あっという間に10月も半分終わりましたよ。
そして今日は10月18日(金)!
そうです、アメリカの時間でこの日、2024年の Burn2 の開幕です!
アメリカとはほぼ半日時差がありますから、
実際には日本時間では明日の未明から朝にかけてですね!
まだあまり告知らしい告知がされていないので、
皆さんにはまず Welcome Area ともいうべき場所の SLURL を
お伝えしておくことにします。
まずはこの場所から西に向かってブラブラと見物して回ることを
お勧めしておきますね。
■Welcome Area
んで、じゃあ今回はどんな催しになるのか、ということで、
Curiouser & Curiouser と題された今年の趣意書を
自由に日本語にしてみましたのでご参考にしてみて下さい。
原文はこちらになります。
■2024 Art Theme: Curiouser & Curiouser
* * *
「不可能なことを達成しようと思ったら、馬鹿げたことを成し遂げられなければならない」——ミゲル・デ・セルバンテス
2024年のバーニングマンのテーマは、答えのないパズルを称え、非合理で不条理なものを受け入れ、全く知らない人々をお茶に招待することにあります。というのも、私たちが最も深く学び、成長し、創造性を経験するのは、時を超えて何も知らない状態になっている瞬間、好奇心というものに完全に取り憑かれている瞬間のことだからです。偉大な発見の旅というのはどんなものでも疑問から始まるのです。好奇心がパチパチとひらめくあの瞬間がなければ、それはどんな行動も起こせるものではありません。不合理という空虚な世界を見つめる時こそ、私たちは驚異というものがどれだけ驚きに満ち、畏怖の対象がどれだけ畏れ多いかということを体験するのです。そしてこうした経験をするとそれはどうしても、より高度な疑問を投げかけることにつながっていくのです。即ち、私たち人間がロボットより優れた存在であらしめているのは結局何であるのか、と。
驚きというものが持つ魔法は、眠った状態にある私たちを驚かして目覚めさせ、正に生きている瞬間へと戻す力であると言えます。研究によると、平均的な人間は、平均的な一日の約半分の時間は自動操縦で動いていて、しかも同時に何か他のこと(例えば猫の動画のこととか)を考えているというのです。どんなに状態のよい日であっても、自分が信じていると思うことだけを信じ、引かれた線の内側に留まっていることが楽なのです。教育制度は、標準テストに出て来るあらゆる質問に対する答えを私たちの頭に詰め込みますのから、私たちは日々着実に、テストに出て来ないものを想像する能力を失っていくのです。そう、時には、ウサギの穴に落ちたり、応接室の鏡を通り抜けたりする必要が私たちにはあるのです。本当はいつもずっとそこにあった奇妙でへんてこな世界に出会うために。そう、それはオズの竜巻に乗ればすぐのところ、或いは妖精の国で3つの願いをかなえればすぐのところにあるのです。鳥居を潜って精霊の世界に入ったところ、或いはちょっとロケットを飛ばしてアンティクトン、即ち太陽の向こう側にある反地球、何もかもが地球と反対で不可能なことは何もないという世界にそれはあるのです。
「もしわしに自分の世界なるものがあってみろ、何もかもが意味をなさない馬鹿馬鹿しいものになるぞ。何一つそれがあるものではなくなるのだ。なぜなら、あらゆるものがそれ自身ではないものになるからだ。そして反対に、それが何ものかであるとしたら、それはそのものではなくなるのだ。そして、それがそうでないものにそれはなるわけだ。な、わかるだろ?」 ——帽子屋
今回のタイトルは勿論、ルイス・キャロルが生み出したキャラクター、アリスから来ています。彼女は、何もかもが逆転して混乱した、常識の法則に当てはまらない世界を探検しながらも、いつも驚くほどシャキッとしていて、機知というものを失わないでいるのです。そう、アリスが探検するのは、よくある魔術師やドラゴンが活躍する民話的なファンタジーの世界でも、死んでも魔法で再び命が復活するようなビデオゲームのような世界でもなく、もう真の底から奇妙な、時間の蝶番が外れ、原因と結果とがお互いにぐるぐると巡り合った挙げ句に、眩暈を覚えつつも笑いながら地面にぶっ倒れるような、そんな世界なのです。人は言うかもしれませんね。それって、お伽噺というよりは、バーニングマンのブラックロックシティに似ていない? って。
そう、バーニングマンのイベントが素晴らしいと言える点の 1 つは、人をいとも簡単に、今何が起こっているのか、誰がそれをしているのか、その人は一体何故それをしているのか、全く手がかりのない状況に陥らせてくれるということです。そう、それでよいのです。実際、それこそがある種の魔法なのです。私たちはそのための準備というものをとても大切にしますし、実に皮肉と言えるほどのレベルの正確さで混乱を起こすおとを計画するのですが、それと同じくらいのレベルで、いつ何時起こるかわからない、「え? 何だこれ?」というような馬鹿げたものが飛び出す瞬間があり、正にそうした瞬間こそ、人は真剣に喜ぶという経験をし、もっと何かあるんじゃないかとこの場所に戻って来るようにさせるものなのです。
好奇心と驚きとは、単に感情が盛り上がるといった以上のもので、これによって神経可塑性(ニューロプラスティシティ)が高まるのです。神経可塑性というのは、成長と再編成を通じて脳が自らを変えていく能力のおとです。子どもがこの能力に長けていることはよく知られています。例えば、言語を学ぶ能力などがそれで、何十年もの長い間、大人は脳を再マッピングする能力を失うと考えられてきました。かつては柔軟だった思考器官が、硬直した神経経路に固まるためというのです。当然、今日の科学はこうした考えを馬鹿げたものと見なしていて、アートセラピーなどの施術を行うことで人間が物事を考える道筋をつなぎ直すことに役立つと認めています。同様に、ケタミンや MDMA(メチレンジオキシメタンフェタミン) といった神経可塑性を高める薬(ニューロプラストゲン)を治療に使用することで、PTSD などの根深い病理について脳をコーディングし直すのに役立つという展望を示してくれています。
バーニングマンの経験がニューロプラストゲンとして作用するという臨床研究はまだ行われていませんので、ここで敢えて主張するつもりはないのですが、しかし、人々が、砂漠で「変わる」経験をした、と語る時、彼らの脳では一体何が起こっているのでしょうか。研究によると、バーニングマンの参加者は、互いにつながっているという感覚が高まり、寛大さや親切さなどの社会的にポジティブな行動が増えるなど、一過性ではない、永続的な変化を経験していることが示されており、明らかに何かが起きているのです。興味深いことに、畏れというものの性質に関する研究では、畏れは、畏れに結びつく行動や知覚の変化を引き起こすだけでなく、時間の感覚を変え、私たちを今この瞬間に集中させることができると示されています。そして、私たちみんなが知っているように、「今、ここ」という感覚こそ、それ自体恐ろしいほどに素晴らしいものなのです。
「私たちが体験できることの中で最も美しいものは神秘です。それはすべての真の芸術、真の科学の源です。畏れや驚きの感覚に恍惚としていられなくなった人は、死んだも同然です。こうした人々は目を閉じて何も見えていないのです。」——アルバート・アインシュタイン
この作品が数え切れぬほど映画化され(悪夢のような 1933 年版を含めて)、テレビ番組になり、舞台化され、テーマパークの乗り物となり、さらにはオペラにまで仕立てられたおかげで、不思議の国に登場する風変わりでおかしなキャラクターたちはポップカルチャーの典型となっています。ここでわざわざうさぎの穴に落ち込んだりしなくても、ここで語られる物語の数々は、既によく使われるパターンとなっているのです。不思議の国の世界はその表面をメディアが制作する番組のためにこそぎ取られているかもしれませんが、番組にとして表現されたアニメーションのその裏には、豊かな神話の鉱脈がちゃんと残っているのです。つまり、主人公は地下世界を旅することになるわけですが、そこで主人公が何かを見出すには、正気を失っていなければならないのです。この事実こそが、アニメーションの絵がきれいだということよりも、何故アリスとその冒険とが私たちの集合意識にこれほどの永続的な影響を与えているということの真の理由かもしれません。ある勇敢な子供が、何も意味をなさない奇妙な世界に放り出され、その好奇心と勇気を使って、一体自分とはどのような存在なのかというパズルを解き明かしていくその姿にです。その設定がが不思議の国であろうと、オズであろうと、はたまた「逆さまの世界」であろうと、或いはチョコレート工場でファッジの川を漂っている時だろうと、グーニーズと一緒に地下トンネルで迷子になっている時であろうと、こうして真剣にパズルに向かっていること自体が旅であり、その旅の中で時を超えた物語の心を理解できるようになっていくものなのです。
「もし私が善良な妖精に影響力を与えることができるとしたら……世界中のすべての子供たちに、生涯にわたって消えることのない、驚きの感覚を贈ってほしいとお願いするでしょうね。」——レイチェル・カーソン
ここまで読んで頂いた皆さんには、今年のテーマが、ただ単にイモムシの着ぐるみを着て水タバコをプカプカだけのものではないことお分かりでしょう。(水タバコのキャンプを運営されている方がいらしたらゴメンナサイ)。そうではなくて、私が願っているのは、それぞれがインスピレーションを得て、お互いのために真に好奇心をそそられるようなアートや体験を生み出し、そう、そうしたものをそれぞれが持っている奇妙でへんてこなものの井戸から呼び出して、これまで想像したこともないようなありとあらゆるファンタジーの世界があることに気づくことなのです。そうした経験を通じてこそ私たちは次々に好奇心をそそられるようになるのです——そう、世界に対してもお互いに対しても。その時はじめて私たちは開かれた心や子供の頃抱いていた驚きの感覚と出会うことができるようになるのです。
お互いに驚きと喜びを与え合い、開かれた心で新しいものの見方をそして新しい生き方を身に付けようではありませんか。
* * *
はい、というわけで今年は『不思議の国のアリス』から
インスピレーションを受けてのイベントになりそうです。
果たしてヒロシのライブもアリス絡みになるのかどうか、とか、
そうしたことも含めて明日以降にレポートしていきますので
どうぞお楽しみに!
No response to “【Burn2】 いよいよ明日未明より今年の Burn2 が開幕!”
Leave a Reply