2025年9月2日火曜日

【イベント】 今年の Burn2 は 10/17(金)~10/26(日)開催決定!

ご無沙汰してます。ヒロシです。
前に、今はやっていることがあって SL にインすることも
こうして日記を書くことも難しいようなことを書きました。
今、抱えていた案件が2つ片付きましたので
漸くホッとして何かをやろうという心にゆとりができたところです。

と思ってカレンダーを見ると、何ともう9月ではないですか!@@
9月と言えば僕の中では10月の Burn2 の準備を
始めないといけないタイミングなので
焦って Burn2 のサイトを確認しましたよ。
期待通り、既に今年の Burn2 の予定は決まっていて
PDT で 10月17日(金)~10月26日(日)とのこと。


まだミュージシャンや DJ の募集は始まっていませんが、
既に皆さんがアート作品を展示したり
やイベントを催したりできるキャンプ会場の販売は始まってます。
ご関心のある方は是非上のリンクをクリックして
"Plot Sale Info" のアイコンから案内をご覧下さい。

さて、今年のアートテーマは、ちょうど日本時間で
今朝までやっていた RL のバーニングマンと同じ
"Tomorrow Today"――「明日へ向かう今日」といった
ニュアンスでしょうか、
夢のような未来も、最近の SF にありがちなディストピアも
ただ向こうからやって来るのではない。
今日をどう生きるかで、自分たちの夢に描く未来を
実現することができるのだ、という
とてもポジティブかつ現実的なメッセージです。
以下ご紹介しますが、例によってヒロシによる自由訳ですので
原文を確認されたい方は次のバーニングマンの
公式サイトをご覧下さい。


     *   *   *

明日へ向かう今日


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Courtesy Mike Hampton, The Burning Man Official Site


ーー私はもう自分で変えることのできないものは受け容れていません。私は自分が受け容れられないものを変え続けているのです。
アンジェラ・デイヴィス

2025年のバーニングマンは、未来というものの新しいあり方を想像し、私たちがみんなで集まって行動してそれを実現する、そんな経験へと皆さんを誘うものです。科学の進歩だけでなく、文化交流と芸術の卓越性を称えた前世紀の万国博覧会の熱狂的な精神を受け継ぎ、2025年版のブラックロック・シティは、芸術とイノベーションというバーニング・マンの地球規模の文化を披露する場となるでしょう。それは、私たちがこれから迎える未来への夢を描き、発明し、試作し、最高のアイデアを共有する場となるのです。

未来というものを自分自身に語る物語と考えると、二つの筋書きが多くの人々の想像を占めているように思えます。一つは、テクノロジーに支えられたユートピアというモダニズムのハッピーな寓話、もう一つは、ディストピアとして描かれる崩壊というポストモダンの神話です。前者は、ここのところ急速に信じ難くなって来ています。というのも、それが持続不可能な基盤の上に築かれていることを今や私たちみんなが知ってしまったからです。また、後者についても私たちはその可能性を考えたくはありありません。それはそこでは誰も生き残れない悲劇だからです。

しかし、どんなに不確実であっても、未来は私たちにとって依然として現実のものとして感じられます。それが私たち皆が、遅かれ早かれ生きることになる時間であり、空間であるからです。それはあなたにとってどのような未来でしょうか? 私たちにとっては? 私たち皆にとっては? もし未来の自分に話しかけることができるとしてら、あなたは何と言いますか? そして、その未来の自分からどんな話を聞きたいですか? 今のあなたは未来にあなたにとって、どのような先祖になるのでしょうか?

バーニングマンは今日、単なるイベント以上のものとなっており、またその地球規模の文化は強く健全です。しかし、私たちの存在が世界や日常生活に広がっていくにつれ、私たちは自分たちが世界から隔絶して生きていると考えるような贅沢は最早許されないのです。世界の問題は私たちの問題であり、また私たちの問題は世界の問題でもあるのです。壊れたものすべてを直すことはできないかもしれませんが、より良いものを築くことはできるかもしれません。今こそ未来を取り戻そうではありませんか!

――未来は存在しない。存在するのは今と、過去に起こったことの記憶だけだ。しかし、人間は未来という概念を発明したがゆえに、今日の行動によって未来に影響を与えることができると気づいた唯一の動物なのだ。
デヴィッド・スズキ

ほとんどの生物は、終わりのない現在、あるいはより正確には、処理の遅れによって過去のほんの一瞬の時間を生きていると言っていいでしょう。しかし、更新世のどこかで、より賢い一部の類人猿が時間というものを概念化し、実際には存在しないものを心の中で形造る能力を発達させたのです。未来とはそうしたものの一つで、それは有用でしたが、それほど有用とも言えませんでした。なぜなら、物事というものは殆どの人々にとって、非常に長い期間にわたってほとんど変化しなかったからです。そして数百年前、変化のペースは突然、ゼロから目もくらむほどに加速したのです。電灯! 室内配管! エスプレッソマシン! やがて、ゆっくりとした進歩は、今日私たちが知っている全力疾走へと変わり、未来という概念が再び注目を集めるようになった。

後に万国博覧会と呼ばれるようになる最初のものは、1851年のイギリス万国博覧会でした。この博覧会では、初期のファックス機など、最先端技術が披露されました。20世紀までに、この先端技術を駆使した未来像は西洋文化の神話の一部となり、「黄金時代」SFの空想的な散文に補完され、映画、テレビ番組、テーマパークを通して大衆文化に具現化されました。そしてもちろん、広告もその一つでした。万国博覧会は、遅かれ早かれ誰もが欲しがるであろう新進気鋭の製品のお披露目パーティーでした。振り返ってみると、モダニズムの未来神話は、何よりもまずマーケティングの物語のようでした。それは、セクシーなロボットや空飛ぶ車が登場する魅力的な物語でしたが、しかしなお、終わりのない成長と無限の資源という、持続不可能な基盤の上に築かれていたのです。

――ユートピアへの道の途中で、未来はガス欠になったようだ。
ラリー・ハーヴェイ

「ディストピア」という言葉は何世紀も前から存在し、元々はトマス・モアの夢想的なユートピアに対する皮肉として対比的に造られた言葉です。が、文化的な観点から見ると、ジョージ・オーウェルがその著『1984年』を出版するまでは、それほど大きな話題にはなりませんでした。この作品は、永続的な戦争と監視社会を描いた暗い物語です。こうして、惑星の破滅、社会崩壊、そしてAIによる殺人ロボットといっ​​た、ポストモダンの未来神話が誕生したのです。

永遠の進歩を謳うモダニズムの物語と、不可逆的な破滅を謳うポストモダンの物語、この二つの神話構造の文化的重みを理解することが重要です。先を予見するということは、時と共に次第に深化し、より正確なものになっていくものの、常に欠けたところがある不完全なものです。私たちが心に生み出すあらゆるモデルがそうであるように、先見性とは定義上不完全なものです。そして、怠惰な人間計算機である私たちは、大衆文化から吸収したミームをそこに入力してしまうのです。ちょうど、人生の意味とは猫の動画のことである、と結論づけた有名な AI のように、ディストピア的な考え方に十分曝されて来た私たちは、ゾンビは実在するとどこかで信じ始めているのかもしれません。

完璧だが実現不可能なユートピアと、誰も望まない恐ろしいディストピアという両極端の間に、未来への第三の道、すなわちプロトピアが存在する。作家であり未来学者である(そして長年のバーニングマン参加者でもある)ケビン・ケリーは、着実な進歩に基づく未来、つまり今日よりも良くはなるが完璧ではなく、そして挫折も伴う未来を描写するのにこの言葉を生み出したのです。それは貪欲や絶望に基づくものではなく、ゆっくりと、一歩ずつ、すべての人にとって世界をより良くしていくための努力に基づくものです。言い換えれば、バーニングマンの世界で私たちが奨励し、重視している反復的なアプローチによく似ていると言えます。

――振り返ってみなければ、1%の違いは分からない。でも1%ずつ100年間続ければ。それは大きな違いだ。
ケヴィン・ケリー

バーニングマンはユートピア社会ではないし、そもそもそう意図されたものでもありません。しかし、バーニングマンは影響力のある文化運動であり、社会実験であり、新しい解決策のプロトタイプを作るための他にはない機会となっています。持続可能性ロードマップ10年間の折り返し地点を迎えた今、私たち自身、環境、そして「燃やす」ために必要な資源との間に、より調和のとれた関係を築くにはどうすればよいかを考えるにはちょうどよい時期です。私たちは、プロトピアニズムの精神に基づき、今後数十年にわたり深刻化する気候危機に直面しながらも、人類が生き残り、繁栄するための方法を模索しています。私たちの強みは、私たちの精神、すなわち共同体の力、ポジティブな痕跡を残すことへのコミットメント、そして何よりも「心を開く行動を通して世界を現実のものにする」という参加の原則にあります。

今年のブラックロックシティイベントは、万国博覧会の希望に満ちた精神に再び火を灯すことを目指します。その原動力となるのは、消費主義ではなく、互いに学び合い、より良い未来に向けて共に前進していくという共通の関心です。アーティスト、キャンプ主催者、そしてあらゆる分野の文化貢献者の皆様には、プロトピア的な未来へのビジョンをお持ちいただくようお願いいたします。私たちが直面している課題の多くは地球規模のものですから、世界中のバーニングマン・コミュニティの皆様には、ブラックロック・シティであれ、世界各地での地域活動であれ、この取り組みにご参加いただくようお願いいたします。

昨今、心が折れるような出来事は絶えません。私たちのイベント、私たちの社会、そして地球そのものが、かつてない困難に直面しています。しかし、私たちは行動力に富み、行動力のある集団です。行動を起こさないではいられない、豊かな能力が集まった集団なのです。ですから、未来を想像するとき、あなたはその中でどのような役割を果たすでしょうか? あなたはどのような人物としてそこに現れるのでしょうか? ヒーローとして、それとも犠牲者として? 私たちが想像する未来がどのようなものであれ、それは私たちの方にやって来るものではありません。それは、私たちが自ら出かけて行き、実現させていくものなのです。

     *   *   *

そう、今、 AI の問題とかがやかましく言われる今、
カーボンゼロに向けた取り込みも問題があると言われる今、
科学の進歩がユートピアよりディとピアに向かっているように
見えてしまっている今、
ケヴィンの「プロとピア」という考えは説得力があります。
小さな一歩一歩でも、よりよい世界、
誰もが豊かで幸せに生きていける未来を
僕らは作っていくことができる――思い返せば、
自分が 2007 年に SL を始めたのも、それまで難しかった
世界中の人々と、仲間と繋がっていければ
そんな社会、世界は実現できると感じてのことでした。
Burn2 ではこれまでいろんなテーマがありましたが
僕にとって今回のテーマは最も腹落ちのするものです。
まだライブの日程は決まっていませんが、
このテーマを表現するような楽曲を準備しますので
是非皆さん楽しみにしていて下さい。
よろしくお願いします。

2025年7月27日日曜日

静かなレズデー

今日7月27日はヒロシのレズデーでした。
今から18年前の今日、暇を持て余して SL にサインインしたのが
全ての始まりなのでした。

当時を懐かしみつつ、もしかして Orientation Island とか
以前はコピーが本番の方にも置いてありましたので
今もあるかな? と思って行き先ガイドで探したら
さすがになくなっていましたね。
とは言え、新人向けの SIM の中に Melting Dots が残っていたのは
大変嬉しかったですねぇ。
今もあるんだなぁ、と。
かつてお世話になった方も多いことと思います。

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そして!
懐かしの場所を探していたら、AM Radio さんの
The Far Away を見つけましたよ。
アメリカの昔懐かしい風景ーーこの場所が好きで
昔よく訪れたものでした。
いろいろともの作りの参考にもさせて戴きましたよ。
よくこんな雰囲気のあるもの作れるなぁ、って。

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さて、昔を懐かしむだけじゃなくて、
本来だったらレズデー・ライブをやるべきところなんですが、
このところいろいろありまして、皆さんには申し訳ないことに
今はライブをやる心のゆとりのようなものがないのです。
きっとまた10月には Burn2 やデビュー18周年記念ライブとかは
やるつもりでいますのでそれまで暫くお待ち下さい。

その代わり、と言ってはなんですが、
随分前に作りかけていてそのままになっていた曲に着手しました。
「スノウ・クラッシュ」という曲で、
勿論、メタヴァースの語源ともなったニール・スティーヴンスンの
SF 小説をテーマにした曲です。

SL をやっている人には SF 好きの方も多いと思いますが、
一時こじゃさんと僕とでそれぞれお気に入りの作品に
作曲するようなことをやっていて、
僕は「スノウ・クラッシュ」を選んで、確か SL6B だか SL7B だか
その曲をやったんですが、歌詞が間に合わなかったし
いろいろ中途半端な状態での発表になりました。
ライブに来て下さった方には「雰囲気あるな」とか
言って頂きましたけれども、本人的には全く満足してなくて
いつかやり直そうと思いつつも、やっぱり詞が書けない。
で、この週末に久しぶりに思い出して書き始めたら
何と、はい、漸く詞がまとまりましたよ。
で、レズデーの今日の日曜日、曲の大体がまとまりました。

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とは言え、ノリで作ると大体後で後悔することになるので、
暫く寝せてから完パケする予定です。
皆さんにお聞かせできるのはいつの機会になるか。。。
今日のところはその詞だけお目にかけることに致します。

     *   *   *

Snow Crash

words by Hiroshi Kumaki

You’ll never know how much you really mean to me
Me, I used to think I was a lone wolf to be free
I used to think I could do anything on my own 
Until I met you, until you found another side of me I’d never known

Ooh, you make me understand what I’m really meant to be
Ooh, you make me understand what I got to do, dear
You’ll never know you’ve changed everything about me 
With you by my side, there’s nothing to fear

Now our world is gonna fall apart
With a sword in my hands, with you in my heart
I’ll stand and fight before the time runs out
Before your sight and mind get caught in a whiteout
By the snow crash, snow crash…

<訳詞>

君の存在が僕にとってどんなに意味のあるものかわかりはしないだろう
僕はと言えば、自由の身でいたくて一匹狼を気取っていたものさ
何でも自分一人でどうにかなる、そんな風に思ってた
君に逢うまでは 君が僕も知らない自分を見つけてくれるまではね

そう 君は僕が何のために生まれて来たのか教えてくれたのさ
そう 君は僕が今何をしなければいけないかを教えてくれたのさ
君に出逢ったことで いろんなことが変わってしまったよ
君が側にいてくれるだけで 僕には怖いものなんて何もないのさ

今 世界がバラバラに崩壊しようとしているこの時に
両手に日本刀を握り締め 心に君を感じながら
僕は起ち上がり 闘う 時間切れになる前に
みんなの目や心が真っ白で空虚なものになってしまう前に
スノウ・クラッシュにやられる前に スノウ・クラッシュに

     *   *   *

まぁ、こんな感じで18回目のレズデーを迎えたヒロシです。
今後ともどうぞよろしくお願いします。m(_ _)m

2025年7月6日日曜日

【SL22B】 ヒロシの SL22B ライブ訳詩集~その2

SL22B ライブから早1週間が過ぎました。
翌日にご来場頂いた皆さんへのお礼と
ライブで使った詩の紹介をこの日記でさせて戴きましたが、
その時、一つ書くのを忘れていました。
歌ではなく、僕が朗読した韓愈の「獲麟解」のことです。
今日はそれについて書いておきます。

これは唐代の文人韓愈によるものですが、
僕がこの文章に出会ったのはアルゼンチンの作家
ホルヘ・ルイス・ボルヘスのエッセイの中だった、
というのは前回お話しした通りです。
その「カフカの先駆者たち」という文章、折角ですので、
スペイン語から訳したものをここにお目にかけておきましょう。

   ボルヘス「カフカの先駆者たち」より

かつてカフカの先駆者を調べようと計画したことがある。はじめ私は、彼のことを修辞的な賛美の世界に現れた不死鳥のように、他には類のない、1回きりの特異な存在だと考えていた。しかし、何度も彼を訪ねているうちに、やがて私は様々な時代の様々な文学のテキストに、彼の声や習慣を認めることができると思うに至ったのである。そこで、ここにそのいくつかを時系列で記録しておこうと思う。……(中略)……

2番目のテキストは、たまたま出会った本で見つけたものだが、カフカとの類似性はその形式ではなく、その語り口にある。これは 9 世紀の散文作家・韓愈による寓話で、マルグリエの素晴らしい著書『中国文学論集』(1948 年)に掲載されているものだ。自分が印を付けた、神秘的で静謐な一節はこうだ。

「麒麟は超自然的な存在であり、吉兆をもたらすことは広く認められている。これは、頌歌、年代記、偉人の伝記、そして権威が疑う余地のないその他の文献によって明言されていることだ。村の子供や女性ですら麒麟が吉兆であることは知っている。しかし、この動物は家畜として扱われておらず、見つけるのも容易ではなく、分類も容易ではない。つまり、馬や雄牛、狼や鹿とは違うのだ。そのような状況では、自分の目の前に麒麟がいても、それが何なのか確信を以て知る事はできぬであろう。鬣(たてがみ)のある動物は馬、角のある動物は雄牛であるということはわかるのだが、麒麟がどのような姿をしているのか、我々は知らないのだ。」


ライブでは、このかっこの付いた引用部分を
原語のスペイン語で読み上げたわけです。
いかがでしょう?
確かに、カフカの文章が持つ不条理な響きが
ここには感じられるではありませんか。

そして、曲の後半は、韓愈の原典に当たって、
中国語でもよかったのですが、日本人に馴染みの深い
漢文の訓み下し文として全文を読み上げました。
では、その訓み下し文の全文をどうぞ。

   韓愈「獲麟解」

麟の靈たること、昭昭たり。詩に詠じ、春秋に書し、傳記、百家の書に雑出す。婦人小子と雖も、皆、其の祥たることを知るなり。然れども麟の物たる、家に畜はれず、恆(つね)には天下に有らず。其の形たるや類せず、馬牛、犬豕(けんし)、豺狼(さいろう)、麋鹿の若く然るに非ず。然らば則ち、麟有りと雖も、其の麟たるを知るべからざるなり。角ある者は、吾、其の牛たるを知るなり。鬣(たてがみ)有る者は、吾、其の馬たるを知るなり。犬豕、豺狼、麋(び)鹿(ろく)は、吾、其の犬豕、豺狼、麋鹿たるを知るなり。麟たるや知るべからざるなり。知るべからざれば則ち其の之を不祥と謂ふや亦た宜なり。然りと雖も、麟の出ずるや、必ず聖人位に在る有り。麟、聖人の為に出づるなり。聖人は、必ず麟を知る。麟は之れ果たして不祥たらざるなり。又、曰く、麟の麟たる所以は、德を以てし、形を以てせず。若し麟の出づること聖人を待たざれば、則ち之を不祥と謂ふや亦た宜なりと。


いきなり難しい感じになってしまいますね!w
とまぁ、今回のライブはとっても文学的な内容になったなぁ、と
思い返しているところであります。

2025年6月29日日曜日

【SL22B】 ヒロシの SL22B ライブ訳詩集

さて、今年の僕の SLB ライブは終わったわけですが、
今回のライブの歌ものはシュメール語あり、古ノルド語ありと
まぁ、皆さんには耳慣れない言語に溢れていましたので、
ご参考までに歌っていた内容の日本語訳をお届けします。
どちらかと言うと、僕がこれらの日本語訳に接して
素晴らしい表現の数々だと感銘を受け、
原語に曲を付けたものとなっているわけですが。

それではまず2曲目『リグ・ヴェーダ』から「宇宙開闢の歌」、
全部で7節ある詩から1、2、6、7節に作曲しています。
次の訳は、岩波文庫に入っている辻直四郎さんのものです。

   宇宙開闢の歌

そのとき(太初において)無もなかりき、有もなかりき。
空界もなかりき、その上の天もなかりき。
何ものか発動せし、いずこに、誰かの庇護の下(もと)に。
深くして測るべからざる水は存在せりや。
 
そのとき、死もなかりき、不死もなかりき。
夜と昼との標識(日月・星辰)もなかりき。
かの唯一物(中性の根本原理)は、自力により風なく呼吸せり(生存の徴候)。
これよりほかに何ものも存在せざりき。

誰か正しく知る者ぞ、誰かここに宣言しうる者ぞ。
この創造(現象界の出現)はいずこより生じ、いずこより来たれる。
神々はこの世界の創造より後なり。
しからば誰が創造のいずこより起こりしかを知る者ぞ。
 
この創造はいずこより起こりしや、そは誰によりて実行せられたりや、
あるいはまたしからざりしや——
最高天にありてこの世界を監視する者のみ実にこれを知る。
あるいは彼もまた知らず。


続いては5曲目「人間の創造」。
こちらはちくま学芸文庫に入っている
『シュメール神話集成』からで
杉勇さん、尾崎亨さんの訳になります。

   人間の創造

そなたたちは(さらに)いったい何を変革するのか。
そなたたちはいったい何を創ろうというのか。
偉大な神アヌンナキたちよ、
そなたたちはいったい何を変革しようというのかね。
何を創るのかね。」
そこに居る大神、
運命を定める神々アヌンナキたち、

作曲したのはこの部分ですが、このあと更に

そのうちの二人がエンリルに答えていう
 「『天地の紐」にあるウズムアにおいて
あなた方は二人のラムガ神を殺して、
彼らの血でもって人間を造るのです。
(今まで) 神々が(になってきた)仕事は(今や) 彼ら(人間)の仕事でありますように。 

と続き、アヌンナキと呼ばれた神々を仕事をさせるために
人間を創ったことが描かれています。

続いては6曲目「ユグドラシル」は、
これもちくま文庫の『エッダ・グレティルのサガ』所収の
「巫女の予言」からの抜粋で、松谷健二さんの訳になります。

   巫女の予言

とねりこユグドラシルがそびえるのが、私には見える。かがやく霧につつまれ、天をつく樹が。谷間に降る霧はここに生まれ、常緑の樹はウルドの泉のほとりに立つ。

これはおわかりか、次には何を知りたいか。

初めてこれを読んだ時、
「これはおわかりか、次には何を知りたいか」という
不思議なリフレインがおもしろかったのを覚えています。
今回この不思議な感じを出すのに半音階で表現してみました。
お気づきになった方もいらっしゃると思いますが、
「これはおわかりか」以外の部分は
これもバッハの『平均律』から第24番のフーガを引用しています。

最後に日本代表として『ホツマツタヱ』から「アワの歌」です。
MC でもお伝えしましたが、日本語では「ア」は天を意味し、
「ワ」は大地を意味します。
「ア」に始まり「ワ」で終わるという五十音の一つ一つが
この宇宙、生命のあらゆる現象を表現しており、
「アワの歌」を歌うことで身も心も整うというのが
『ホツマツタヱ』の教えなのです。

   アワの歌

アカハナマ イキヒニミウク
フヌムエケ ヘネメオコホノ

モトロソヨ ヲテレセヱツル
スユンチリ シヰタラサヤワ

アウワ

最後の「アウワ」は『フトマニ』という占いの書に書かれた
「モトアケの図」の中心に書かれた3つの音です。
この3つの音が宇宙の中心を表すわけですが、
これ、何となく「ア・ウ・ム」の3つの音が
同じく宇宙の中心を表す古代インドの思想に通じるものがあると
僕は感じています。

【SL22B】 SL22B ライブ、ありがとうございました!

昨晩のヒロシとしてはとっても久しぶりの SL22B ライブ、
多くのみなさんにお越し頂き、ありがとうございました!

いやぁ、昨晩は久しぶりの SL ライブということもあり、
ストリーミング用の Mac の OS やアプリが変わったこともあり、
曲はいつもより尺の長い 50 分に及ぶこともあり、
なのに、次の時間帯も別のアーティストの方が入っていて
ケツカッチンで終わらなければならないこともあり、
更には、今回トップで前の時間帯に誰もいないのに
新人のスタッフがなかなかストリームを切り替えないこともあり、
メチャメチャなプレッシャーの中でのライブとなりました。

それもあって、今回の MC は曲ごとではなく、
何曲かまとめて短めに話すことにして、
あとは曲と曲の継ぎ目で曲のタイトルだけ喋るとか、
そんな感じのスタイルで進行しました。
で、時計を気にするあまり、あとで気づいたのですが、
MC は殆ど英語で、日本語は殆どなかったですね。
日本のみなさん、ゴメンナサイです。

ライブは、SLB ですので、いつものようにヒロコが歌う
「Happy Birthday Second Life」でスタート、
続いては、宇宙や地球の始まりに関する曲を
これは過去に演奏したことのあるものから
リグ・ヴェーダの「宇宙開闢の歌」、「ビッグバン」、
そして「カンブリア大爆発」の3曲を演奏。
「ビッグバン」は昨年の「四大元素」の時の再演ですが、
大爆発が起こった瞬間、「光あれ!」という声が
古代のヘブライ語で響き渡るようにしました。
また、「カンブリア大爆発」はバッハの『平均律』の
前奏曲第2番に載せていろんな種類の生命が蠢く様子を
表現しているのですが、前回やった時よりも「パポピポ」という
冨田勲さん風のオッサンボイスの発音が明確になるように
調整してみています。
Vocaloid や Synthesizer V で自由に歌声を作れる時代だからこそ
敢えてシンセで声を作るというのが楽しかったりします。

続いては、楔形文字で残されたシュメール文献から
「人間の創造」に作曲したもの、
同じく北欧神話の『エッダ』から「巫女の予言」に作曲したもの、
更に日本の『ホツマツタヱ』に記された「アワの歌」に
作曲した3曲を続けて演奏致しました。
何れもなかなか不思議な音空間になったのではないかと思います。

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             Courtesy by Sin Nagy

そして後半、麒麟と龍という伝説の動物を取り上げました。
MC では英語で喋ったのですが、この2つの伝説的動物について
8世紀唐代の文人・韓愈が書いていて、
日本人にも馴染みの深い『唐宋八大家文読本』ーー最近の
若い方々はあまり触れる機会がないと思いますが、
日本で使われる様々な慣用句はここから出ていたりしますーー
にも入っているのですが、私の場合は何と、アルゼンチンの作家
ホルヘ・ルイス・ボルヘスの散文全集をスペイン語で読んでいて
「カフカの先駆者たち」という文章の中で韓愈の「獲麟解」が
スペイン語で引用されているのを読んで、
改めて原典を読み直したという経緯があります。
なるほどこの中国の古い文章はカフカ的であり、ボルヘス的です。
今回「神話と伝説」というテーマで真っ先に思い出したのが
この文章だったので、今回ボルヘスのスペイン語による引用と
日本語の訓み下し文をナレーションにして作曲していみました。
僕の中での麒麟は、やっぱりキリンビールのラベルにある
あのイメージで、ピョンピョン跳ねるイメージなので
ポーン、ポーンと上昇する音からこの曲は作っていきました。

龍については、ケルパさんの展示「龍の巣」に着想を得て
龍の巣に入っていくイメージを音にしてみましたが、
いかがでしたでしょうか?
最初はもっとテンポのよい踊れる曲で考えていたのですが、
あまりに軽くなりすぎてしまったので、
最終的に重たいサウンドスケープのような感じになりました。
ケルパさんのお気に召したかどうかが不安なところ。^^;

重たいサウンドスケープのあとは、最後の曲としてテンポのよい
「Time to Love (Nest of the Dragon Mix)」で締めました。
これもケルパさんの「龍の巣」に絡んでいることは
皆さんもご存じの通りです。

こうして何とか 55 分でステージを終えることができました。
この模様はしんさんが録画してくれていて
YouTube の Hole Shot TV でまだ暫く観ることができますので
昨日いらっしゃれなかったかも、いらして頂いた方も
是非お楽しみ頂ければと存じます。
URL は下にある通りです。

最後に、改めてご来場頂いたみなさん、
YouTube から応援して下さった皆さん、ありがとうございます。
そしてお忙しい中ステージと照明を担当して下さったケルパさん、
YouTube で中継・録画して下さったしんさん、お疲れ様でした!
またいつかどこかで楽しい時を共に致しましょう。

■Hiroshi Kumaki SL22Bライブ: Myth and Legends Revisited
 ・日時:2025年6月28日(土)23:00~24:00
 ・会場:SL 22B - Astral Athenaeum (Auditorium)
 ・舞台/演出:Kerupa Flow
 ・YouTube 中継/録画:Sin Nagy (Hole Shot Live TV)
  

<セットリスト>

1. Happy Birthday Second Life (w/ヒロコ)
2. 宇宙開闢の歌(w/ヒロコ)
3. ビッグバン(宇宙創成はじめの3分間)
4. カンブリア大爆発(バッハ『平均律クラヴィア曲集』より)
5. 人間の創造(w/ヒロコ)
6. ユグドラシル(w/ヒロコ)
7. アワの歌(w/ヒロコ)
8. 麒麟
9. 龍の巣
10. Time to Love (Nest of the Dragon Mix)

2025年6月28日土曜日

【SL22B】 いよいよ今晩!~23時からヒロシの SL22B ライブです!

とうとう6月28日(土)がやって来ました!
はい、そうです。
今晩23時から SL22B のステージでライブを行います。
今年のテーマ「神話と伝説」に呼応して
「Myths and Legends Revisited」ーー日本語で言えば
「いまひとたびの神話と伝説」とでも申しましょうかーーと題して
宇宙のはじまりから神話的な世界と伝説的な動物を
音による叙事詩として表現する予定です。
ヒロコも歌で出演しますが、今回は何と
古代のシュメール語による「人間の創造」や
古ノルド語による北欧神話の原点『エッダ』も歌われます。
摩訶不思議な音の響きに、ケルパさんのステージと照明が
ビジュアルで絡んで来て他では経験できない時間と空間に
身を委ねて戴くことになると思います。
是非、お友だちとお誘い合わせの上遊びに来て下さい。
この時間はどうしてもインできない、という方のために
しんさんが YouTube で中継してくれますので、
是非こちらもでご参加頂けると嬉しいです。
今晩、23時、会場と YouTube でお待ちしておりますので、
どうぞよろしくお願いします。

■Hiroshi Kumaki SL22Bライブ: Myth and Legends Revisited
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 ・日時:2025年6月28日(土)23:00~24:00
 ・会場:SL 22B - Astral Athenaeum (Auditorium)
 ・舞台/演出:Kerupa Flow
 ・YouTube 中継/録画:Sin Nagy (Hole Shot Live TV)

2025年6月22日日曜日

【SL22B】 ヒロシのライブは今週末6月28日(土)23:00から!

さぁ、というわけで、セカンドライフ22歳の誕生日イベント
SL22B がいよいよ始まりました!
ヒロシのライブは今週末6月28日(土)23:00からです。
本当は22:00くらいからがよかったのだけれど、
今年はアダルトステージ以外は23:00スタートということなので
一番早いのがこの時間になります。
テーマはズバリ「Myths and Legends Revisited」
"Revisited" というのは「再訪」という意味の英語ですが、
ヒロシはこれまでも神話や伝説をテーマにした
ライブをやってきてますからね、
過去にやったものの再演も含む今回のステージに
このタイトルを付けてみました。
今回もケルパさん、しんさんにお手伝い頂くので、
きっと素晴らしいステージになると思います。
そうそう、ポスターもケルパさんの展示会場のものを
使わせて戴きました。
会場にあるハープのオブジェを見て、
北欧やギリシャの神話を思い出したからなのです。
音楽ライブにはぴったりでしょ? 雰囲気もあるし。^^

実は、今回のライブ、申し込んだ時から不安だらけでした。
というのも、これまでストリーミングで使って来た Mac が
いよいよ OS のバージョンアップをしないと
いろいろなことでできなくなってしまうので、
仕方なくバージョンアップをしたのです。
正直、問題なく動いているシステムはバージョンアップしたくない
というのが本音で、というのもいろいろ動かなくなるからです。
これまでストリーミングには NiceCast という
ソフトを使っていたのですが、これが新しい OS では動かない。
そこで同じ会社から出ている Audio Hijack という
何ともおっかない名前のソフトを導入、
YAMAHA のミキサーのドライバも最新のものに入れ替えて
昨日漸くストリーミングのテストを行った次第です。
テストは成功、何とか無事に28日の本番を迎えられそうです。

ヒロシにとっては2009年の SL6B に初参加して以来
18回目となる今年の SL22B、一体どんなステージになりますやら!
是非お友だちとお誘い合わせの上遊びに来て下さい。
会場でお待ちしています!

■Hiroshi Kumaki SL22Bライブ: Myth and Legends Revisited
 250622g

 ・日時:2025年6月28日(土)23:00~24:00
 ・会場:SL 22B - Astral Athenaeum (Auditorium)
 ・舞台/演出:Kerupa Flow
 ・YouTube 中継/録画:Sin Nagy (Hole Shot Live TV)