昨晩、2020年10月に行われたデビュー13周年記念ライブの
動画を YouTube にアップしました。
このライブでは、海辺で星空を見上げていた人類が
宇宙船で太陽系の外へと向かっていく様子を
9曲からなる組曲で表現しています。
その組曲の2曲目、動画では 13:43 辺りからが
「2. Space Elevator - 軌道エレベーター」という曲です。
(動画中のテロップは誤って「起動エレベーター」となってます。)
軌道エレベーターというのは何かご存じない方もいらっしゃるかと
この日記で補足しておきます。
皆さんは、人工衛星の中に「静止衛星」と呼ばれるものが
あることをご存じのことと思います。
赤道上空 36,000 km のところで地球の自転と同じ速さで
地球の周りを周回している人工衛星で、
地上から見るとずっと同じ位置に停まっているように見える
そのような人工衛星のことです。
この原理を利用して、
その静止衛星から地上に向かってチューブを垂らして、
そのチューブを伝って地上と静止衛星とを行き来する装置、
それが軌道エレベーターです。
これからの宇宙時代、人やモノを大量に宇宙空間に運ぶ必要が
出て来ると思いますが、その都度ロケットを打ち上げていたのでは
効率が悪く、採算がとれるものではありません。
軌道エレベーターが実現すれば、恰も電車で移動するように
宇宙に行けるようになるわけです。
この軌道エレベーターのことをヒロシが知ったのは
アーサー・C・クラークの SF 小説『楽園の泉』でのこと。
この小説はその軌道エレベーターの設計から運用開始に至るまで
一生を賭けた男の物語で、小説の中で軌道エレベーター実現に
必要な条件、技術、素材などが、この作家らしく、
こと細かに記載されています。
この小説が書かれたのは 1979 年で、
当時はあくまでも SF として捉えられていたのだと思いますが、
2012 年、日本のゼネコン、大林組が「宇宙エレベーター構想」を
発表しました。
大林組では、2050 年の運用開始を目指して研究・開発中で、
軌道エレベーターは実現可能な段階に入って来ているわけです。
次の写真は大林組の「宇宙エレベータ」の特設サイトからです。


1枚目が地上 36,000 km のところにある静止軌道ステーション、
2枚目が地上にあるアース・ポートで、
ここからエレベーターに乗って宇宙空間に出るわけです。
大林組のサイトを見ていてなるほど、と思ったのが、
静止軌道ステーションと地上を結ぶケーブルはその間で終わり、
ではなくて、更に静止軌道ステーションの上空に延び、
地上から 96,000 km のところに「おもり」があることです。
なるほど、大気圏の内側は風やら雨やら変化が激しいですから
軽い素材でできたチューブはその影響をモロに受けることに。
こうしたおもりを設けることで、その影響を軽減し、
エレベーターを安定して運用できるのだと理解しました。
こうして、我々が簡単に宇宙に出ていくことができる機会は
より現実的なものとなってきているわけで、
僕の組曲の2曲目はその軌道エレベーターの運用開始の
記念式典の模様を音楽で表現したものなのです。
記念式典なので、ブラスによるファンファーレがメインですが、
そうそう、この曲は Jupiter 8 と Juno 106 だけを使って
オーケストラサウンドを再現する、という試みでもありました。
そして、エレベーターが上へ上へと上昇する表現として
無限音階=シェパード・トーンを使っています。
曲の冒頭からブーンと高い音に向かって上昇する音が
聞こえてくると思いますが、
どんどん無限に上昇しているように聞こえませんか?
目の錯覚を利用した理髪店にある赤・白・青のサインポール同様、
これは耳の錯覚を利用してそのように聞こえるのですけれどね。
2曲目の「軌道エレベーター」という曲には
こんな背景があったわけです。
この曲を含めたライブ全体をお楽しみ頂けると幸いです。^^






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