2009年6月3日水曜日

「表現者が考える”伝える”ということ」〜キラカフェにて

今日もキラカフェに行って参りました。
毎週いろんな方のお話が聞けるのはやっぱりいいですね。

今日は音楽ユニット「ルミノスコープ」のヴォーカルであり、
舞台やナレーションなど、幅広く活躍をされている中川奈美さん
こと Nami Neiro さんのお話で、テーマは
「表現者が考える”伝える”ということ」。



やはり、自分自身が表現者なので、
なるほどー、と感心したり、
うーん、といろいろ考えさせられたりの1時間でした。

おもしろいな、と思ったのは、
表現する、というと、皆自分を出そうと懸命になるけれど、
実は別に無理しなくても、そこにいるだけで
自分というものは表現されている、ということですね。
だから意識的にそれをやろうとすると却っていやらしい。。。

「表現」という日本語ももとは英語の「expression」の訳語ですが、
この言葉、もとは自分の内面にあるものを
「外に出して(ex-)」「はっきりとした形を与える(press)」で、
要は、自分の中にあるものしか所詮は表現できないものなのです。
素人の役者さんとプロの役者さんの違いについても話されていましたが、
恐らく、素人の役者さんにとっては、「セリフ」は、
与えられた、自分の外にあるものであり、
プロの役者にとっては、もう、それは自分の生活の一部になっていて、
「セリフ」なんてものではなくて、自分自身の「言葉」
になっているのかな、なんて考えながら聞いてました。

個人的には、セリフにしろ、朗読にしろ、
意図的に作ったものというのはどうも気持ち悪いですね。^^;
やっぱり、その人の今の状態、素の状態がそのまま出ているのがいい。
緊張してる時に「緊張してる。」と言うといい、
という話もありましたが、あれもそうで、
緊張してるのを無理に無視したりするのでなくて、
緊張してる自分を受け入れてあげることで気持ちが楽になるからですね。
それに、自分が感じてることというのは相手も感じているもの。
案外自分が緊張してる時、お客さんも緊張してるかもしれません。
だから、「俺は今日は緊張してるぞー」と言うことで、
相手もリラックスさせる効果もあるんですね。

長くなったけどもう一つ。
これは重要な指摘だったんだけど、
実は表現とは相手が受け取って初めて成立するものだということ。
「そんなつもりじゃなかった」と言っても、
結局は相手が受け取ったことが自分が伝えたことなのですね。
なので、「伝える」というとものすごく能動的な行為に感じるけど、
実は、相手が何を受け取っているか、相手の反応を「聞く」
というのが大事なんですね。

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