2023年11月7日火曜日

【新作】 ニュー・アルバム『Orchestral Manoeuvres in Second Life』全曲解説〜その4・「夏の哀しみ」

ニュー・アルバム4曲目の「夏の哀しみ」は、
バロック風な雰囲気を狙ったものなのです。
なのでアレンジはヴィヴァルディの合奏協奏曲、
というよりはどちらかというとJ・S・バッハの
「管弦楽組曲(序曲)」のシリーズを意識したアレンジなのです。
この曲のタイトルが "Tristeza de un verano" というスペイン語なのも
何か古〜い時代の雰囲気を出したかったからなのですね。

なんだけれども!

この曲はピアノを使って作曲したわけですよ。
なので、ソロ楽器のメロディはピアノでの効果が出るような
そんなものになっています。
しかし、ピアノってバロック時代にはなかったはず。。。
バッハの『音楽の捧げ物』の「3声のリチェルカーレ」が
フリードリヒ大王の宮廷にあった初期のピアノを即興で弾いて
作られたのでは? なんて推測があるほど。
その直後にバッハが亡くなったのが 1750 年ですからねぇ。
ヴィヴァルディの「四季」を含む『和声と創意の試み』や
『調和の霊感』が発表された頃にはピアノはなかったわけです。

しかも!

バロックを意識して「通奏低音」、即ち、
ベースで示される音に従ってチェバロで和声の伴奏をするという
その手法を持ち込んでいるわけですから、
これ、リアルで演奏するとすると
ステージ上にピアノとチェンバロが並ぶというあり得ない構成!

なので、この曲自体は 2007 年の8月に発表して、
その後 YMB のメンバーと出会ってからそのステージで
演奏してきたわけですが、裏バージョンとして、
よりヴィヴァルディの合奏協奏曲やバッハの管弦楽組曲に近い形で、
「Tristesse française」、即ち「フランス風の哀しみ」という題で
付点のリズムに変えソロ楽器をフルートまたはヴァイオリンに替えた
アレンジが存在するのです!

んで!

管弦楽法を勉強したあとではピアノとチェンバロが同時に出てきて
伴奏も弦だけというアレンジはないよなぁ、と思って
今回のアルバム・リリースに当たっては「フランス風」で行くか!
と思ったのですが、
最終的にはやはりピアノの響きを大切にしたかったのと
SL ではピアノバージョンしか披露したことがありませんので、
変なアレンジ! と思いつつも、最終的にはピアノ版のリリースを
決めたというわけなのです。

今書いた通り 2007 年、つまりオケのアレンジを始めた頃の
未熟な作品ではありますが、今回改めて録音し直して、
作曲者本人としては、「結構いい雰囲気の曲じゃん?」
と思って満足していますがいかがでしょうか?
YMB で演奏した時は結構人気のあった曲と記憶しています。
皆さんも是非いっぱい聴いて頂いて、
更に、シングルでも結構ですのでダウンロード販売で買って頂けると
大変喜びます。w どうぞよろしくお願いします。 m(_ _)m


■Orchestral Manoeuvres in Second Life
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1. 流れよわが涙、と警官は言った
2. 祝典序曲〜naturalway Flow による Music StarMine のための
3. シルクロード
4. 夏の哀しみ
5. ファウンデーション〜SFドラマのテーマ〜
6. レイ・ブラッドベリのための音楽
7. レクイエム (2023年リマスター)
8. レット・ラブ・リング (feat. Hiroko Sweetwater)
9. 流れよわが涙、と警官は言った (feat. Hiroko Sweetwater) [ボーカルバージョン]

定価:アルバム ¥1,528.-/シングル ¥204.-

旧作の情報はこちら。

・1枚目『Songs from a Virtual World』

・2枚目『Sound Cruise in the Metaverse』

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