
SL11B ライブのポスターを作ったのでした。w


SL11B のために作ったので、 "SLB" という言葉が
歌詞に入っているわけですが、
この曲、AI とかが盛り上がって来ている昨今
もっと一般的な歌詞にしようと思って
新しい歌詞を付けてその後のイベントで何度か演奏してます。
が、今回はテーマが SLB と Burn2 ということで、
再び歌詞を SLB バージョンに戻しつつ
あとで付けた歌詞も2番で歌うというアレンジをしています。
コール&レスポンスも入ってますし、
今回の録音がこの曲の決定版という位置付けです。

Attach it to your avatar
Celebrate the SLB
It's time to be a star
More than human we can be

Let's be robots
(WE ARE ROBOTS)
Let's be robots
(WE ARE ROBOTS)
Let's be robots
(WE ARE ROBOTS)
Let's be robots
(WE ARE ROBOTS)

Attach it to your avatar
You know there is nothing to fear
Your eyes can see and go so far
Your brain is working fast and clear

Let's be robots
(WE ARE ROBOTS)
Let's be robots
(WE ARE ROBOTS)
Let's be robots
(WE ARE ROBOTS)
Let's be robots
(WE ARE ROBOTS)

あ、そうそう。
SL11B では僕が歌ったものの、
その後はヒロコに歌わせていましたが、
今回再び僕がボーカルをとってます。
お恥ずかしい!

さて、そんな「ボクラハロボット」が収められた
ニュー・アルバムの試聴と詳細情報は下のリンクからどうぞ。
サブスクで聴くだけでなく、ダウンロード販売をご購入頂けると
大変喜んでまた頑張っちゃいますので、
下に記載の過去リリースも含めてどうぞよろしくお願いします!

■熊木博士『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』
 241015a

<収録曲>

1. ハッピー・バースデー・セカンド・ライフ  (SL17B, 2020)
2. クリスタル世界への旅立ち (SL15B, 2018)
3. JMJ -「軌跡」のビートにのせて- (Burnal Equinox 2015)
4. あ・い (Burnal Equinox 2015)
5. トラベリング - 未知の世界へ - (Burn2 2017)
6. タイム・オブ・シェアリング (Burning Life 2008)
7. レオナルド・ダンス (Burn2 2016)
8. ボクラハロボット (SL11B, 2014)
9. ワールド・ニュース (Burning Life 2009)
10. コール・フォー・ピース (Burning Life 2009)
11. シー・ユー・オンライン (Burnal Equinox 2020)
12. レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム (Burn2 2015)
13. みんなつながっている (Burnal Equinox 2015)

詳しい情報とご購入はこちらになります。


過去にリリースされた作品もどうぞよろしくお願いします!

・1作目『Songs from a Virtual World』(2021)
・2作目『Sound Cruise in the Metaverse』(2022)
・3作目『Orchestral Maneuvres in Second Life』(2023)

2024年12月10日火曜日

【新作】 ニュー・アルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』全曲解説〜その7・「レオナルド・ダンス」

 ニュー・アルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』の
全曲解説、7回目の今回は「レオナルド・ダンス」です。
1曲目は「ハッピー・バースデー・セカンドライフ」という
ヒロコの歌もので始まったわけですが、
2曲目以降は「クリスタル世界への旅立ち」から
6曲目の「タイム・オブ・シェアリング」まで
インストものが続いていました。
ここまで約30分で、SL のライブではちょうど前半が終わったところ、
そしてこの7曲目の「レオナルド・ダンス」からは
再び歌ものが続くことになるわけです。


この曲について、配信会社に送った説明は次の通り。

「この曲は2016年のバーン2のテーマ「ダ・ヴィンチの工房」に合わせて作曲したもの。もしダ・ヴィンチが現代に生きていたら、こういうシンセサイザの電子的な響きのするポップな曲に合わせて踊るかも?」

うんうん、これは僕の曲の中でもシンセ・ポップっぽいできで
自分自身でも気に入ってます。
元々歌ものはポップでなきゃ、というのはあるんですが、
前にも書いた OMD とか、日本だとハルメンズとか
ポップとテクノとパンクが一緒になったような
80年代のそういう音、好きなんですよね。

で、この曲は、何かのコメントでリョウさんが
「いいですね」と書いて下さったので嬉しかったですね。
やっぱり同じ音楽仲間からそう言ってもらえるのが
なにより嬉しいですよ。w

なんですが、この曲、実は Burn2 のステージでは
1回目は歌なし、2回目はヒロコの歌ありでしたが
2番は1番と同じ歌詞だったんですね。
それを今回、リリースに向けて2番の歌詞も追加しました。
全体としては、みんなとおんなじ、フツーってのはイヤ、
なんかとんでもなく変わった経験したい! っていう内容かな。
いや、ダ・ヴィンチって天才ということになってますけど
かなり奇抜でヘンな人だったと思うんですよね。
だけどどういうヘンな人が歴史を作って来たし、
科学を発展させて来たんではないかと。
そういう意味で、フツーじゃない、ヘンな人万歳! って歌かな。

Mom and dad told me to be
More usual, like others ‘round me
But I don't like usualness
I wanna make a difference

Everyday feels all the same
Nothing seem to change, oh what a shame
I wanna more adventures
And a inspiring' future

Once there was a man who showed us we can
Yes, we can achieve anything
Beyond the limit of a human being

Leonardo, won't you dance for me
With your instruments, amazing fantastic things
Leonardo, won't you show it to me
A brave new world, future they all bring

Life would be easier if we
Had machines and tools that can free
Us from the mundane chores
We could use our time much more

Yes, I’m always dreaming
Of a future more exciting
Beyond the stars, under the sea
The unknown world I wanna see

Once there was a man who showed us we can
Yes, we can achieve anything
Beyond the limit of a human being

Leonardo, won't you dance for me
With your instruments, amazing fantastic things
Leonardo, won't you show it to me
A brave new world, future they all bring

Leonardo, won't you dance for me
With your instruments, amazing fantastic things
Leonardo, won't you show it to me
A brave new world, future they all bring

そんな「レオナルド・ダンス」が収められた
ニュー・アルバムの試聴と詳細情報は下のリンクからどうぞ。
サブスクで聴くだけでなく、ダウンロード販売をご購入頂けると
大変喜んでまた頑張っちゃいますので、
下に記載の過去リリースも含めてどうぞよろしくお願いします!

■熊木博士『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』
 241015a

<収録曲>

1. ハッピー・バースデー・セカンド・ライフ  (SL17B, 2020)
2. クリスタル世界への旅立ち (SL15B, 2018)
3. JMJ -「軌跡」のビートにのせて- (Burnal Equinox 2015)
4. あ・い (Burnal Equinox 2015)
5. トラベリング - 未知の世界へ - (Burn2 2017)
6. タイム・オブ・シェアリング (Burning Life 2008)
7. レオナルド・ダンス (Burn2 2016)
8. ボクラハロボット (SL11B, 2014)
9. ワールド・ニュース (Burning Life 2009)
10. コール・フォー・ピース (Burning Life 2009)
11. シー・ユー・オンライン (Burnal Equinox 2020)
12. レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム (Burn2 2015)
13. みんなつながっている (Burnal Equinox 2015)

詳しい情報とご購入はこちらになります。


過去にリリースされた作品もどうぞよろしくお願いします!

・1作目『Songs from a Virtual World』(2021)
・2作目『Sound Cruise in the Metaverse』(2022)
・3作目『Orchestral Maneuvres in Second Life』(2023)

2024年12月9日月曜日

【新作】 ニュー・アルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』全曲解説〜その6・「タイム・オブ・シェアリング」

 随分間が空きました。
今年の10月27日にリリースしたニューアルバム
『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』の全曲解説の続きです。
今回は6曲目の「タイム・オブ・シェアリング」です。

この曲は僕のライブでも殆どやったことのない曲なので
ご存じない方は多いことと思います。
それもそのはず、この曲は僕が2008年に初めて
当時の Burning Life に参加した時に、
僕のキャンプで行うイベントのプロモーションビデオとして
作られたものだからなんです。
尺が10分なのも、当時僕の YouTube アカウントでは
アップロード出来る動画の尺が10分までだったことによります。w

この動画は YouTube だけでなく、キャンプでも放映して、
更に当時の僕のソラマメのページでも流してましたので、
当時の日記を見ると、2008年の10月2日に再生回数905回を
記録したとありますから、結構みんな観てくれたんですね!


当時、いろんな DJ さんの方々との出会いがあって
その影響もあって、それまであまりやって来なかった
ダンス・ミュージックに関心があって、
特にドラムンとか面白いねぇ、とか思っていたので
そうした試みが垣間見える曲だと思います。

因みに、僕のキャンプは、キャンプにポストがあって
そこに皆さんから世界に向けたメッセージを投函すると
そのメッセージが会場の巨大ディスプレイに映し出され、
そのメッセージを僕が即興で音楽にしていくという
なかなか野心的なものでした。
そうそう、投函されたメッセージは僕のソラマメのページにも
次々に表示されるようになっていましたね。
一人一人の胸の裡にある、普遍的な価値や願いを
世界中の人たちと共有しようという、そういうイベントとでした。
そこで「タイム・オブ・シェアリング」なのです。

Burning Life のイベント終了と共にこの動画は非公開にしましたが、
今回、ニューアルバムの1曲としてリリースするに当たり、
上にある通り一時的に再公開しています。
初期のヒロシの音や考えが垣間見える動画だと思いますので、
アルバムと合わせて是非お楽しみ頂ければと思います。

そんな「トラベリング - 未知の世界へ -」が収められた
ニュー・アルバムの試聴と詳細情報は下のリンクからどうぞ。
サブスクで聴くだけでなく、ダウンロード販売をご購入頂けると
大変喜んでまた頑張っちゃいますので、
下に記載の過去リリースも含めてどうぞよろしくお願いします!

■熊木博士『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』
 241015a

<収録曲>

1. ハッピー・バースデー・セカンド・ライフ  (SL17B, 2020)
2. クリスタル世界への旅立ち (SL15B, 2018)
3. JMJ -「軌跡」のビートにのせて- (Burnal Equinox 2015)
4. あ・い (Burnal Equinox 2015)
5. トラベリング - 未知の世界へ - (Burn2 2017)
6. タイム・オブ・シェアリング (Burning Life 2008)
7. レオナルド・ダンス (Burn2 2016)
8. ボクラハロボット (SL11B, 2014)
9. ワールド・ニュース (Burning Life 2009)
10. コール・フォー・ピース (Burning Life 2009)
11. シー・ユー・オンライン (Burnal Equinox 2020)
12. レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム (Burn2 2015)
13. みんなつながっている (Burnal Equinox 2015)

詳しい情報とご購入はこちらになります。


過去にリリースされた作品もどうぞよろしくお願いします!

・1作目『Songs from a Virtual World』(2021)
・2作目『Sound Cruise in the Metaverse』(2022)
・3作目『Orchestral Maneuvres in Second Life』(2023)

2024年12月8日日曜日

【技術情報】 今更ですが、PBR って何?〜その4・リフレクション・プローブの使い方

「PBR って何?」という自分自身の疑問から始まったこのシリーズ、
漸く「リフレクション・プローブ」に辿り着きました。
本当は自分自身はあまり PBR マテリアルなんて
扱えそうにないので、個人的にはこのリフレクション・プローブが
面白いな、と思ってこれを中心に記事を書く予定だったのですが、
やっぱり変わった点について一通り書かないとと思ったら
これが一番最後になってしまいました。w

"Reflection Probe" という英語はわかりづらいです。
"Reflection" は「反射」で、"Probe" は「探査、探査機」のことで
直訳すると「反射探査」ってさっぱり意味がわかりません。www
ここでの「探査」とは、プログラムが自分の周りに
どのようなオブジェクトがどの位置にあるかを確認して
その風景を中に配置されたオブジェクトの反射に利用する
ということのようです。

早速やってみましょう。
次の写真に2つの球体が写っていますが、奥の方が PBR
手前の方が Blinn-Phong のマテリアルのものです。
そう、リフレクション・プローブは、PBR だけでなく
従来の Blinn-Phong にも使えるというところがいいですね!

241208a

これ、PBR マテリアルの方は、「Texture」タブの
「Alpha」のモードが「Blend」になっています。
こうするとオブジェクトの表面にプローブが読み込んだ景色が
映り込むようになります。
1回目でも書きましたが、リフレクション・プローブには
自分が自由に設定できる「マニュアル」と
リンデンが SIM ごとに設定している変更不可の「デフォルト」があり、
ここではデフォルトの空が映り込んでいます。
室内なのに空が映り込むってヘンですよね?
そこで自分専用のマニュアルのプローブを作ることになります。

上の写真にあるように、まず木箱でも球体でも
何か適当にオブジェクトをレズします。
そして「特徴」タブの下の方にある
"Reflection Probe" にチェックを入れて、このオブジェクトを
リフレクション・プローブに変換します。
すると次のような警告が出ることがあります。

241208b

これは「オブジェクトをリフレクション・プローブに
しようとしていますが、本当に大丈夫ですか?」という確認です。
なので黙って「OK」します。

すると最初の写真にあるように、オブジェクトは透明になります。
そして、リフレクション・プローブのの形を
「立方体」にするか、「球体」にするかを選べるようになります。
通常は、広い空間にリフレクション・プローブを設定する場合には
「球体」の方を選び、
部屋のような四角い空間に設定する場合は「立方体」を選びます。
今は部屋に設定したいので「立方体」の方を選んでいます。
そして下にある "Dynamic" は、反射する風景に
アバターを映り込ませたいかどうかで、チェックを入れると
アバターが映り込むようになります。

241208c

さてここからリフレクション・プローブの大きさを
修正していくことになるわけですが、編集を始める前に、
「一般」タブで自分にわかりやすい名前に変更しておくことを
お勧めします。
というのは、オブジェクトをリフレクション・プローブに
変換した時に透明なファントムになってしまったわけですが、
実はこれ、一度編集を終えてあとで修正しようと思ったり
或いはリフレクション・プローブを削除しようと思った時、
透明なものを表示させてもリフレクション・プローブだけは
選択できないのです。
そこで僕の場合は、Firestorm の「エリアサーチ」の機能を使って
リフレクション・プローブを検索結果から選択しています。
併せて、画面右上の "Select Reflection Probes" のオプションにも
チェックが入っていることを確認しておいて下さい。

241208d

チェックが入っているとリフレクション・プローブは
黄色い枠で表示されます。
この枠を確認しながら、今回のような部屋の場合は写真のように
部屋を取り囲む大きさにまで引き延ばすことになります。

これでマニュアルのリフレクション・プローブが設置できたはず、
なのですが、相変わらず2つの球体には空が映っていました。
あれれ? と思って気づきました。
マニュアルのプローブを使うには「環境設定」が必要なのですね。

241208e

まず、環境設定の「グラフィック」タブで左側にある
"Reflection Coverage" で "None" 以外を選びます。
"Manual only" は自分のリフレクション・プローブを反映、
"Manual & terrain" は自分のプローブ+地面が映り込む、
"Full scene" は環境にあるものを全部映り込ませるようですが、
これは使ったことないのでどうなるのかわかっていません。

241208f

次に、"Reflection Detail" で "Static Only"、"Static & Dynamic"、
"Realtime" の何れかを選択します。
"Static Only" は動かない静物だけが映り込むもの
"Static & Dynamic" はそこにアバターも映り込むもので、
これはある一定の間隔で更新されるようです。
となれば "Realtime" は勿論、リアルタイムで更新するもので、
1フレーム毎に更新ということですので、
これを使うとリアルにはなるでしょうが、
PC はメチャメチャ重くなると思います。(やったことない)

241208g

こうして環境設定を変更したら無事に部屋の様子が反射しています。
"Dynamic" にしてみましたので、
自分がオブジェクトを選択している姿が写り込んでますね。w
これでリフレクション・プローブが使えるようになるわけです。

この他にも PBR 機能としては、PBR Sky, PBR Terrain といった
空や地面の様子も物理的に正しく調整できるようですが、
調整が難しいのと PBR 以前に戻せなかったりするようなので
僕はビビって試していません。w
なので、この PBR マテリアルのシリーズは
一旦これで終わりにしたいと思います。
4回にわたる長い話にお付き合いありがとうございました。

2024年12月1日日曜日

【技術情報】 今更ですが、PBR って何?〜その3・PBR マテリアルの使い方

さて、今回いよいよ PBR マテリアルの使い方について
話をしていくことになるわけですが、
PBR、つまり「物理的に正しく」 SL の世界を表現するに伴って
環境設定の「グラフィック」タブのところが大きく変わっています。
これまではあくまでも「擬似的に」グラフィックを調整していた
ということなのでしょうか。
次は PBR 以前の Firestorm ビューワの環境設定画面です。

241201a

まずはこの「一般」タブからは次のオプションが消えています。

・バンプマッピングと光沢
・近くの光
・環境(大気)シェーダー
・高度な照明モデル
・水の反射
・アバターの布

そして次のような画面に置き換わっています。

241201b

即ち、次のオプションが追加になっています。

・Screen Space Reflections(画面範囲の反射)
・Mirrors(鏡)
・Reflection Detail(反射詳細)
・Reflection Coverage(反射の範囲)
・Mirror Resolution(鏡の精度)
・Mirror Update Rate(鏡の更新頻度)
・Exposure(露出)

また、「ハードウエア設定」タブも以前は次のようでした。

241201c

ここから

・ガンマ
・テクスチャメモリ
・フォグの距離比率

がなくなって次のようなシンプルな画面になっています。

241201d

これらの設定については、実際に PBR 材質や
Reflection Probe を使っていく時に設定することになると思います。

さて、本題の PBR マテリアルの使い方に入ります。
まずは専用の glTF ファイルを用意しないといけませんが、
僕はコンピュータグラフィックは全くやっていないので、
ここは次に示すクロノス社のサンプル・アセットのページにある
サンプルを使わせて頂くことに致します。


この中から、シンプルなティーカップを選んでみました。
元ネタは次の Polyhaven のアセットになります。


ここで Blender などで作業したフリをして、
glTF ファイルを書き出すわけですが、
次のようにバイナリ形式でも書き出すことができます。

241201e

glTF の方のフォルダを開くと、次の通り
いろんな種類の複数のファイルが入っています。

241201f

片や、バイナリー形式の方のフォルダを開くと
拡張子 ".glb" のファイルが1個だけです。

241201g

SL にアップロードするには1個だけの方が簡単そうです。
「制作」メニューの「アップロード」から「Material...」を選択。

241201h

".glb" のファイルを選択すると 
"Material selection" というダイアログが開き、
プルダウンをクリックすると ".glb" のファイルに含まれる
どのマテリアルをアップロードするか指定することになります。
ここは "Bulk Upload All" 即ち、「全部」を選択します。

241201i

すると支払いの通知が表示され、「インベントリ」に追加されますが、
今回新しく導入された "Materials" というフォルダに入ります。
「テクスチャ」ではありませんので要注意です。

241201j

この PBR マテリアルのオブジェクトへの適用は簡単です。
作業したメッシュオブジェクトをレズして
"Materials" フォルダの該当の PBR マテリアルを
そこにドラッグ&ドロップするだけです。

241201k

一瞬で Blender などで作業した時の状態にマッピングされます。

241201l

勿論、マッピングが気に入らない場合はこれまで通り
制作ツールの「Texture」の画面で修正できます。
が、PBR 用の画面は当然ですが Blinn-Phong 用とは異なります。

241201m

マップは次の5種類があります。

・Material
・Base Color
・Normal
・Emissive
・(O)RM

"Material" は PBR マテリアルを選択するもので、
選択し直すと当然その他の4つのマップも入れ替わります。
"Base Color" と "Normal" は Blinn-Phong と同じと考えてよいです。

"Emissive" は日本語では「発光」と言っているようで、
文字通りランプなどの光を発するものの設定を RGB で行うようです。
白いマップを設定すると従来の "Fullbright" を設定した時と
同じ効果が得られるとのこと。
この例では、ティーカップは発光するものではないので
Emissive マップは使われていません。

"(O)RM" は、Occlusion, Roughness, Metalness の頭文字で
これらをやはり RGB 値で設定するもののようです。
Occlusion はオクルージョンの適用度合いを RGB で表現、
<1, 1, 1> が適用なし、<0, 0, 0> がフルに適用となります。
"Roughness" は材質のザラザラ感、ツルツル感を
0.0〜1.0 の値で表すわけですが、
0.0 にするとツルツルで鏡のような状態になります。
ものを反射させたい場合はこの値を下げることになります。
"Metalness" は「金属質の度合い」を表すもので、
1.0 が金属、0.0 が非金属ということになります。
"(O)RM" マップはこれらが設定されているものになりますが、
"Roughness" や "Metalness" は制作ツールの中でも
調整できるようになっています。

尚、インベントリの "Materials" フォルダにあるファイルを
ダブルクリックで開くと次のような画面が開きます。
ここでも調整を行うことが可能です。

241201n

制作ツールに戻ると "Roughness" の下に
"Save" というボタンがありますが、これは調整した結果を
"Materials" フォルダ配下のファイルに反映するためのものです。
調整した結果に新しく名前をつけて別名で保存することが可能です。

PBR マテリアルの使い方はざっとこんな感じです。
本当は Reflection Probe まで行こうと思っていましたが、
十分長くなりましたので、これについてはまた次回のお楽しみで!

2024年11月17日日曜日

【技術情報】 今更ですが、PBR って何?〜その2・Blinn-Phong タブの使い方

SL のビューワーに新しく追加された PBR 材質機能の話の続きです。
前回はそもそも PBR って何? という疑問から
全般的な話をしましたので、今回から具体的に
Firestorm ビューワーを例にその使い方について書いていきますが、
PBR 材質機能が追加になったことで、
これまでの材質の機能はどうなるの?
自分は glTF ファイルなんか作れないし、持ってないし
今までの材質の機能で十分なんだけど?
という方もいらっしゃることと思います。
限に僕自身がそうです。
こうした疑問や不安をお持ちの方のためにも
追加になった PBR 材質機能の説明に入る前に、
従来の材質機能について先に説明することにします。

オブジェクトを編集する「製作ツール」で
従来「材質」だったタブは「テクスチャ」に名前が変わり、
その「テクスチャ」タブを開くと、
従来は「材質」と「メディア」を選択するドロップダウンだったのが「PBR」、「Blinn-Phong」、「メディア」の
3つのタブが並ぶ形に変わっています。
(リンデン公式ではドロップダウンのままのようです。)
デフォルトでは「PBR」のタブが選択されていますが、
真ん中の「Blinn-Phong」が従来型の「材質」になります。

241117a

前回のこの日記で従来型の「材質」は「Blinn-Phong」に
名前が変わった、と書きました。
これはリンデン公式の Wiki の表現をそのまま用いたのですが、
実際に触ってみると単に名前が変わっただけでなく、
こちらはこちらで機能がバージョンアップしていることが
わかりました。

ブリン・フォンというのは、光の反射モデルの名前です。
3D コンピュータ・グラフィックスの世界で、
モデリングされたオブジェクトの面に影や光の反射をつけるのを
コンピュータに計算させて実現するわけですが、
ユタ大学のブイ・トゥオン・フォン博士が開発したのが
フォン反射モデルと呼ばれるもので、
これに同じくユタ大学出身の博士ジム・ブリンが改良を加えたのが
ブリン・フォン反射モデルと呼ばれるもので、
SL がベースにしている OpenGL で採用されている反射モデルが
このブリン・フォン反射モデルというわけです。

つまり、ブリン・フォン反射モデルは計算によって
オブジェクトの光の反射や影の付き具合の
「近似値」を求めることができるのに対して、
PBR では「物理的に正しい」光の反射や影が実現できるわけです。
言い方を変えると、近似値でも十分満足できるのであれば、
ブリン・フォン反射モデルによる従来型の材質による製作でも
十分楽しめるようになっている、それが今回のバージョンアップの
特徴でもあると言えます。

そうなんです。
上の「Blinn-Phong」タブの画面を見て頂ければおわかりのように
テクスチャを設定する正方形の枠が1つから3つに増えています。
これこそ、これまで以上にブリン・フォン反射モデルを利用して
よりリアルな光の反射や影を実現するためのものなのです。

が、いきなり英語で「Diffuse」、「Normal」、「Specular」って
3つもあるうちどこに何を設定すればいいの〜っ?
って感じですよね。。。いや、僕自身そうでした。
で、まずここから説明していきます。

従来のテクスチャを設定するのは一番上の「Diffuse」になります。
これは「拡散反射マップ」を表す英語なのですが、
「拡散反射」とは、オブジェクトに当たった光が
跳ね返されるよりもオブジェクト全体に広がる効果のことです。
言い換えると、光によって反射したテカリや影ができない
そういう状態のことで、つまりは照明や陰影の効果の全くない
テクスチャに描かれているものをそのままというわけです。
これは、オブジェクトに色情報を与えるものになるので
「カラーマップ」とも呼ばれています。

真ん中の「Normal」は「ノーマルマップ」を表していて
これは「Diffuse」で描かれているものに凹凸の情報を与え
影を付けるためのテクスチャを設定するところになります。
凹凸は勿論、ポリゴンとして表現すれば当然リアルになりますが
そのためには当然計算量が増えるわけで、
スピードが要求されるゲームなどの世界では、
このノーマルマップを使用して平面に立体感を与えることで
計算量を減らしてきたわけなんですね。

一番下の「Specular」は「鏡面反射マップ」を表しています。
「鏡面反射」とは、光が当たったところが白くテカるアレです。
分かりやすい例としては黒い瞳に光が当たると、
瞳の中に白く輝く点ができますよね、アレです。
つまり、「Diffuse」で設定されている画像に
「Normal」で凹凸情報が追加されているわけですが、
そこに光を当てた時にその凹凸に応じて反射する具合が
表現されることになるわけです。

これらの説明を書くのに、反射モデルに関する記事を
たくさん読みましたが、その中には STYLY MAGAZINE さんの
「Tips  【Blender】様々なテクスチャマップを理解しよう」
というリンク先の記事もあって、
そこに「拡散」「ノーマル」「鏡面」それぞれの
画像がありましたので、実験で使わせて戴きました。
この場をお借りして御礼申し上げます。


次の画像は上のサイトにある3つの種類のマップを
製作ツールに読み込んだところです。
こんな感じになります。

241117b

最終的にはこうなるのですが、それぞれの効果を確認するために
Diffuse から順番に読み込んでいったところを見ていきましょう。
いつものように木箱を作って、その面に色情報のテクスチャを
マップしてみたのがこの状態です。

241117c

ただ写真が木箱に表示されているだけですね。
これに2番目のノーマルマップを適用するとこうなります。

241117d

どうでしょう? より立体的に見えませんか?
わかりづらい?
そうかもしれません。
これ、元の画像に影が入っているので
それだけで元の画像にある種の立体感があるかもしれません。
よりリアルな照明や陰影の効果を実現するためには
元の画像は影のない状態である必要があるようで、
素人には撮影でそんなテクスチャを作るのはムリですね。。。

そこで、立体感を確認するために、
いっそ色情報の Diffuse のマップを削除してみました。
Diffuse は真っ白な平面ですが、ノーマルマップによって
凹凸感が出ているのがわかると思います。

241117e

あれ? この凸凹はどこかで見たことがあるぞ?
という方もいらっしゃるかもしれません。
そうなんです。
以前のプロジェクトで「バンプ」というものが導入され
これまでの「材質」タブにもその項目がありました。
このバンプは平面に凸凹情報を与えるものなのですが、
ノーマルマップとはそのバンプの一種と言えます。

「バンプ」は今も「テクスチャ」のタブでは健在で、
ノーマルマップを適用するとプルダウンのところに
「テクスチャを使用」と表示されていますが、
そのプルダウンをクリックすると、次の画面の通り
これまでもあった選択肢が表示されます。

241117f

では、試しに色情報を戻して、これらのバンプの中から
「Suction(吸着?)」を適用してみましょう。

241117g

ほら、何だか丸い形に凹凸が付いて見えますよね?
この凹凸は表示されている画像とは全く関係なく凸凹してますが、
ノーマルマップとは画像に適切な形で凹凸情報を与えるもの
と僕は理解しました。
あ、因みにこんな風にバンプを適用してしまうと
ノーマルマップは解除されて「×」の状態に戻りますのでご注意。

最後に鏡面反射マップを適用したところです。
画面左下の石の一点が特に強く白く光っているのがわかるでしょうか。

241117h

これ、反対側から見るともっとわかりやすい。
全体に凸凹感もキラキラ反射している感じも
よく出ていると思います。
これ、木箱の1平面なんですけどね。

241117i

こんな感じで、これまでは影も含めたようなテクスチャを1枚
設定するだけでしたが、
ノーマルマップや鏡面反射マップが利用できるようになったことで
PBR でなくても結構な質感を表現することが
できるようになったわけなんですね。
従来型の「材質」はただ名前が変わっただけではない、
と書いたのはこういうことなんです。
まぁ、僕自身はノーマルマップとか鏡面反射マップとか
用意できる人間ではないのでショボいオッブジェクトを
作り続けることになるでしょうが。。。w

次回はいよいよ PBR の使い方について書きます。
お楽しみに。

(2024.12.01 追記)
上の実験をやっていて、ノーマルマップと鏡面反射マップを使うと
"Bumpiness" と "Shininess" に「テクスチャを使用」となっていて
もしかして? と思って気づきました。
これは、PBR 以前のバージョンでは次のような画面でした。

241201p

「凹凸」と「輝き」となっていますが、その後ろにかっこ書きで
「標準」、「反射」とあるのは、今思えば
ノーマルマッピングと鏡面反射マッピングのことですね。
このかっこ書きは僕自身が付けたのか、他の方が訳してくれたのか
今となっては全く覚えていませんが、
僕が訳したのだとすると、全くどういうことか理解せずに
訳していたことになりますね。ごめんなさいです。

で、このラジオボタンを選択すると、
ちゃんとマップを指定できるようになっていました。
そして、マップを指定しなくても、
「凹凸」の方は "Brightness" か "Darkness" を選択すると
明るさまたは暗さを強調してノーマルマップのようなことができ、
「輝き」の方も強度を指定して鏡面反射マップみたいなことが
できるようになっているのでした。
なので、必ずしも自分でノーマルマップや鏡面反射マップを
用意できなくても、擬似的に凹凸や光の反射を
表現できるというわけですね。

そこで、ノーマルマップや鏡面反射マップを使わずに
これらの設定を使ったのが次の写真です。
マップを使った上の写真と比べるとイマイチ感は否めませんが
それなりに凹凸や光の反射の感じは出ていると思いませんか?

241201o

最後に、この部分の翻訳に当たっては、「拡散」とか「標準」とか
普通の日本語の感覚からは分かりづらいので、
それぞれ次のように訳すことを考えています。

Diffuse = カラーマップ
Normal = 法線マップ
Specular = 鏡面反射マップ

2024年11月10日日曜日

【技術情報】 今更ですが、PBR って何?〜その1

今年の6月20日、Firestorm ビューワーの
PBR バージョン 7.1.9 がリリースされました。
ちょうど SL21B の時期です。
この時期、メチャメチャ忙しかったこともあり、
また、PBR バージョンを入れたらトラブったという話も
X 辺りでチラチラ目にしていましたので、
SL21B でイベントが予定されている身としては
敢えて危険を冒したくなく、
そのタイミングでのバージョンアップはしませんでした。

そもそも PBR って何? というところから始まり、
Firestorm の開発にも絡んでいる自分としては
この略語は Public Beta Release、つまりベータ版のリリースを
意味する言葉でしかなく、ますますインストールする気には
なれないのでした。
それがその SL21B のライブの模様を
しんさんが録画してくれたのを見て、おお? と思ったのでした。
しんさんの撮影はいつも超高でやって下さっているはずですが、
この時の映像は、全体に色に深みがあり、
よりリアルな感じがしました。
そこで、これ、PBR ビューワーで撮ったの? と訊くと
そうです、と仰るので、それでは自分も PBR 試してみるか、
と思った次第なのです。

それからもう随分時間が経ちましたので、
今更 PBR って何? という人も減ってはいると思いますが、
自分の備忘も含めてここにまとめておこうと思います。
技術的な話は例によって長くなりそうなので、
2回に分けて、今回は PBR の全般的な話、
次回は Firestorm ビューワーでの具体的な操作について
説明していこうと思います。
いや、一つにはこのところビューワーの翻訳サボってて
またまた英語がいっぱい増えて、何の機能か、
触ってもトラブったりしないか、不安に思っていらっしゃる
みなさまへの罪滅ぼしも兼ねて、でございます。

     *   *   *

PBR というのは Physically Based Rendering の略で、
日本語では一応「物理ベースレンダリング」という
中途半端な訳が当てられていますが、どちらかというと
コンピュータグラフィックスの世界では、
もう PBR という英語の略語の方が一般的に通っているようです。
これは、SL の世界で言うと、光の反射(Reflection)と
材質(Materials)に関連した話のようです。
材質と言えば、2013年頃に——もう10年以上前か!——
Project Materials というプロジェクトがあり、
そこでよりリアルな材質の表現が可能になりましたが、
今回の PBR は更にリアルな質感をもたらすものとなります。

材質というのは、金属だったり、木だったり、石やプラスチック、
或いは革だったりしますが、
私たちは遠目からそれを見ただけで、金属だ、プラスチックだ、と
敢えて触ってみたりすることなく見分けることができます。
これは何故かというと、その材質によって反射の性質が異なるから
だそうなんです。
そこで、ある角度から光を当て、それをまたある角度から見た時に
光がどのように反射してその物体が目に入ってくるか、
これを実際の物理の法則に従って計算して描画する、
というのが PBR なんですね。

なんだけれども、PBR でできることというのは
実に範囲が広いようで、昨年の11月にリンデンが導入したのは
まずこの材質の部分で、最初に書きましたように、
PBR は光の反射とも関係しますので、地面だとか空や水とか
SL の環境全体が今後はよりリアルな見え方をするように
変わっていくようです。

一方で、現在の SL 内に僕等住民たちが作ったオブジェクトの殆どは
従来の「材質」を使って作られていますので、
材質に関しては、当面従来の材質と PBR とが共存できるように
ビューワーの変更が為されているわけです。
そして、従来の「材質」ですが、これを PBR の材質と区別するため
呼び方が Blinn-Phong と変わっています。
これは SL が採用している OpenGL のシェーダーモデルの一つ
ブリン=フォン反射モデルによるそうです。
シェーダーのモデルのは他にフォン反射、ランバート反射など
あるようですが、従来の SL はブリン=フォンだ、というわけですね。

で、その従来のブリン=フォンで使われるテクスチャは
JPG, PNG, TGA といった形式だったりしましたが、
PBR で使われるテクスチャは glTF という形式のファイルです。
どんどん新しい言葉が出てきて目が回りそうですが、
実はこれはコンピュータグラフィックスの世界では、
JPG とか MP3 に当たるものだそうで、
つまり、JPG や MP3 が OS やアプリケーションを選ばないように
glTF はどんなグラフィック編集でも扱うことのできる形式、
新しいスタンダードなのだそうです。

ところで面白いのは、この glTF という形式で書き出すと、
".gltf" という拡張子のファイルと共に、PNG だったり
いくつかの種類のファイルが出力されるんですね。
SL にアップロードする時はこれら全部を持ち込む必要がありますが、
もう一つ ".glb" という拡張子もあって、
こちらは全部のファイルをまとめた形式なのだそうです。
そしてSL にアップロードする時にこの ".glb" ファイルを指定すると、
個別のファイルをアップロードするのか、
全部まとめてアップロードするのかを確認するダイアログが
表示されるようになっています。

僕自身は PBR のテクスチャを編集するソフトは持ってませんので
glTF ファイルをアップロードすることはできません。
この辺りは最後に紹介する動画をご参考にされるとよいと思います。

さて、この反射モデルが変わったことに加えて、
トーンマッピングというのも導入されています。
世の中音楽でも映像でも何でも高解像度になっていますが、
映像・画像における高解像度 HDR、
即ちハイ・ダイナミック・レンジに対応するものになります。
つまり、コンピュータのディスプレイはより解像度が低いので
HDR の画像や映像をそのまま表現することができません。
そこで、HDR の画像や映像の質感が失われないよう
色の変換が行われるわけですね。
この変換の方式にはいくつか種類があるようですが、
SL が採用しているのは ACES という方式で、
これは Academy Color Encoding System の略で、
その名の通り、映画やテレビで使われている方式です。
これはつまり、SL の世界が映画レベルの深みを持った
よりリアルで没入しやすい環境になっていくことを意味していると
ヒロシは理解しています。

あともう一つ。Reflection Probe というものが導入されました。
これまた日本語の訳がなくてそのまま「リフレクションプローブ」
と言っています。
これはある地点から全方位に向かって見える景色を
キャプチャーする球状のカメラのようなもので、
これを使うことで周りの景色の映り込みが実現できます。
SL ではリフレクションプローブには2種類あって、
各地域に設定されたデフォルトの、修正不可能なプローブと
もう一つは自分で作ることのできる修正可能なプローブになります。

デフォルトのリフレクションプローブは分かりやすいです。
PBR の材質のオブジェクトを作って「モード」を "Blend" にすると
そのオブジェクトに空が映り込みます。
地域全体に設定されているリフレクションプローブの効果ですね。
ただ、部屋の中に置いてあるオブジェクトなのに、
つまり天井があるのに空が映り込むのはおかしいですよね。
そこで、自分用の、部屋より大きいサイズで
リフレクションプローブを作って設置してあげると
ちゃんと天井が映り込むようになる、というわけです。

但し、このリフレクションプローブはリソースを激しく消費するので
次のような行為は禁止されていますのでご注意下さい。

・リフレクションプローブを装着してはいけない
・リフレクションプローブを家具、テーブル、椅子、楽器といった
 小さなオブジェクトにリンクしてはいけない
・リフレクションプローブを自動車や飛行機のような
 物理オブジェクトとリンクしてはいけない
・リフレクションプローブを鏡として使ってはいけない

最後の「鏡」については、PBR とは別に鏡用のプロジェクトで
対応が予定されているようです。

ざっとこんなところでしょうか。
詳しくは英文ですが、次の Wiki の記事を読んで頂くのがよいのと
あと、超ザックリですが、クリエイターの方も含めて
何をしなければならないかがサクッとわかる動画がありますので
これを紹介しておきます。
是非参考にしてみて下さい。

・PBR Wiki

・Second Life University - How to Create PBR Materials
 

2024年11月7日木曜日

【新作】 ニュー・アルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』全曲解説〜その5・「トラベリング - 未知の世界へ -」

ニュー・アルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』の
5曲目には「トラベリング - 未知の世界へ -」という
テンポの速いリズムを刻んだ曲が入っています。
この曲の説明について、配信会社には次のように登録していました。

「『トラベリング』は2017年のバーン2イベント "Radical Ritual" のために書かれたもので、宇宙の遙か彼方、未知の世界への旅を表現している。曲の後半は神聖な儀式として日本の太鼓による演奏となっている。」

僕自身はこの曲、最初にやったのは SLB だと記憶していたんです。
確か夏で、しかも自宅ではなくて京都のホテルかネカフェから
放送したような記憶があったのです。
そして海外の方から「きれいな音!」と言われた記憶が。。。

なんですが、自分のブログでこの曲で検索をかけると
2017年の Burn2 "Radical Ritual" が一番古いようでした。
そこで上のような解説を書いたわけです。
"Radical Ritual" なので、儀式として日本の太鼓を入れたのだ、と。

ところが、この記事を書くに当たって今一度検索をかけたら
2015年4月の R&Y Grand Theatre のこけら落としで
演奏した、という記録が見つかりました。
そこで、ええ? と思ってその時の音源ファイルを確認したところ、
2014年の7月に再生した記録が。。。
ということは?

判明しました。
本当の初演は2014年の SL11B、「ボクラハロボット」と
同じ6月27日のステージで演奏していたのでした。
そのタイミングだと確かに京都にいた可能性が高く、
やっぱり自分の記憶はあながち間違っていなかったのでした。
そして当時のブログの記事も見つかりましたので
ここに転記しておきます。

「早いテンポでリズムを刻んで、
 先へ先へと弛みなく進み続ける様をイメージして作りました。
 リズム主体で考えていたせいか、何故かガムランが飛び出し、
 何故か和太鼓の連打となってしまいました。w
 その和太鼓の前の、シンセソロのところ、
 意外にも海外の方から「きれい〜」と反応がよくて
 嬉しかったです。」

「何故かガムラン」、「何故か和太鼓」ってヒドイ。w
何も考えてなかったのか?www
「儀式」というのは後付けだったのか?www

でも、「先へ先へと緩みなく進み続ける」というのは
その通りで、僕の Burn2 や SLB のステージでは
宇宙の旅をイメージした組曲を何度かやっていますが、
そんなわけでこの「トラベリング」は何度かアレンジを変えながら
演奏してきています。
それはやっぱり、僕の中で、どんどん先へ先へ
遠い未来、遠い世界へ向かって行きたいという夢があるからです。


今回のアルバムに収めたのは、その SL11B 及び Burn2 2017 で
演奏した時のガムランと和太鼓が入ったバージョンになります。
とは言え、後半のガムランと和太鼓の部分は
今回のアルバムのために決定版として録音もマスタリングも
やり直していますので、新曲としてお楽しみ頂ければと思います。

そんな「トラベリング - 未知の世界へ -」が収められた
ニュー・アルバムの試聴と詳細情報は下のリンクからどうぞ。
サブスクで聴くだけでなく、ダウンロード販売をご購入頂けると
大変喜んでまた頑張っちゃいますので、
下に記載の過去リリースも含めてどうぞよろしくお願いします!

■熊木博士『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』
 241015a

<収録曲>

1. ハッピー・バースデー・セカンド・ライフ  (SL17B, 2020)
2. クリスタル世界への旅立ち (SL15B, 2018)
3. JMJ -「軌跡」のビートにのせて- (Burnal Equinox 2015)
4. あ・い (Burnal Equinox 2015)
5. トラベリング - 未知の世界へ - (Burn2 2017)
6. タイム・オブ・シェアリング (Burning Life 2008)
7. レオナルド・ダンス (Burn2 2016)
8. ボクラハロボット (SL11B, 2014)
9. ワールド・ニュース (Burning Life 2009)
10. コール・フォー・ピース (Burning Life 2009)
11. シー・ユー・オンライン (Burnal Equinox 2020)
12. レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム (Burn2 2015)
13. みんなつながっている (Burnal Equinox 2015)

詳しい情報とご購入はこちらになります。


過去にリリースされた作品もどうぞよろしくお願いします!

・1作目『Songs from a Virtual World』(2021)
・2作目『Sound Cruise in the Metaverse』(2022)
・3作目『Orchestral Maneuvres in Second Life』(2023)

2024年11月6日水曜日

【新作】 ニュー・アルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』全曲解説〜その4・「あ・い」

さて、ヒロシのニュー・アルバム
『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』全曲解説の4回目は
「あ・い」について語ります。
この曲のタイトルは当初「愛」や「哀」を
勿論イメージしていたのですが、配信会社に登録した
楽曲詳細には次のように書いています。

「この曲は元々はナチュラルウェイ・フローの「ミュージック・スターマイン」イベントのために作曲され、彼に捧げられたものであるが、セカンドライフ内では殆ど演奏されることのなかったものである。2015年の Burnal Equinox イベントのテーマは「バランス」であり、熊木博士はこのイベントのためにこの曲を選び、男と女の関係、即ち「愛」を表現しようとした。「あい」という日本語は勿論「愛」を意味するものではあるが、同時にそれは、五十音の最初の2つの音であり、「あ」は宇宙空間を、「い」は生命の息吹を表すと言われている。つまり「あい」とは全ての人間に共通する基盤なのである。」


そうなんですよね、元はナチュさんが MSM で
僕の、2枚目のアルバムにある「霞か雲か」を使ってくれたので
折角なら MSM のイベント全曲分の BGM を作ってあげようと
5曲からなる組曲を考えていたのでした。
その冒頭の1曲目が3枚目のアルバムに収めたオケの曲
「祝典序曲」で、3曲目がこの「あ・い」でした。
2曲目はエレピによる爽やかな曲、
4曲目は激しい太鼓連打のよる曲、
5曲目はエピローグとして静かなストリングスによる曲を
構想はしていたのですが、現実に音になったのは
「祝典序曲」と「あ・い」だけとなります。

上の解説にも書いた通り、「あい」という言葉は特別と感じています。
勿論「愛」は大切なものですが、
英語で "I" は「自分」という意味、
スペイン語で "hay" は「存在する」という意味、
ちょっと違うけどドイツ語の "eins" は「1」という意味、
何れも、直接的な意味は違えど、
人間が今ここに存在している根源的な何かを表している、
そんな感じがしませんか?
そして日本の神道やホツマツタヱが伝える言霊では、
「あ」が宇宙、「い」が生命を表すのです。
(あめ、いき、いのち、といった音を思い出して頂ければ。。。)
五十音図の最初に「あ」と「い」の音があるのは
単なる言語学的分析的配列以上に意味のあることなのです。

そんな「あ・い」が収められた
ニュー・アルバムの試聴と詳細情報は下のリンクからどうぞ。
サブスクで聴くだけでなく、ダウンロード販売をご購入頂けると
大変喜んでまた頑張っちゃいますので、
下に記載の過去リリースも含めてどうぞよろしくお願いします!

■熊木博士『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』
 241015a

<収録曲>

1. ハッピー・バースデー・セカンド・ライフ  (SL17B, 2020)
2. クリスタル世界への旅立ち (SL15B, 2018)
3. JMJ -「軌跡」のビートにのせて- (Burnal Equinox 2015)
4. あ・い (Burnal Equinox 2015)
5. トラベリング - 未知の世界へ - (Burn2 2017)
6. タイム・オブ・シェアリング (Burning Life 2008)
7. レオナルド・ダンス (Burn2 2016)
8. ボクラハロボット (SL11B, 2014)
9. ワールド・ニュース (Burning Life 2009)
10. コール・フォー・ピース (Burning Life 2009)
11. シー・ユー・オンライン (Burnal Equinox 2020)
12. レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム (Burn2 2015)
13. みんなつながっている (Burnal Equinox 2015)

詳しい情報とご購入はこちらになります。


過去にリリースされた作品もどうぞよろしくお願いします!

・1作目『Songs from a Virtual World』(2021)
・2作目『Sound Cruise in the Metaverse』(2022)
・3作目『Orchestral Maneuvres in Second Life』(2023)

2024年11月4日月曜日

【新作】 ニュー・アルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』全曲解説〜その3・「JMJ -「軌跡」のビートにのせて-」

新譜『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』全曲解説の
つづきです。
今回は3曲目の「JMJ -「軌跡」のビートにのせて-」です。
まずは配信会社に登録した概要から。。。

「バーン2のメインとなる催しは例年10月に開催されるが、2015年に春の催しとして "Burnal Equinox" が始まった。"Equinox" とは春分の日のことであるが、これは熊木博士が子供の頃大変影響を受けたジャン・ミシェル・ジャールの2枚目のアルバム『軌跡』の原題でもある。その音楽こそ冨田勲の作品群と共に熊木がシンセサイザーの世界へと足を踏み入れることになったきっかけとなっている。ジャン・ミシェル・ジャールに敬意を表して、「バランス」のテーマで行われた2015年の Burnal Equinox のイベントで熊木は、『軌跡』のビートに乗せた即興演奏を行った。本作はその時の曲を新たに録音し直したものである。」


そうなんです。
2015年に Burn2 の春の催しとして Burnal Equinox が始まった時
「おおぉ!」と思ったのですね。
"equinox" というのは1日の昼と夜の時間が同じ、
つまり春分の日または秋分の日のことを言うのですが、
春分の日のことを英語で "vernal equinox" と言うので
"Burnal Equinox" というのはそれの Burn2 流のもじりですね。w

で、昼の時間と夜と時間が同じということには、
全て対立するものがバランスを保った状態、
どちらが勝ちとか負けとか優劣のない状態ということです。
そこでイランでは、イスラームが入って来る前の
ゾロアスター教の伝統で、この日の正午に所謂神と悪魔とが
この世界に入って来たとして、
そのタイミングをお正月として祝います。

そんな全てがバランスのとれた時間を表現したのが
ジャン=ミシェル・ジャールが1978年にリリースした
『軌跡』というアルバムで、原題は "Equinoxe" なのでした。
これは、ちょうどその頃シンセサイザーというものを知って
冨田勲さんの『惑星』に感動した僕が
クラシックのアレンジ以外で知ったシンセサイザー音楽で
FM のラジオ番組でこれを聴いて「カッコイイ!」と思い、
お小遣いを貯めて買って何度も聴いた曲なんです。
そう、冨田勲さんの『惑星』が1976年、
そして喜多郎さんの『シルクロード・絲綢之路』が1980年ですから
そういう時代ですね、シンセサイザーの音が僕を刺激したのは。

そんなこんなで Burnal Equinox にはすぐ参加を決め、
ライブ当日はジャン=ミシェル・ジャールの『幻想惑星』の
不思議なアルペジオの載せて「JMJ」というタイトルで
即興的な演奏を行ったのでしたが、
この時の出来がイマイチだったこともあり、
同じ「JMJ」のタイトルで何度か異なるバージョンで演奏してます。
今回はその2015年の初登場の時のものから始めて
その後のバージョンのものも組み合わせた形の決定版として
新たに録り直したものになります。
ジャン=ミシェル・ジャールに敬意を表しての作品ということですが
ご本人に聴かれるのはちょっと恥ずかしいかも。。。^^;

そんな「JMJ -「軌跡」のビートにのせて-」が収められた
ニュー・アルバムの試聴と詳細情報は下のリンクからどうぞ。
サブスクで聴くだけでなく、ダウンロード販売をご購入頂けると
大変喜んでまた頑張っちゃいますので、
下に記載の過去リリースも含めてどうぞよろしくお願いします!

■熊木博士『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』
 241015a

<収録曲>

1. ハッピー・バースデー・セカンド・ライフ  (SL17B, 2020)
2. クリスタル世界への旅立ち (SL15B, 2018)
3. JMJ -「軌跡」のビートにのせて- (Burnal Equinox 2015)
4. あ・い (Burnal Equinox 2015)
5. トラベリング - 未知の世界へ - (Burn2 2017)
6. タイム・オブ・シェアリング (Burning Life 2008)
7. レオナルド・ダンス (Burn2 2016)
8. ボクラハロボット (SL11B, 2014)
9. ワールド・ニュース (Burning Life 2009)
10. コール・フォー・ピース (Burning Life 2009)
11. シー・ユー・オンライン (Burnal Equinox 2020)
12. レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム (Burn2 2015)
13. みんなつながっている (Burnal Equinox 2015)

詳しい情報とご購入はこちらになります。


過去にリリースされた作品もどうぞよろしくお願いします!

・1作目『Songs from a Virtual World』(2021)
・2作目『Sound Cruise in the Metaverse』(2022)
・3作目『Orchestral Maneuvres in Second Life』(2023)

【RL】 行って来ました東京楽器博2024!

連休中日の昨日は東京・北の丸公園の科学技術館で行われた
東京楽器博2024に行って参りました。

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新型コロナの影響でそれまで2年に一度行われていた
楽器フェアが2020年以降開催見合わせとなり、
それまで毎回のように訪れていた僕は淋しい思いをしていましたが、
初めて MIDI に対応したシンセサイザー
シーケンシャル・サーキットの Prophet 600 と
ローランドの JX-3P が登場して40周年の昨年、突如、
日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)が中心となり
東京楽器博が同じ科学技術館で行われたのでした。
それから一年、更にいろんな種類の楽器メーカーも参加、
かつてここで行われていた楽器フェアでは
地下のサイエンスホールでイベントが行われていましたが
そうしたイベントも復活して、より大きな規模で開催されたのです。

僕のお目当ては勿論シンセサイザーの類ではありますが、
ドラム体験ブースでは小さな女の子がドラムを叩いていたり、
ウクレレのステージでは会場のみんながウクレレを手に
レッスンを受けていたり、なかなか微笑ましい風景もありました。
一方で、昨年以降のシンセサイザーの新製品としては、
ローランドの Juno-D とかヤマハの Montage M とか
あんまり新しい感はなくて、唯一注目していたのは
コルグが最近リリースした multi/poly ぐらいで、
これはその名前から想像できるように、コルグの往年の名器
Mono/Poly を最新の技術で復活させたもので(勿論それ以上)、
想像通りの、いやそれ以上の分厚い音はさすがコルグです。

分厚いと言えば、その multi/poly を順番待ちしてる間
触っていた opsix module もよかった!
opsix は DX7 が採用していた6オペレータの FM 音源楽器ですが、
今更 FM……と思っていたところが豈図らんや、
実際触って見ると、勿論 DX7 のあの音は出るのですが、
それ以上に DX7 が苦手とされていたぶっといアナログサウンドも
なかなか迫力のあるもので、膨大なプリセットをざっと見渡すと
最近のコルグのシンセによくあるプリセットの名前が多数あり、
これ1台で大抵のほしい音はカバーできてしまうのでは?
と思わせるほどでした。
FM 音源は、今は Arturia の DX7 がありますので
今更感はあるものの購入を検討したくなりました。w

その他には今年も REON のモジュラーシンセが出ていたのや
ブックラのシンセも展示されているのが興味深かったですが、
何より僕の興味を引いてスタッフと会話したのはこれです。

241104b

マーシャル冷蔵庫!www
どう見てもマーシャルのアンプにしか見えないのはそのはずで、
ロゴ、ツマミ、フレットクロス、コントロールパネル、
全て純正品なんだそうです。www
価格は何と132,000円なのですが、「定期便」を申し込むと
本体は47%オフの69,690円になって、
マーシャル・ビール24缶または12缶が1年間送られて来るという。
冷蔵庫だけでなく、マーシャルのビールもあるのか!? と
これが一番欲しくなった商品でした。w
カタログのキャッチフレーズ
「ロックンロール・ライフスタイルに欠かせない1台」
というのは、うん、よくわかります。www

さて、こうした新製品たちは置いておいて、
今回のお目当ての一つで僕がまず向かったのは
セミナールームで行われた「AMEI MIDI 2.0 セミナー」でした。
これは昨年も参加して、大変刺激を受けるものがあったので
今年はどのような新しい話が聞けるかと思ってのことで、
MIDI 2.0 の内容については昨年と変わるところはなかったものの、
MIDI 2.0 の各社の対応状況は次のような感じでした。

・Apple の Mac は対応完了、DAW としては Logi Pro と
 Cubase がベロシティなどの高解像度に対応
・Windows は MIDI 2.0 用の MIDI サービスのプロとライプを
 開発完了、これから各楽器メーカーやソフトハウスに検証依頼
・ローランドはマスターキーボードの A-88MKII が
 高解像度ベロシティとコントロールチェンジに対応
・ヤマハは Montage M シリーズが高解像度ベロシティと
 コントロールチェンジやピッチベンドに対応
・コルグはマスターキーボードの Keystage や
 opsix, modewave, wavestate といった楽器と
 そのソフトウェア版、また iPhone/iPad アプリの Module が
 こちらは高解像度ベロシティやコントロールチェンジでなく
 プロパティ・エクスチェンジに対応、
 マスターキーボード側に接続している楽器の情報が
 リアルタイムに表示されるので、恰も1つの楽器のように
 キーボードをプレイできる

この高解像度というのがどのくらいのものなのかというのが
セミナーの中で紹介された動画がありますので
皆さんもこれをご覧になることをお勧めします。(1:15〜)


このくらいゆっくり変化させていくと違いがはっきりしますね。
MIDI 1.0 だとカクカクと階段状に上がっていくのが感じられます。
今までは実はこうだったんだ! という感じですね。
これは、実は僕も、特にサンプリング音源でベンダーをかけると
同じようにカクカクするのを経験したことがあり、
それが僕がサンプリング音源を嫌いな理由の一つにもなっています。
こういうのがこれから変わって行く、よりアナログに近くなる
そう考えると楽しみですね。

この MIDI 2.0 については技術的なところを整理して
昨年書くつもりだったのですが、バタバタと日常を過ごしているうち
とうとう1年経っちゃったわけですね。
はい、今度こそ書きますのでお楽しみに!

セミナーに出たあとはほぼシンセフェスタステージで過ごしました。
会場に戻って来てすぐは何と Arturia の Astro Lab のデモ。
Arturia のマスターキーボードはジョイスティックタイプでないので
これまであまり感心がなかったのですが、
これはすごいですね。
何と Arturia のソフトシンセで作った音を読み込めるので、
これ自体が一つのシンセになる感じです。
デモが面白かったのでそのあと触ってみたら、
タッチも独特ではありますが、意外といいですね。
自分の好きなようにカスタマイズできるキーボードのようです。

そのあとは生方則孝さんによる新製品 Theresyn のデモ。
その名前からわかるようにテルミンの仕組みで動かすシンセです。
フランス人のシンシアさんのキーボードとのコラボで
何ともアートな空間が広がっていました。

デモ演奏と言えば、氏家克典さんによる
PWM というイギリスのメーカーによるシンセサイザー
Mantis と Malevolent のデモもよかった。
昨年もそうですが、氏家さんがデモするものは大抵ハンパない。
実はデモの前に Malevolent は見かけたのだが
この英語、「邪悪な」という意味なので、
クスっと笑って通り過ぎたのでしたが、それは誤りでした。
その名に違わず、これぞアナログ! という感じの
過激な音を出します。
写真はこのステージで唯一 SNS アップ OK の出た
氏家さんによるデモの様子です。

241104c

氏家さんが興にに乗って、ツマミをグイグイ回しながら
過激な音を出している感じが伝わるかと思います。

この写真の左側にあるのが Mantis の方で、
こちらは「カマキリ」という意味の英語。
緑色のボディーのトップパネル左側にカマキリの絵があります。w
どちらもヤバイ雰囲気のするネーミングですね。w

こちらはデュオフォニックということで
分厚い音がすると思ったら、何と、イギリスと言えば昔懐かしい
Oxford Synthesizer Company の OSCar の遺伝子を受け継ぐ
製品なのだそうです。
発売当時は、MIDI 付の、ミニモーグに替わるシンセとして
一世を風靡したものでした。
その遺伝子を受け継いだ Mantis、これもなかなかよいシンセです。

そのあとは「JSPA 理事たちが作る!
東京楽器博“非”公式テーマソング?!」や
ヤマハ、コルグ、ローランド3社のシンセサイザーによる
「シンセサイザーバトルロイヤル2024」を観て楽しみました。
テーマソングの方は、7人の理事がそれぞれ
楽器博のテーマを作って氏家さんに捧げるというもので、
更にその中から1位を決めようというもの。
個人的にはテーマ曲としては CM ということを考えると
野見山美貴さんのが雰囲気あって、
浅田祐介さんのはズルイと感じるほどに感動的でしたが、
最終的には鶴田美音さんの曲が1位になりました。
鶴田さんは DAW でなく、コルグの M3 1台で仕上げたとのこと、
M3 がメインキーボードの僕はおぉっ! と盛り上がりました。
いやぁ、やっぱり M3 いいなぁ。
これらJSPA 理事たちの曲は SoundCloud で聴けますので
僕が感じたことを追体験してみて下さい。w


バトルロワイヤルは、最初に3人全員でセッション、
続いて各メーカーのシンセの紹介、
最後に再び3人でセッション、という流れでしたが、
ヤマハの Montage M の紹介で大楠さんが
「友だちがいない時でもこんなことできます」と言ったのを受けて
コルグの tatsuya さんもローランドの宇都さんもそれぞれ
「このシンセでも友だちがいなくてもこんなことできます」と
それぞれアピールするところがおかしかった。w
コルグは Nautilus ではなくて Pa5X でしたが、
いやぁ、各社それぞれすごくて甲乙付けがたいですよ。
コルグの tatsuya さんはガチのピアニストと見ましたが、
ピアノは "Italian Piano" の音色を披露しておられました。
これは同じコルグの Grandstage にも入っている音ですが、
最近のクラシックのコンクールでも人気のあのメーカーの
華やかな感じの響きがするわけで、
その音色で会場のみんなを魅了していましたね。

約6時間くらい会場にいたわけですが、
なかなか刺激を受ける1日となりました。
やりかけていたあれ、またやってみようかなぁ、とかね。
そうしたものをまたどこかで皆さんにお聴かせすることが
できる日が来るかもしれません。
今日はまずこんなところで。

2024年10月30日水曜日

【新作】 ニュー・アルバム『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』全曲解説〜その2・「クリスタル世界への旅立ち」

先日発売になった僕のニュー・アルバム
『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』の全曲解説2回目です。
2曲目の「クリスタル世界への旅立ち」はこれも1曲目同様
SLB 関係で、2018 年の SL15B「クリスタル」の折に
組曲として作曲したものの1曲目ということになります。
配信会社に提出した曲紹介はこんな感じです。

「2018年の SL15B のテーマは「クリスタル」でした。この言葉の持つキラキラしたイメージが僕には煌めく星空を連想させ、そこからその星空に向かって旅立つ銀河鉄道のイメージになっていったのでした。」


最初にもう一つの SL(蒸気機関車)の発車の音が入っています。
確か、SLB でウェルカムエリアに空に向かって上昇する
SL のオブジェがあったことを思い出して、
その絡みでこの発車音を入れたかと思いましたが、
何と SL のある駅のウェルカムエリアはその2年前の
SL13B の時であることが当時の写真からわかりました。
でもきっとその時の印象が強くて、
旅立ちの曲としてこういうアレンジにしたのだと
もう当時のことは全く忘れてしまっているヒロシは
自分を納得させたことでした。

この頃、ちょうど僕がソフトシンセを使っている
Arturia が DX7 をリリースしたことがあって、
このクリスタルの組曲では DX サウンドをたくさん使ってます。
実際、この組曲で「クリスタル世界への旅立ち」に続く2曲目は
「DX Dream Again」というタイトルで
DX7 の音だけで作った曲でした。
DX7——1983年でしたか、出た当時はまったく歯が立たない
プリセットしか使えないシンセでしたが、
今のようなソフトシンセの形にして頂くととてもよいですね。
音を作ってみようか、という気になります。
(あ、ここで年齢がバレるか。www)

話が思いっきり逸れてしまいましたが、
「クリスタル」のテーマからキラキラサウンドを目指して
尖った FM 音源の音と、昔懐かしい SL の音を混ぜて作ったのが
この2曲目というわけなんです。
これもまた一つの「across borders」かな。^^

そんな「クリスタル世界への旅立ち」が収められた
ニュー・アルバムの試聴と詳細情報は下のリンクからどうぞ。
サブスクで聴くだけでなく、ダウンロード販売をご購入頂けると
大変喜んでまた頑張っちゃいますので、
下に記載の過去リリースも含めてどうぞよろしくお願いします!

■熊木博士『セレブレーション・アクロス・ボーダーズ』
 241015a

<収録曲>

1. ハッピー・バースデー・セカンド・ライフ  (SL17B, 2020)
2. クリスタル世界への旅立ち (SL15B, 2018)
3. JMJ -「軌跡」のビートにのせて- (Burnal Equinox 2015)
4. あ・い (Burnal Equinox 2015)
5. トラベリング - 未知の世界へ - (Burn2 2017)
6. タイム・オブ・シェアリング (Burning Life 2008)
7. レオナルド・ダンス (Burn2 2016)
8. ボクラハロボット (SL11B, 2014)
9. ワールド・ニュース (Burning Life 2009)
10. コール・フォー・ピース (Burning Life 2009)
11. シー・ユー・オンライン (Burnal Equinox 2020)
12. レッツ・バーン・ダウン・ザ・シム (Burn2 2015)
13. みんなつながっている (Burnal Equinox 2015)

詳しい情報とご購入はこちらになります。


過去にリリースされた作品もどうぞよろしくお願いします!

・1作目『Songs from a Virtual World』(2021)
・2作目『Sound Cruise in the Metaverse』(2022)
・3作目『Orchestral Maneuvres in Second Life』(2023)