2024年12月8日日曜日

【技術情報】 今更ですが、PBR って何?〜その4・リフレクション・プローブの使い方

「PBR って何?」という自分自身の疑問から始まったこのシリーズ、
漸く「リフレクション・プローブ」に辿り着きました。
本当は自分自身はあまり PBR マテリアルなんて
扱えそうにないので、個人的にはこのリフレクション・プローブが
面白いな、と思ってこれを中心に記事を書く予定だったのですが、
やっぱり変わった点について一通り書かないとと思ったら
これが一番最後になってしまいました。w

"Reflection Probe" という英語はわかりづらいです。
"Reflection" は「反射」で、"Probe" は「探査、探査機」のことで
直訳すると「反射探査」ってさっぱり意味がわかりません。www
ここでの「探査」とは、プログラムが自分の周りに
どのようなオブジェクトがどの位置にあるかを確認して
その風景を中に配置されたオブジェクトの反射に利用する
ということのようです。

早速やってみましょう。
次の写真に2つの球体が写っていますが、奥の方が PBR
手前の方が Blinn-Phong のマテリアルのものです。
そう、リフレクション・プローブは、PBR だけでなく
従来の Blinn-Phong にも使えるというところがいいですね!

241208a

これ、PBR マテリアルの方は、「Texture」タブの
「Alpha」のモードが「Blend」になっています。
こうするとオブジェクトの表面にプローブが読み込んだ景色が
映り込むようになります。
1回目でも書きましたが、リフレクション・プローブには
自分が自由に設定できる「マニュアル」と
リンデンが SIM ごとに設定している変更不可の「デフォルト」があり、
ここではデフォルトの空が映り込んでいます。
室内なのに空が映り込むってヘンですよね?
そこで自分専用のマニュアルのプローブを作ることになります。

上の写真にあるように、まず木箱でも球体でも
何か適当にオブジェクトをレズします。
そして「特徴」タブの下の方にある
"Reflection Probe" にチェックを入れて、このオブジェクトを
リフレクション・プローブに変換します。
すると次のような警告が出ることがあります。

241208b

これは「オブジェクトをリフレクション・プローブに
しようとしていますが、本当に大丈夫ですか?」という確認です。
なので黙って「OK」します。

すると最初の写真にあるように、オブジェクトは透明になります。
そして、リフレクション・プローブのの形を
「立方体」にするか、「球体」にするかを選べるようになります。
通常は、広い空間にリフレクション・プローブを設定する場合には
「球体」の方を選び、
部屋のような四角い空間に設定する場合は「立方体」を選びます。
今は部屋に設定したいので「立方体」の方を選んでいます。
そして下にある "Dynamic" は、反射する風景に
アバターを映り込ませたいかどうかで、チェックを入れると
アバターが映り込むようになります。

241208c

さてここからリフレクション・プローブの大きさを
修正していくことになるわけですが、編集を始める前に、
「一般」タブで自分にわかりやすい名前に変更しておくことを
お勧めします。
というのは、オブジェクトをリフレクション・プローブに
変換した時に透明なファントムになってしまったわけですが、
実はこれ、一度編集を終えてあとで修正しようと思ったり
或いはリフレクション・プローブを削除しようと思った時、
透明なものを表示させてもリフレクション・プローブだけは
選択できないのです。
そこで僕の場合は、Firestorm の「エリアサーチ」の機能を使って
リフレクション・プローブを検索結果から選択しています。
併せて、画面右上の "Select Reflection Probes" のオプションにも
チェックが入っていることを確認しておいて下さい。

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チェックが入っているとリフレクション・プローブは
黄色い枠で表示されます。
この枠を確認しながら、今回のような部屋の場合は写真のように
部屋を取り囲む大きさにまで引き延ばすことになります。

これでマニュアルのリフレクション・プローブが設置できたはず、
なのですが、相変わらず2つの球体には空が映っていました。
あれれ? と思って気づきました。
マニュアルのプローブを使うには「環境設定」が必要なのですね。

241208e

まず、環境設定の「グラフィック」タブで左側にある
"Reflection Coverage" で "None" 以外を選びます。
"Manual only" は自分のリフレクション・プローブを反映、
"Manual & terrain" は自分のプローブ+地面が映り込む、
"Full scene" は環境にあるものを全部映り込ませるようですが、
これは使ったことないのでどうなるのかわかっていません。

241208f

次に、"Reflection Detail" で "Static Only"、"Static & Dynamic"、
"Realtime" の何れかを選択します。
"Static Only" は動かない静物だけが映り込むもの
"Static & Dynamic" はそこにアバターも映り込むもので、
これはある一定の間隔で更新されるようです。
となれば "Realtime" は勿論、リアルタイムで更新するもので、
1フレーム毎に更新ということですので、
これを使うとリアルにはなるでしょうが、
PC はメチャメチャ重くなると思います。(やったことない)

241208g

こうして環境設定を変更したら無事に部屋の様子が反射しています。
"Dynamic" にしてみましたので、
自分がオブジェクトを選択している姿が写り込んでますね。w
これでリフレクション・プローブが使えるようになるわけです。

この他にも PBR 機能としては、PBR Sky, PBR Terrain といった
空や地面の様子も物理的に正しく調整できるようですが、
調整が難しいのと PBR 以前に戻せなかったりするようなので
僕はビビって試していません。w
なので、この PBR マテリアルのシリーズは
一旦これで終わりにしたいと思います。
4回にわたる長い話にお付き合いありがとうございました。

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