2007年8月24日金曜日

SLの水族館でピアノを弾く!〜ライブ・ストリーミングの実験

引き続きセカンドライフの話題です。昨晩は、セカンドライフに参加した時からずっと懸案事項であったセカンドライフ内でのライブ演奏の実験を行ないました。前にも書きましたように、セカンドライフはデザイン、アニメーション、映像、音楽、プログラミングといった、クリエイターなら誰でも挑戦のしがいがある舞台なのですが、しかしその実、音楽についてはいろいろと制限も多いのです。それは、セカンドライフでは1つのSIM(地域)で起る全てのことを1つのコンピュータが全部処理しているということに加え、音楽や映像の処理が重たいということと関係しているのでしょう。

音楽について言えば、例えば、ピアノを弾いて音を出す、ということを考えてみましょう。この時はピアノに、操作すると読み込んである音を出すスクリプト(プログラムのようなものです)を仕込んでおくことになるのですが、その読み込める音というのがWAVという形式のファイルで10秒までという制限があるのです。しかもその10秒のファイルをセカンドライフ内に持ち込むのに10リンデン・ドルの費用がかかります。10秒というと、これはもう、効果音の世界ですね。普通の曲なら4〜5分はかかるでしょう。そこで、ピアノでまとまった音楽を流すようにするには、曲を10秒毎に分割したファイルを作っておいて、これらのファイルをセカンドライフ内にアップロードし、スクリプトで順々に音を出すように設定する必要があります。この方法だと1曲にかかる手間は大変なものですし、費用も240〜300ドルかかることになります。無料で服から家まで手に入るようなセカンドライフの世界で300ドルと言ったら、結構いいものがいろいろ買える金額です。しかも、これだけ手間と費用をかけて、セカンドライフ自体の動きが重くなると、分割されたファイルはうまく連続して再生されず、ブツ切れになったりします。これは音楽ではありません。

そこでストリーミングという方法があります。ストリーミングはオン・デマンド方式とライブ方式に分れるのですが、まずはオン・デマンド方式。これは、その土地(敷地)のプロパティに、その土地で流す音楽ファイル(mp3)が置いてあるサーバのURLを記述しておくのです。すると、その土地を訪れた時に、自動的にメディア・プレイヤーのボタンが画面に現われ、音楽が流れるというものです。これだと、普通に音楽が流れ、途切れることもないので気持ちがいいのですが、一つだけ難点があります。それは、その音楽の再生が、それぞれのアバターの設定によって異なるということです。例えば、私などは「編集」メニューの「環境設定」の「オーディオ&ビデオ」で、音楽が再生可能な場所では再生するような設定にしてあるので——これは時々メッセージが出て確認されることもあります——、そういう土地に行くと自動的に音楽が始まりますが、そういう設定になっていないと、いちいちプレイボタンを押さないと音楽は始まりません。そして、音楽はそのアバターがその土地に入った時から、またはプレイボタンが押された時から始まるので、同じ土地にいるからと言って、同じものを聴いているわけではないのです。曲は同じですが、その曲のどの部分を聴いているかは、時間差が出てくるということです。

つまり、同時に同じものを聴こうと思ったら曲がブツブツ切れてしまうかもしれず、曲を気持ちよく聴こうと思ったら、今度は一緒にいるのにリアルタイムで同じ経験ができないというジレンマがあるのです。

そこで出てくるのがライブ・ストリーミングです。これは、ストリーミング・サーバというものを経由して、そのサーバのURLを先程と同じように土地のプロパティに設定しておけば、リアルタイムで音が流れてくるというもので、セカンドライフでのライブイベントなどではこの方法がとられています。但し、この場合は、楽器やマイクの音を取り込んで、その音をストリーミング・サーバにアップロードするものと、セカンドライフ内で自分のアバターを操作するものの、2台のパソコンが必要になります。当然、いい通信状態を確保するならインターネット回線も2つ要ることになります。

さて、ビンボーな環境の中でこれらの問題をどうクリアするか。幸いパソコンは本格稼働しているものが2台あり、一つはセカンドライフを走らせているMac OS Xのもの、もう一つはOS 9.1のものです。必然的に9.1のMacで楽器の音を取り込み、サーバにアップすることになりましたが、このアップするためのソフトというのが大変でした。サーバはセカンドライフで使った人もいるというライブドアのねとらじで試すことにしたのですが、ねとらじで実績があり、OS9.1で使えるソフトとなるとMac Ampというソフトくらいしかないのですが、これがオフィシャル・サイトはクローズしていて入手困難というものなのです。が、執念であるサイトを見つけダウンロードしました。となると、あとは回線の問題。これまで導入していなかったのが不思議なくらいですが、ブロードバンド・ルータを買ってきて2台のパソコンを接続し、OS 9.1でアップした音をOS X側のパソコンで聴くことができました。とりあえずはねとらじを使ってのストリーミングの実験自体は終了。となれば、いよいよセカンドライフ内でうまくいくかどうかです。

というわけで、技術的な前置きがかなり長くなりましたけれども、前回ご紹介しました pira Noel さんが Hakata のお店の隣の部屋にピアノを持っているので彼女に連絡します。「今からライブの実験やりたいのですが……。」「いいですよ〜。」ここで考えたのです。ただあの部屋でピアノ弾いてもおもしろくないよねぇ。きっと彼女はまた写真撮ってくれるだろうから、だったら絵になるようにしたいねぇ。そう思って彼女に言ったのは、「お手数ですけど、ピアノをHakataからKaruizawaの水族館に持ってきてもらえませんか?」そうです! 海の底にピアノを沈めてそこで弾こうというのです。海の底でタキシード着てピアノ弾くなんて、これはもう仮想世界ならではなんではないでしょうか。で、折角なので pira Noel さんをご紹介下さった kyoko Infinity さん——そう、ネット音楽雑誌・月刊「DAICHI-大地-」でもおなじみのあのKyokoさんです——にも連絡します。「行く行く!」と文字通りの二つ返事。というわけで、3人Karuizawaの水族館に集まったところで、リアルの世界にいる私が演奏を始めます。実際の演奏より15秒ほど遅れてセカンドライフ内で音が鳴り始めました。

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海底でピアノ演奏中のHiroshi Kumaki


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pira Noelさんの後ろ姿(水着だ!)
——中央上の方にはイルカと戯れる kyoko Infinity さんの姿も


演奏が終ってから聴いてみたら、2人とも聞こえていたとのこと。同時に経験できたようです。私のADSL回線も、音楽データのアップとセカンドライフを走らせるのを難なく同時に処理してくれました。いや、アップに使った古いOS 9.1のマシンもよく頑張ってくれました。

それにしても、とっさの思いつきとは言え、海底での演奏会というのはなかなか美しく素晴らしいものでした。ミュージカル出身の kyoko Infinity さんも踊りたくてたまらないご様子。最近、ある席で、もしかしたら気が違ってるんじゃないかと思うようなことがひらめくかもしれないけど、そのひらめきを自分で抑えたり否定したりしないで、メモして実現するかやってみなさいという話が出たことがあったのですが、皆それを思い出し、「ピアノを海の底に沈めて弾くなんて気が違ってるよね。」「しかも博多にあるピアノを今すぐ軽井沢に持って来いだなんて。」と大笑いしました。こういうことが簡単にできてしまう仮想世界だからこそ、新しい可能性が生まれてくるのかもしれないと。

というわけで、今回の実験の結果に満足した私たちは、ここで実際に人を集めて演奏会を開くことにしました。いろいろと準備がありますので、秋になってからのことになるとは思いますが、その時はまたこのブログ等を通じてお知らせしますのでどうぞよろしくお願いします。

長くなりました。今日はこの辺で。


P.S. 今晩は定期メインテナンスのため、日本時間で8月23日(木)午前0時〜3時の間はセカンドライフに接続できなくなっています。詳しくはリンデン・ラボ社のオフィシャル・ブログをご覧下さい。




2007年8月23日木曜日

pira Noel さんの水族館

日本ではセカンドライフというとお金儲けやビジネスの話ばかりが先行しているきらいがありますが、セカンドライフのモットーは "Your World. Your Imagination." 日本語版では「あなたの世界。あなたの想像力。」と訳されています。あらゆる「現実」の制約をとっぱらったところで自分の想像力を最大限に羽ばたかせてみる場だと私は考えています。で、実際にいろいろものを作り始めたり、話題のスポットを訪れてみてすぐに気づくことですが、せっかく空も飛べる、どんな格好でもできる空間にいるのに、人間、なかなか保守的なのですね。

例えば私なども、自分の店を建築し始めて笑ってしまったのですが、どうしても店というと地面に柱を立てて、床を、壁を、天井を、屋根を、と考えてしまうのですね。床は日本古来の高床式を取り入れたのですが、そこに上がるのにちゃんと階段をつけました。空飛べるからそんなものいらないのにね。(笑 屋根もガラス張りのものを考えていましたが、考えてみるとここでは雨も降らないし、寒くもないし、寧ろ天井や屋根がない方が、そのまま飛んで上から出られていいな、とか考え始めて途中でやめてしまってます。

そうやって自分でいろいろ考えながら作っていると、当然、人が創っているものが気になりますね。で、あちこち見ながら気づいたのは、結構みんなリアルなもの創るのにこだわってるようだということですね。そうでない人でも、スターウォーズやガンダムで見たような、SFチックなものだったりして、要するに、どこかで見たような、という点では変わりないのですね。自由に何でも創っていいよ、と言われた時に、本当に想像力を羽ばたかせて自由に、これまでなかったような新しいものを創るのってなかなか難しいんですね。

そんな時に知り合ったのが pira Noel さんという女性ですが、この人は Hakata に Cosmic Tree Cafe、Karuizawa に Cosmic Tree Aquarium という水族館をテーマにしたお店を展開しているのです。これがよかったですねー。とても幻想的な空間で、とても落ち着き、癒されるのですね。そうそう、このブログで何度も触れているいだきしんさんのピアノ曲が流れているのがまたいいんですね。

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Karuizawa の Cosmic Tree Aquarium


私が特に気に入ったのは、Karuizawa のお店にある水族館の方。ここは、本当に海の底にいるようで、いろんな魚が泳ぐ中を散歩したり泳いだりできるのです。アクアラングも着けずに簡単にこんな空間に遊ぶことができるのは仮想空間ならではですね。お魚と一緒に泳いだり、そう、私もイルカに乗ったりしたのですが……。

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イルカに乗る、というより座ってる Hiroshi Kumaki 君


乗るのに失敗して、横向きに座ってしまいました。(笑 それでもイルカ君は文句一つ言わず、私を乗せて海の中を遊泳するのです。その間、いろんな魚とすれ違ったりして。これがなかなか気持ちいいのです。思わずいつまでもイルカに乗って過ごしてしまうような、いつまでもいたい気持ちにさせてくれる空間です。

この水族館にはかなり刺激を受けてしまいまして、私自身も自分のお店の方針を見直しているところです。刺激的なスポットは結構あると思いますが、刺激だけであれば、現実の世界にもたくさんあります。それよりも、現実の世界で誰もが夢見ながらなかなか実現の難しいような美しい空間を創るということに力を入れるべきなのではないか、そんなことを考えさせられたんです。そしてそういう美しい空間が広がっていけば、同じく現実の世界で難しいと思われている平和とか愛とか、人間なら誰もが望むものが実現していける、そんな風に考えたのです。

今日ご紹介した pira Noel さんの2つのお店、本当に美しく、気持ちのいいところですので、一度訪れてみて下さい。SLURLは次の通りです。

●Cosmic Tree Aquarium
http://slurl.com/secondlife/karuizawa/244/230/21

●Cosmic Tree Cafe
http://slurl.com/secondlife/Hakata/139/239/23

それでは、また。




2007年8月15日水曜日

メタバース、SF、そして人間の想像力

セカンドライフが盛んに話題に上るようになるのと同時に急速に広まってきている言葉があります。「メタバース」です。やたらと、これからはメタバースだメタバースだ、と言われるようになってきたのはいいのですが、そもそもメタバースとはどういう意味なのか。仮想現実の3D空間という意味で用いられているようですが、もともとどういう英語なのか。更に、セカンドライフの関連で「メタバーズ(Metabirds)」という会社もあるので、話はますますややこしくなります。

「メタバース(Metaverse)」はもともとニール・スティーブンスンが1992年に発表したSF『スノウ・クラッシュ』で導入した概念、言葉で、セカンドライフがそうであるように、アバターを通じて仮想空間の中で他のアバターと面と向かって会話し、社会的、経済的生活を、あたかも現実生活と同じように、更には現実生活で生ずる様々な制約から離れて活動できるような仮想空間のことを言うようですね。現実世界の「ユニバース(universe)」に対して「メタな」つまり、コンピュータ世界に転換された「宇宙」という意味で「metaverse」となったのでしょう。お恥ずかしながら、私自身このSFは読んでいないのですが、ここで提唱されたメタバースの概念の殆どが実現しているのがセカンドライフと言えそうで、それがセカンドライフと共にこの言葉が普及し始めた理由でもあるのでしょう。(原作はハヤカワSF文庫から出ていましたが、残念ながら現在は品切れのようです。)

しかし、それにしても、1968年のフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、その約10年後にこれを映画化した「ブレードランナー」、1982年のディズニー映画「トロン」、1984年のウィリアム・ギブスンによる『ニューロマンサー』、そして1992年のニール・スティーブンスンの『スノウ・クラッシュ』と、ほぼ10年単位で発表されてきた影響力のあるSF作品が描いてきた世界が、とうとう現実のものとなってきたというのは感慨深いものがあるのと同時に、近年ヒットした映画「マトリックス」なんかが急に色褪せて見えてしまう。今ここに挙げたような作品群の方が余程予言的に思えます。(正直言うと、『ニューロマンサー』は以前、最初に読んだ時はよくわからなかったのだ。今読み返すと「グリッド」とか「マトリックス」とか、重要な概念は全てここから出ている。)

インターネットが普及して、人類はSFの世界に追い付いた、もうSFなんてつまらないと思ったけれども、とんでもない。人間の想像力というのは常に先に先に新しいものを生み出していくものなのですね。そしてその想像の世界を実現していこうとするのもまた人間。人間の想像力って素晴らしいですね。

そんなわけで、久し振りにSFをみたくなった Hiroshi Kumaki であります。




2007年8月13日月曜日

セカンドライフでの花火大会

昨晩はセカンドライフの日本人居住区で花火大会がありました。50万発という驚異的な数の花火を打ち上げることができるのも、そして日本人居住区ではどこにいても見られるというのも仮想世界のセカンドライフならではですね。セカンドライフならでは、と言えば、花火を目の前で見ることもできるのもセカンドライフのいいところ。つまり、花火を見上げるんではなくて、上空に飛んで行って、花火を正面から見ることもできるのです。実際、私以外にも、同じ地域の人は半数以上の人が飛んでみてましたね。一度間違って真下に行ってしまったりしましたが、これはこれでなかなか迫力がありました。何と言っても花火が上から降ってくるわけですから。現実世界だったら危険極まりなく、そもそもそんなエリアに入ったら注意されること間違いなしですが、火の粉が降りかかってきても火傷しないのも仮想世界のいいところですね。こんな経験は他ではできないでしょう。

というわけで、その花火大会の模様をいくつか写真に収めてきましたので、ご紹介することに致しましょう。「スナップショット」という機能を使うと見えている画面を画像ファイルに保存できるのですが、いちいち「スナップショット」ボタンを押すのは面倒で、また操作性も悪いので「Contrl」+「Shift」+「S」というショートカットを使います。それでも、うまくシャッターチャンスに合わないのは、現実世界のカメラと同じ……。(笑

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こうして写真に撮ると、花火というよりは色と光の渦のような感じになりますね。火花の一つ一つを絵で表現してそれを動かしていくわけですからすごく手が込んでますよね。

手が込んでいると言えば、仮想世界の花火にも「型もの」があるのには驚きました。これは、よく猫の顔とかニコニコピースマークとか、更にはどらえもんやアンパンマンといった絵を浮かび上がらせる花火ですが、セカンドライフの花火にもこうしたものがありました。あんまりうまく撮れてませんが、次の写真の左の方、何だか顔みたいなものが写っていますでしょう?

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セカンドライフでは現実世界にある大抵のものは実現可能のようですね。しかも現実世界とは違う技術でできてしまいます。花火を打ち上げたのは現実の世界では花火の技術なんかない人でしょうし、建築設計の知識のない私が自力で建築を進めているのもそんな例の一つですね。建築については、先日セカンドライフ内で知り合った人と話して笑ったのですが、造って失敗したり気に入らなかった場合は、ぶっ壊してまた別のを造ればいいのです。現実には壊したらいろんな廃棄物が出ますし、壊すのにも新たに造るのにもきっと何億というお金もかかるでしょうが、そんなもの気にする必要もない。セカンドライフは、リスクを負わずにいろんな可能性を試せる場であるとも言えますね。だからこそ、この世界に入ってくることが、個人にとっても企業にとっても重要なことになってくるわけです。

最後に、花火と言えば、私の分身Hiroshi Kumaki君の敷地内ではビデオを見ることができますが、現在、私が以前ネット音楽雑誌・月刊「DAICHI-大地-」で発表した「花火」という曲に、昨年某所での花火大会で撮影した映像をつけて編集したものを見ることができます。Hiroshi Kumaki君の敷地は「Toshimaku」の、中央に案内板が置いてあるところを右手に入った2つ目の場所です。その場所にテレポートするためのSLURLはhttp://slurl.com/secondlife/Toshimaku/183/139/22です。まだ建造途中で何もありませんが、大きなスクリーンが置いてあり、その前に立つと、画面の右下にビデオをプレイしたり停めたりするボタンが現われますので、プレイボタンでビデオ見ることができます。よろしかったらお立ち寄り下さい。

それでは、また。


※この記事の内容は2007年8月12日現在のものであり、既に Toshimaku の上記の場所に私の店は存在しないことを申し添えておきます。



2007年8月10日金曜日

セカンドライフに障害〜そして日本の若者たち

セカンドライフ、また障害が出てますね。今回はログインができないということで、こうなるともうどうしようもありませんね。原因はまだ不明なようで、リンデンの方々も最善の努力を払われているようですが、かなり難しいようですね。やっぱり急に人口が増えたことが影響してるのかな?

さて、何度も書いていますように、セカンドライフでは人種も階級や職業も、性別も、そして姿形も、自分の好みで生まれ、生きることができるわけですけれども、そんな仮想世界で遊ぶ一方で、現実の、若者たちが集う街、渋谷を歩いていると、おもしろいなぁ、と思うことがあります。

それは、渋谷を歩く若い人たちのファッションというのは、本当に自由だなぁ、と思うのです。金髪で、青い眼をして、本当に欧米人みたいな人がいる一方で、アフロな人もいたり、ラスタな人もいたり、日本の若者というのは、何人の格好をしても決まってる、カッコイイなぁ、と思うのです。これは、例えば、黒人が無理して髪をストレートにして、肌も白くしようとしたり、或いは逆に白人が黒人や東洋人の真似をしようとしても様にならないということを考えると、実はすごいことなのではないでしょうか。そう言えば、日本の女性の皆さんはご存知でしょうか? 欧米の女性が憧れる髪というのは、本当のブロンド——本当のブロンドというのは欧米人にも殆どいないのだそうです——か、東洋人のような、しなやかで黒い髪の毛だということを。それから、渋谷や原宿の若い女性たちのファッションは、ファッションの都に生きるパリジェンヌたちの憧れなんだそうです。

セカンドライフのような、もう一人の、こうありたい自分、という仮想世界がアメリカで生まれたのは、ある意味で必然のような気もします。何故なら、日本の若い人たちは、自分がカッコイイ、カワイイと思うスタイルを生きることができてるわけですからね。私たちはこの幸せにもっと気づいていいのかもしれませんね。

それでは、また。



2007年8月9日木曜日

セカンドライフで土地を借りる!

ムフフフフ。実はセカンドライフに土地を借りたのです。現実の私は狭い1Kのアパート暮らしですが、分身のHiroshi Kumaki君は約千平米の土地を自由に使える身となったのです。

まだ殆ど更地状態ですので詳しい案内はしませんが、今日はそこでいろいろな実験を試みました。その土地の中でストリーミングによる音楽が聴けるようになるかどうか、同じくストリーミングによって映像を流すことができるかどうか、などです。音の方の設定はすぐにできました。引き続いてはビデオの設定です。いよいよセカンドライフで最初の建造にかかります。8m×6mのスクリーンを敷地の真ん中に建設、無事外部のWebサーバに置いたビデオが流れました。

とりあえず今日はここで終わりにしたので、今私の土地には何もないところに映画「2001年宇宙の旅」の石碑(モノリス)よろしくスクリーンだけが建っているのです。人は何と思うでしょうね。

で、ここからです。活動の拠点となる建物を造ることになります。セカンドライフで建築を専門にやってる人から買ってもいいのですが、折角ですからここは自分で建築に挑戦してみよう、ということで、これまでやったこともないのに今度は建築デザインに手を染めることになってしまいました。

で、すっかり気分は建築デザイナーとなってしまいまして、仕事の帰りに本屋に寄っては、実に久し振りに建築関係の雑誌に目を通して先端の傾向を頭に叩き込んだりします。おもしろかったのは、やたらとル・コルビュジエ関係の本が出てたり、特集が組まれていたことですね。これはどうも今六本木でル・コルビュジエの展覧会をやってるからのようですが、実は、そんなことを知らない私は、ここ3ケ月くらい、ずっと枕元にル・コルビュジエの『建築をめざして』という本が置いてあって、気が向いた時にパラパラめくっていたのです。不思議な偶然だなぁ、と思って。この本は古い本で、写真も古いのですが、そうでありながら、ル・コルビュジエのデザインは新しいなぁ、センスいいなぁ、と思いながら、そしてこの本に織り込まれたル・コルビュジエの建築に対する理念に、なるほどー、その通りだなぁ、と面白く読んでいたのです。

何て書いてしまうと、ル・コルビュジエ風の建物ができるのか、なんて期待させてしまいそうで、寧ろ本当に素人ですのでそんなものは期待すべくもないのですが、自分で建物をデザインするということにちょっとワクワクしている Hiroshi Kumaki であります。

最初に書きましたように、まだ案内できる段階ではありませんが、何か進展がありましたらここに書くことにします。それでは、また。




2007年8月5日日曜日

セカンドライフでのアルバイト「キャンプ」について

さて、今日はセカンドライフ内でのお金の稼ぎ方として有名な「キャンプ」についてお話ししたいと思います。キャンプは、もともとはその地域での交通量、人口を増やすためにお金を払って一定時間その場にいてもらう、いわばサクラとしてその土地のオーナーがお金を払って雇うものです。よくあるのは椅子にじっと座ったり、一定時間その場で踊ったり、というものですね。私はあるビーチで20分ベージング・タオルの上で寝そべっていたら2ドル、というのをやりました。20分DJをやって5ドルというのもあります。効率悪いですが、まぁ、大体そんなもんです。あくまでもてっとり早くお金を手に入れる手段であって、これで稼げるわけはありません。なにしろ2リンデン・ドルというのは1円になるかならないか位のお金ですからね。1時間やって3円稼げるかどうか、って話でしょう。

とは言え、これもうまく使うとなかなかおもしろいですね。じっとしているわけですから、普通なら放っておいたら昨日話した "Away" の状態になり、これではお金を払ってもらえません。そこで「デバッグ・モード」というのにしておくと、アバターを放ったらかしにしておいても "Away" にならず、ずっとお金を稼ぎ続けてくれるのです。ということは、必ずしもアバターに付き合わなくても、自分が寝ている間とか、昼間会社に行っている間にセットしておけば、その間にアバターはじっとその場でキャンプして稼いでくれるというわけです。

そうなのです。セカンドライフでは男に生れることも女に生れることも、空を飛ぶことも、一瞬で好きな場所にテレポートすることも、超セレブとして生きることも、どんな仕事に就くことも自由だ、と前に書きましたがそれだけではないのです。アバターは食べなくても寝なくてもいいのです。みなさんは、食べなくてよかったら、寝なくてよかったら、どんなに24時間有効に使えるか、と思ったことはありませんか。または、今自分がここで何かしている時に、もう一人の自分が別の仕事をやってくれたらいいな、とか。正に、セカンドライフではそういうことが可能になるのです。私自身は同じ場所で何もしないでじっと寝てるなんてバイトはとてもできそうにありませんが、私のアバター君は私が寝ている間もそうやって稼いでくれるのです。

ただ、キャンプについて一つだけ注意しておきたいことがあります。それは時々 "camping online" というのがあることです。そう、"online" という言葉が気になりますよね。これは、実は、ちゃんといないとお金にならないパターンのものなんですね。例えば20分単位の支払なら、20分経った時点で、"Are you a human?(あなたは人間ですか?)" とか "Are you a robot?(あなたはロボットですか?)" といった確認メッセージが表示されるのです。勿論、いくらでもじっとしてられるロボットならお金は払われないわけですし、このメッセージに応えない場合は、自動的に退席させられ、お金はもらえません。このメッセージは不規則に内容が変わるので、人間かと聞かれたら "Yes" を、ロボットからと聞かれたら "No" のボタンをクリックしないといけないのです。このパターンの場合はアバターを放ったらかしにしておくわけにはいきませんね。私はこのパターンの場合は始めた時間をちゃんと確認しておき、他の作業をしながら、20分なら20分経過する2、3分前にはアバターのとこに戻って確実にメッセージに応えられるようにしています。ちゃんと応えるとその時点でお金が支払われます。

さて、このように見てくると、セカンドライフは本当に何から何まで自由な世界だな、と思います。もしこうだったら自分はこんなことができるのに、なんて自分の現実に対する言い訳は通用しないということです。大抵の人がこうだったらいいと考えるようなことは、セカンドライフでは前提条件として保証されてると言ってもいいのです。なのでここでは、その「こうだったら」が全て満たされたところで、「何をやるのか」が問われてくることになります。「何をやりたいのか」というのがないと、セカンドライフもおもしろくはないかもしれません。逆に、何かやりたいことがある人にはこんなに楽しいものはないかもしれません。

最初に書きましたようにキャンプはあくまでも持ち金0円で始まったセカンドライフでの当面のお金を手に入れるための手段に過ぎません。キャンプしてセカンドライフの世界を彷徨いながら、さて、この世界で自分は何をやって生きていくのか、現実の世界で本当は何をやりたいのか、それを考えることが大事だと思います。その時初めてセカンドライフは自分の可能性を開いてくれるのだと思います。

1週間にわたってセカンドライフの話題を続けてきましたが、他に書かなければならないこともいろいろありますので、とりあえずここでこの話題はひとまず終了ということにして、また新たな進展がありましたらご報告させて戴こうと思います。

それでは、また。




2007年8月4日土曜日

セカンドライフの英語

セカンドライフで時々困っている人の相談にのることがあります。また、オフラインでも直接メールで相談を受けることがあります。共通してよく言われるのが、英語がよくわからない、面倒、ということですね。まぁ、世界中の、いろんな背景を持った人と直接コミュニケーションできるわけですから、ここは逆に英語の練習の場だ、くらいに考えて頂いて、どっちにしても、英語が母国語でない人もかなりいるわけですし、実際に喋るんじゃなくて「書く」わかですからね。相手も待ってくれるので、あんまり神経質にならずに下手でも適当でも、チャレンジしていったらいいと思います。

とは言え、やはりゲーム英語、チャット英語といった、普通には接しない表現もあって、私自身戸惑ったこともあります。そこで今回は特によく出てくる言葉を順不同でまとめておこうと思います。


1. よく出てくる英語

■rez(レズ): もともとは "resolve" という他動詞から来た言葉です。"resolve" はもともと「固まっているものを解放する」という意味なのですが、そこから「溶かす」、「変化させる」、「自由にして放つ」というような意味に転じていきます。で、ここでは「セカンドライフの世界に出現させる」という意味になります。そこで、

1. オブジェクト(プリム)を何か作る
2. 持ち物からオブジェクトを出して使う
3. 自分自身がセカンドライフの世界に現れる

といった意味で使われるようです。

■away(アウェイ): 立ったままでも、座っていても、自分のアバターをそのまま放っておいて何か他の作業をしていると自分の名前の後にカッコ書きで "Away" と書かれていることがあります。これは "Away from keyboard"、つまり、キーボードから離れていて、今ゲームには参加していない、ということですね。実際の生活でも、身体はここにあるのに、心はどっか他のところに行ってる時ってありますよね。あれとおんなじです。実生活では、「ねぇ、ちょっと、ちゃんと話聞いてる?」と確認することになりますが、セカンドライフでは名前の後にこうして "Away" と表示されるので、見てわかるのがいいですね。(笑

因みに、意図的に "Away" したい時は、「ジェスチャー」から "afk" を選ぶとよいです。勿論 "away from keyboard" の略で、すぐに自分の名前に上記の "Away" が表示され、首がうなだれた状態になります。(つまり寝ちゃうわけだ!)

■furry, furries(ファーリー): 文字通りには「毛皮を着た人」ということでしょうが、動物型のアバターを着た人のことを言います。結構多いんですよね、動物になりたい人。(笑 何だかスターウォーズやスタートレックに出てくる不気味な宇宙人みたいな人もいたりして。個人的には完全に動物になってるより、ヒト型なのに何故かネコの尻尾を靡かせてる若い女性とかに惹かれてしまいます、ハイ。(笑

■newbie(s)(ニュービー): セカンドライフ初心者のことです。こういう看板があったりしたら近づいていってみましょう。初心者向けの情報があったり、お互い初心者の人が集まってて意見交換できるかも。

■freebie(s)(フリービー): 上と似てますが、これは「無料アイテム」のことです。タダでゲットできます。

■grid(グリッド): もともとは「格子」の意味ですが、ご想像できるようにセカンドライフ内の場所を示す座標の意味となり、更にはセカンドライフ内の全てを表わす言葉となります。リンデン・ラボの公式ブログではセカンドライフの動いている状況を表わすのに "grid status"(グリッドの状況)という言葉を使用しています。更に、先日のような世界的な、全てのサーバで障害が出ているような場合には "worldwide" ならぬ "gridwide" なる言葉が使われています。

■lag(ラーグ): 「遅れ」のことです。よく話題に出てきます。自分が操作してから実際に動いたりするまでの時間差です。サーバが重くなっているとこのラグが発生して、思うように動けなかったりします。

■parcel(パーセル): 学校で習ったのは「小包」という意味ですが、ここでは土地の区画を意味します。「敷地」という日本語がピッタリくるかもしれません。"You are not allowed to enter this parcel.(この敷地内に入る権限がありません。)" など。

■IM: 勿論 "Instant Message(イスタント・メッセージ)" のことです。チャットは側にいる人としか話せませんし、話した内容は周りの人に聞かれてしまいますが、IMは相手がその場所にいなくても送れるのと、その場にいても他の人に聞かれずに会話できます。また、相手がオンラインでない場合は相手が登録しているメールアドレスに転送されるしくみになっています。

■lol: よく英語のチャットの終わりに出てきます。"lots of laugh" で「大笑い」、日本人がメールなどで使う「(笑」とか「w」とかに当りますかね。

■Ty: これもよく出てきますね。"Thank you." です。


2. ジェスチャーの英語

前に、早めにジェスチャーを自分の好みに設定しておいた方がいい、という話を書きましたが、考えてみたら、このジェスチャーがまた英語でよくわからない、という人も多いでしょうね。というわけで、ややこしそうなものだけここに記しておきます。

■/blowkiss: 投げキッスです。
■/bored: 「あ〜あ」という退屈を示す仕草です。
■/embarrassed: 「やだぁ、恥ずかしい!」という感じですね。男がこれをやるとちょっとキモイかも。(実はやってみた。)
■/excuseme: 「失礼」ということで、咳払いをします。
■/extinguish: 「火を消す」ということですが、何のことかと思ったらタバコの火を消してタバコをポケットに戻す仕草です。で、この逆が、
■/smoke: タバコをポケットから出して吸う仕草です。
■/frown: 顔をしかめます。
■/getlost: 「失せろ! あっち行け!」ですね。
■/kmb: これがわからなかった。"Kiss my butt!" = "Kiss my ass!" という侮辱の言葉ですね。相手にお尻を向けてぺんぺん叩く仕草をします。あんまり使いたくないねー、これは。
■/muscle: 「筋肉」ということですから、ご想像つくでしょう。力コブをつくってみせるのですが、イッパツで決めればいいのに3回もくりかえすから却って笑っちゃいます。
■/nya: これは「あっかんべー」ですかね。ヘンな顔をつくっておどけます。その「べー」に当るのが、
■/sticktongue: 文字通り舌を突き出してヘンな顔をします。
■/repulsed: 嫌な顔をして拒絶します。
■/scold: 「叱る」というよりも、指を横に「チッチッ」と振る感じですね。
■/shrug: 肩をすくめて両手のひらを上にむける "I don't know." みたいな例の仕草ですね。
■/count: これが最初わからなかった。何で数える仕草なんか入っているのだろう、と。これはじゃんけんですね。「じゃ〜んけんで」と腕を振る仕草です。となれば、
■/paper: 「紙」=「パー」です。
■/rock: 「石」=「グー」です。
■/scissors: 「はさみ」=「チョキ」です。

さぁ、どうでしょう。気になっていた言葉はありましたでしょうか。私が「ん?」と引っ掛かった言葉を中心に選んでみましたので、もっとこの他にもあるかもしれません。疑問の言葉などありましたらコメントでお寄せ頂ければと思います。

それでは、また。




2007年8月3日金曜日

セカンドライフの企業サイト、そして——

引き続きセカンドライフの話題です。

今日はケチなアルバイトはしないで、徹底的にいろんなところを見て回ることにしました。とりあえず話題になった大手企業のSIMを訪れて、企業がここで何をしようとしているか、おもしろくてやってる個人とどう違うのかを見て、考えておこうと思ってのことです。

で、まずは有名なSONY/BMGの島に行って来ました。よく紹介されいるSIMですが、これがあんまり面白くなかったですね。アーティストの紹介がメインで、それも殆どは外部の、つまりネット上のサイトに飛ぶようになっているもので、結局はただのリンク集みたいな感じ。ムービーやサンプル曲もうまく流れてこないし。そのくせCDは買わないと(99ドルだったかな)聴けないので、うーん、お金出さないと楽しめない場所なのか、と思ってしまいました。

そういう意味では面白かったのはNISSANのSIMですかね。有名になった自動販売機でNissan Sentraを売ってる所です。セントラというのはアメリカ仕様の車で、サニーの流れを汲む、日本では今のブルーバード・シルフィーに当るモデルなんだそうです。ここではこのセントラに一切の生活用品を持ち込んで7日間この車で暮らす、というプロモーションビデオがあって結構おもしろいですよ。ここにいらした方は是非面倒臭がらずにごらんになってみて下さい。

で、自動販売機。自動販売機と言っても、これがタダで手に入るのですね。ただ、タダと言っても、ちょっとしたコツがありますので、ここに書いておきます。自動販売機の脇に説明書きがあって、

Come clean and get the code. (It's nearby.)

とあります。どうも自動販売機の左側にある数字キーでパスワードを入力、続けて右側のキーで商品を選ぶと出てくるらしい。しかしそのパスワードはどうやって知ることができるのか——。"Come clean?"——きれいになって戻ってきて下さい、ということでしょう? この説明書きは先程のプロモーション・ビデオと連動していて、7日間車で過ごした人の絵が出ていました。プロモーション・ビデオで彼は、とにかく匂いには気を付けないとと——特に彼女と一緒にドライブに出掛ける時はね——、駐車場のトイレなどでシャワーを浴びたり身体を洗ったりしていたのだ——と、見回すと駐車場の脇にトイレがあるのですね。で、そこへ行くと、はい、ありましたありました。トイレの落書きがパスワードだったのです! で、そこに書いてあったパスワードを入力、自分の好きな色のキーを押すと、ドカン!と車が落ちてきました。この後は勿論、この車に乗ってドライブしましたよ。(笑 この自動販売機の他には何もない割には結構楽しめましたね、ここは。みんなここで手に入れたセントラを持ち帰ってあちこちで乗り回すんですから、これは結構いいプロモーションになってるんではないでしょうか。

しかし、それにしてもこうした企業のSIMは淋しいですね。日産の所には私を含めて2、3人しかいませんでしたし、ソニーは私一人でしたから。やたらと混んでる個人のSIMとかに較べると、本当に淋しい。

というわけで、今日は企業訪問はこの辺にして「Ueno」にテレポート。ここはなかなか面白かったですね。上野動物園もあったし。で、どこでは動物もののアバターを売ってたりする。自分が動物になれるわけだ! あと、観光案内もあって、日本関係のSIMに飛べる、ネットで言うリンク集みたいなところもあって便利だし。でも、最高に笑ったのは「UNI CIRO」というカジュアル・ウェアの店。ユニクロそっくりのロゴで「ユニシロ」かぁ! 中に入るとユニクロよろしく男女兼用の無難な色とデザインのトレーナーとかあって、これが5ドルと安い! 思わず買おうかと思ったけど、現実世界でユニクロ着てて、セレブな仮想世界でユニシロ着るのもなぁ、とやめました。(笑

それから有名な「Sugamo」のハローワークにも行ってきました。なるほどー、って感じでしたね。セカンドライフの中でどんな仕事が一番求められてるかということなんですけど、クリエイター系としてはやっぱりものを造る仕事、建物とかそういうのをデザインする仕事ですね。そりゃそうですよね。SIMを魅力的に見せるのは結局はそこにある建物とか景観ですけれど、これが一番創るのが大変で、技術が要りますもの。それから、女性は受付とかメイドとか、やっぱり容姿が重視されるものかな。残念ながら音楽関係はなく——現実世界のハローワークでもミュージシャンはないか!——自分にできるものとしては通訳というのがあったけど、これは既に契約済。残念。

あと、前から気になっていた「新潟沖中越地震支援」のSIM、実はこれ新潟県のSIMだったんですが、ここにも行ってきました。写真による状況報告のボードなどがあり、現実世界での義援金の振込先などが書かれてあったりしました。が、やっぱり一番インパクトがあったのはリンデン・ドルの募金箱。この募金箱に自分の持っているリンデン・ドルを入れると、それが募金に反映されて、10万リンデン・ドル(日本円で約4万4千円)単位で日本円にして、実際に寄附されるのだそうです。私が見た時は19万リンデン・ドルになってましたから、この世界でもかなりの人が募金したのではないでしょうか。というわけで、私も10ドルだけ募金してきました。

日本ではセカンドライフというとやたらとお金儲けの話題が出てきますけれども、本来ここは自由に現実ではできないことを創っていく場ですね。で、現実でなかなか実現できないことと言えばその自由とか、愛とか、平和とかあるわけですけれども、そういうことを実現させていくことの方が重要であると感じます。とすれば、この新潟沖中越地震の支援SIMのようなものこそ、人の心が、気持ちが、たとえ微々たるものであっても現実を動かしていくものとして意味のあるものと感じるのです。

今日はいろいろなところを見ながら、ここで何をするのが、セカンドライフをもより楽しい場所にし、そして現実にも影響を与えていくことになるのか、考えさせられた一日でした。

それでは、今日はこの辺で。




2007年8月2日木曜日

セカンドライフと成功物語〜ホレイショアルジャーとわらしべ長者

7月30日の昼過ぎから始まったセカンドライフの障害は、アメリカの時間で7月31日の午後5:01、日本では今日の午前11:01頃ひとまず解消したようですね。一体何が問題だったのか、リンデン・ラボのブログによると、最終的には、設定に誤りがあった、不幸な人的ミスである、と結論付けています。

まぁ、とりあえずこれで今日は順調に動いていますので、早速いろいろ試してみます。まずは今回のトラブルで消えてしまった15リンデン・ドル(今後、セカンドライフの記事では、ただ「ドル」と書くことにします。昨日のレートで大体L$277.00/US$になります。)を取り戻すべく、再びブラジル(Ilha Bahia)へ! そこで1時間太鼓を叩いて15ドル取り戻しました。それから、毎日、何か新しいことをしたいですからね。というわけで、やはりミュージシャンですから、今日はあちこち楽器を見て回りました。楽器がないとやっぱり仕事にならない。(笑 で、ある楽器屋はなかなか面白かったですね。ストラトキャスターのギターは大体500ドルくらい。うーん、欲しいけど高いな。今まだ65ドルくらいしか持っていないからね。これは何とかして手に入れたいのだ。そのストラトキャスターに並んでシタールなんかもある。やっぱり500ドル。DJ用のブラック・ディスクのターンテーブルは90ドルくらい。あ、シンセもある! これはどれも200ドルくらい。ストラトもそうだったけれどこの楽器屋はなかなかデザインがしっかりしていて、シンセはどう見てもコルグ、どう見てもヤマハ、どう見てもノルトリード、というなかなかリアルなもので、極めつけはどう見ても昔冨田勲さんやキース・エマーソンが使ってたみたいなタンスのようなモーグのシンセでしたね。試奏してみましたが、音は出ないものの、アニメーションがついていて、私は弾きながらシンセのパッチ(配線)を差し替えたりして、動きがなかなかリアルなので気に入りました。本物のモーグは買えそうにないですけれど、セカンドライフの世界で、こいつは絶対手に入れようと思いました。(笑 で、改造して音が出るようにしようと。

ところで、先程「今日は昨日とは違うことをしよう」みたいなことを書きましたけれども、これがセカンドライフの面白いところではないでしょうか。セカンドライフは全てが予めプログラムされたコンピュータ・ゲームとは一線を画しています。自分(のアバター)がどのような人間になっていくのか、どのように生きたいのか、全て自分で創っていくことが必要な世界なのです。どんな商品を創りたいのか、どんな建物に住んだり仕事したりしたいのか、どんな街を、社会を創りたいのか、全て0から、人との出会いを繰り返していく中で自ら創り出していく世界なのです。そこには必然的にクリエイター的、或いはアントレプレナー的な資質が必要とされていると言えます。逆に言うと、何かを生み出したいと思っている人には、これほど面白い世界はないとも言えます。

そう、全て0からスタートするのです。前にも書きましたが、手持ちのお金0、着ているものはジーパンとTシャツでベルトもない、みたいなところから始まるのです。そんなところから始めてクリエイティブなセレブとして成功している人たちも多いのだから、これはビジネスとして考えても、人生設計と考えても、実にリアルな実験、モデルになると言えますね。

と、ここ数日セカンドライフをやっていて思い出したのがホレイショ・アルジャーの Rugged Dick という、19世紀後半のアメリカで大ヒットした小説です。"Rugged Dick" とはぼろぼろの穴の空いた服を着た主人公の少年ディックのことなんですが、靴磨きの仕事をするディックは、その正直で明るく、勇気もある性格から、その仕事を通じていろんな人に気に入られ、最後には成功するという、正にアメリカ人の心の中にあるアメリカン・ドリームを描いた作品なのですが、これが、真面目に働けば自然とお金持ちになる、お金持ちになったら自分が稼いだものを社会に還元して次の人がより豊かになるように生きるという、プロテスタント精神と重なることは言うまでもありません。セカンドライフ→おんぼろディック→マックス・ヴェーバーと連想して、いかにもアメリカ発らしいしくみだなぁ、と思ったのでした。

そして更に連想が進んで思い出したのが「わらしべ長者」という日本の昔話。これはお金もなく仕事もない男が、どうしたものかと観音様のところに行ったら「今から歩き始めて最初に手にしたものを大切に持っていなさい」というお告げがあり、これはありがたや、と歩き始めたらいきなり躓いて、思わず藁を掴んでいた、という話ですね。で、こんなもん持っててもなぁ、と思いながらその藁を振り回しながら歩いていると
そこに蝿だか虻だかが留まり、ブンブン言うその藁を持って更に歩いていると大泣きしていた子供がそれを見て笑い出し、欲しがるのを見て、母親がその藁をみかんと交換してくれと言う。仕方なくみかんと交換して今度はみかんを持って歩いていくと、今度は喉が渇いている商人と出会い、そのみかんと反物を換えてくれと言う……というような感じで交換交換を繰り返して最後には長者になったというお話。

セカンドライフではお金がなくても生きていけますが、それではただ世界の中をうろうろするだけで終ってしまいます。何かしようとするとお金が要ります。が、0から始めて、どうやってお金を手に入れるかとなれば、これはもう、誰かに雇われて時間でお金を貰うか、物を売るしかないですね。自分には何が売れるか、売れるものがあるのか? そんな時このわらしべ長者の物語が思い出されるのです。自分は何も持っていないと思っても、他の人には必要な何かがあるかもしれない。その何かに気づいた時からビジネスというのは始まるのかもしれませんね。

たかがゲーム、と一方では思いながら、真剣に何を売ろう、何を創ろう、と真剣に考えている自分に気づきました。自分の分身であるアバターには豊かに生きていってもらいたいものです。と、ふと、現実に戻るのです。自分は現実の世界でどのように生きていきたいのか、何を売ったり創ったりして世の中の役に立っていこうとしているのか。

それがセカンドライフほど真剣に考えられないのは、案外、中途半端にお金があるからなのかもしれないですね。セカンドライフのアバターのように、或いはわらしべ長者の主人公の男のように、何もないところにいる方が、仕事のこと、生きることを真剣に考えられるのかもしれません。

さて、次は何をやろう?
それでは、また。




2007年8月1日水曜日

セカンドライフに障害!〜技術的なこと

昨日から障害が出てますね、セカンドライフ。まぁ、850万近い人が登録してて、常に3万人前後の人がアクセスしてるわけですから、サーバがダウンしても当然と言えば当然でしょうが。

リンデン・ラボの公式ブログによると、アメリカの時間(=セカンドライフ時間)で28日の午後4:56と言いますから日本では日曜の朝8:56頃からセカンドライフをアプリケーションを立ち上げ、ログインしようとすると「Error」の表示が現れる、という問題が発生し——これは私も経験した——、これは数時間で解決し、その後何度かシステムが重たくなる事象が繰り返され、とうとう29日の午後8:26、日本では昨日のお昼過ぎに「検索、地図、テレポート、及び資産管理の機能がやたらと遅いか、寧ろ全く使用できない、自分の持っているリンデン・ドルの残高は "Loading" と表示される」——つまりは全く何もできない——という事態が発生、その後、懸命の努力が続けられているようですが、30日の午後6:55、日本時間今朝の10:55頃に「今晩も作業は続いています。今晩、或いは明日の朝、進展があったらご報告します」と書き込みされたのが最後となっています。試しに先程接続してみたら——こんなことする人がいるからまたまた重くなるのだ! メッ!——、地図機能、テレポート機能は回復し、一旦は移動ができました。更に、リンデン・ドルの残高については、昨晩このブログを書きながら稼いだはずの15ドルは全く反映されなかった模様で、その前の金額が表示されていました。(おーい! どこ行ったんだぁ。俺の金と時間!)が、その後は全くレスポンスがなくなりましたので、やっぱり復旧を待つしかないようですね。これだけ長い時間に渡ってシステムがダウンしたままというのはクレームものですが、彼らも、恐らくは寝るのも惜しんで最善の努力をしてるでしょうから。このブログでも進展がありましたら報告させて頂きたいと思います。

さて、実は私が参加し始めた28日の夕方、出会った人たちがテレポートできない、できない、と嘆いていたのですが、きっとこれも何か関係あるのだろうと思っています。出会う人出会う人、外人の名前はついていても、実は日本語喋る人たちでしたからね。しかもみんなセカンドライフに来たばかりの初心者の人が多くて。つまり、1日経験しただけでも、そして日本人だけでもそれだけの新しい参加者の人たちがいるわけでしょう。これは、かなり急激なスピードで参加者が増えていること、そしてシステムがそれに追い付いていないということではないでしょうか。6月に発売された公式ガイドでは450万人が参加、と書いてあり、7月に出た本では700万人と書いてあり、そして今の今は850万人ですもの! それはパンクしますよ。しかも、セカンドライフでは、殆どの処理がサーバ側で行なわれていますからね。私一人が歩いたり喋ったりするの、全部サーバでやってて、それを、そこにいる人たち一人一人について全部対応しているわけでしょう? これはサーバに負担かかり過ぎますよ。

ここで技術的なことを少し。最初に接続した時から時々停まってしまうので閉口していたのですが、これには原因が3つ考えられますね。

1. 自分が使っているパソコンのスペック(能力)
2. 自分が使っているプロバイダの回線状況
3. セカンドライフのサーバの状況

今回はもう、3.が理由だとはっきりしましたけれども、普通は疑ってみるのは1.の自分のパソコンのスペックですよね。公式サイトを見ると、これは結構スペックの高いパソコンが必要になりそうですね。特に問題がありそうなのがグラフィックボード。但し、Macintoshユーザの方について言えば、今売っているIntel Macであればほぼスペックは満たしていると考えてよさそうで、敢えてグラフィックボードを購入する必要もなさそうですね。私のMac BookにはIntelのボードが入っているようですが、公式サイトで推奨されているボードの中にはそれは入っておらず、寧ろ「Intelの表示のあるボードはセカンドライフに対応していません」というような表記まであるので、ダメモトで始めたのですが。なので、Intel Macユーザの方なら取りあえず安心して始められるのではないかと思います。G4とか、あとWindowsの方はよく行くお店とかで相談した方がいいかもしれませんね。

あと、当然、2.の回線の問題はあるでしょうね。やっぱり回線が混みやすい時間帯は、これは普通のWEBを見てても遅くなりますからね。"camping" という、その場でじっと椅子に座ったり(いわゆるサクラですね)、ペンキ塗ったりしてお金がもらえる仕事があるのですが、ADSLモデムを見ていると、こういうじっとしているだけの時でもLANのアクティビティを示すランプが激しく点滅しているのです。セカンドライフではデータの送受信量がかなりのものになるようです。(そうそう、なので、もしADSLモデムなどが何も反応していないようでしたら、それはもう、サーバと切れてしまってると考えてしまった方がいいかもしれません。こういう時私は結局再起動しています。)

まぁ、何れにしても重たいです。フラストレーションなく遊ぶには、やっぱりハイスペックのパソコンに光回線、ということになるんでしょうかね。

さて、障害とはっきりわかりましたので、こういう流れになってしまいましたけれども、本来お伝えしたかったのは、先程話題にしました「テレポート」の仕方です。これができないと全くもって動けないですからね。

一番簡単なのは、右下の方にある「地図」ボタンを押すと今自分がいる所の地図が画面一杯に表示されますが、その右の方に「私の友だち」「私のランドマーク」と右側に検索ボタンのついたブランクのボックスがあると思います。このボックスにガイドブックなどで見つけた自分の行きたい場所を入力、検索ボタンを押します。するとその下に検索結果が現れ、その座標が画面中央に表示されます。ここで「テレポート」ボタンをクリックするとその場所に移動できます。

まぁ、最初はそこから始まるんですが、毎回これをやるのは面倒ですね。そこでちょうどネットで「お気に入り」に登録する要領で「ランドマーク」に登録しておくと、先程の「私のランドマーク」にリストが追加され、そこから選ぶだけですぐにテレポートできるようになります。「ランドマーク」を登録するのはメニューバーの「世界」メニューをクリックして現れるリストから「ここにランドマークを作成」を選択すればOKです。

それでもなかなかうまくテレポートできない、という人は——。「フレンド」=友だちにテレポートをお願いすることもできます。友だち同士になると、自分のいる場所に友だちをテレポートさせて連れてくることができるのです! (これが現実にできたらいいよね!)ということもあって、早くいろんな人に話しかけて気に入った人をフレンドにすることが結構重要なことになってきますね。

それでは、また。
まずは復旧を待ちましょうか!