今年のはじめに、スタインバーグの音楽制作ソフトCubaseの
iPad版が出た! という記事を書きました。
これによって、iMS-20やAnimoog、Rebirthといった
iPad用のシンセを使った、RLのスタジオと同じような環境が
iPadの中でできてしまうと期待したわけです。
【iPad】CubasisとGaragebandの間
ところが、実際に使い始めてわかったのが、
iPad用のCubasisは、オーディオに関して言うと、
iPad外部の音源とはインターフェイスがあるものの、
例えばiMS-20など、iPadシンセが出している音を
そのまま取り込むことができないという致命的な欠陥がありました。
なるほど、AudioCopy、AudioPasteというのはあるけれど、
iPadアプリ内のリアルタイムでの音の受け渡しって、
よくよく考えてみるとこれまでなかったかもですね。
そこで調べてみてわかったのがAudiobusというアプリ。
Audiobusはその名の通り、
iPad内で音を出したり取り込んだりするアプリの間で
オーディオのルーティングを行うアプリなのです。
つまり、RLのスタジオで、ミキサーやパッチベイを使って
楽器や機材をケーブルでつないでいくような感覚で
インプット/アウトプットをつないでいくものなのです。
アプリ間でリアルタイムで音のやりとりができるので、
このアプリがiPadでの音楽制作に与える効果は絶大なものがあり、
主要な音楽アプリが次々にこのAudiobusへの対応を行っています。
そして、勿論Cubasisもこれに対応したのでした。
Audiobusの便利なところは、つながっているアプリ間での
画面の切り替えがスムーズにできるので、
例えば実際のスタジオでも、シンセをいじりながら、
PCのDAWソフトの画面を操作したりということがあるわけですが、
殆ど同じ感覚で、全く違和感やストレスなく作業できるところが
実に素晴らしいのです。
そんなわけで、Cubasisを使った実験を含めて、
1月26日のkumamaでのライブで行った即興演奏の
スタジオバージョンの制作を始めたのですが。。。
2月の終わりでしたか、とんでもない1週間がありましたね。
その1週間の間に、あのTraktorのiPad版が発売、
続いてNovationのLaunchkeyのiPad版、
そして極めつけはArturiaがMinimoogのiPad版iMiniを発売、と、
メジャーどころのiPadアプリが次々にリリースされました。
キーボーディストとしては、特にArturiaの参戦は、
同社が出しているProphet 5やJupiter 8のソフトシンセの
iPadへの投入を期待させるものでもあり、大歓迎なのでした。
それで、kumamaライブのスタジオ版では、
ライブの時に使ったリードシンセをAnimoogから
iMiniに変更することを考えてみたわけですが、
これがなかなか難しいことがわかりました。
iMiniが前述のAudiobusに対応していればいいのですが、
寧ろこちらが対応しているのはTabletopというアプリ。
Tabletopは、これまたiPad上でスタジオを構築できるアプリで、
現在これに対応しているメジャーなアプリはそのiMiniと、
AKAIのiMPCくらいのもの。
Tabletop自体はAudiobusに対応していないので、
CubasisにiMiniの音を取り込もうとすると、
Tabletopで録音したものをAudioCopy/AudioPasteで
Cubasisに渡すことになります。
即興屋としてはこの辺がちと面倒なところ。
iMiniはリードのメロディを担当するので、
本来は一番最後に録音すべきところ。
なので、iMiniのパートを録音するには伴奏が必要で、
一旦Cubasisで作成した伴奏パートをAudioCopy/AudioPasteで
Tabletopに持ってきてから、それを聞きながらの録音になります。
ここでちょっと残念なのが、Tabletopでの録音は、
ブロックと呼ばれる単位ごとに行うことになり、
そのブロックは最大32小節なので、私のように一気に録音したい場合
あらかじめ伴奏パートのシーンに応じてブロックをつなげたものを
仕込んでおく必要があるということです。
まぁ、そんなこんなしながら、試しに録音したものを
SoundCloudに上げてみましたので、よかったら聞いてみて下さい。
■Improvisation on the Rebirth Track "No Sun" by Action
https://soundcloud.com/hiroshi-kumaki/improvisation-on-the-rebirth
前にも使わせて頂いたActionさんが
Rebirthで制作されたトラックをベースに
iPolysixでの伴奏、Animoogによる効果音、
そしてiMiniのリードをCubasis上で重ねて作ってみたものです。
さて、こんな風に、これまで買い込んで来たiPad用の楽器アプリ、
CubasisやTabletop、Audiobusによって統合されてきたようです。
iPadによる音楽制作、ますます本格的に、
ますます楽しくなってきそうです。^^
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