2024年11月4日月曜日

【RL】 行って来ました東京楽器博2024!

連休中日の昨日は東京・北の丸公園の科学技術館で行われた
東京楽器博2024に行って参りました。

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新型コロナの影響でそれまで2年に一度行われていた
楽器フェアが2020年以降開催見合わせとなり、
それまで毎回のように訪れていた僕は淋しい思いをしていましたが、
初めて MIDI に対応したシンセサイザー
シーケンシャル・サーキットの Prophet 600 と
ローランドの JX-3P が登場して40周年の昨年、突如、
日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)が中心となり
東京楽器博が同じ科学技術館で行われたのでした。
それから一年、更にいろんな種類の楽器メーカーも参加、
かつてここで行われていた楽器フェアでは
地下のサイエンスホールでイベントが行われていましたが
そうしたイベントも復活して、より大きな規模で開催されたのです。

僕のお目当ては勿論シンセサイザーの類ではありますが、
ドラム体験ブースでは小さな女の子がドラムを叩いていたり、
ウクレレのステージでは会場のみんながウクレレを手に
レッスンを受けていたり、なかなか微笑ましい風景もありました。
一方で、昨年以降のシンセサイザーの新製品としては、
ローランドの Juno-D とかヤマハの Montage M とか
あんまり新しい感はなくて、唯一注目していたのは
コルグが最近リリースした multi/poly ぐらいで、
これはその名前から想像できるように、コルグの往年の名器
Mono/Poly を最新の技術で復活させたもので(勿論それ以上)、
想像通りの、いやそれ以上の分厚い音はさすがコルグです。

分厚いと言えば、その multi/poly を順番待ちしてる間
触っていた opsix module もよかった!
opsix は DX7 が採用していた6オペレータの FM 音源楽器ですが、
今更 FM……と思っていたところが豈図らんや、
実際触って見ると、勿論 DX7 のあの音は出るのですが、
それ以上に DX7 が苦手とされていたぶっといアナログサウンドも
なかなか迫力のあるもので、膨大なプリセットをざっと見渡すと
最近のコルグのシンセによくあるプリセットの名前が多数あり、
これ1台で大抵のほしい音はカバーできてしまうのでは?
と思わせるほどでした。
FM 音源は、今は Arturia の DX7 がありますので
今更感はあるものの購入を検討したくなりました。w

その他には今年も REON のモジュラーシンセが出ていたのや
ブックラのシンセも展示されているのが興味深かったですが、
何より僕の興味を引いてスタッフと会話したのはこれです。

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マーシャル冷蔵庫!www
どう見てもマーシャルのアンプにしか見えないのはそのはずで、
ロゴ、ツマミ、フレットクロス、コントロールパネル、
全て純正品なんだそうです。www
価格は何と132,000円なのですが、「定期便」を申し込むと
本体は47%オフの69,690円になって、
マーシャル・ビール24缶または12缶が1年間送られて来るという。
冷蔵庫だけでなく、マーシャルのビールもあるのか!? と
これが一番欲しくなった商品でした。w
カタログのキャッチフレーズ
「ロックンロール・ライフスタイルに欠かせない1台」
というのは、うん、よくわかります。www

さて、こうした新製品たちは置いておいて、
今回のお目当ての一つで僕がまず向かったのは
セミナールームで行われた「AMEI MIDI 2.0 セミナー」でした。
これは昨年も参加して、大変刺激を受けるものがあったので
今年はどのような新しい話が聞けるかと思ってのことで、
MIDI 2.0 の内容については昨年と変わるところはなかったものの、
MIDI 2.0 の各社の対応状況は次のような感じでした。

・Apple の Mac は対応完了、DAW としては Logi Pro と
 Cubase がベロシティなどの高解像度に対応
・Windows は MIDI 2.0 用の MIDI サービスのプロとライプを
 開発完了、これから各楽器メーカーやソフトハウスに検証依頼
・ローランドはマスターキーボードの A-88MKII が
 高解像度ベロシティとコントロールチェンジに対応
・ヤマハは Montage M シリーズが高解像度ベロシティと
 コントロールチェンジやピッチベンドに対応
・コルグはマスターキーボードの Keystage や
 opsix, modewave, wavestate といった楽器と
 そのソフトウェア版、また iPhone/iPad アプリの Module が
 こちらは高解像度ベロシティやコントロールチェンジでなく
 プロパティ・エクスチェンジに対応、
 マスターキーボード側に接続している楽器の情報が
 リアルタイムに表示されるので、恰も1つの楽器のように
 キーボードをプレイできる

この高解像度というのがどのくらいのものなのかというのが
セミナーの中で紹介された動画がありますので
皆さんもこれをご覧になることをお勧めします。(1:15〜)


このくらいゆっくり変化させていくと違いがはっきりしますね。
MIDI 1.0 だとカクカクと階段状に上がっていくのが感じられます。
今までは実はこうだったんだ! という感じですね。
これは、実は僕も、特にサンプリング音源でベンダーをかけると
同じようにカクカクするのを経験したことがあり、
それが僕がサンプリング音源を嫌いな理由の一つにもなっています。
こういうのがこれから変わって行く、よりアナログに近くなる
そう考えると楽しみですね。

この MIDI 2.0 については技術的なところを整理して
昨年書くつもりだったのですが、バタバタと日常を過ごしているうち
とうとう1年経っちゃったわけですね。
はい、今度こそ書きますのでお楽しみに!

セミナーに出たあとはほぼシンセフェスタステージで過ごしました。
会場に戻って来てすぐは何と Arturia の Astro Lab のデモ。
Arturia のマスターキーボードはジョイスティックタイプでないので
これまであまり感心がなかったのですが、
これはすごいですね。
何と Arturia のソフトシンセで作った音を読み込めるので、
これ自体が一つのシンセになる感じです。
デモが面白かったのでそのあと触ってみたら、
タッチも独特ではありますが、意外といいですね。
自分の好きなようにカスタマイズできるキーボードのようです。

そのあとは生方則孝さんによる新製品 Theresyn のデモ。
その名前からわかるようにテルミンの仕組みで動かすシンセです。
フランス人のシンシアさんのキーボードとのコラボで
何ともアートな空間が広がっていました。

デモ演奏と言えば、氏家克典さんによる
PWM というイギリスのメーカーによるシンセサイザー
Mantis と Malevolent のデモもよかった。
昨年もそうですが、氏家さんがデモするものは大抵ハンパない。
実はデモの前に Malevolent は見かけたのだが
この英語、「邪悪な」という意味なので、
クスっと笑って通り過ぎたのでしたが、それは誤りでした。
その名に違わず、これぞアナログ! という感じの
過激な音を出します。
写真はこのステージで唯一 SNS アップ OK の出た
氏家さんによるデモの様子です。

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氏家さんが興にに乗って、ツマミをグイグイ回しながら
過激な音を出している感じが伝わるかと思います。

この写真の左側にあるのが Mantis の方で、
こちらは「カマキリ」という意味の英語。
緑色のボディーのトップパネル左側にカマキリの絵があります。w
どちらもヤバイ雰囲気のするネーミングですね。w

こちらはデュオフォニックということで
分厚い音がすると思ったら、何と、イギリスと言えば昔懐かしい
Oxford Synthesizer Company の OSCar の遺伝子を受け継ぐ
製品なのだそうです。
発売当時は、MIDI 付の、ミニモーグに替わるシンセとして
一世を風靡したものでした。
その遺伝子を受け継いだ Mantis、これもなかなかよいシンセです。

そのあとは「JSPA 理事たちが作る!
東京楽器博“非”公式テーマソング?!」や
ヤマハ、コルグ、ローランド3社のシンセサイザーによる
「シンセサイザーバトルロイヤル2024」を観て楽しみました。
テーマソングの方は、7人の理事がそれぞれ
楽器博のテーマを作って氏家さんに捧げるというもので、
更にその中から1位を決めようというもの。
個人的にはテーマ曲としては CM ということを考えると
野見山美貴さんのが雰囲気あって、
浅田祐介さんのはズルイと感じるほどに感動的でしたが、
最終的には鶴田美音さんの曲が1位になりました。
鶴田さんは DAW でなく、コルグの M3 1台で仕上げたとのこと、
M3 がメインキーボードの僕はおぉっ! と盛り上がりました。
いやぁ、やっぱり M3 いいなぁ。
これらJSPA 理事たちの曲は SoundCloud で聴けますので
僕が感じたことを追体験してみて下さい。w


バトルロワイヤルは、最初に3人全員でセッション、
続いて各メーカーのシンセの紹介、
最後に再び3人でセッション、という流れでしたが、
ヤマハの Montage M の紹介で大楠さんが
「友だちがいない時でもこんなことできます」と言ったのを受けて
コルグの tatsuya さんもローランドの宇都さんもそれぞれ
「このシンセでも友だちがいなくてもこんなことできます」と
それぞれアピールするところがおかしかった。w
コルグは Nautilus ではなくて Pa5X でしたが、
いやぁ、各社それぞれすごくて甲乙付けがたいですよ。
コルグの tatsuya さんはガチのピアニストと見ましたが、
ピアノは "Italian Piano" の音色を披露しておられました。
これは同じコルグの Grandstage にも入っている音ですが、
最近のクラシックのコンクールでも人気のあのメーカーの
華やかな感じの響きがするわけで、
その音色で会場のみんなを魅了していましたね。

約6時間くらい会場にいたわけですが、
なかなか刺激を受ける1日となりました。
やりかけていたあれ、またやってみようかなぁ、とかね。
そうしたものをまたどこかで皆さんにお聴かせすることが
できる日が来るかもしれません。
今日はまずこんなところで。

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