2009年4月22日水曜日

【レビュー】『世界のイスラーム建築』

僕は SilkRoad SIM で「ゴレスターン」という
モスクのあるイスラーム庭園を運営していますが、
この場所を創るに当たって、ベースになったのは
勿論、僕のイランでの経験や印象、感動ですが、
理論的な背景を与えてくれたのがこの本です。

深見奈緒子『世界のイスラーム建築』 (講談社現代新書)
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イランを初めて訪れた時に買ったガイドブックに
著者の深見さんのコラムがあって、
イスラームの建築や美術に魅せられた僕は、
旅行中、その前後も、何度その文章を読み直したことか!
その翌年にこの本が出版され、
大いなる期待を持ってこの本を購入したことは
言うまでもありません。

この本もまた、著者とイスラーム建築との出会いの本です。
著者は最初、イスラーム建築にさして興味はなかったのだとか。
それがある時の経験を機に、世界中のイスラーム建築を
訪れるようになるというのですからすごいことです。

そんな著者らしく、この本は初期の建築から
歴史を追いながら、しかも世界各地を巡り、
私たちを時間と空間の旅に誘ってくれるのです。
小さい本ながら、イスラーム建築全体について
見渡すことのできる素晴らしい本です。

ただ、欲を言わせてもらえれば、
エスファハーンで強烈な色彩を浴びた僕としては
もっともっとカラー写真を入れてほしかった。
そうすればイスラーム建築の美しさ、素晴らしさが
もっともっとこの分野に関心ない方にも伝わったでしょうに。
講談社さん、カラー写真増やした改訂版を
出してくれないかなぁ。w

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