前にAbleton Liveの話を書いたので、
ここで少し僕自身のこうしたソフト、所謂DAWに対する
思いのようなものについて触れておきたいと思う。
長い文章になると思うので、飛ばして頂いて構いません。
そもそも僕がMacを使うようになったのは、
音楽制作がやりたかったからで、
MIDIという企画が決まる前後は楽器を自動で動かそうとすると
それにはシーケンサーという「ハードウエア」が必要だったんです。
最近、KORGがステップシーケンサーのSQ-1を復活させて
話題になっていますけれど、
そう、初期の頃のシーケンサーはあんな感じのもので、
しかも、16ステップとか32ステップとかなので
アルペジエイターには使えても1曲まるごとというのは無理。
それも曲となると複数の楽器を同時に動かしたいわけでしょ。
そこでローランドからMC-4とかMC-8とかいう
ハードのシーケンサーが出ていたわけですけどね。
YMOのステージでも使われていたものです。
でも、こうしたシーケンサー、
どちらかと言うと数字で楽譜を入力していく感じなのです。
なので結構面倒くさい。w
その後ローランドからもSH-101の兄弟みたいな
MC-202が出たりとか、KORGのSQD-1だったかな、
だんだん楽譜的なノリで音を記録できるものが出て来ます。
最終的に僕が使っていたのはヤマハのQX-3ですね。
なんだけれども、こうしたハードのシーケンサーは
ディスプレイが小さいこともあって全体が見渡せない。
その頃既にMacの世界ではPerformer, Vision, Notator Logic
なんていう音楽制作ソフトがあって、
要はより直観的に音楽制作に取り組めるというので、
そうした環境への乗り換えをずっと考えていたのです。
Notator Logicは今のLogic Proの前身で、
「Notator」の名前の通り、楽譜作成に優れていて、
最も高級なイメージがありましたね。
シーケンサーとしてはPerformerとVisionが人気で、
殆どこの2つで市場を二分していたんじゃないでしょうか。
それでいろいろ雑誌読んで調べたり、
あと、一緒にバイトしていた人がEZ Visionを使っていたりで
いろいろ比較した結果、Visionを使うことにしたのです。
創業者のデヴィッド・オッペンハイムと思しき
ぶっ飛んでるお兄さんがキーボードを弾いてるロゴや
画面全体の楽しい色遣いが気に入った、というところでしょうか。
そのロゴが出ているStudio Vision Proのスプラッシュ画面を
ここに載せておきますね。
スタンダードバージョンのVisionでは、
このお兄さんのロゴがでっかく全面に出てました。
このソフトを使った音楽制作は快適でした。
今はマウスを使ったり、iOSでは指でなぞって入力するのでしょうが、
キーボードから直接、数字キーの4で4分音符、6で16分音符と、
いちいちクォンタイズを切り替えなくても
一発で音符を入力出来るのが好きでしたね。
素早く操作できるので、楽譜を入力するのが苦にならない。
あと、このソフトが独特だったのは、
1つのファイルが複数の「シーケンス」から構成されるという点。
つまり、1つのシーケンスはある音楽の部分でしかないわけです。
これは、どういうことかと言うと、ある音楽を作る時に、
必ずしもイントロから順番に思い付くとは限らないですよね。
サビからだったり、バースからだったり。
あと、アレンジだって、あとから変えたくなる時もあります。
イントロなしでいきなりサビから始めるのをライブ用に作ったりね。
そこで、そうした部分部分をシーケンスとして作っておいて
あとで好きに並べ替えられるような方法が前提だったんですね。
そして、ここまで書くと想像できるでしょうけど、
シーケンスの中に別のシーケンスを呼び込むこともできたわけ。
それぞれのシーケンスは並べた順にキーボードのA, B, C.. のキーで
一発で演奏を開始するようになっているので、
ライブでのアレンジの変更や曲順の変更が簡単だったんです。
画面は僕の「ONE」の画面ですが、今思い出したけど、
これ、ああでもないこうでもないって、
いろんなバージョンが存在したみたい。w
そこでシーケンスAとシーケンスBの2つ見えますよね。
この機能は、実は、SLを始めてライブをやるようになってから
頻繁に使うようになりました。
お客さんの反応を見て演奏する曲やその順番を変えるので、
ライブ用のファイルに演奏予定の曲を
シーケンスとして並べておいて、切り替えながら演奏してました。
そんなわけで、打ち込みにもライブにも
とても使い易くて便利なソフトだったんだけど、
2000年頃から、経営難から行き詰まって開発が中止になり、
当時日本の代理店だったカメオからCubaseへ乗り換えるよう
案内が来てたんだけど、確かにリアルな画面はおもしろかったけど、
Visionでいいなと思ってる機能が不足してて
そのままにしちゃってたんですね。
でも、さすがにSLでライブをやるようになると
機材をいろいろ入れ替えたりして、
ヤマハのUSBミキサーについていたCubase Aiを
これまで使ってきていたわけなんです。
まぁ、基本的なところはそれでも不足ないですからね。
で、更に今回の機材入れ替えで、どうするかいろいろ考えた時に、
打ち込みだけならどのソフトでもあまり変わらないかな、と。
CubaseとかLogic Proは結局80年代からの伝統を
受け継いでいますからね。
でも、今の自分は結構ライブとかやってますからねぇ。
で、ライブであんまりおんなじことはしたくないですからねぇ。
そうすると、かつてVisionで出来たようなことができるのは、
実はAbleton Liveかな、っていうのが今の結論。
アレンジビューとかセッションビューとか
最初は戸惑いましたが、セッションビューて
要するにVisionのシーケンスの考えに似てるな、と。
MIDIもオーディオもクリップとして取り込んで
全部同期させちゃうのもおもしろいなぁ、って。
そんなわけで、Ableton Liveを使った実験を
これからのライブでちょくちょくやってみようと思っています。
お楽しみに。
ここで少し僕自身のこうしたソフト、所謂DAWに対する
思いのようなものについて触れておきたいと思う。
長い文章になると思うので、飛ばして頂いて構いません。
そもそも僕がMacを使うようになったのは、
音楽制作がやりたかったからで、
MIDIという企画が決まる前後は楽器を自動で動かそうとすると
それにはシーケンサーという「ハードウエア」が必要だったんです。
最近、KORGがステップシーケンサーのSQ-1を復活させて
話題になっていますけれど、
そう、初期の頃のシーケンサーはあんな感じのもので、
しかも、16ステップとか32ステップとかなので
アルペジエイターには使えても1曲まるごとというのは無理。
それも曲となると複数の楽器を同時に動かしたいわけでしょ。
そこでローランドからMC-4とかMC-8とかいう
ハードのシーケンサーが出ていたわけですけどね。
YMOのステージでも使われていたものです。
でも、こうしたシーケンサー、
どちらかと言うと数字で楽譜を入力していく感じなのです。
なので結構面倒くさい。w
その後ローランドからもSH-101の兄弟みたいな
MC-202が出たりとか、KORGのSQD-1だったかな、
だんだん楽譜的なノリで音を記録できるものが出て来ます。
最終的に僕が使っていたのはヤマハのQX-3ですね。
なんだけれども、こうしたハードのシーケンサーは
ディスプレイが小さいこともあって全体が見渡せない。
その頃既にMacの世界ではPerformer, Vision, Notator Logic
なんていう音楽制作ソフトがあって、
要はより直観的に音楽制作に取り組めるというので、
そうした環境への乗り換えをずっと考えていたのです。
Notator Logicは今のLogic Proの前身で、
「Notator」の名前の通り、楽譜作成に優れていて、
最も高級なイメージがありましたね。
シーケンサーとしてはPerformerとVisionが人気で、
殆どこの2つで市場を二分していたんじゃないでしょうか。
それでいろいろ雑誌読んで調べたり、
あと、一緒にバイトしていた人がEZ Visionを使っていたりで
いろいろ比較した結果、Visionを使うことにしたのです。
創業者のデヴィッド・オッペンハイムと思しき
ぶっ飛んでるお兄さんがキーボードを弾いてるロゴや
画面全体の楽しい色遣いが気に入った、というところでしょうか。
そのロゴが出ているStudio Vision Proのスプラッシュ画面を
ここに載せておきますね。
スタンダードバージョンのVisionでは、
このお兄さんのロゴがでっかく全面に出てました。
このソフトを使った音楽制作は快適でした。
今はマウスを使ったり、iOSでは指でなぞって入力するのでしょうが、
キーボードから直接、数字キーの4で4分音符、6で16分音符と、
いちいちクォンタイズを切り替えなくても
一発で音符を入力出来るのが好きでしたね。
素早く操作できるので、楽譜を入力するのが苦にならない。
あと、このソフトが独特だったのは、
1つのファイルが複数の「シーケンス」から構成されるという点。
つまり、1つのシーケンスはある音楽の部分でしかないわけです。
これは、どういうことかと言うと、ある音楽を作る時に、
必ずしもイントロから順番に思い付くとは限らないですよね。
サビからだったり、バースからだったり。
あと、アレンジだって、あとから変えたくなる時もあります。
イントロなしでいきなりサビから始めるのをライブ用に作ったりね。
そこで、そうした部分部分をシーケンスとして作っておいて
あとで好きに並べ替えられるような方法が前提だったんですね。
そして、ここまで書くと想像できるでしょうけど、
シーケンスの中に別のシーケンスを呼び込むこともできたわけ。
それぞれのシーケンスは並べた順にキーボードのA, B, C.. のキーで
一発で演奏を開始するようになっているので、
ライブでのアレンジの変更や曲順の変更が簡単だったんです。
画面は僕の「ONE」の画面ですが、今思い出したけど、
これ、ああでもないこうでもないって、
いろんなバージョンが存在したみたい。w
そこでシーケンスAとシーケンスBの2つ見えますよね。
この機能は、実は、SLを始めてライブをやるようになってから
頻繁に使うようになりました。
お客さんの反応を見て演奏する曲やその順番を変えるので、
ライブ用のファイルに演奏予定の曲を
シーケンスとして並べておいて、切り替えながら演奏してました。
そんなわけで、打ち込みにもライブにも
とても使い易くて便利なソフトだったんだけど、
2000年頃から、経営難から行き詰まって開発が中止になり、
当時日本の代理店だったカメオからCubaseへ乗り換えるよう
案内が来てたんだけど、確かにリアルな画面はおもしろかったけど、
Visionでいいなと思ってる機能が不足してて
そのままにしちゃってたんですね。
でも、さすがにSLでライブをやるようになると
機材をいろいろ入れ替えたりして、
ヤマハのUSBミキサーについていたCubase Aiを
これまで使ってきていたわけなんです。
まぁ、基本的なところはそれでも不足ないですからね。
で、更に今回の機材入れ替えで、どうするかいろいろ考えた時に、
打ち込みだけならどのソフトでもあまり変わらないかな、と。
CubaseとかLogic Proは結局80年代からの伝統を
受け継いでいますからね。
でも、今の自分は結構ライブとかやってますからねぇ。
で、ライブであんまりおんなじことはしたくないですからねぇ。
そうすると、かつてVisionで出来たようなことができるのは、
実はAbleton Liveかな、っていうのが今の結論。
アレンジビューとかセッションビューとか
最初は戸惑いましたが、セッションビューて
要するにVisionのシーケンスの考えに似てるな、と。
MIDIもオーディオもクリップとして取り込んで
全部同期させちゃうのもおもしろいなぁ、って。
そんなわけで、Ableton Liveを使った実験を
これからのライブでちょくちょくやってみようと思っています。
お楽しみに。