2025年9月2日火曜日

【イベント】 今年の Burn2 は 10/17(金)~10/26(日)開催決定!

ご無沙汰してます。ヒロシです。
前に、今はやっていることがあって SL にインすることも
こうして日記を書くことも難しいようなことを書きました。
今、抱えていた案件が2つ片付きましたので
漸くホッとして何かをやろうという心にゆとりができたところです。

と思ってカレンダーを見ると、何ともう9月ではないですか!@@
9月と言えば僕の中では10月の Burn2 の準備を
始めないといけないタイミングなので
焦って Burn2 のサイトを確認しましたよ。
期待通り、既に今年の Burn2 の予定は決まっていて
PDT で 10月17日(金)~10月26日(日)とのこと。


まだミュージシャンや DJ の募集は始まっていませんが、
既に皆さんがアート作品を展示したり
やイベントを催したりできるキャンプ会場の販売は始まってます。
ご関心のある方は是非上のリンクをクリックして
"Plot Sale Info" のアイコンから案内をご覧下さい。

さて、今年のアートテーマは、ちょうど日本時間で
今朝までやっていた RL のバーニングマンと同じ
"Tomorrow Today"――「明日へ向かう今日」といった
ニュアンスでしょうか、
夢のような未来も、最近の SF にありがちなディストピアも
ただ向こうからやって来るのではない。
今日をどう生きるかで、自分たちの夢に描く未来を
実現することができるのだ、という
とてもポジティブかつ現実的なメッセージです。
以下ご紹介しますが、例によってヒロシによる自由訳ですので
原文を確認されたい方は次のバーニングマンの
公式サイトをご覧下さい。


     *   *   *

明日へ向かう今日


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Courtesy Mike Hampton, The Burning Man Official Site


ーー私はもう自分で変えることのできないものは受け容れていません。私は自分が受け容れられないものを変え続けているのです。
アンジェラ・デイヴィス

2025年のバーニングマンは、未来というものの新しいあり方を想像し、私たちがみんなで集まって行動してそれを実現する、そんな経験へと皆さんを誘うものです。科学の進歩だけでなく、文化交流と芸術の卓越性を称えた前世紀の万国博覧会の熱狂的な精神を受け継ぎ、2025年版のブラックロック・シティは、芸術とイノベーションというバーニング・マンの地球規模の文化を披露する場となるでしょう。それは、私たちがこれから迎える未来への夢を描き、発明し、試作し、最高のアイデアを共有する場となるのです。

未来というものを自分自身に語る物語と考えると、二つの筋書きが多くの人々の想像を占めているように思えます。一つは、テクノロジーに支えられたユートピアというモダニズムのハッピーな寓話、もう一つは、ディストピアとして描かれる崩壊というポストモダンの神話です。前者は、ここのところ急速に信じ難くなって来ています。というのも、それが持続不可能な基盤の上に築かれていることを今や私たちみんなが知ってしまったからです。また、後者についても私たちはその可能性を考えたくはありありません。それはそこでは誰も生き残れない悲劇だからです。

しかし、どんなに不確実であっても、未来は私たちにとって依然として現実のものとして感じられます。それが私たち皆が、遅かれ早かれ生きることになる時間であり、空間であるからです。それはあなたにとってどのような未来でしょうか? 私たちにとっては? 私たち皆にとっては? もし未来の自分に話しかけることができるとしてら、あなたは何と言いますか? そして、その未来の自分からどんな話を聞きたいですか? 今のあなたは未来にあなたにとって、どのような先祖になるのでしょうか?

バーニングマンは今日、単なるイベント以上のものとなっており、またその地球規模の文化は強く健全です。しかし、私たちの存在が世界や日常生活に広がっていくにつれ、私たちは自分たちが世界から隔絶して生きていると考えるような贅沢は最早許されないのです。世界の問題は私たちの問題であり、また私たちの問題は世界の問題でもあるのです。壊れたものすべてを直すことはできないかもしれませんが、より良いものを築くことはできるかもしれません。今こそ未来を取り戻そうではありませんか!

――未来は存在しない。存在するのは今と、過去に起こったことの記憶だけだ。しかし、人間は未来という概念を発明したがゆえに、今日の行動によって未来に影響を与えることができると気づいた唯一の動物なのだ。
デヴィッド・スズキ

ほとんどの生物は、終わりのない現在、あるいはより正確には、処理の遅れによって過去のほんの一瞬の時間を生きていると言っていいでしょう。しかし、更新世のどこかで、より賢い一部の類人猿が時間というものを概念化し、実際には存在しないものを心の中で形造る能力を発達させたのです。未来とはそうしたものの一つで、それは有用でしたが、それほど有用とも言えませんでした。なぜなら、物事というものは殆どの人々にとって、非常に長い期間にわたってほとんど変化しなかったからです。そして数百年前、変化のペースは突然、ゼロから目もくらむほどに加速したのです。電灯! 室内配管! エスプレッソマシン! やがて、ゆっくりとした進歩は、今日私たちが知っている全力疾走へと変わり、未来という概念が再び注目を集めるようになった。

後に万国博覧会と呼ばれるようになる最初のものは、1851年のイギリス万国博覧会でした。この博覧会では、初期のファックス機など、最先端技術が披露されました。20世紀までに、この先端技術を駆使した未来像は西洋文化の神話の一部となり、「黄金時代」SFの空想的な散文に補完され、映画、テレビ番組、テーマパークを通して大衆文化に具現化されました。そしてもちろん、広告もその一つでした。万国博覧会は、遅かれ早かれ誰もが欲しがるであろう新進気鋭の製品のお披露目パーティーでした。振り返ってみると、モダニズムの未来神話は、何よりもまずマーケティングの物語のようでした。それは、セクシーなロボットや空飛ぶ車が登場する魅力的な物語でしたが、しかしなお、終わりのない成長と無限の資源という、持続不可能な基盤の上に築かれていたのです。

――ユートピアへの道の途中で、未来はガス欠になったようだ。
ラリー・ハーヴェイ

「ディストピア」という言葉は何世紀も前から存在し、元々はトマス・モアの夢想的なユートピアに対する皮肉として対比的に造られた言葉です。が、文化的な観点から見ると、ジョージ・オーウェルがその著『1984年』を出版するまでは、それほど大きな話題にはなりませんでした。この作品は、永続的な戦争と監視社会を描いた暗い物語です。こうして、惑星の破滅、社会崩壊、そしてAIによる殺人ロボットといっ​​た、ポストモダンの未来神話が誕生したのです。

永遠の進歩を謳うモダニズムの物語と、不可逆的な破滅を謳うポストモダンの物語、この二つの神話構造の文化的重みを理解することが重要です。先を予見するということは、時と共に次第に深化し、より正確なものになっていくものの、常に欠けたところがある不完全なものです。私たちが心に生み出すあらゆるモデルがそうであるように、先見性とは定義上不完全なものです。そして、怠惰な人間計算機である私たちは、大衆文化から吸収したミームをそこに入力してしまうのです。ちょうど、人生の意味とは猫の動画のことである、と結論づけた有名な AI のように、ディストピア的な考え方に十分曝されて来た私たちは、ゾンビは実在するとどこかで信じ始めているのかもしれません。

完璧だが実現不可能なユートピアと、誰も望まない恐ろしいディストピアという両極端の間に、未来への第三の道、すなわちプロトピアが存在する。作家であり未来学者である(そして長年のバーニングマン参加者でもある)ケビン・ケリーは、着実な進歩に基づく未来、つまり今日よりも良くはなるが完璧ではなく、そして挫折も伴う未来を描写するのにこの言葉を生み出したのです。それは貪欲や絶望に基づくものではなく、ゆっくりと、一歩ずつ、すべての人にとって世界をより良くしていくための努力に基づくものです。言い換えれば、バーニングマンの世界で私たちが奨励し、重視している反復的なアプローチによく似ていると言えます。

――振り返ってみなければ、1%の違いは分からない。でも1%ずつ100年間続ければ。それは大きな違いだ。
ケヴィン・ケリー

バーニングマンはユートピア社会ではないし、そもそもそう意図されたものでもありません。しかし、バーニングマンは影響力のある文化運動であり、社会実験であり、新しい解決策のプロトタイプを作るための他にはない機会となっています。持続可能性ロードマップ10年間の折り返し地点を迎えた今、私たち自身、環境、そして「燃やす」ために必要な資源との間に、より調和のとれた関係を築くにはどうすればよいかを考えるにはちょうどよい時期です。私たちは、プロトピアニズムの精神に基づき、今後数十年にわたり深刻化する気候危機に直面しながらも、人類が生き残り、繁栄するための方法を模索しています。私たちの強みは、私たちの精神、すなわち共同体の力、ポジティブな痕跡を残すことへのコミットメント、そして何よりも「心を開く行動を通して世界を現実のものにする」という参加の原則にあります。

今年のブラックロックシティイベントは、万国博覧会の希望に満ちた精神に再び火を灯すことを目指します。その原動力となるのは、消費主義ではなく、互いに学び合い、より良い未来に向けて共に前進していくという共通の関心です。アーティスト、キャンプ主催者、そしてあらゆる分野の文化貢献者の皆様には、プロトピア的な未来へのビジョンをお持ちいただくようお願いいたします。私たちが直面している課題の多くは地球規模のものですから、世界中のバーニングマン・コミュニティの皆様には、ブラックロック・シティであれ、世界各地での地域活動であれ、この取り組みにご参加いただくようお願いいたします。

昨今、心が折れるような出来事は絶えません。私たちのイベント、私たちの社会、そして地球そのものが、かつてない困難に直面しています。しかし、私たちは行動力に富み、行動力のある集団です。行動を起こさないではいられない、豊かな能力が集まった集団なのです。ですから、未来を想像するとき、あなたはその中でどのような役割を果たすでしょうか? あなたはどのような人物としてそこに現れるのでしょうか? ヒーローとして、それとも犠牲者として? 私たちが想像する未来がどのようなものであれ、それは私たちの方にやって来るものではありません。それは、私たちが自ら出かけて行き、実現させていくものなのです。

     *   *   *

そう、今、 AI の問題とかがやかましく言われる今、
カーボンゼロに向けた取り込みも問題があると言われる今、
科学の進歩がユートピアよりディとピアに向かっているように
見えてしまっている今、
ケヴィンの「プロとピア」という考えは説得力があります。
小さな一歩一歩でも、よりよい世界、
誰もが豊かで幸せに生きていける未来を
僕らは作っていくことができる――思い返せば、
自分が 2007 年に SL を始めたのも、それまで難しかった
世界中の人々と、仲間と繋がっていければ
そんな社会、世界は実現できると感じてのことでした。
Burn2 ではこれまでいろんなテーマがありましたが
僕にとって今回のテーマは最も腹落ちのするものです。
まだライブの日程は決まっていませんが、
このテーマを表現するような楽曲を準備しますので
是非皆さん楽しみにしていて下さい。
よろしくお願いします。