僕が米アップル社の製品が好きなのは結局のところ、
UI がシンプルかつデザインが美しく整理されているというところだ。
例えば多くの皆さんが接しているであろう iPhone を例に取ると、
基本的な操作はタップ、ダブルタップ、フリック、スワイプ、
この4つだけだ。
どんなに新しいアプリが登場したとしても
大抵はこの4つの動きのどれかで操作できるようになっている。
その結果、ハードウェアの方にもアプリの方にも
殆ど「取扱説明書」というものが不要になっている。
英語で言う「self-explanatory」、見てすぐわかる説明不要、
そういうユーザーインターフェースになっているのだ。
これは、かつて日本のガラケーの取扱説明書が
辞書のように分厚く、しかも殆どの人が読まないという状況と異なる。
こうした説明不要の文化はアップルに限らず今や世界に広まっていて、
ユニバーサルデザインの普及と相俟って説明不要のものが増えた。
海外の製品を購入すると、説明書としては、
簡単な絵が描いてある紙が1枚入っている、そういうものが殆ど。
つまりその絵を見ただけで大体のことは使えるようになる。
そして詳細な機能説明書はサイトから PDF でダウンロードしてね、
という手順になっているものが多いのだ。
そして、ユニバーサルデザインと言えば、
日本でも東京オリンピックを機に、いろいろな標識、サインが
見直され、世界のいろんな文化的背景を持った地域から来た方にも
わかりやすいものへと変わって来ているようです。
スティーヴ・ジョブズの貢献は寧ろこうした世界共通で通じる文化を
生み出したことにあるのかもしれない。
そして僕が音楽制作でよく使っている IK マルチメディア、
ここの製品もハードウェア、ソフトウェア両方持ってるけれども
説明書はホントシンプルで、あまり詳しいことが書いてない。
「見ればわかるでしょ」というシンプルなデザインなのだが、
時々全く思い通りの機能に辿り着けず、
ネットで検索しまくることがある。
それでも大体は期待した回答に辿り着けないんだよね。
今年その IK マルチメディアの25周年記念で
前から欲しかった Miroslav Philharmonic 2 を安く手に入れたので、
徹底的にいじり倒して漸くこれまで疑問だったところがわかったので、
自分のための備忘と情報共有を兼ねてここに書いておきます。
アップルの Mac や iPhone もそうだけど、
こういう「見てわかるでしょ」的な製品は、
とにかくあちこち徹底的に触って試してみる、これしかないです。
知らないボタンを押したり、メニューを開いたりしても
大抵の場合大変なことになることはないですから。^^;
■わからなかったものベスト1:教会オルガンの Bass Pedal
Miroslav Philharmonic 2 というより1 の頃から入っている
Cathedral Organ という音源があります。
所謂「パイプオルガン」のことです。
パイプオルガンはストップの組み合わせで
多種多様な音が出せるようになっているわけで、
Miroslav Philharmonic ではそのいくつかの音色が収録されています。
その中に「Bass Pedal」というのがあって、これは「足鍵盤」のこと。
これを弾くと、「ヴゥォオオオ〜〜〜ッ」と重低音が響くんだろうと
とっても期待してキーを押したところ、何にも音が出ない。><
これはスピーカーデバイスの設定とかでなくて、
写真にあるように鍵盤が押されているのは認識されているのに、
音量は全く上がっていない状態なのです。
もしかして、サンプルファイルがちゃんとコピーされてなくて
欠落でもしているんではないかとライブラリを確認したところ
サンプルファイルに全く問題はない。
で、今回マクロの動きなども含めて確認しようと思って
いろいろいじっているうちに辿り着きました。
モジュレーションホイールをプラス方向に上げていくと
ボリュームが上がって来るではないですか!
なるほど、ベースペダルだから、エクスプレッションペダル、
或いはボリュームペダルと紐付けてあったわけですね!
で、手で弾く時はモジュレーションホィールでコントロールする、と。
いやぁ、そういう紐付けはプレイヤーが自分で好きにやるので、
最初からセットするのはやめておいて欲しかったですね。^^;
これでとりあえず長年の謎が解決しました!^^
因みにこの Miroslav Philharmonic はオーケストラ楽器の
細かい演奏法による違いなどが再現できるようになっていて、
ま、だから足鍵盤もそういうものの一つとして
そういう設定にしたんでしょうけど、
マニアックだなぁ、と思うのがモジュレーションホィールの右にある
マクロコントロールノブの1番が「Swell」となってるんです。
パイプオルガンにはスウェルボックスという大きな装置があって、
その扉の開閉でオルガンの音が大きくなったり、
或いは籠もったようになったりするわけですが、
そういうところも再現できるようになってるんですよね。
ホントマニアックだなぁ。w
■わからなかったものベスト2:リターンチャンネル
これまでも Miroslav Philharmonic の音源を
単体で使って来たことがあるのですが、
複数の音源を Miroslav Philharmonic のミキサー画面に立ち上げて
それぞれの楽器を音をここで調整したことはなかったのです。
2になってコンヴォリューションリバーブが使えるようになったので
早速試してみようとこのミキサー画面に取り組もうとしたところ、
肝腎のリターンチャンネルが見当たらない。
楽器のチャンネルも9までしか表示されていない。
ということは、これより右側にも画面が続いているということ。
こういう時は大抵トラックパッドスワイプか、
画面をドラッグすると画面が左にスクロールしてくる。。。
筈なのですが、ウンともスンとも動かない。
で、この画面のスクロールの仕方とか、説明書にないわけです。
ネットで検索しても出て来ない。
困った!><
が、画面をよ〜く見てみると、マスターチャンネルの左側下の方、
影になっているところに小さい三角マークがあるではないですか!
しかもその三角は右方向に尖っている。
ということは!?
はい、押したら出てきました。
10番以降のチャンネルとリターンチャンネルが。
リターンチャンネルの1番にはコンヴォリューションリバーブが
セットされているのと、今度は三角マークが左の方に出ています。
そしてまたまたよく見ると、影に重なって、影だと思っていたのが
実はそこにスクロールバーもあったわけなんです。
わかってしまえば何と言うことないのですが、
スクロールのボタンやバーはもっと目立つようにしてほしかったです。
説明不要の「見ればわかるでしょ」方式は同時に
「わかる人にはわかる」というものになる可能性もあるわけですね。
そういうものの一つとして、Miroslav Philharmonic にはもう一つ、
ヴァイオリンのアーティキュレーションがあって、
これもヴァイオリンやってる人にはすぐにピンと来るだろうけど
そうでない人には分かりづらいものとなっています。
これについては長くなりそうなので、また稿を改めて!
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