既にいろんな方々が書いていらっしゃるでしょうから
情報としては古くなってしまったかと思いますが、
これまで環境SIMの問題についてはずっと訳して参りましたので、
改めてここに本日のM・リンデンさんの発表の全文を
翻訳しておきたいと思います。
例によって非公式な翻訳であり、
誤訳等の文責は全てHiroshi Kumakiに帰するものです。
原文はこちら。
http://blog.secondlife.com/2008/11/05/a-letter-to-second-life-residents/#more-2778
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M・リンデンです。私共の環境SIMについての発表について、ご心配や建設的なご提案を頂いた皆様に深く感謝したいと思います。私共は皆様のご意見に対して慎重に耳を傾け、最初に発表した計画に修正を加えることと致しました。
ここで、方針の修正内容に入る前に、私共がどのような決断をしたかについて述べ、そして皆様からのご意見を要約してお伝えしたいと思います。環境SIMが導入された当初は、リンデン・ラボはプライベートSIMのオーナーに対して、オープンな場所である環境SIMをご自身のSIMに追加する機会を提供しましたが、これは海や公園といった、軽い使用法に限ってのことでした。が、この時私共は環境SIMをガチガチに作り込んで、細かい、量的な制限を設けることは致しませんでした。何故でしょう? それは単に次の2つの理由によります。
1. 皆さんもよくご存知のように、あるSIMのパフォーマンス(性能)というものは多くの要因によって影響を受けていて、それもそれぞれーーつまり、スクリプト、プリム、アバター、メディアといったそれぞれーーが互いに複雑に関係しながら影響を受けているのです。これらSIMのパフォーマンスに影響するあらゆる変数に対して制限を加えることで、皆さんのセカンドライフでの経験や創造性までもが制限されてしまうようなことはしたくなかったのです。それはリンデン・ラボは常に自由な形態をとってきており、セカンドライフの住民の皆さんが本来お持ちの善意というものを信じているからであり、また、制限を加え、それが確実に実行されるようにするにはそのための要員を雇わなければならないからです。
2. この環境SIMという商品を、私共は早く世に出したいと思っておりました。環境SIMはあっという間に広がりました。海を追加したプライベートSIMのオーナーもいらっしゃいますし、公園を作った方もいらっしゃいます。それは私共が意図した通りの使い方でした。が、多くの方々が環境SIMに作ったのは巨大な帝国でした。豪華壮麗な建物、美しいレンタル用の土地や建物、その他大きな建造物などを作ったのです。環境SIMのオーナーは他のオーナーの方々と同じCPUに同居している状態ですので、もしあるオーナーが海として使っている一方で別のオーナーが遊園地のような場所として使うとしたら、共同で使用しているこのCPUは過負荷状態となってしまいます。本来意図された通りの方法で使用している海を愛するオーナーがその影響を被ってしまうことになるのです。ここにおいて私共はこうした問題を解決するために今回この問題に立ち入ることにしたのです。しかし、セカンドライフはこうした問題一つ一つに対応するには、あまりにも大きくなり過ぎていたのです。
それは多くの皆様との会話、皆様からのご意見、ノートカード、メール、お電話を通して、その良い点悪い点を整理していく過程の中で、皆さんが発信しておられるご意見の内容は多岐にわたるものの、その中には私共が実際に対応可能な3つの一貫したテーマを見出すことができました。
1. 海や公園といった、本来意図された通りに環境SIMをご利用になられている方々は現在の価格の維持を求めており、その使用法について明示的に制限が加えられることに対しては同意しても構わないと感じていらっしゃるということ。
2. 環境SIMを使用して商業行為をされている方、レンタル用に貸し出していらっしゃる方、グループ活動をそこでされていらっしゃる方々については、確かに本来環境SIMに想定されている以上の作り込みをしていることは認めるものの、大きな、しかも急激な価格の上昇に対応することは不可能であり、経営的に打撃を受けてしまうということ。
3. 中には海のように何もないところではなく、しかし遊園地のように重い所でもなく、その中間のような場所を作っていらっしゃる方は、「通常SIMのライト版」のようなものを求めていらっしゃいます。通常のSIMよりは安い価格帯で、しかもある程度のものがビルドできるようなSIMをです。
リンデン・ラボの歴史の中で、私共は3種類の土地をリリースしてきました。メインランド、プライベートSIM、そして環境SIMです。セカンドライフの他の要因がやたらと複雑であるため、価格設定に関しては複雑なシステムにすることを私共はしたくありませんでした。しかし、今や、よりフレキシブルに需要に対応するために、商品のラインナップと価格体系を見直さなければならないことは明白となりました。
1. 「環境SIM」は現在の価格のまま提供することと致します。但し、森や海といった、本来想定された用途に限ってのものとします。適正にご使用頂くために、これには技術的な制限を加えさせて頂くこととします。まず最初にアバター数、プリム数の制限から始めて、最終的にはそこで行われるイベントや広告、スクリプトなどを制限していきます。引き続き「環境SIM」をご利用になられたい方は、現行のUS$75.00/月の料金となります。但し、そのようになさりたい旨、コンシエルジュ・チームにご連絡頂く必要があります。
2. このような「環境SIM」以上のものを求める皆さんには「ホームステッド」と呼ばれる新しいラインナップのSIMに移行して頂くことをお勧めしたいと思います。これは、少ない人数に対して土地をレンタルすることが可能な程度の軽い使用目的のためのSIMです。現在「環境SIM」をお持ちのオーナーの方々に対し、半年の移行期間を設けてこの新しいSIMの価格を適用したいと考えています。この新しい「ホームステッド」もまた、技術的な制限が、まずアバター数とプリム数に、最終的にスクリプトに対して加えられます。
※2009年1月5日ーー規定に沿わない使用法をされている「環境SIM」はこの日を以て「ホームステッド」へと移行し、毎月の維持費もUS$75.00からUS$95.00に引き上げられます。この新しい「ホームステッド」については、資格を持つ教育者の方々には割引価格での提供を致します。割引率は通常のSIMと同じく約30%です。
※2009年7月ーー「ホームステッド」の維持費は月US$95.00からUS$125.00に引き上げられます。
これらの変更についての詳しい情報は、以下のナリッジベースをご覧下さい。
http://support.secondlife.com/ics/support/default.asp?deptID=4417&task=knowledge&questionID=5650
私共はこれが一番公正な方法だと考えています。ジャックと私は、今日は一日中フォーラムにログインして皆さんとこのことについて話し合ってきました。このブログの記事については、コメントの書き込みは一切受け付けません。それは、皆さんとの対話を制限したり、皆さんの自由な表現を制限したりするためでは勿論ありません。私共は住民の皆さんと会話したいと思っているのであり、フォーラムにはログインが必要だからです。これは大きな発表を行い、その事を先に進めるのに私共がとっている方針なのです。まずブログで案内する。そしてフォーラムで意見を言い、互いに話し合う、ということです。
こうした物事の進め方で私が学んだ、そして他のスタッフが改めて気づかされたことがひとつあります。それは、私共の今があるのは、いつも気持ちをひとつにし、熱心に取り組んで下さる住民の皆さんのおかげだということです。であればこそ、私共は皆さんを、できるだけ早い段階で対話に参加して頂きたい、最終的に結論を下すのはそれからにしたいと思うのです。ジャックが本件について発表を行ってから頂いたご意見はどれも実り多きものであり、そしてその殆どが、本当に、本当に建設的なものでした。セカンドライフは1対1の会話が困難な規模となっており、フォーラムも完全に対話が成立する場としては不十分なものではあるでしょう。また、私共の営業時間が不十分であるということもあるでしょう。皆さんに早い段階で対話に参加して頂ける方法についていくつか考えがあり、近々このブログとフォーラムでの会話の中でお伝えすることになると思います。
この考えについて、簡単にまとめておきたいと思います。この1年、住民の皆さんの関心事は専らセカンドライフ・プラットフォームの安定性でした。それは多くの人々の、スタッフだけではなく住民の皆さんも含めた多くの人々の努力の結果、私共は大きな躍進を遂げることができ、このことは多くの資料で裏付けることができます。クラッシュ率も低下しました。それも劇的に。これ以上何を言うことがあるでしょう? 今回の価格改定の件が出るまで、私共は顧客満足の点で好調であり、皆さんは私共がこれまで行ってきた改善についてよくわかって下さり、評価して頂いていると思っておりました。安定性の改善に関しての飛躍的成果は特筆すべきものであり、そのことは今年に入ってからセカンドライフ内の土地が大いに増加したことからもわかります。そして、その土地の増加の大部分は環境SIMによってもたらされたものなのです。初期の想定では土地は大きく広げていくものの、それに対する負荷はより低い比率で、と考えられていたのです。が、環境SIMは多くの場合、スクリプトやアバターによって過負荷状態となり、これまで成し遂げた飛躍的な安定性と同じくらいの予期せぬ過負荷状態を抱え込んでしまうこととなってしまいました。私共はセカンドライフを世界一の、最も優れた仮想世界のプラットフォームとすることにその使命を賭けております。そして事実私共は日々大きく躍進しているのです。継続的な安定性の向上というお約束を私共はこれまで実現し、証明して参りました。どんな予期せぬ拡大に直面しても、です。
フォーラムにて、皆さんからのご意見を伺えるのを楽しみにしています。
http://forums.secondlife.com/showthread.php?p=2208520#post2208520
皆さんの率直なご意見、辛抱強さ、抑制のきいた態度、そしてリンデン・ラボ、セカンドライフ全般に対して喜んで協力されようとする姿勢に感謝しております。セカンドライフは驚くべき存在です。それは、リンデン・ラボが時に不完全ながらも、常にその住民の皆さんと一緒になって、みんなが心から愛して病まない現実の世界以上に大きな、素晴らしい世界を作り上げているからなのです。
ありがとうございます。
2008年11月5日
M・リンデン
M・リンデン
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