SilkRoadのゴレスターンという私のイスラーム風庭園にはモスクがあって、その中では写真展を開催しているのですが、この日曜日から内容が変わりました。題して「イスラームの造形展(2)〜エスファハーン」。イランはエスファハーンのスィ・オ・セ橋とマスジェデ・ジャーメの写真を中心に3月1日までお届けします
スィ・オ・セ橋の「スィ・オ・セ」とはペルシャ語で「33」のこと。橋桁の間が33あることからこう呼ばれるのですが、この名称を聞いた時、私は、もしかして京都の「三十三間堂」ってペルシャ起源? とか思っちゃいました。単なる偶然とお笑いになる方もおありでしょうが、有名な東大寺二月堂のお水取りはもともとゾロアスター教起源の儀式で、古代の日本にはペルシャの文化がいろいろと入ってきていて、私はお盆も仏教というよりはゾロアスター教起源のものだろうと考えているくらいです。三十三間堂の建立に当たって、ペルシャ文化やゾロアスター教の影響がなかったとは言えません。
この橋が美しいのは、この橋が架かる川がまたザーヤンデ川=「生命の川」といって、実際、エスファハーンという都はこの川を中心にして緑豊かで美しい街となっているのです。初めて飛行機でこの都行った時は驚きました。というのも、飛行機が降りて行くのはどこまでも砂漠が広がる土地で、そこに引かれた多数の筋は、そこに川が流れていたのだけれど今は干上がっているのだということが誰の目にも明らかな大地だからです。本当にこんなところに「エスファハーン・ネスフェ・ジャハーン」つまり「世界の半分」とまで言われた都があるとはとても思えなかったのですが、実際に着いてみるとこの街だけは豊かな水と緑に恵まれ、それが真っ青な空とコントラストをなしてとても美しいのです。その水と緑の中心に架かるのがこのスィ・オ・セ橋。青い背景に白く浮かぶ昼の姿も素晴らしいですが、夜には点灯されて、それが川面に映る様子が何とも幻想的で美しいのです。橋の下はチャーイハーネ(喫茶店)になっていて、家族や友人が集ってお茶を飲み、或いは水タバコを吸い、憩いのひとときを過ごす場になってます。ゴレスターン地下のチャーイハーネはこの時の体験を基にしているのです。
一方、マスジェデ・ジャーメはイランと言わず、イスラーム世界を代表するモスクの一つであると言ってもいいですね。マスジェデ・ジャーメとは「金曜モスク」のこと。エスファハーンというと必ず出て来る、有名な青いマスジェデ・エマームはペルシャ建築、美術の最高峰ですが、マスジェデ・ジャーメの方は8世紀から14世紀まで600年にわたって増築、改築され続けたという建物で、建築された年代によってそのスタイルが異なるのです。最も古い部分では初期のイスラーム建築、芸術の姿を見ることができるのです。イスラーム建築の魅力の一つに、ムカルナスと呼ばれるものがあり、よく、ドームの内側などに、小さな、ドームを割ったような貝殻をたくさん並べたようなものがびっしりと並べられていて、その造形の美しさに圧倒されますが、あれはもともとは四角い建物の上に丸いドームを載せるための工夫なのです。正方形から正八角形へ、そして……どんどん辺と辺の間を埋めて円に近づけていくアプローチなのです。その最も初期の形が今回の展示に含まれています。更に、今回の展示には、メフラーブと呼ばれるメッカの方向を示す印があるのですが、その最も古いものの一つがエスファハーンのマスジェデ・ジャーメにはあり、それもご覽頂くことができます。
なかなか普段目にすることのないイスラーム芸術の世界、貴重な写真も含まれておりますので、是非一度お立ち寄り下さい。
GOLESTAN - Lifeboound Garden
http://slurl.com/secondlife/SilkRoad/26/209/26
セカフェス4に黒縞屋が出演!
3 年前
3 Responses to “SilkRoadの写真展模様替え!”
Hiroshiさんのblog読むたびに、見識の深さに脱っパン(もとい、、、w )脱帽致します。
また、見学に参ります、私の写真展いつになれば、更新されるやら、、、、ww
いつもありがとうございます。
見識の深さ、とはお恥ずかしい。
恐縮です。
それにしても、、、
くれぐれも脱っパンはしないで下さいね。(^_^;
あはは^^^
Leave a Reply